ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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逸脱の世界deviation worlds 
日時: 2011/11/16 20:29
名前: 未来 (ID: HhjtY6GF)

※パソコンの不具合?かどうか不明ですが、パスワード入力しても操作効かずの日々……。
 作り直させてもらいました。ご了承ください。



一応、初心者です。なので、コメントやアドバイスを厚かましいですがお願いします。
内容は“超能力”やら“非現実的”なものが中心です。
ではでは、楽しんで読んでくれたら幸い( 一一)……。








【逸脱/deviation…中心、決められた範囲からそれること】

    その目で、現実を見極めろ─────。


 ─ Casting ─
  <人/human>
    第2班>>002
    日本政府防衛対策本部>>007
 
    
  <ダークマター/darkmatter>
    トレス部隊>>005




 ─ Words ─
  >>003

  ─A chapter`1´ Deviation world / 第1章 逸脱の世界─
     >>001 >>004 >>006

Page:1 2



Re: 逸脱の世界deviation worlds ( No.4 )
日時: 2011/11/06 21:56
名前: 未来 (ID: HhjtY6GF)



僕たちが、どうして非現実的な状況が飛び交う戦場に

歩兵として駆り出されたか

理由は至って簡単でシンプル




僕たち、日本精鋭防衛特殊進撃部隊は





非現実的な力を持っているから













目には目を 歯には歯を



















      逸脱には逸脱を


























第2班の戦闘員である箱丸優は、某ホテルの2階の一室にいた。
埃被ったベットの上に寝そべって、ただボォーっとした表情を浮かべている。
特に考えていることはない。
班結成の日、初めて仲間たちと顔を合わせた時は色々と考えた。
「逸脱の日」を迎えた当初は、1時間1分1秒考えていた。次の行動、何が起こるか、未来は続くのか。
しかし、今は考えることに疲れ果てた。頭を動かせば、目の前で死んでいった者たちの残像が走馬灯のように甦る。
だから、せめて、休息の時は何も考えないようにしている。

「優、入るぜ。」

ドアが軋みながら開くと、ボサボサの髪に眠そうな目をした第2班の通信士である若森大地が入ってきた。
大地は持っていたフルーツの缶とトマトスープの缶をテーブルの上に置くと、ソファーにドカッと座った。
座った瞬間、辺りに埃が舞うが気にはしない。
「大丈夫か。また、未来が見えたか?」
大地の問いかけと共に、優は上半身だけを起こすと、無言で首を横に振る。
「最近はあまり見えない。見えても、ボヤけていて見えづらいんだ。」
優の特殊能力。それは、1分後の未来が見える。すなわち未来視だ。
その能力で、“奴ら”の攻撃や策略を間一髪のところで見抜いて、第2班を支えてきた。
しかし、最近はその能力の調子が悪い。
理由は分からない。ただ、それが原因で未来が怖い。

今までは見えてきた未来。たとえ、1分先でも見えてきた未来。

それが突然見えなくなった。


  ━もしかしたら、1分後には自分は死んでいるんじゃないか━


この想像が、頭を何度も過る。
17歳の高校2年生には、厳しすぎる現在。
優の鬱屈な表情を見て、大地は罅の入った窓から東京の街を見る。
“奴ら”が地球を侵略して、この渋谷区も姿を変えた。
ネオンで多彩に輝き、若者の集う場所であった渋谷には輝きもなく、人の姿もない。
暗夜に飲み込まれた、ただの廃墟。
月明かりだけが、ボゥッと東京全体……いや、世界を照らしている。
宇宙から見た地球は、今どのように見えるのだろうか。
蒼い海、真っ白な雲、陸、ちゃんと見ているだろうか。


「優、地球は今、宇宙から見たらどう見えんのかな。」


優は大地の問いかけに驚いたが、その偶然に微笑んだ。
大地は微笑む優に疑問を抱いたまま、満月と星屑が散らかる夜空を見上げる。
「綺麗に輝いてるか、それとも、ただのどす黒い球なのか。」
優は大地の言葉に対し、何を答えればいいのか分からない。
「その答えは先にあるのか……」



「違うな。私達が作るんだ、その答えを。」



2人は突然聞こえた声に驚き、肩をビクッと動かして後ろを振り向く。
いつの間にか、ドアの付近に石嶋が立っていた。
「まったく不用心だな。休息は取るのは良いが、もう少し気を引き締めろ。」
「も、申し訳ありません……」
2人が声を揃えて言うと、石嶋は笑みを浮かべてソファーに座った。
「答えは作るんだ。私達で、世界を、人類を、地球を救い、全てを取り戻す。」
石嶋の言葉に、優と大地は目を合わせて、何も言わずに頷く。
そんな3人の会話を、部屋の外の壁に寄り掛かって聞いていた副隊長の西沢洋子は、大きな溜息を吐いた。
長身でモデル並みの姿から、戦えるとは想像もできない西沢は、何もない薄汚れた壁を見ながら呟く。
「甘いよ、あなたたちは………。まだ、ダークマターの力を目の当たりにしてないから………。」
西沢はポケットから折りたたみ式のハンドミラーを取り出し開くと、鏡には西沢と1人の男性が写ったプリクラが貼られていた。
「明人、絶対に見つけるから。」



 ******



暗夜に包まれた東京の渋谷区に、夜空から青い発光体が3つ降り立った。



「……しかし、本当にいるんですかね?」

「絶対にいる。シー、フルブンス、お前ら絶対にボスに言うなよ。単独行動は本当はダメなんだからな。」

「ん……あ〜、はい。了解です。」


闇から現れた3体の悪魔。
姿は人間だが、どこかが違う。
皮膚は黒ずみ荒れ果て、まるで卵の殻が割れたかのような罅の入りかた。

悪魔という名の   ━ ダークマター ━   という地球外生命体。

3体の内、中央にいる頭を包帯で巻き、背中に槍を2本抱えたトレス・T(トリトーレ)・サンタは不気味に微笑んだ。
「行きますか?」
トレスの部下であるシー・ブリッチャーが尋ねると、トレスは首を横に振り、目の前に建つ高層ビルを見上げる。
「奴らは夜が明けると同時に動く筈だ。そこを突く。」
シーの後ろで寡黙なフルブンス・ジェクターは、トレスを見ると謎の笑みを浮かべた。






「猫が勝つか、鼠が勝つか……。」










その時、夜空を光が横切った。

Re: 逸脱の世界deviation worlds ( No.5 )
日時: 2011/11/08 19:36
名前: 未来 (ID: HhjtY6GF)






ダークマター……地球を侵略する地球外生命体。人間に憑依して行動する。本体は黒い煙の集合体。





【トレス・T(トリトーレ)・サンタ】
ダークマター集団の幹部でトレス第1部隊隊長。階級はマーシャル。頭を包帯で巻き、背中に2本の槍を背負っている。
好戦的な性格の持ち主で、躊躇なく人間を殺す冷徹さを見せる。海上自衛隊軍艦‘軍艦’を襲撃し破壊した主犯でもある。
常に部下2名と3人1組で行動しており、集団で行動することを嫌う。


【シー・ブリッチャー】
ダークマター集団の戦闘員でトレス第1部隊隊員。階級はリベガー。激しい戦いを好む。


【フルブンス・ジェクター】
ダークマター集団の戦闘員でトレス第1部隊隊員。階級はリベガー。寡黙であまり喋ることはない。

Re: 逸脱の世界deviation worlds ( No.6 )
日時: 2011/11/12 19:44
名前: 未来 (ID: HhjtY6GF)







     また、夜が明けた─────。





   逸脱した世界を照らす、乱脈の太陽─────。






「……ぁ。…………ほらぁ!!さっさと起きろ!!!」

埃まみれのベットの上で寝ていた優を、西沢が足蹴りで起こした。
「うっ……もう、朝ですか。」
「夜が明けてる。すぐ出発しないと予定した時間に着かないわよ。」
西沢はライフルを握り直すと、部屋から颯爽と出て行った。
優はベットの脇に並べ置いていたライフルや拳銃、手榴弾を身につけると、背伸びをして大欠伸をした。
あれから大地と石嶋と食べ語り合い、優が寝たのは深夜2時過ぎだった。
寝不足の優は腕時計を一度見て、二度と使うことのないホテルの一室から出て行った。

 ******

エントランスに着くと、すでに準備万端の石嶋、大地、西沢の姿があった。
「おぅ、おはよう。」
「大地、隊長、西沢さん、おはようございます。」
優が挨拶すると、大地と石嶋は笑顔で挨拶を返した。しかし、西沢は無愛想に優から視線を逸らす。
西沢は元政府の人間であり、海上自衛隊の少佐である。
そして、世界的にも知られている海上自衛隊軍艦‘英雄’の副艦長である。
軍艦の副艦長に女性が選ばれたのは歴史上初。そのため、西沢は政府全体から期待と信頼を得ていた。

が、それが裏目となり、日本精鋭防衛特殊部隊に選ばれてしまった。

「逸脱の日」を迎えること、そして何が起きるか、政府の上層部の人間だけは知っていた。
勿論、西沢もその内の1人である。
だから特殊部隊結成当初、西沢は他の部隊から軽蔑の眼差しを向けられていたのだ。
真実を知らない者が命をかけて戦う、真実を知る者が全てを理解して戦う。この2つは、大きく異なる。
何も知らずに死んだ者、全てを知った上で死んだ者。この2つも、大きく異なる。
全ての部隊、戦場で戦う兵士たちは、西沢に鋭い眼差しと影で罵声を浴びせた。


だけど、第2班だけは違った。


石嶋は快く西沢に声をかけ励まし、優も暴力的な部分は苦手だが姉のように思っている。
大地と西沢は仲が悪いが、大地は心の底では西沢を仲間と思い、同時に友と思っている。
ぶっきら棒な西沢だが、自分自身が一番理解していた。
今、この世界で、自分の居場所はここだけだと。ここだけが、安心していれる場所だと。

「よし、では行こう。目指すは東京湾にある軍艦‘英雄’。物資の調達とその他調査だ。」
石嶋は3人にそう言うと、ライフルを構えてホテルを出た。
石嶋、優、大地、西沢の順番で出て行くと、建物に沿って目的地へと進む。
足場は不安定なアスファルト、ガラスや瓦礫が散乱している。
たまに、血がこびりついた壁や地面を見るが、「逸脱の日」に入って以来、遺体は見ない。
上を見上げれば、壁にポッカリと穴のあいた高層ビルばかり。
ひどいところでは、建物の上層の部分が下に落下し、道路を防いでいる。
「若森、大体今どの辺を進んでいるか分かるか。」
大地は背中のリュックから地図を取り出すと、地図を見て数秒で即答した。
「渋谷区を抜けて、もうすぐ住宅街に入ります。住宅街に沿って行くと明治通りに出れます。明治通りを進めば、少しは……。」
大地が話しているその時だった。

「ストップ、何か聞こえるわ。」

西沢のその一言で、全員はライフルを構えて辺りを見渡した。
西沢は超聴覚という能力を持っており、人の数十倍の聴覚の持ち主である。
しかし、全員が辺りを見渡すが、特に気配は感じない。
「何の音だ?」
「息を整えてる音……女性のきつそうな声も混じってる…………距離からして、数百メートル範囲。」
石嶋はそれを聞くと、道路に横転していた軽自動車に上り、目を閉じた。
「心の中に話しかけるの?相手がダークマターだったらどうする気?」
「大丈夫だ。あいつらは力のない女性に憑依しない。」
石嶋の能力は精神会話。他者の心に話しかけ、心の中で話すことができる。俗に言うテレパシーでもある。


『誰だ。どこにいる?』


『…………!?……誰……神様?』


『どこにいる?答えてくれ。』


『車の中……リムジンだから…………すぐ分かると思います……。』


石嶋は目を開けると、周囲を懸命に見渡す。
「何か分かりましたか?」
「リムジンの中にいるらしい。結構つらそうな声だった、気をつけて探せ。」
全員はライフルを構えたまま車道に出て、一台一台を丁寧に調べて行く。
数分が経ち、大地の声が閑散とした渋谷の街に響き渡った。

「いたぞ!!」

大地の声がした方へ3人が向かうと、そこには横転して前部分がコンビニに突っ込んだリムジンがあった。
異様な光景に優は一瞬目を奪われたが、すぐに大地の元へ駆け寄り、車内の女性を救出する。
「大丈夫?」
「……腕切ってるだけ………ありがとう…………」
女性は大地の手を掴み、車内から助けられた。
その瞬間、全員は女性の姿に驚いた。


幼く純粋な目、荒れ果てた街に輝く金髪、そして、どこかの学校の制服─────


「ありがとう……ございます…………え……これは……。」
高校生ぐらいの女の子は、荒れ果てた東京渋谷区を見渡して絶句する。
どうやら、今初めて、この世界を目の当たりにしたらしい。
「今まで、気絶、していた、のか?」
石嶋が恐る恐る女の子に尋ねる。
「……はい。突然爆発音が聞こえたと思ったら……車が吹き飛ばされて…………そのあとの記憶は……。」
女の子は辺りを見渡した後、何か思い出したのか、リムジンの運転席の方へ駆け寄る。
「……いない。運転手さんは…執事さんも…………」
女の子は目に涙を溜め、声を殺して泣き始めた。
西沢は3人を見て溜息を吐くと、女の子に駆け寄る。
「大丈夫。生きてるわ。名前はなんていうの?」































     「…渡会………二乃…………」


























  荒野に咲いた一輪の花との出会い───────







             それは、希望の欠片だった─────

Re: 逸脱の世界deviation  worlds 更新うp ( No.7 )
日時: 2011/11/16 20:19
名前: 未来 (ID: HhjtY6GF)

【戒場 京二郎 / カイバ キョウジロウ】
 現在の日本総理大臣であり日本政府防衛対策本部の最高責任者。55歳。年齢からは想像できない程に容姿は若い。
 見た目は温厚で優しい雰囲気を出しているが、性格は非常に冷酷であり、成功のためなら何でもすることができる。
 「逸脱の日」の2011年から5年前に起きたPF社旅客機墜落事故の唯一の生き残り。本人曰く「運が良かった。」。
 安全のため常に対策本部に滞在し冷酷な命令をするため、部隊や職員、一般市民からは冷たい目で見られている。


【若森 誠 / ワカモリ マコト】
 日本政府防衛対策本部第1指令室責任者。部隊第2班の若森大地の実兄。27歳。秀才でIQ130の持ち主。
 実弟の大地のことは弟と思っておらず、性格上家族自体を嫌っていた。常に孤独だが、本人は気にしていない。
 優秀な経歴から戒場に好かれており、戒場の秘書的な存在でもある。


【宇瀬谷 武史 / ウセヤ タケシ】
 日本政府防衛対策本部警備部隊隊長。30歳。元自衛隊であったが、「逸脱の日」以降は強制的に現在の職に就いた。
 戒場に不満を持っている1人であり、戒場や戒場に通じている者の命令は完全無視。運動神経は良く、知識も豊富。


【布鎌 伝助 / フカマ デンスケ】
 能力:大鎌…触れた物質を大鎌に変形することが可能
 日本政府防衛対策本部スーパーエージェントNO.2。パートナーは柊瑠璃。優に強制招集をかけた人物。29歳。
 政府がすることは全て正義と思っており、自分のすることも絶対正義と思っている正義主義者。


【柊 瑠璃 / ヒイラギ ルリ】
 日本政府防衛対策本部のスーパーエージェントNO.18。パートナーは先輩である布鎌伝助。
 25歳。戒場に不満を持っている1人。宇瀬谷とは高校からの親友。


【博士 / ハカセ】
 日本政府防衛対策本部に極秘で設置されたダークマター調査専用研究所の責任者であり博士。本名不明。身元不明。
 常にガスマスクを被っており素顔を見た者は少ない。白衣の下はスーツ。
 戒場からは「マッドサイエンティストを超えたサイエンティスト」と呼ばれている。

Re: 逸脱の世界deviation worlds キャストうp ( No.8 )
日時: 2011/11/16 20:28
名前: 未来 (ID: HhjtY6GF)

参照100突破♪

更新トロイですが、今後も宜しくお願いします。
コメント&アドバイスも待ってます。


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