ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 朱色の戦場 —The Only Easy Day...—
- 日時: 2010/05/04 14:04
- 名前: JYU ◆j7ls9NGWQI (ID: w4zhaU6v)
立て直してみた。結構文章内容変えてます
例によって例のごとく軍事物ですが、出来るだけ分かりやすく、読みやすいようにしていこうと思いますのでご容赦願います
生半可な知識で書いてるんですけどね。いや、本当に
アドバイス等お願いいたします。分からないところがあったら気軽にどうぞ!
気軽に! フレンドリーに! ね!
- Re: 朱色の戦場 —The Only Easy Day...— ( No.12 )
- 日時: 2010/05/16 18:56
- 名前: 樹沙 ◆elL9xUvTdI (ID: teK4XYo.)
†鑑定結果†
・URLのところにタイトルを書くのではなく、文のはじめに書いたほうがいいとおもいます!!!
・数字か漢数字どちらかにしましょう^^
・武器の種類はそこまで細かくなくてもよいかと思います…^^:
・>>11では、7と8がつながってるので放したほうが良いです!!!
・文では指摘するところがありませんでした><
・基本がきっちりとなっています(*´▽`)ノ
アドバイス
・目次を作ったほうが見やすいかと思います><
一言
・文では注意すべき点がありませんでした<(_ _*)>
頑張ってください♪
- 3.The past(3) ( No.13 )
- 日時: 2010/07/19 17:53
- 名前: JYU ◆j7ls9NGWQI (ID: .J9ei1gB)
9.
BUD/Sに挑む誰もが、それを恐れ、萎縮する。地獄の1週間。それが通称「ヘル・ウィーク」と呼ばれるBUD/Sの最初の山場だ。
1週間の訓練の内、水曜2時間、木曜・金曜1時間と睡眠時間は4時間のみ。眠らせない。休ませない。極寒の海に浸からせ、銃声で威圧し、教官は訓練生を極限まで追い込み、その状態を維持したまま凄まじい訓練を行う。このヘル・ウィークでかなりの者が脱落する事は言うまでもない。
この地獄の中で、仲間より自分を優先した物を教官は見抜き、容赦なく蹴落とす。食事は6時間に1回。しかもきちんとした場所で食べ物を味わえるのはその内2,3回程度だ。
ここを切り抜ければブラウンのTシャツ——ヘル・ウィーク突破の証——を与えられ、次なる訓練へと進める。それでも、ダニエル・オズバーンはやる気十分だったのである。
当時の教官はこう語っている。「オズバーンは何時如何なる時も冷静だった。動揺しないし、チーム全体をちゃんと見る。指揮官向きの奴だとすぐに分かった」。そう語っている時の彼の顔はどこか嬉しそうだった。
ヘル・ウィークの3日目になると、脱落者は10人以上に増えていた。水曜日は2時間の睡眠が与えられる。ありがたかった。
だが、一部の物は緊張状態から抜け出せず、10分ほど寝ると起きて周囲を確認、そしてまた寝るという、戦場での睡眠の仕方を無意識のうちに実行していた。
ダニエルもその1人であった。ただ、他の連中と違ったのは、今自分がどういう状況下で、どういう精神状態なのかを正しく把握していた点だ。彼は自分が兵士として成長していくのを実感した。恐ろしいことだとは考えなかった。
一方でアンドレアス・ウォーベックも同じ状態に陥っていた。彼は最初「何故寝られないのか」を考えたが、そのうち気にしなくなった。戦場でぐっすり眠り込むわけにはいかない。こういう癖がつくのは寧ろ好都合なのではないか?
プラス思考は軍人の最大の武器だ。いかなる場合でも士気を落とさず戦い続けられる。やる気が萎えてしまえば、そこでお終いだ。
このヘル・ウィークも、そうだった。これは架空の戦場なのだ。
その3日目に、ダニエルはある友人と話をした。
「俺は駄目かもしれない。お前は頑張れよ」
その友人は言った。ダニエルは眉をひそめた。「やめるのか?」「ああ」短いやりとりだった。だが、ダニエルはその友人が優秀で、才能に満ち溢れていることを知っていた。今はただ、異常な環境に置かれて混乱しているだけだ。自信をなくしてしまっている。本当なら、彼は耐えられるだけの力を持っている。
「いいか」ダニエルは友人の肩に手を置き、一息吸って言った。「やめる、やめないは自由だが、俺はお前と一緒に合格したいと思っている」
友人は俯いた。ダニエルは構わず続けた。「お前ならやれると思う」
彼は悩んでいるようだった。自信をなくした者に対しては、「認めてやる」ことが大切だ。ダニエルは彼に自信を取り戻させようとした。
「きっと、お前はSEALsに必要な人材だよ」
彼は数回頷いて、向こうへ歩いていった。ダニエルは彼がそのままリタイアの意思を示すベルを鳴らしに行くのかと思ったが、次の日も彼は居た。結局、最後まで彼らは一緒だった。
- 3.The past(4) ( No.14 )
- 日時: 2010/07/19 17:54
- 名前: JYU ◆j7ls9NGWQI (ID: .J9ei1gB)
10.
結局、ヘル・ウィークを突破したのは12人だけだった。60人が脱落した。それでも生き残った彼らは、まだ訓練を続けるのである。
さて、非常に簡素ではあるが、彼らの物語の結末を話そう。
この後、潜水、爆破、実銃発砲等の訓練を行う。それらは何れも厳しいものであるが、ここまで生き延びた者達は、最早多少のペナルティでは屈しない。
潜水訓練でデイヴ・ネルソン軍曹が壁にぶつかった。潜水では酸素ボンベの取り扱いについても教える。
水中で装備を外す訓練なども行っているのだが、それに苦戦したのだ。アメリカでは内陸に住んでいる人間などは水に触れる機会が少なく、満足に泳げない者も多い。
彼はSEALsを志す者だけあって多少は泳げる部類ではあったが、それはまるで付け焼刃のようなもので、教官に少し妨害されただけで激しく焦り、平常心を失った。
ここまで訓練を続けた者は、何れも非常に優秀な兵士だ。もし合格できなくても、元の部隊内でトップクラスの能力を保持しているということは保証できる。
軍隊では忍耐力こそ必須の能力だからだ。この訓練を長く続けられた者ほど、それがあるということになる。
しかし、彼らが元居た隊を離れてまでここに来る理由は、当然だがSEALsに入るためなのだ。
アメリカ最強クラスの部隊。陸上・水中・空挺降下。何でも来い。破壊工作も専門とし、その能力の水準は普通の部隊では相手にならない。
もし至近距離であれば、後ろから銃を突きつけられようとも、振り返りざまに人の反応の限界を超えるスピードで動き、一瞬で制圧する。
敵には対応だとか逃走だとか、そういうものを行う猶予はない。そもそも後ろを取れるかどうかも怪しいし、気づかれればその時点で死ぬ。
SEALsの、特殊部隊の射程に入った時点で、敗北は決まる。何もさせない。ただ殺す。ただ制圧する。
そういった部隊に、他の部隊にいる若者達が憧れを持つのはおかしいことではない。『特殊部隊に憧れ、あまつさえそこに行くなど、馬鹿げている。人殺しをする職業なんだぞ』と、分かったような顔で言う人間も居るだろう。だが、そういった若者は事実として国を守る力となる。
信念、情熱、力。『The only easy day…was yesterday(楽に過ごした日は昨日まで)』のモットーを胸に、戦い続ける剣となるのだ。
デイヴ・ネルソンもその一人で、酸素不足に喘ぎ、苦しみ、もがきながらも必死に訓練を続けていた。装備取り扱いテストには1回落ちた。これ以上落ちるとどうなるか分からない。
彼は内心で思う。「自分が何故こんな苦しい思いをしているのか?」そして決まったようにこう答えるのだ。「自分とその家族や友人のためだ」と。
彼もまた守るための戦いに身を投じようとしている人間の一人なのだ。教官達は訓練生を落とそうとしているのではなく、合格させようとしている。教官は訓練生を見捨てない。絶対に合格させてやると、必死に鍛える。この段階まで来ると、訓練生と教官の間には強い絆のようなものが生まれている。
「デイヴ、頑張るんだ。さあやれ、焦るな。出来るぞ」
現在7名がテストに合格している中、デイヴ達は2回目のテストを受けた。
最悪でも3回までだ。それ以上はない。
デイヴは水中に潜り、泡が視界を奪う中で装備を装着し始めた。何かが絡まれば焦る。焦ると更に絡まる。そして更に焦る。
一つのミスが致命傷となり得る。その中で彼は思っていた。「やってやるぞ」と。そしてそれは数分程度のテストの中で、しっかりと実を結ぶことになる。
自ら顔を出した彼を教官が睨みつけた。またダメかと思った瞬間、肩に手が置かれ、プールの外に引っ張り上げられた。
「デイヴ・ネルソン! 合格! 合格!」
教官達が笑い合っている。口元が緩み、嬉しさを隠しきれ無い様子だった。それはデイヴも同じだったが、ギリギリで笑いをこらえ、ただ誠実な顔で「ありがとうございます!」と叫んだ。
結局この段階では1人が脱落、前の段階からやり直しになったが、それ以外は全員合格した。
そしてこの後、その脱落した者も合格することとなるが、それをこのクラスの兵士達が知るのは随分な後だった。
彼より先に皆卒業してしまったからだ。
- 3.The past(5) ( No.15 )
- 日時: 2010/07/19 17:56
- 名前: JYU ◆j7ls9NGWQI (ID: .J9ei1gB)
11.
最後の第3段階では、9週間に渡る訓練を行う。
爆破訓練もやった。ダニエルが船の底に爆薬を仕掛け、退避後、彼がスイッチを押した。爆破の瞬間、天高く水飛沫が上がった。その光景には圧倒された。荒々しくも美しい。
その飛沫の中に虹が見えた。彼らの未来を彩るような、小さく、ハッキリとした虹だった。
特に実銃発砲訓練は楽しかった。彼らは久しぶりにM4カービン銃を握り、思う存分、的に当てまくった。訓練生の一人がアイアンサイトの調節をミスしていた(近距離用の大きな穴のサイトで遠距離を撃っていた)ことに気づかないまま撃ち、外しまくったりもしたが、大体滞りなく進んだ。もう詰まる要素など無かった。全て順調に進んだ。
数十キログラムの荷物を背負い、丘を上ったり、降りたり。そういう体力作りも、今となっては楽なものだ。偵察訓練もあった。岩を登ることもあった。そして、様々な戦術をその身に叩き込まれていく。
夜間射撃なども行った。曳光弾が闇を切り裂いていくつも飛び交う様を、ダニエルはじっと見ていた。
今までの訓練が思い出された。地獄の沼に肩まで使っていたあの頃は、もう過去である。
そうして、彼は思う。楽に過ごした日は昨日まで。兵士は厳しさを増す毎日を生き抜いてこそ価値がある。強くなる。
「今はまだマシだ」どんな辛いことがあっても、そう思って切り抜けた。次の日も、次の日も、永遠にそう考え続けた。
彼はSEALs隊員として正式に入隊してからも、その精神を忘れたことはない。
おそらく、死ぬまでずっと忘れないだろう。
12.
BUD/S卒業式。
SEALsに関係する将校達が並んでいるのが見える。どの人間も笑顔で訓練生たちを見つめていた。
これで訓練は終わりというわけではない。SEALsになるための訓練は2年半続く。それまでは「ヒヨッ子」だ。
だが彼らは言う。「俺達は飛びっきり強靭なヒヨッ子だ」と。
自信に充ち溢れた瞳は、何にも負けることはないと思わせるほど強く輝いている。
代表として、ダニエルが選ばれた。彼は壇上に上がっていく。
彼は振り向いて、言った。ここまで訓練を続けたことを誇りに思い、そしてこれから、自分たちは絶対にSEALsになる、諦めないと。
「私達は確かにまだSEALsではないし、まだ訓練生であるということが事実だ。だからこそお互いに高め合いたい。私はこの仲間と歩んでいく。いかなる状況下でも見捨てず、お互いを助けあうことを、ここに誓いたい」
拍手が起こった。ダニエルはただ少しだけ笑うと、壇上から降り、仲間たちとハイ・ファイブ(ハイタッチ)し合った。
訓練生の中でも一際陽気な奴が、側にあった脱落希望を知らせる例のベルに駆け寄り、狂ったように鳴らしまくった。爆笑が起こった。
俺達はやっていけると確信していた——彼らはその後、誰一人として欠けることなくSEALsに入隊することとなる——
これが彼らだ。
見捨てない。諦めない。強くなり続ける。
これこそが彼ら、『Navy SEALs(ネイビー・シールズ)』なのだ。
- Re: 朱色の戦場 —The Only Easy Day...— ( No.16 )
- 日時: 2010/07/19 19:58
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: S20ikyRd)
鑑定結果、終わりましたw
どうそ来てください!
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