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散らない花 〜君と私〜
日時: 2010/07/11 16:15
名前: 水都 ◆pvp1Qmlk6I (ID: K6n4/LVf)

───それは、百年続く少女の物語。

                    『剣に生きる運命なのです』

     紅い花は、永遠に散らないだろう───。


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Re: 散らない花 〜君と私〜 ( No.3 )
日時: 2010/07/09 18:00
名前: 水都 ◆pvp1Qmlk6I (ID: GSVturM6)

第一章 百花繚乱


「やーい、やーいっ!
 女のくせにイイ刀なんか、持ちやがってぇ!」



まだ十にもなっていないような子供だった。
わたしの大事な刀を指差し、そう言っている。


「これは、お父様から預かった大事なものです!」


子供の返事も聞かず、わたしは走り出す。
ついて来るかと思ったが、ついて来なかった。


しばらく走って、広い草原に座った。

今日も空が青く、太陽が眩しい。 
それが、わたしの小さな幸せなのです……。


「───おや、千鶴。 やっぱりここにいたか」

一人の若い男の声がして、わたしは起き上がる。
聞きなれた、声。 見慣れた、顔。


黒髪に、小さい子のような笑顔。
勿論、刀は持っている。 ちなみに二刀流だ。

男のくせに、細い身体をしている。
整った顔をしているため、よく女が来る。


「魁じゃない! 今まで、どこに───っ」

わたしは立ち上がり、そう叫んだ。
だが、魁が白い手でわたしの口を塞ぐ。

「んぐっ?!」


「久々に、やろうよ。 いいだろ?」


魁は意味ありげな表情で、わたしの刀を見て言った。

Re: 散らない花 〜君と私〜 ( No.4 )
日時: 2010/07/09 20:33
名前: 樋 ◆XlgGEt8yv. (ID: jk5mSNBu)

はじめまして!!といっていいます。私的に始まりがなんか好きです!!
続き楽しみにしてます

Re: 散らない花 〜君と私〜 ( No.5 )
日時: 2010/07/11 16:15
名前: 水都 ◆pvp1Qmlk6I (ID: K6n4/LVf)

樋さん>>

はじめましてっ^^
そう言っていただけて、すっごく嬉しいです(*´ェ`*)
コメントありがとうございます〜!

Re: 散らない花 〜君と私〜 ( No.6 )
日時: 2010/07/11 16:52
名前: 水都 ◆pvp1Qmlk6I (ID: K6n4/LVf)

───千鶴、これを……。
         帰ってくるまで、預かっていてくれ……。


嵐の夜に、お父様は刀をわたしに預けた。
でもお父様は、二度と帰ってこなかったんだ。

名刀、花水をわたしに預けたまま……。



「久々だな、千鶴。 楽しみだよ」

魁は二本の刀をかまえる。 
わたしも刀をかまえ、魁を少し睨みつけた。


たんっ。
魁が一歩踏み出す。 全ての動きが、スローモーションになる。

「………ッ!」
ふわ、と涼しい風が吹き、わたしは腕を振り上げた。

「ぁ……ッ、あ!」
気づけば、わたしは魁の上にいた。


魁の二本の刀は、少しはなれた場所に吹き飛んでいる。
わたしの刀は、魁の首ギリギリのところに突き刺さっている。


「……あ、わたし、また……ッ?!」

「降参なんて、言ってない」

───!
魁は右手に、小刀を隠し持っていたのだ。

わたしはギュッ、と目を瞑った。


「ちょーっと、ちょっと!
 またやっているの? 危ないからやめなさいよっ」

突然、一人の少女が走って来た。

Re: 散らない花 〜君と私〜 ( No.7 )
日時: 2010/07/15 17:46
名前: 水都 ◆pvp1Qmlk6I (ID: Kw/OtLlm)

肩までの黒髪に、大きな黒い瞳。
細い、白い腕でわたしを引き寄せる。

「千鶴は、女の子なんだからッ。
 肌に傷がついたら、どうするのよ!」


彼女の名前は、宮川雪子。 
わたしと魁の幼なじみである。

「魁も! やるなら、他の男と!」

「だって、千鶴とやった方が面白いし」


「いけませんっ!!」

お雪(雪子)はそう怒鳴ると、わたしと刀を引きずっていった。

*    *    *

「傷は、ないでしょうね……?」

「ないよ、お雪」


「千鶴が十分強いことは、この村人全員知っています。
 ……もう、危ないことはしないで下さいね?」


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