ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 白薔薇の牢獄のアリス
- 日時: 2011/04/16 23:28
- 名前: 涼 (ID: fS3ho1RJ)
◇挨拶◇
始めまして名前は涼と言います。
今回はアリス系の小説を書きます、
それでは、宜しくお願いしますね。
——
◇注意◇
*/猟奇的、グロテクス、ダークな表現が出て来ます
*/荒らしは宣伝は厳禁です!
*/注意書きを読まずに苦情などは一切受け付けません
——
◇登場人物◇
*白宮 アリス ( hakumiya arisu ) ♀
心優しく純粋な性格で絶世の美貌を誇る才色兼備。
*黒宮 ハクト ( kuromiya hakuto ) ♂
非道な上に冷淡な性格の美青年でアリスに歪んだ恋心を抱いている。
*灰丘 ライ ( haioka rai ) ♂
ハクトに永遠の忠誠心を誓った少年で殺人が趣味のサディスト。
.
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- Re: 白薔薇の牢獄のアリス ( No.1 )
- 日時: 2011/04/16 23:40
- 名前: 涼 (ID: fS3ho1RJ)
*/プロローグ
永遠に閉じ込められる運命に何も知らぬ乙女は、
永遠に美しく清らかな、
( 白薔薇の塔 )
に永遠に、悠久に閉じ込められるのだ。
乙女は何も知らない。
自分が不幸なのかさえも分かってはいないのだ。
何故なら白が霞んで見えるほどの純粋な性格だからだ。
永遠に乙女を閉じ込めさせる役目を望んだ青年は、
永遠に白薔薇とその乙女を玩具に出来た。
その大切な宝物の玩具の持ち主は、
( 黒百合の城 )
に住まう悠久に孤独に忌み嫌われる存在になった。
黒が妖艶に見えるくらいの闇になった性格に、
また主人に悠久に付き添うある召使いも闇の住人に。
そんな永遠に混ざらないこそ、
双子の如く存在している
黒と白の物語——。
.
- Re: 白薔薇の牢獄のアリス ( No.2 )
- 日時: 2011/04/17 12:41
- 名前: 涼 (ID: fS3ho1RJ)
*/01 ( 美しい牢獄 )
ある純白の色をした時計塔があった——。
そこは小さな庭に白薔薇が咲き誇っている。
塔の周りを囲むかのように、
そして、蔓は塔の壁に絡みつき白薔薇を咲かす。
そんな塔はある人物を除けば誰も来なかった、
来れば死があるのみと分かってたからだ。
通称、白薔薇の塔にはある少女が住んでいるのだ。
絶世の美女と謳われる少女が監禁されている、
云わば牢獄だったのだ。
彼女が永遠に出てくる事はない。
何故なら彼女は数世紀前から生きてるからだ。
その原因を作ったある伯爵もまた数世紀から生きていた。
そして、その伯爵に仕える召使いもまた同じく生きていた。
今日もまた伯爵の召使いが白薔薇の塔に来た。
伯爵の愛した少女の様子を見に来るため、
脱走しないように、見張り番も居るのだが、
疑い深い考えの伯爵は信頼する召使いに行かせる。
毎日ちゃんと時間にピッタリ正確に来ている。
—— ギィッ…
白薔薇のなかに通じるドアを開ける。
そして階段を上り切れば、
ある部屋があった。
そのドアにノックする。
「はい、お入りください」
とても澄んだ美声の持ち主が返事する。
召使いは部屋に入った。
部屋は絢爛豪華な家具に溢れていた、
そして全部真っ白で塔に似てる。
部屋の主人は、穏やかな微笑みで召使いを迎えた。
「こんにちわ、ライ。ハクト様はお元気かしら?」
「はい。アリス様もお加減は如何ですか?」
「とても良いわっ!」
アリスの微笑みに魅了しない者はいない。
そう、伯爵の召使いをただ一人除けば、の話だが。
ライと呼ばれた召使いは無表情のままだった。
アリスは、そんな召使いに絶えず微笑みを浮かべる。
そして、唯一のメイドに紅茶を淹れるよう頼んだ。
メイドは深々と頭を下げて部屋をさがった。
アリスは純白の天蓋付きベットに腰掛ける。
ライは立ったままだったが座るよう言われて、
近くにあった椅子に座った。
「ライ、いつになればハクト様は此処に来てくださるの?」
「そうですね…、ハクト様があなたの願いを聞けばいつでも」
「そうですの」
寂しげに呟いたアリスにライは言った。
「大丈夫ですよ、ハクト様は必ずあなたに逢いに来ますからね」
「……ホント?」
愛らしい幼児のように目を輝かせて言った。
美しさが部屋中に充満した。
「えぇ。必ず僕がハクト様を連れて行きます」
手を胸に当て深々と跪いたライ。
アリスはそんなライに優しく微笑み。
「お願いしますわ、ライ」
同時にドアにノックの音が聞こえた。
メイドが紅茶を持って来たのだろう。
メイドが紅茶を部屋に運び終え出て行く。
アリスは紅茶を手に取り、飲む。
ライも自分の分の紅茶も手に取り、飲んだ。
優雅なお茶会は始まったばかりだった。
.
- Re: 白薔薇の牢獄のアリス ( No.3 )
- 日時: 2011/04/17 13:11
- 名前: 涼 (ID: fS3ho1RJ)
*/02 ( 強い苛立ち )
「黒宮ハクト伯爵、貴殿の屋敷は素晴しいですな」
「黒という神秘的色合いが似合う屋敷ですわね」
屋敷主催のパーティーにお世辞を言う下級貴族たち。
ハクトはそんな貴族たちにウンザリしながら、
適当に返事を返していた。
王家の血を引き継ぐ王家の親類で、
最後の黒宮家の生き残りである。
黒宮ハクトは美しさと気品さに溢れ出ていた——。
だが、美しい薔薇には棘がある。
ハクトは残虐な性格になっていたのだ。
暇潰しに人を殺したのは幾ら殺したかは忘れるくらい。
そして王家の血が途絶えぬように、
先代の当主が悪魔と契約し、ハクトを不老不死にさせた。
ハクトは受け入れる代わりにアリスとライも同じようにさせた。
だから人々はアリスに同情し、ハクトたちには非難する。
それは裏であり表向きは誰もハクトに逆らえなかった。
この国の最後の王家の血を引くハクトに。
人々はハクトを「悪魔」として忌み嫌い続ける。
今もこれからもずっと——。
「つまらない、此処に居る全員を殺せ」
自分の傍に従える執事にそう呟くように命令した。
その言葉に貴族たちは悲鳴を上げる。
が、時は遅く騎士たちが貴族たちを殺し始めた。
—— 助けを乞う、ある貴婦人に、ハクトは、斬り捨てた。
「ライはまだ戻ってこないのか??」
貴婦人の血が付いた代々伝わる剣に貴婦人の血を拭う。
傍にいた控えめな執事は一礼したあとに言った。
「はい、もうすぐ戻るとは思いますが…」
「そうか、俺は部屋に戻る。後始末は頼んだぞ」
「分かりました、ハクト様」
ハクトは血で濡れた庭を後にした。
後ろでは泣き叫ぶ声や甲高い悲鳴が響く。
皆、己の生だけに執着している。
誰も助けもしない、助ける奴がいるはずがない。
安っぽい奴等だとハクトは冷笑したあと、屋敷に姿を消した。
——
部屋に戻ったハクトはベットに寝転がった。
窓を見ればまだ貴族たちは逃げ惑う。
「しぶとい奴等、だな……」
そこへ見慣れた灰色の髪をした少年が見えた。
手を赤く染め短刀で、人々を切り伏せてる。
召使いのライだった。
歳はまだ14歳なのに天才的な武術の才能があった。
それと同時に恐ろしいサディストでもある、
自分が二人だけの内の一人、信頼する召使いだ。
「やっと着たか………、相変わらず人を殺すのが好きだな」
ライは実に笑いながら貴族たちを殺していた。
ライは殺人が趣味という狂気的な嗜好の持ち主だ。
人を貴族を殺すたびに手は赤く染まる…。
まるで喧嘩を見物する野次馬みたいに窓から、
貴族たちを殺し続けるライを見物する、
ハクトだった。
.
- Re: 白薔薇の牢獄のアリス ( No.4 )
- 日時: 2011/04/17 16:36
- 名前: 涼 (ID: fS3ho1RJ)
*/03 ( 訪問者 )
「ふうん、アリスが逢いたい、とか……」
「はい。ハクト様」
ハクトは目の前に跪くライのほうを見る。
先程はあんなに狂ったように人を殺し、
嘲笑ったライは自分の前だと忠実な飼い犬だ。
椅子に座り読書していたハクトは本を投げ捨てる。
バサッと本は床に落ちた。
ライはそんな本を拾い上げ本棚に仕舞う。
ハクトは妖艶な笑みを浮かべて立ち上がった。
そしてコートを羽織る、出かける身支度だ。
ライは一礼したあと部屋を出て馬車の準備をした。
今から愛しいアリスに逢いに行くのだ。
この頃は忙しくてロクに逢いに行けなかった所為か、
ハクトは珍しく笑顔だった。
「いってらっしゃいませ、ハクト様」
執事の言葉とともに馬車は屋敷の門を通り抜ける。
向かう先は、白薔薇の塔——。
——
白薔薇の塔に着いた。
相変わらず塔は白薔薇の蔓に囲まれている、
そこに薔薇は美しく咲き誇っていた。
「ハクト様、それは何ですか?」
ハクトの持つ白い箱にライは訪ねた。
ハクトはフッと不敵に笑い、
「アリスへのプレゼントだ」
とだけ言った、ハクトは塔のドアを開ける。
階段が続いており、そこを上り切れば、
アリスが居る部屋だ。
—— ドアをノックする。
「はい、お入りください」
懐かしいアリスの声にハクトは心を躍らせた。
冷淡なハクトを魅了させるのは、
アリスただ一人だけ。
ハクトは持っていた箱をアリスに手渡す。
アリスは不思議そうに首を傾げた。
ハクトは今まで滅多に見ない微笑みを浮かべた。
「アリスにプレゼントだよ」
「まあ…!」
アリスは喜びながら箱のリボンを解く。
中身はネックレスだった。
「まあ、綺麗ですわっ!!」
「お揃いだよ、俺は三日月、君は…星だよ」
たしかに二つをあわせるとピッタリだった。
アリスは優しく微笑んでハクトに言った。
「あたくしは永遠にハクトの味方ですわ」
アリスはハクトを抱き締めた。
「俺もだよ、……アリス」
その言葉はアリスを永遠にこの塔に閉じ込めている本人なのに、
アリスはそれさえも知らずに、彼を愛し続ける。
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