コメディ・ライト小説(新)

Re: 初恋は夕陽色。 ( No.11 )
日時: 2017/10/09 12:52
名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)

第4話:予想通り。




 8時半。実は今日は修学旅行の班決めがある。

「じゃあ今から班決め始めるよ~みんな座ってね~」

 このクラスの学級委員はかなと曉だ。だから2人は割と仲がよい。多分。
 基本毒舌な曉も、かなの雰囲気に気圧されて少し緩くなっている気もするし。

「………くじ引きでいいだろ。めんどくせぇ」
「くじ引きでいいと思う人ー!」

 皆あまり班に興味がないのだろうか。私を含め、過半数がくじ引きに挙手した。

「もうくじ引きで決定だね!じゃああまりにも偏りすぎないように私たちで決めるので!皆さん少しお待ちください~」

 教師が作ったくじ引きカードをかなが取ったと同時に。曉と皆川が目線をあわせたような気がした。何やら真剣な顔で。
 ……これって。




「――はーい!決まりましたー!」

 5分後にかなが明るい声で……そして、何やら嬉しそうと言うかにやけついた顔で。

「1班はー、私と啓太くんと恵里ちゃんと樹くんと、…琉香ちゃんと翔くんでーす!」

 やっぱ仕組まれた。かながにやついている時点で予想はしていたけれど。
 そして一気にクラス中が盛り上がる。口笛を吹けないのに無理に吹こうとして何人かが咳払いする声が聞こえた。

 女子男子共によく話す仲の子たちで良かったけれど。やはりこの仕組まれた感が…。

 ちなみに恵里ちゃんというのは白石恵里のこと。高1から同じクラスで、かなの次に仲がよい友達。
 そして樹くんというのは瀬戸樹のこと。かなの幼馴染みのため、何度か話したことがある。

「琉香ー、同じで良かったね」
「…そ、そうね」

 それって2つの意味が込められてるよね…。若干ミステリアスな恵里はあまり顔には出さないから確信は持てないが、おそらく私と一緒になれたというのと、皆川と一緒になれたということを言っているんだと思う。

 まぁとにかく、気を遣ってくれたのなら感謝だ。


○*


「啓太!涼宮さん!ありがとー」
「いえいえ~」
「すげぇ面倒だった」

 班決めが終わった後に皆川が2人に言いに行く様子を見て、あの2人が仕組んだんだと完璧に理解できた。多分皆川と曉が視線で会話していたのもそれなんだろう。
 曉は皆川が私のことを好きだと知っていたらしいし、曉と皆川は結構前からの友達らしいし。それだからその視線の意図を理解できたんだと思う。

「やばいめっちゃ楽しみ!あと3週間後だよね!」

 私たちの学校の修学旅行は北海道へ行く。3泊4日で。
 班はとにかく、私も凄く楽しみだ。