ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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殺す事がお仕事なんです
日時: 2011/07/25 15:59
名前: トレモロ (ID: vQ/ewclL)
参照: http://blog.goo.ne.jp/roki000

どうも、コメディ・ライトで「萩原さんは今日も不機嫌」を書いてる感じなトレモロです。
この物語は【エグイ・シリアス・痛い設定・更新不定期】を含みます。
「それ…無理…」という方は今すぐ引き返す事をお勧めします。

【目次】
序章 【>>1
第一話前半 Ⅰ【>>4】 Ⅱ【>>14 >>15】 
余章 【>>21
第一話後半 Ⅰ【>>32】 Ⅱ【>>48
接章 【>>60
第二話前半 Ⅰ【>>74 >>75】 Ⅱ【>>84 >>85
余章 【>>98
第二話後半 Ⅰ【>>137 >>138 >>139 >>140 >>141】 Ⅱ【>>151
接章 【>>154
第三話前半 Ⅰ【>>155】 Ⅱ【>>156
余章 【>>157
第三話後半 Ⅰ【>>158 >>159】 Ⅱ【】



【番外編—ブログにて更新中】
Ⅰ【>>161



【基本登場人物】
祠堂 鍵谷(シドウ カギヤ)・呑気な便利屋

木地見 輪禍(キジミ リンカ)・快楽を求める殺し屋

霧島 終夜(キリシマ シュウヤ)・大人びた少年

【補足】
物語は多少「萩原さんは今日も不機嫌」のスピンオフとなっております。
知らなくても問題は無いですが、見ておくとさらに楽しめますよ?(宣伝です)

【他の作品】
『萩原さんは今日も不機嫌』>>20
『結末を破壊する救済者達』>>153
『』>>

【挿絵】
『私はあなた方の絵を求めている!!Ⅱ』>>40

【アトガキ】
『とあるトレモロの雑記帳』
——《カテゴリー》にて >>41

それでは、この物語があなたに影響を与えない事を祈って、作品紹介を終わらせて頂きます(ペコリ

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Re: 殺す事がお仕事なんです ( No.159 )
日時: 2011/07/10 00:58
名前: トレモロ (ID: vQ/ewclL)

第三章『霞み堕ちていく優しき想い』———《辿りつく少年少女》2/2


「遅いなー、終夜さん」
少女は一人呟きながら、傍の電柱に寄りかかる。
「何か解ったのかな……」
物憂げに独り言を紡ぎながら、麻衣は終夜が入って行ったビルを眺める。
外観は普通の会社などのビルと何の差異もない。
白い外観に、いくつかの窓が規則性を持って並んでいる。
一番上には大きな白い看板に、青字で『株式会社井出見工業』と書いてある。
これだけなら、なんら違和感はない。
だが、終夜は言っていた。

ここは【暴力団】の本拠地だと。

彼女にはよくわからないが、どうやらこの工業ビルは表向きは一般的なモノだが、中身は【黒い仕事】ばかりする所なのだという。
その為、【市】の情報がわんさか入ってくるのだそうだ。
終夜はその情報網の網から、麻衣の依頼の為に必要なモノを手に入れようとしている。
と、そう言う事だ。
だが、その行動には危険が伴うかもしれないので、終夜は軽い笑顔を麻衣に対して浮かべながら。

『すいません麻衣さん。ちょっとここで待っていてください。直ぐ戻ります』

と言って、彼女を置いて、ビルの中に入っていってしまった。
「私の事なのに、何もできないなんて……。はぁー」
自らの不甲斐無さに麻衣はため息をつく。
そのままずるずると、電柱を背に座り込んでしまう。
服が汚れるがそんな事は気にせず、顔を上に上げ青空に目を向ける。
「綺麗な空……」
と、若干現実逃避ぎみに言う。
雲もなく、空には純粋な蒼が広がっている。
心地の良い世界。
「お父さん……」
探し求める父の顔を、その蒼い空に思い浮かべる。
無骨だが、優しい顔がよく似合う父。
ごくごく一般的な父親。娘に対する対応に一々困惑したりする、普通の父。
でも、自分の事を一番に考えてくれる。家族の事を一番に考えてくれる。
そういう父親だった。
そして、彼女はそんな父親が好きだった。
将来は父の様な男の人と結婚したい。
そんな願いを、こんな年になっても抱けるほどには好きだった。
「私。会えるのかな。また、ちゃんと会えるのかな。一緒に家に帰れるのかな……」
呟く。
誰もいないからこそ。
終夜も誰も、傍にいないからこそ吐ける【弱音】。
こんな自分の姿は、一生懸命自分の為に動いてくれる彼には見せられない。
彼は自分の為に命を投げうってくれる、自分を安心させるために笑ってくれる。
でも、その笑いは歪だった。
彼女は気付いていた、霧島終夜という人物の抱えている暗い部分を。
恐らく彼は演技。いや、最早演技なんて呼べない程自然に嘘の【笑み】を浮かべる事が出来る人だ。
でもそれでもよかった、自分を安心させるための演技とは言え。
進藤麻衣と言う人物を、安心させたいという意思は【本物】なのだから。

「何考えているんだろ私……」
麻衣は、父の事を考えていたはずなのに、いつの間にか終夜の事を考えている事に気付く。

(それだけ大きくなっちゃったのかな。あの子の存在が)

そんな事を考えると、不思議と【不安】が取り除かれる。
その事実に、麻衣は顔を笑みの形に、優しく変えた。


そして、次の瞬間表情を【凍らせた】。


「ハハハッ! 笑えるのか少女! まだ君は笑えるっていうのかい!? まだ真実を知らないからこそだねぇ少女!!」

立っていた。
立っていた。
【立っていた】。
彼が、つい先ほど、まだ数時間も立っていない程の前に、血の惨劇を創り上げた男が。
眼鏡の男が。
フード付きの服を着て、目を輝かせて、純粋な笑顔を顔に貼り付けた。
【刹羅】が立っていた。

「あ、ああ、あああああ、ああああ」

麻衣は言葉にならない悲鳴を上げる。
考え事をしていたとはいえ、麻衣に気配を悟られることなく。
電柱を背に座り込んでいた彼女の前に、彼は堂々と立っていた。
助けを呼ばなければ、終夜を呼ばなければ。
だが、声が出ない足が動かない体が震える。
「た、たた、助け……て」
危険だ。
この男は危険だ。
殺される。
確実に、確定的に、絶対的に、絶望的に。

殺される。

(嫌だ。嫌だ嫌だ。終夜さん。終夜さんッ! 助けて!!)

叫ぶ。
心の内で願い叫ぶ。
だがその声が終夜に届くはずもない。彼は今麻衣の為に【情報収集】している最中だ。
絶望的な感情に支配される麻衣。
逃げなければならないのに、硬直してしまって微動だに出来ない。
視線も【刹羅】に見つめ返されて、そらす事も出来ず縫いとめられてしまう。
そんな彼女の様子を見ながら、口の端を歪めて、【刹羅】は楽しそうに笑った。

「なあ、少女。真実を知りたいかい? 君のお父さん事なんだけどさ?」

「ッ!?」
【刹羅】の言葉に、今の今まで抱えていた【恐怖】が一切合切消え去る。
そして、逆に麻衣は勢いよく立ちあがって、【刹羅】の方へ詰め寄る。
「ち、父の行方を知っているのですか!?」
「ん? ああ、知っているよぉ? といってもついさっきあのふざけたバカップルから離れた後に、ちょっと気になって調べただけなんだけどねぇ」
余りの麻衣の変貌に若干驚きながらも、相も変わらない楽しそうな顔で【刹羅】は語る。
麻衣には彼の言っている言葉の意味が良くわからなかったが、何か重要な事を知っている事だけは理解した。
「お願いします! どんな小さなことでもいいですから、教えてください!!」
無意識だろうが、【刹羅】の服を掴みながら懇願する少女。
そんな彼女を見て、【刹羅】は笑みを更に濃くする。
心底楽しいと。
これから起こる事すべてが楽しいと。
【物語】が動き出す事が、とてもとても愉快だというかのように。


子供の様な笑顔で、殺戮者は語り始めた……。

Re: 殺す事がお仕事なんです ( No.160 )
日時: 2011/07/10 12:45
名前: トレモロ (ID: vQ/ewclL)

あ、あれぇ!?
下がっちゃった!?
流石に不憫なので上げ。

Re: 殺す事がお仕事なんです ( No.161 )
日時: 2011/07/22 00:05
名前: トレモロ (ID: vQ/ewclL)
参照: http://blog.goo.ne.jp/roki000/e/a174094529ba7da6f4e775e0d2c73d86

番外編ブログにて更新。参照より入れます。
これからはこういうのが増えていきます。
でも、本編もしっかり書きますので、安心してください。
これは、書きたくても都合上書けないモノを書くための方式です。
でも、なるだけなら、ここには本編だけを乗っけたいのです。
色々面倒な作者ですいません。

Re: 殺す事がお仕事なんです ( No.162 )
日時: 2011/09/19 14:55
名前: トレモロ (ID: 66wanHrV)
参照: http://blog.goo.ne.jp/roki000/e/35a9c9c6307248a0d09446e2fc712ce8

どうも皆様。
またやってしまいました、参照にて番外編(究極キャラ崩壊版)です。
酷い内容なので、本編の雰囲気が好きな方は、遠慮された方がいいかも……。
一種のパラレルワールドとなっております。
本編更新は、時間の無い状況で頭を悩ます毎日です。
数少ない読者様達に見限られないように頑張っていきたいです。
それでは、少しでも楽しんでいただけたらと、願ってやまない作者でした—。

ああ、後。
祝☆参照1500突破!!(遅いわっ!

Re: 殺す事がお仕事なんです ( No.163 )
日時: 2012/03/07 09:21
名前: トレモロ (ID: 0vNNOux/)

上げ。過去ログ化防止


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