ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 艱難辛苦
- 日時: 2010/11/12 20:25
- 名前: 桜音ルリ ◆sakura.bdc (ID: O29y0LyQ)
はじめましてのお方も知っているお方もこんにちは、桜音ルリでございます。
今回の主人公は、本来ならばスポットの当たらない立場にいるはずの登場人物といったポジションです。
これに嫌悪感を抱かれるお方は今すぐにプラウザバックをしてください。
この小説はけして上手くありません。
私の小説を見て不快に思ったりするかもしれませんが、下手なのは私が一番分かっておりますので誹謗中傷などは遠慮して頂きとうございます。
コレを読んで尚見てくださる方は誠にありがとうございます。
下手ですが精一杯書いておりますので、貴方様に気に入っていただけることを心より祈っております。
————目次————
・プロローグ >>1
・第一話【天女】 >>5 >>8 >>9
——————————
登場人物紹介 >>2
- Re: 艱難辛苦 ( No.10 )
- 日時: 2010/11/25 06:44
- 名前: 桜音ルリ ◆sakura.bdc (ID: N1tKhsWU)
- 参照: 桜音ルリ=るりぃ
第二話【始まりはここから】
不意に森の中で目が醒めた。
いつの間にか大の字で草むらに転がっている自分に気付く。
え?
て事は私今まで寝てたの?
ちょ……待て待て待て。
私は確かバイトして
終わって、馬イクで帰宅しようとして
それで……それで?
確か信号が青だったから進んで。
…………あれ?
それから先の記憶が無い。
何コレどうなってんの?
もしかして私、死んだ?
ちょ……やだやだやだ。
読み掛けの小説とか、未クリアのゲームとか、部屋の掃除とか、色々やる事残ってるのに。
『大丈夫よ。あなたは死んでないわ』
突然辺りに聞き覚えの無い、優しい女性の声が響いた
「っ!?……誰!?」
突然の事に思わず半身を起こしながら辺りを見回す。
……アレ
てゆーか今のって私の声?
普段の私の声は子供っぽいんだけど。
それより数段低い、アルトな声が出たんだけど……
いや、でも今は声より現状把握だ。
私はとりあえずそう思って確かめるように辺りを見回した。
『わたくしは此処よ』
いつの間にか、私の知らない内に真後ろに人が立っていて、一瞬心臓が止まりそうになった
振り向いた先の視界に入った青年の姿を見留めた私はその異装にただ驚くしか出来ず。何度も瞬きを繰り返す。
……そこには平安時代くらいの桃色と白を基調にした着物を着た全体的に白い、綺麗な女性が立っていた。
……ていうかなんでこの人ツノ生えてるの?
『そうね……まずは謝っておきます。』
……?
一体何についてだろうか
『わたくしの手違いであなたは今、異世界にとんでしまいました。
ついで言うとわたくしにあなたを元の世界に返す力は残っていません。
だからごめんネ★』
は?
え、いやあのちょっと待って全然意味解んないんですけど。
何? 別世界に飛んだってどういう事?
『まぁ、アレよ。この世界で生きるのも何かと大変だろうと思ってね。色々オプションも付けてあるわ。
死にはしないでしょうから安心しなさい。』
まぁ無理すれば死ぬけど、と付け足しながら彼女はケラケラと笑った。
「……オプション?」
反芻するように呟いてみる。
すると彼女はにっこりと笑ってうなずいた。
『そうよ、一つは軍に所属している武将からの攻撃を受けない。そして二つ。あなたが天女として名が知れるほどあなたは生きるために必要な魔法が使えるようになる。』
「じゃあ、元の世界に返るにはどうすれば良いの?」
私が彼女にそういうと、彼女はにこにこと変わらぬ笑みを浮かべたままとんでもないことを口にした。
- Re: 艱難辛苦 ( No.11 )
- 日時: 2010/11/30 06:41
- 名前: 桜音ルリ ◆sakura.bdc (ID: oo/XaO.D)
- 参照: 桜音ルリ=るりぃ
「わたくしの代わりにこの戦国時代で働いて1000両稼ぎなさいそうすればわたくしのパワーもたまって動けますから。」
私はその時、般若のような形相だったのだろう。
自称神様とやらが小さく悲鳴を上げ、それじゃあわたくしは帰りますから何かあったらいってくださいねもし死ぬようなことがあればその時はさようならですけどねそれではさようならッ!!と一息で言って去っていった。
「そうするんだ、これ。」
私がそうつぶやいた瞬間。背後からビシバシあたってくる殺気。
私がおそるおそる振り向くと、そこには線の細い童顔な青年が立っていました。
彼はゆっくりと腰に刺さっていた刀に手をかけ、チャキリと音を鳴らしながら刀身を半分引き出した。
そして、容姿とは裏腹に低い声で私に問いかけた。
「貴様は何者だ。」
あれ、この声聞いたことあるぞ。そう、某甘党銀髪テンパ侍さんの声だ。
うわぁ、こんなところでお目にかかれるとかマジすげぇ。
なんて現実逃避をしていたら、彼がもう一度問いかけてきた。
「貴様は何者だ。」
何者と聞かれても困るのは私なのだが。
とりあえず黙秘権を使用していたら、向こうがイラッと来たらしく切りかかってきた。
流石の私もコレにはぎょっとし、目の前で腕を自らを守るように交差し、目を閉じる。
すると、ぶにゃっという変な音が耳に響いた。
……ぶにゃ?
私が不思議におもって目を開けると、不思議なことに私のうでぎりぎりのところで彼の刀がとまっているのだ。
私はこのままいけたら押し返せるかも知れねぇなと思い、そのまま交差した腕を少し前に出してみた。
すると、彼はトラックにはねられたように後ろにふっとんだ。
私は飛んでいった彼のみを案じるよりもまず、自らの身がどうなったのか分からずに唯呆然と自らの手のひらを見つめていたのであった。
- Re: 艱難辛苦 ( No.12 )
- 日時: 2010/12/01 21:18
- 名前: 桜音ルリ ◆sakura.bdc (ID: f3VBH/TD)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第三話【身代わり】
松田憲秀がそれに気が付いたのは、最早抜き差しならぬ事態になってしまった頃であった。
「つまりは、天女様の身代わりに稲が上杉へ行くということですか。」
「ああ。」
頷いたのは彼の主である北条氏康。
表情と言うものが浮かんでいない主の顔を見、憲秀は問いを投げかけた。
「それを了承したのは稲本人であると?」
「左様にございます。発案は別ですが、誰が行くかと言うことになった折、では私が、と名乗りを上げさせていただきました。」
稲の頷きと肯定の言葉に松田憲秀は眉間に深い皺を刻んだ。
こめかみには青筋が浮かび、何度も深呼吸を繰り返す様は、これからはじまるであろう長い長い説教の序章に過ぎぬ、と、
控えていた者たちの視線を一様に逸らさせ、怯えさすに十分な威力を持っていた。
事の顛末はこうである。
天女の噂を聞いた上杉謙信が、北条を攻めぬ代わりに、天女をよこせと書状を送ってきた。
不思議な力を持つ少女の噂は、やはり闇もつれてくることになってしまった。
対上杉のための同盟を完全に締結するには、まだ時間がいる。
間に天女が立ってこその同盟である。
それが成されねば、上杉の勢いを止めることは容易ではない。
しかし、上杉謙信はやるといえばやる。
天女を差し出さねばいくつもの村が地図から消えるだろう。
しかし、天女を差し出せば、同盟は成らず、戦乱が長引く。
そこで、主だった重臣が額つき合わせて相談した結果が、身代わりを立てるということであった。
最も最小限の犠牲で済むのだ。
ただ、時間を稼げればよい。
それでよいのだ。
渋っていた者もいたが、身代わりとなる、と自ら名乗り出た女は、聞けばもともと身寄りが無く、
松田の家に世話になってはいるが、籍はおいていないのだと言う。
ちょうどよい、と誰かが言った。
ならば、と、誰かが言った。
稲は、ぜひとも、といった。
そして。
憲秀が、所用で暫く城をあけていた間にこのようなことが起きるとは。
他の重臣がいるからと気を抜きすぎていたのだ。
松田憲秀の怒りの気配に、長年連れ添った北条氏康ですら視線を外したというのに、稲本人だけは確りと彼を見つめていた。
余程の胆力の持ち主であると誰もが思った。
「稲。それがどういうことかわかっているのか。」
「わかっていますからお話申し上げました。」
「……馬鹿な……」
「これは、北条氏康公の御意思で御座います。従わぬ理由がございましょうや。」
その言葉が稲の口からつむがれた瞬間に、松田憲秀と稲の視線が交わった。
何か言いたげに彼の唇が薄く開いた。
暫くそのまま微動だにしないまま居たが、やがてゆっくりと頭を垂れた。
「……かしこまりまして御座います。」
「憲秀。」
みなが部屋を辞した後、松田憲秀を呼び止める声があった。
彼の主君である、北条氏康であった。
足を止め、振り返った先に、いつもの氏康らしからぬ所在無さげな様子で立っていた。
「氏康様。如何されました。」
「……悪かった……重臣たちの言葉を適当に流して、身代わりの女のことを考えずに首をふっちまった。」
「その様に泣きそうな顔をなさって……それならば何故、と問うことは主命とあらば出来かねまするな。」
「すまない。許してくれ。」
「……言いたいことはわかります。氏康様、わたくしめにではなく稲に一言、同じ言葉をおかけなさいませ。」
「わかってる。」
- Re: 艱難辛苦 ( No.13 )
- 日時: 2010/12/09 07:30
- 名前: 桜音ルリ ◆sakura.bdc (ID: TWKNIdJ1)
「稲、俺が悪かった。いかないでくれ……」
なきそうな顔をして私に懇願してきた氏康様を見て、私はめまいがした。
まさかいかないでくれなんて言葉を戦国の時代、しかも歴史に名前を残した人物から言われるなんて思ってもいなかったから。
「氏康様。そのようになきそうな顔をなさらずに……さぁ、お体が冷えてしまいまする。早く母屋にお戻りくださいませ。」
営業スマイルを浮かべながら氏康様を促す。
すると、氏康様は怒り出した。
「お前、自分が何をやりたいといったのかわかってるのか!? 危険な……危険なことなんだぞ!?」
ああもう、分かってるから言ったんじゃない。
面倒くさい人だなぁ、この我が儘領主様は。
「ああ、そういえばお暇をいただいたのですから口調は堅苦しくする必要はございませんね。
……こら氏康!! 男が何そんな顔してんの? 馬鹿なの? 死ぬの? 私が死ぬわけないじゃない。馬鹿にするのも大概にしなさい。」
私が一息で言うと、氏康はにやりと笑った。
「それもそうだな。じゃあ、生きて帰って来いよ。」
信頼されているからこそのその言葉なのだろう。
でも残念。私は氏康のところには帰らない。
私が身代わりで上杉に行けばあの姫と氏康様はくっつくだろう。
そのために邪魔なのは武田だ。
武田に伝染病でも広めてやろうかと思う。
まぁそれはおいておいて、のりっちに知らせなくては。
私はそう思って体の向きをのりっちの家のほうに向けると、すたすたとあるきだした。
- Re: 艱難辛苦 ( No.14 )
- 日時: 2010/12/10 07:00
- 名前: 桜音ルリ ◆sakura.bdc (ID: MnBE3vuR)
「……と、いうわけで氏康フラグは叩き折ってきたから。」
「折るなァァァアアア!!」
私の言葉に額に青筋を浮かべてだーんと卓袱台を叩くのりっち。
あ〜あ、せっかくのイケメソが台無しだよ。
「まぁ、落ち着いてってば。ここで私がいかなかったら姫はどうなるの?」
私の言葉にのりっちはぐ、と言葉を詰まらせる。
そんなのりっちを見ながら私は話を進めた。
「それにね。姫が氏康と幸せになった後未来に帰らなくちゃいけなくなると思うのさ。だって王道だもん。そんで、その時に私が身代わりになって未来にかえる。」
またもや叫びだそうとしたのりっちをにらむと、のりっちは口をとじた。
保留
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