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斧と鎖と銃と雷〜処刑三人衆〜参照200突破! 
日時: 2011/05/23 16:25
名前: 佑架 (ID: a6Ny8FKk)

初めまして、佑架と申します。

※注意書※
・この話は多少グロテスク・暴力的な表現があります
・大半は日常生活のギャグ系です。
・この話も続くかどうかは分かりません
 ネタが尽きて、書かなくなることもあります

上記のことを理解した上でお読みください。


アドバイス・感想などしてくだされば、踊って喜びまs(殴
下手なりに続くよう、精一杯頑張ります。

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Re: 斧と鎖と銃と雷〜処刑三人衆〜  ( No.21 )
日時: 2011/05/17 21:18
名前: 佑架 (ID: Va4IJVQE)

「転入生、か……。」
「どんな子か楽しみだね。」
「ああ!男女の二人組かぁ〜。女子グラマーだといいなぁ。」


そんな他愛もない会話をしていた僕(壱夜)と将人と流夏。
『6月』というジメジメして蒸し暑いこの時期に転入生が来るという情報を
先生から入手し、どんな奴が来るか話し合っていた。

予鈴が鳴ると、二人がそれぞれの席に着く。
と言っても、将人は僕の前の席。流夏は斜め前の席だ。
扉が開いて先生が入ってくる。
その後に続いて入ってきたのは……


紺の頭と赤茶の頭だった。




    ≪第十八話 斧と鎖銃の自己紹介≫




カッ、カカッ、カッ……


「えっと……じゃ、佐筒君から自己紹介。」
「…………佐筒絞。」
「アタシはギロチ……じゃなかった。戯浪斬葉。よろしくぅ!」


……なかなかキャラの濃い転入生だと思った。
無口少年と活発少女、か……。


「んじゃ、こっから質問コーナーにしようと思う。
 質問のある奴は挙し「はいはいはーい!」……相原、人の話を聞けといつも言ってるだろう。」


涼夏先生、いつもホントすいません。
将人、お前には学習能力は無いとは分かっているが、学習しろ。
また流夏が苦笑いしてるぞ。


「何で女子グラマーじゃないんですかー。」


アホか。間違えた。アホだ。
あ、戯浪さん固まった。佐筒君は顔が青くなって……


「……んだとゴルアァアァァアァァァ!!」
「……斬葉、落ち着k「落ち着いていられるかぁあぁあぁあああぁ!!」


戯浪さんが怒鳴る。佐筒君が抑える。そこまで気にしているとは……


「だって、オレグラマーの女子が好みだもん♪」
「ちょ、将人、謝れ。」
「なんで?」
「何でってお前……」
「そーだぞ!相原!言って良い事と悪い事の区別をつけろ。」
「……先生、事前に彼に言っておいてくれませんかそのセリフ。」
「離せ!絞!アイツをアタシに殴らせろ!」


「怖ぇ怖ぇ。」と小さく呟いて将人が席に着く。
悪いのは彼女じゃない。確実にお前だ。


「じゃあ代わりに……北条、何か質問はあるか?」
「え……じ、じゃあ……」


周りが北条さんに注目する。少し顔が赤い気がする。
戯浪さんも少し落ち着いたらしい。


「えっと……好きな色と好きな本は何ですか?」


普通の質問。将人がなぜか少し笑ってる。
そんなおかしい事でもないと思う。


「……好きな色は深い、深い青。本は『蒼月とリコリス』『ジャックナイフと少女』が好きだ。」
「アタシは赤。どす黒い赤とか。本なら『暗殺計画申請所』位しか読まねぇ。」


佐筒君、なかなかマイナーな本を読むなぁ。『ジャックナイフと少女』なんて
描写がアレだから結構なレア物らしいからな。

戯浪さんは……よくアレが読まるな。
僕の場合、中学の頃十ページを超えたあたりで気持ち悪くなって読まなくなった本だ。
……今度またしっかりと読もう。


その後、何人か質問をしてそれに二人が答えていった。
多分休み時間になったら大量の生徒が質問攻めにするだろう。




    ≪第十八話 斧と鎖銃と自己紹介≫ 完

Re: 斧と鎖と銃と雷〜処刑三人衆〜参照200突破!  ( No.22 )
日時: 2011/05/23 17:24
名前: 佑架 (ID: d2sOH2lv)

「ねぇねぇ佐筒君って彼女いるの〜?」
「好きな女の子のタイプ教えて〜。」
「佐筒君は甘い物とか好き?」

「……居ない。無い。嫌い。(っていうか失せろ……)」





    ≪第十八.五 斧と鎖銃と自己紹介 小話≫




あぁったく。何でこいつらは蟻のように群がってくんだ。鬱陶しい。
だから嫌なんだ女なんて。

……臭い。香水か?色んな臭いが混ざり合って兎に角臭い。
やばい、吐き気が……。


ガタッ


「あっ佐筒君!」


引き留めようとする女共の声を無視し、俺は椅子から立ち上がり、急いで男子便へ向かった。
因みに、場所は既に確認済みだ。

廊下の端にある階段の横。少し広めに造られた男子トイレ。
流しで少し吐いた。本当、良い事が無い。


「佐筒君……だったっけか。結構吐いてたけど、大丈夫かい?」
「ゼェ……ゼェ……あんた、は……?」
「僕、かい?僕は壱夜。雪峰壱夜。ほら、君の隣の席の……」
「……………………………………………………………………………………あぁ。」


正直言って、標的以外興味はない。
隣の奴とか憶えても後の情報とかに支障が出る可能性がある。


「うちのクラスの女子って殆どが肉食系だからね。
 香水とか色仕掛けとかで色んな男にアタックしてるから。」
「……へぇ。」


ニクショクケイ……?人間は肉も野菜も虫も(?)食うだろ。
肉しか食べれない奴の事か?


「まぁ、同じクラスの生徒だしさ、仲良くしよ「壱夜ぁー!!授業始まんぜぇー!!」……はぁ。」


廊下から聞こえた雄叫びにも似た声。
声の低さからして、ギロを怒らせたアイツの声。
目の前の眼鏡が溜息を一つ。


「将人が呼んでる……じゃ、僕はこれで。次の授業移動だから君も急いだ方が良い。」
「……あぁ。分かった。」


眼鏡が小走りで教室に戻る。気分が少し良くなったし、そろそろ戻ろうか。
女子トイレの前を通り過ぎようとした時——


ドンッ


「きゃっ!」
「!!」


最悪な事に女子にぶつかった。
香水の匂いがしない。それだけで救われた気がする。


「……大丈夫か?」
「あ……はい。ごめんなさい。」


女はそのまま逃げるように走って行った。
その時のアイツは、泣いていたような気がした。




    ≪第十八.五 斧と鎖銃と自己紹介 小話≫ 完




Re: 斧と鎖と銃と雷〜処刑三人衆〜参照200突破!  ( No.23 )
日時: 2011/05/29 15:56
名前: 佑架 (ID: NHSXMCvT)

「よぉ、やけに遅かったじゃねぇか。」
「……待ってたのか?」
「ちぃーっと話してぇ事があってな。ヒヒャヒャ!」


何が可笑しいのか、奇妙な笑い方で笑う同僚のギロ。
手には教科書とノートと資料集やら、両手に同じ数ずつ。
片方はおそらく、俺の。


「……で、話したい事は?」
「あ……あぁ、館蔵んトコのオジョーサマの事。」
「……後五分で授業が始まるが……。」
「なら、話しながら移動すりゃあ良い話だ。」


そう言って教科書類を俺に預け、早歩きで通り過ぎる。
そんなギロの後を俺が追う。

少しギロの速度が上がる。俺も少し早く歩く。

また少し上がる。俺も早く歩く。

そんなことの繰り返しの末、いつの間にか二人で廊下を駆け抜けていた。





     ≪第十九話 斧と鎖銃と館蔵の姫 前編≫





スパーァァン!

「ギリギリセェーッフ!!」
「フッ……フッ……」


隣の校舎の理科室。そこでは既にクラスの大半の生徒が揃っていた。
その生徒が何事とでも言いたそうな目でこちらを見ている。
そこには、スライド式のドアをこれでもかと言わんばかりに開けたわが同僚と、軽く息を切らした俺が居た。

時計の針は二分前。何とか間に合ったようだ。


「ヒュゥ〜♪ド派手な登場だなぁ!」
「こら、将人。」
「相変わらずだねぇ。マー君。」

「あぁ!!テメェ、今度こそしばき倒してや「その前に、授業開始しても良いかなぁ。」良くない!!」
「……すみません。先生。」


担当の先生がドアの前で騒ぐ同僚に尋ねる。
埒があきそうに無かったので、引き摺りながら席に着く。

良かった事に、俺と同僚は一緒の班。
最悪な事に、あの『将人』という奴とも一緒の班になった。


「オレ、相原将人!宜しく!」
「僕は、雪峰一夜。これから宜しく。」
「あっしは流夏。笹井流夏。宜しく〜。」

「アタシは斬葉。こっちが絞。」
「アンタら、いい加減にしないと授業妨害で廊下立たせるわよ。」


すいましぇーん、と相原がふざけて答える。
先生は深いため息を一つ吐き、黒板に向かう。

…………………………………………………………………………………………………そういえば。


(コソッ)「ギロ。ちょっと。」
(コソッ)「なんだよ急に。」
「館蔵彩華の事なんだが……。」
「あぁ、忘れてた。」

「館蔵・A・彩華。ツインテールの金髪の奴がそうだ。
 母親がアメリカ人だかフランス人だか知らんが、日本人とのハーフ。
 少し接触を図ってみたんだけどよぉ……。」

「……?どうかしたか。」

「結構キャラ濃いぜ、アイツ。」


そう言って、前の班にいる金髪にシャーペンの先を向ける。
なるほど、アイツが……


「って訳で、しっかり勉強教えてくれよ、絞センセ♪」
「……分かった。」


元はと言えば授業中に聞いてきた俺が悪い。
それに、コイツが居残りとかになったら俺はどうなるよ。


「じゃあ、ここまでの事を……そうだな〜……相原!班のリーダーとしてまとめちゃって。」
「分かりました。伊藤先生。六文字で答えましょう。」


おぉ……と感嘆の声が上がる。まぁ、あの手の性格の奴が言う事と言ったら——




「分かりません。」



……だろうな。
クラスは爆笑ギロも笑ってる。何時もの事の様に溜息を吐く二人。
伊藤と呼ばれた先生と、眼鏡こと雪峰。


キーン、コーン、カーン、コーン……


「じゃ、授業終わり!しっかり復習するんだよ。」
「はいはーい」
「復讐?」
「……違う。」


ゾロゾロと教室に戻っていく。
俺もギロも相原も雪峰も笹井も、そして、館蔵……は居ない。
もう先に行ったのか?その割には随分と早「さーつーつ君!!」


ドスッ


背中に違和感。誰かが、恐らく女が、抱きついてきた。
鳥肌が止まらない。鼻につく香水の匂い。きつい。きついきついきつい。


「大丈夫?顔色悪いよぉ。」
「……大丈夫だから、離れて。痛い。」
「えへへ。やり過ぎちゃった。ごめんね☆」


確かにコイツはきつい。やばっ、吐き気がぶり返してきた。


「あのねぇ、彩ね、佐筒君と、どぉーしても!話したかったんだぁ。」
「……あ、そう……」
「教室まで一緒にいこっ!ねっ?良いでしょ?」


こんなのと教室行きたくない。でも、仕事の為だ、ここは、なんとか……


「別に、構わな、い「絞〜!一緒に戻ろうぜぃ!」
「んむ?」


天使キターー……こほん、天の救いだ。ギロがこっちを向いて手を振っている。


「……と、いうわけで、斬葉も一緒に、いいか?」
「えぇー……うん。分かったぁ。」
「いよっしゃあ」(←棒読み)


ギロ、喜んでねぇだろ。『来なきゃ良かった』みたいな顔すんな。
俺だって困ってんだ。

そんな訳で、三人仲良く(?)教室に戻り、それなりに過ごした。
次は昼時。昼食の時間。





     ≪第十九話 斧と鎖銃と館蔵の姫 前編≫ 完





Re: 斧と鎖と銃と雷〜処刑三人衆〜参照200突破!  ( No.24 )
日時: 2011/10/23 01:31
名前: 佑架 (ID: syFyy808)

キーン、コーン、カーン、コオォォォォォーン

ざわざわ……
            ざわざわ……

「っしゃあ!昼だ昼だ!昼飯でいっ!」
「……」
「将人、五月蠅い。」
「……」
「あはは、マー君は元気だなあ。」
「「…………」」
「……二人とも大丈夫か?」

ども、佐筒絞ことコーシュジフだ。
四時限目終了の鐘が鳴り、一気に教室がざわついた。
他の奴らは喜んでいるが、俺と同僚のギロチーヌ(斬葉)のみとてつもなくブルーだ。


「さーつーつ君!」


……来た。人の皮をかぶった悪魔。相変わらず臭い。

「ご飯、屋上で食ーべよぉ!」
「……あぁ、行くぞ。斬葉。」
「…………ヘイヘイ。」

今朝買ったパンとお茶を持って、屋上に行く。
時よ、早く進め……!





    ≪第二十話 斧と鎖銃と館蔵の姫 後編≫





ガチャリ

「良かったぁ!結構空いてるわぁ。」
(コソッ)「……チッ」
(コソッ)「こら」
「どうかしたのぉ?」
「……いや、何でも無い。」

屋上には殆ど人が居ない。居たとしても3、4人居るだけだ。


「あれぇ?もしかしてぇ、みっちゃん?」
「……あ?」

フェンスに寄りかかって空を見上げている少女。
恐らく、彼女の事だ。
標的が彼女に向かって小走りで走って行く。

「みっちゃ〜ん!」
「あ……館蔵さん……」

彼女が此方に気づく。にしても、標的は何をするつもりだ?

「一緒にぃ、ご飯食べようよぉ。」
「え、でも……」
「ねぇ、良いでしょぉ?」
「…………」

すっかり黙り込んでしまった。
哀れ、みっちゃんとやら。


結局、彼女は標的と俺達とで昼食を共にすることになった。
彼女は弁当派らしく、白米や唐揚、卵焼きなどが入った一般的な弁当だ。
標的のは……流石令嬢と言ったところか、形や匂い、全てが別次元の様な豪華な弁当。
……俺と同僚のはパンとお茶だ。金銭的にきつかったわけではない。

「がつがつがつがつっ!」
「……おい、ゆっくり食え。咽るぞ。」
「ふぁいふぉうふふぁっふぇ(大丈夫だって)ふぉんぐふぉっ(そんゴホッ)!?」

そら見ろ。

「ったく……」
「ゴホゴッホゴホゴッホ!!」
「もぉ!戯浪さんったらぁ!こっちにぃ飛んで来たわよぉ!」
「だ、大丈夫?お茶、飲む?」
「……ん」(コクコク)

涙目になっている同僚。可愛いとか思った自分が居てしまった。
同僚は、一気にコップ一杯のお茶を飲みほした。

「っぷがっはーっ!生き返った!!さんきゅーな!えっと……。」
「あ、私、水月です。北条水月。」
「彩はねぇ、幼馴染だからぁ、『みっちゃん』て呼んでるのぉ。
 それとぉ、戯浪さぁん。彩にぃ謝ってぇ。制服汚れちゃったんだからぁ。」
「ああ、スマンスマン。」

北条水月……幼馴染、か。
どうでも良い。が、今後の為に覚えておくか。

「佐筒君ってぇ、付き合ってる子とかぁ居るぅ?」
「……居ない。けど、」
「けどぉ?」
(ボソッ)「……好きな奴なら、居る。」

沈黙。
そして、三人の眼が一斉にコチラを向いた。

「絞!お前好きな奴いたのかよぅ!」
「あ、あぁ。まぁ。」
「嘘ぉ!誰々ぇ。三年生ぇ?それともぉ、一年?」
「に、二年。」
「好きな人かぁ。青春だなぁ。」

北条。何処の年寄だ。

「みっちゃんにはぁ、居ないのぉ?」
「え?」
「好・き・な・ひ・とぉ。」
「い、居ないよ。そんな人。」
「またまたぁ〜。」

完全に二人の空間を作られた。
と同時に、昼休み終了五分前の鐘が鳴った。

「あ、五分前の鐘。」
「佐筒くぅ〜ん。次の教科ぁ、何だっけぇ。」
「……数学。教室で自習。」
「やっべ、教科書とノート忘れた。」
「バーカ。」


そして俺達は教室に戻り、無事に下校をし、無事に家に帰り、
無事に一日を終えた。





    ≪第二十話 斧と鎖銃と館蔵の姫 後編≫ 完




Re: 斧と鎖と銃と雷〜処刑三人衆〜参照200突破!  ( No.25 )
日時: 2012/12/30 17:43
名前: 佑架 (ID: WVtTCwMY)


≪二十話おまけ≫

学校から帰り、荷物を床に放り出してソファに倒れ込んだ。
同僚は床に突っ伏している。

「二人共、大丈夫?」
「全っ然だいじょばねーよ……疲れるな、ガッコウって」

同僚が突っ伏した顔を上げ、奴を見る。

「相当大変だったらしいわね」
「標的がウザい程コーシュに絡んできたしな!」
「俺アイツ嫌いだ。香水臭いし、甘ったるい」

俺のその言葉に、奴は小さく笑った

「女の子って大変なのよ。
 好きな人に振り向いてもらおうと必死なんだから」
「そーいうもんなのか?」
「そーいうものよ」

そう言うと奴はしゃがみ込んで
頭の上にクエスチョンマークを浮かべる同僚に
微笑みかけた。


「ギロもオシャレしてみたい?」
「ヤダ!!」

大きな声で返事が出来た同僚の頭を、奴は苦笑いで撫でる。
やっぱ俺は、同僚以外の女は嫌いだと改めて実感した。


≪完≫


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