ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Black Fox:48
- 日時: 2011/04/29 19:45
- 名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
- 参照: http://www45.atwiki.jp/blackfox48/
「始まりは、終わった。」
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参照URL、小説のwiki 誰でも閲覧出切る様にしたい…
Prologue【>>1】
Country【>>2】
Cinema.【>>23】
First Session【>>3】【>>4】【>>5】
Second Session【>>6】【>>10】<>>15>【>>17】【>>18】【>>19】
Sard Session【>>20】【>>21】【>>22】【>>24】【>>25】【>>26】【>>27】
- Re: Black Fox:48 ( No.26 )
- 日時: 2011/04/26 20:09
- 名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
- 参照: 小説の名言(ねーよ)集とか作りたい
『いいか? 俺たちは争いを無くす為に争いを行っているんだ。 俺達の行動を止める行為は、この世で幾度も行われる争いを増やすだけの行為にすぎない。 戦争はエゴのぶつかり合いだ。 理論を銃に変え、交わる。 人間は今夢を見ている。 争いの耐えない世界は全て夢、幻想だ。 その幻想を俺は消し去る。 幻想を現実にへと変える。 それが達成できるまで、俺は血を流し続ける。 いつまでも、これからも、ずっとだ。』
「……ハーゲン、こんな言葉を残すとはねぇ。 誰が信じるんだろうな。 ……少なくとも、俺は何の理由も無く争いをしている訳じゃない。 争いを止める為の争いを止める為に争い、いいや違う。 ストッパーとして活動しているんだ。 俺だけじゃない。俺以外にも、な。」
「隊長、3Fフロアへの道は此方の方が近いです。 行きましょうか。」
ヴェッフェンがシリングスキーの肩に手を置くと、そう言った。
おもむろに何かの書類を読み始めるシリングスキーの隣で、アルバートは柔らかな笑みを浮かべている。
「ああ……そろそろ、行くか。」
「あと二分。 二分だ。 これ以上の猶予は与えられない…二分で来なかったら先にハーゲンの頭を撃ち抜いて政治家を救出したら通信機でヘリを呼ぶ。 …あとその出血は布とかで止めとけ。多少だが時間は稼げるだろう。 …そもそも“使い捨て”のASUから派遣された兵士の容態など俺にとっちゃどうでもいい事だ。 戦場で一番厄介なのは怪我をした仲間だよ。 気を取られたら仲間は死ぬ。動くのは遅い、苦しみの果てに無理な助けを求め、逝く。 俺の辞書に同情という言葉は無い。あるのは殺戮と逃走と…無慈悲のみだ。」
ベルデットは冷たい言葉を2人に投げかける。
肩から血をポタポタと垂れ流すライギーなど、早く消えれば良いとでも言うような感じの言葉だ。
「……この任務が終わったら、またゆっくり話しましょう。 生きているかどうかですけどね。」
強く握る拳を振らないだけ大人な対応を取ったと思おう。涙潤んだ目を手で拭くと、クリアはあたりを見渡す。
誰も居ない。 リシングスキーの姿以前に、敵兵や、動物の姿も無い。
「…本当に、リシングスキー達は来ないんでしょうか……心配です。」
「黙れ。」
- Re: Black Fox:48 ( No.27 )
- 日時: 2011/04/28 22:27
- 名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
- 参照: 小説のwiki作成中
「悪い。 遅くなった。」
リシングスキーが3Fフロアに到着したものの、相変わらず人の姿は無い。
ベルデット達は何処へ行ったのだろうか?それは分からないが、とにかく任務の遂行を急ぐばかりだ。
「……あれは…ライギー…? ライギー、ライギーじゃないか!?」
ライギーを白眼視していたベルデットとは違い、同じ仲間として親しみをある程度持ったヴェッフェンはやはり反応が異なった。
同じ部隊に所属した同士、何か通じるものがあるのだろうか。
「止血剤……止血剤だ……間に合わないかもしれないが…少しでも延命したいんだ…た…すけ…あ…あ…」
「隊長! 止血剤を!早く!」
「……駄目だ。 彼は助からない。 それでも良いなら、渡す。」
「良いです! 早く!」
既にライギーの出血は深刻極まりない事態となっている。
それを即座に判断し、助かるのは不可能に近いと見たリシングスキーが比較的正しいのだろう。
だが彼は戦場での同情を一切否定する、という男では無い。
人間には必ずしも感情がある。 喜怒哀楽、様々だ。
その喜怒哀楽の中で、悲哀という感情を規制するのは聊か理不尽である。
「ぐっ……ヴェッフェン…俺の……銃……渡す…ぞ…」
「ああ、分かった、分かったぞ。 一緒に生きるぞ。生き残るんだ。」
「……隊長、もう少し待ちましょうか。」
「アルバート、久々に賛同できる事を言ったな、評価してやろう。」
- Re: Black Fox:48 ( No.28 )
- 日時: 2011/04/28 23:42
- 名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
- 参照: http://www45.atwiki.jp/blackfox48/
wiki完成いたしましたー 参照にて。
- Re: Black Fox:48 ( No.29 )
- 日時: 2011/04/29 21:25
- 名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
- 参照: http://www45.atwiki.jp/blackfox48/
「………ふむ。 双眼鏡で覗いた所、アイツがハーゲンだな。 …!? ま、待て…!! あれ…スリディアじゃないか…!? ハーゲンが銃で狙ってる先に居る……まずい……!! 誰かスナイパーライフルをよこせ!!」
ベルデットは焦った表情を露わにし、双眼鏡で膝を叩く。
ブリッジで佇むハーゲンと武装した兵士達の前方に、座りながら、震え、おののくスリディアの姿があったのだ。
残念ながらスリディアの武器は全て回収されており、抵抗できる状態でも無い。
冷たい風が背中を押す中、ベルデットはその光景を恐れながら見ている事しか出来なかった。
「この鼠め。 貨物船に潜入し、あのクズ野郎を助けたかったのか? 笑わせてくれる。私の拳銃で頭を撃ち抜き、天国…いや、地獄にへと送ってやろう。戦場で死ぬよりはマシだろう?さあ、跪け!跪くのだ!」
ハーゲンは屠る様にナイフを取り出し、震えるスリディアの体を切り刻んだ。
服はボロボロになり、まるで溶岩の様な血が体から流れているのが見える。
しかしそれで済ます訳にもいかない。
「……ほう?まだ耐えるのか。 これは興味深い。 次は……」
ハーゲンが次の拷問方法を頭に浮かべている中、静まり返る。
誰かが喋れば、ターゲットは変更され、死ぬ。邪魔をしてはいけないという恐怖が兵士達の体を蝕んでいた。
「……そうだな。 熱した鉄でも渡してやろう。 用意しろ貴様等!」
「サー!」
その瞬間、何処かから銃声が聞こえた。
恐らくライフルによるものだろうか、銃声が聞こえたのは良いものの、肝心の弾丸が見えない。
「何の音だ……? どうせ敵兵によるものだろう。 それよりもハーゲンを偵察しなければ。」
「ハーゲン様! ハーゲン様!」
まさに異口同音、兵士は声を揃えて頭から血を流すハーゲンを心配しようとする。
だがそれも、スナイプの的になるだけであった。
「……シリングスキー、か? 無線は繋がらない。 確認する術は無いな…」
- Re: Black Fox:48 ( No.30 )
- 日時: 2011/05/06 14:45
- 名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
「ハーゲンが死んだ。 この男も殺せ 証拠隠滅だ。 政治家を連れて貨物船を爆破するぞ。」
「そんな無茶な! リーダーが居なくなったとは言え、お前が自治するのは間違ってる!!操作室に行かせろ!」
「兵士の癖に生意気な口をきいて…生き残れるとでも思ったのか?残念ながら用意された選択肢に生存は無い。 とっとと死ぬんだな。」
「ハーゲンは殺した。 次は救出だ。」
リシングスキーはまさに疲れている、という表情を隠し、任務を遂行しようとする。
しかし、ベルデットと合流できないまま自分達が任務遂行するのは如何なものか。
前からチームワークを謳ってきたが、今回はチームワークも何も無い思考である。
「ベルデットは、どうするんです?」
「…あいつも付いてくるだろ。任務遂行に勤しめ。」
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