コメディ・ライト小説(新)
- Re: 初恋は夕陽色。 ( No.9 )
- 日時: 2017/10/09 11:32
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
第3話:案の定…。
次の日、私は何気ない顔で学校に行った。するとそこで驚くべき出来事が。
「琉香ちゃんー!翔くんと付き合ってるってほんと!?」
ドアを開くなり飛び込んできたかなの言葉に私はただ驚愕するしかなかった。曉はともかく、かなが知っているのはおかしい。もしかして後でも付けてたのかというほど、具体的な名前も出たし。
「なんで知ってる…」
「啓太くんが言ってた!なんでなんで?」
「曉の野郎……」
すぐ告げ口するんだから。別にこっちは特別恋愛感情を抱いている訳じゃないのに。いや照れ隠しじゃなくてね。
「別に?告られたから付き合っただけ」
「え、好きじゃないの?」
「普通。これから次第」
恋バナとかは苦手だ。一方かなはかなりの浮いた話好き。色々質問攻めされるんじゃないかと思って早いうちに話題を切っておく。
その時、ドアが開いて皆川が入ってきた。
「あ……吉沢さん、おはよ……」
「おはよ」
自分から告ってきたくせに照れてるし。その反応、ますます付き合ってる感じが出るからやめてくれないかな…。
「皆川。ちょっと話が……」
私が呼びかけると、かなの顔が徐々ににやついていくのを横目で発見した。
「にやつくな!」
「しょうがないじゃん~」
かなの反応に若干苛立ちながらも皆川に囁く。
「曉に……あんまばらさないでって言っといてよ」
「…別に良くない?そんなにばらしたくないほど俺のこと好きじゃないん…ですか…?」
「………」
なんか上目遣いされた。
前々から思ってるけど本当この子可愛い。顔も声も。声なんて私より高いんじゃないかってくらいなんだけど…。
「……っ、まぁいいか……」
全く悪気のない笑みを浮かべている皆川に少しばかり腹が立つ一方、何だか気恥ずかしかった。この子、自分の気持ちには一途なくせにこういうところ鈍感なんだろうか。
この様子だとクラス中に知れ渡るというのも過言ではないだろう。
○*
案の定。
「お前と翔って付き合ってんの!?」
「うわ翔リア充~!」
「爆ぜろー!」
皆川と曉が様々な人にばらしていった結果。こうなった。
付き合ってんの、までは良いけど爆ぜろは言い過ぎ。
「そうだよー!ね、吉沢さんっ!」
そしてこの屈託のない笑顔で私に喋りかける皆川。それを聞いた男子たちの冷やかす声……。
「黒板に相合い傘描こうぜー」
調子に乗ってそんなことを言い出す男子の胸ぐらを私は掴んだ。
「調子乗んなよお前。あと黒板は昨日私が昨日綺麗に消したやつだからやめろ。そんなくだらないことに使うな」
この鋭い目つきと高めの身長、低い声で簡単に人を怖がらせられるし、元々口喧嘩や普通の喧嘩にも強い方だ。そういうところが女子っぽくないんだろうけどね。
「…すみません」
「分かればいいよ」
ぱっと手を離す。ここまで威圧すれば多分相合い傘を描くまではしないだろう。
多少冷やかしはするだろうけれど。それくらいなら別に我慢できるし、否定も出来るから。
「……琉香ちゃん。怖いよ…」
「いつものことじゃん、慣れてよもう」
「何に慣れるの!?」
私と違って皆川は沢山の男子から冷やかされるのにも、笑顔で対応していた。
……何だかそれが少し悔しかった。