ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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殺しても、いいですか? うむ。内容がアレだから移転しよう。
日時: 2012/02/08 13:22
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: bJXJ0uEo)

 移転っ。複雑・ファジーへ

——人なんて脆いもの、誰かが壊さなくちゃいけないんだよ。その役割を僕が担うだけ。
 
 そうだ、賭けよう。僕が勝つか君が勝つか。

 僕が勝ったら。ねぇ、君を殺しても、いいですか?
 僕が負けたら。さぁ、僕を殺しても、いいですよ?

   殺戮主義だなんて言わないでよ。
    僕に主義はない。
     ただ『殺戮』は『快楽』なだけさ。



□観覧して下さった神々しい方々
*風猫様(能力物の小説を執筆されている古参のお姉様! 凄腕作者様で御座います!)


□挨拶
どうも、柚子です。
初っ端からすいません。不思議な前置きを;
まぁま、今後きっと多分必要になると思うので、気にしないで下さいなっ。

楽しんでいっていただければ、幸い!


□るーる。
*荒らしバイバイ。中傷バイバイ。宣伝どーぞ。
*更新は蝸牛といい勝負! なんせファジーでも書いてるもので。てへぺろ☆
*グロ表現多数。お気をつけて
*コメント、アドバイスは歓迎しまっせおう。

□めにう
第一幕
序章『影人に』
>>002

□ちょっとした……
ちょっとしたキャラ紹介「>>001

□お知らせ

□更新履歴
スレ建て日。2012年02月05日

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Re: 殺してもいいですか? 能力の無差別乱用いいでしょう? ( No.1 )
日時: 2012/02/05 18:27
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: bJXJ0uEo)

□ちょっとしたキャラ紹介『1』


「サンプルボイス」
キャラクタ名【】
読み【】
性別【】
性格【】
容姿【】
身長【】
体重【】
能力【】
職業【】
備考【】



「人なんて脆いもの、壊して罪に問われるんですか?」

キャラクタ名【木月 奏】
読み【きづき かなで】
性別【男】
年齢【17歳】
性格【裏/歪んでる。危険思想の持ち主で、快楽を殺戮から得る。表/優しくて爽やか。】
容姿【黒の短髪で、目は灰色。黒ブチ眼鏡をかけている。ワイシャツに黒のベスト、黒のだぼついたズボンを着用。】
身長【178】
体重【64】
能力【快楽主義/ワールドエンド】
職業【高校生/影人】
備考【表/ごく普通の進学校生。裏/殺戮を繰り返し行う影人】



「貴方は大事な影人なの。影人守のいないところで暴れないでもらえる?」

キャラクタ名【山中 ヨミ】
読み【やまなか よみ】
性別【女】
年齢【16】
性格【表/大人しく誠実。人当たりがいい。裏/冷めている。奏と同じく危険思想を持っている。】
容姿【赤茶色の髪のツインテール。ゴムは黒。オーバーオールを着てることが多い。目は黒。】
身長【163】
体重【47】
能力【最後の守り/ラストエディション】
職業【高校生/影人守】
備考【表/普通の進学校生。裏/影人を守る影人守をしている】

Re: 殺してもいいですか? 能力の無差別乱用いいでしょう? ( No.2 )
日時: 2012/02/05 19:21
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: bJXJ0uEo)

第一幕
序章『影人に』

 ——ハァッ、ハァッ
 暗い闇の中に誰のものか分からない荒い息が響く。こんな夜更けにトレーニングでもしている様を思わせるこの息を目印にしている二人がいた。

「影人」
「あぁ、ちゃーんと見つけてるから心配しないでくれよ」

 “影人”と呼ばれた男が、獲物を見つけた獣同様舌なめずりをする。影人の目は血走っており、じょじょに息も荒々しいものに変化していく。二人が狙っている獲物は高いビル群の間の狭く細い路地にいた。このビル群、元はホームレスの巣であったが現在(いま)はヤクの受け渡し場と変わっていた。

「影人、二人目」
「うっさいな……。まぁ、見えてなかったから有り難いんだけど」

 よいしょ、と団塊世代の人間が口に出しそうな決まり文句を穿きながら影人は高層ビルの屋上で胡坐をかく。先程から『影人』と呟いていた女はその横でじっと獲物を見つめていた。二人がいる高層ビルの高さは約168メートルくらいである。地上にいるよりも風が強く冷たいため、この高さから銃を撃とうとするならば防寒手袋が必須だ。だが、この二人は普段着を思わせる服装をして寒さを感じていないという雰囲気を漂わせる。

「影人、逝きましょう」
「ああ、逝ってきます」

 そういうと、影人は両手を大きく広げ暗い静かな闇に溶け込んでいった。重力で引っ張られ続けている影人の体は延々と加速が続く。着ている服もバタバタと風で波打っていた。下から吹き上げる強い風を物ともせずに影人は屋上から見た路地をじっと見つめる。中に白いスーツを着た男が入っていったのだ。

「よっ!」

 カツン! と革靴が大きな音を響かせる。相当な勢いが付いていたためだった。影人は地面につくが早いがビジネスマンのように革靴の音を鳴らしながら暗い路地へ迫っていった。

『影人』

 耳に女の声が響き、影人は足を止める。薄っすらとたち込めて来た靄の影響で視界が段々と白く変わっていく。
 終には7メートル先をみるのが精一杯になるほどだ。

『上からお許しが出たわ。どうぞ、好きなように“壊して”』
「……りょーかい」
『あら? 嬉しくないのかしら?』
「壊し方考えてんだよ、うるさい」

 通信を一方的に切ると口元を緩ませにこやかな笑みを浮かばせる。軽い足取りで影人が向かうのはあの路地。影人は路地が好きだった。黒く細く、誰も気にも留めない路地で獲物を殺しても見つからなく、見つける人もいない。その獲物の死を知っているのは自分だけ……。そう考えると体の底からじんわり、じんわりと快感の渦が湧き上がってくる。その獲物の数も多ければ多いほど影人の快楽を深くしていった。

「ねぇ」

 路地の目の前まで歩いてきた影人は路地に向かって問い掛ける。影人は誰かが自分を見ているのを感じ、再度口を開く。

「君達の壊し方、考え付いたんだ」

 コツ、コツと靴を鳴らしながら路地を進む。狭い路地に置かれている細いパイプを見ると影人が笑顔を浮べた。

「ぐちゃぐちゃの、ばらばら死体なんてどう?」

 ヤクの取引をしている二人の目の前に立ち、営業スマイルで言う。売人は瞬時に笑顔の影人にガンを飛ばした。対照的だったのは取引先の姿から見てコンビニ店員。口をパクパクとし、影人は鯉のみたい、と笑っていた。

「なぁ、にーちゃん」
「ねぇ、おじさん」

 売人と同じような物言いで相手を挑発していく。売人がヤクザものなら面倒臭い奴が多いと踏んでの行動だった。その二人の様子をプルプルと小型犬のように震えるコンビニの店員が見る。

「バイバイ」
「な゛っ……!?」

 言葉を紡ごうとした売人の左胸を容赦なく何かが貫く。それは銀色の刺身包丁のようなものだった。影人にビチャビチャと男の返り血が沢山付く。影人はそれを愛しいというようにうっとりとした恍惚の表情で見る。それからはもう嬲り殺しのようなものだった。一度心臓に刺した刃物で、今度は男の指を一本一本切り落していく。そのたびに影人は恍惚の表情を浮べるのだ。

「まだ続きだけど……。次はおにーさんね?」

 うっとりとした表情のまま、店員に近付いていく。店員は震え、へたり込んでいた体を無理に立たせ、路地から走り逃げようとする。その行動に笑顔を見せていた影人が虫でも見るかの様な表情を浮べる。

「殺す……。ワールドエンドで、死ね」

 店員の後姿にそう言うと、影人は面倒臭そうに店員とは反対側へ歩いていく。後ろを振り向いた店員は影人が消えたことに笑顔を見せる。そして心の中で『勝った!』と大きくガッツポーズをしたのも束の間、店員は体の節々から血を噴出しバタリとまるでアニメのように倒れる。店員の最後の言葉は、誰にも聞こえないもので「気持ちいい」と呟いた。

Re: 殺してもいいですか? 能力の無差別乱用いいでしょう? ( No.3 )
日時: 2012/02/06 15:03
名前: 風猫(元:風  ◆Z1iQc90X/A (ID: UmCNvt4e)

相変わらず独特の雰囲気が素敵ですね。
殺戮は快楽という言葉に心打たれた風猫です。そんな境地に立ちたい(やめい
殺すではなく壊すと言うのがまた何とも概念が倒壊している感じでぐっと来ます。
続きが気になりますな。
頑張って下さい!

Re: 殺してもいいですか? 能力の無差別乱用いいでしょう? ( No.4 )
日時: 2012/02/06 19:39
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: bJXJ0uEo)

風猫殿

こっちの小説にまで来て頂けるとは……。
恐悦至極、感慨無量ですw
最近『快楽』についてよく考えるようになったので。
じゃぁ、もう殺し=快楽でおk! ってね←

コメントありがとござましたっ!

Re: 殺してもいいですか? 能力の無差別乱用いいでしょう? ( No.5 )
日時: 2012/02/06 20:37
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: bJXJ0uEo)

第一章
第一話『なんちゃって高校生?』

 影人が人を壊してから数時間で夜が明けた。
 現在の時刻はAM7:49。学生が起きるには少々遅い時間に、少年は目覚めた。目が覚めた少年が真っ先に行ったのは普通の人なら行わないであろうゲーム機の電源を入れる、というものだった。コントローラーを持ってキャラクタを操作するわけではなく、ただ電源をいれゲームのスタート画面を意味も無くテレビ画面に映し出していた。つまらないBGMが鳴り響く部屋の中で、少年はベッドから転げ落ち、服を無造作に詰め込んでいるクローゼットへ向かう。彼が出たベッドから見え隠れしていたのは誰のものとも分からない謎の大量の血液だった。

「影人守、僕のベッドから出て行ってくれない? こんな朝早く目を覚ますつもりじゃなかったんだけど?」
「あら。影人は欲望のままに盛ってたくせによく言うわね」

 げんなりとした表情を鏡で確認しながら影人は呟く。それにすぐさま応戦するように返事をしてくる影人守に、影人は朝から無駄に疲れているような感じがした。シュッとネクタイ同士がすれる音を心地よく響かせながら、影人はテレビの電源をつける。真っ先にテレビに映し出された文字は『昨夜未明、影人による犯行と思われる変死体発見』だった。

「わお」
「……影人」

 有名人気分で変な声を出す影人に、影人守は呆れる事しか出来なくなっていた。それを気にせずに食い入るようにテレビを見る影人の後ろから影人守もテレビの中で必死に原稿を読み上げる女性キャスターを凝視する。キャスターはVTRの映像を交えながら、一定のペースを乱すことなく文章を読み続ける。それが現代のアニメっ子たちには耐え切る事の出来ない苦痛なのだろう。

『昨夜未明、由苅町五番の路地で変死体が二つ発見されました。一つは左手の指が何本も削ぎ落とされているもの、もう一つは血塗れで体全体が青白くなっているものだそうです。死体の状況から考えて、死後数時間は経っているようです。
 警務署では影人の犯行と見て捜査を進めていく方針です』

 現場の映像が映し出されていた画面が瞬間的に和やかな子犬たちの映像へと切り替わる。その画面を放置したまま影人は明るい木漏れ日が射し込めるリビングへと移動する。影人に続いて影人守の少女もショートパンツだけを身に纏った状態でリビングへ移動する。リビングのテーブルには二人分の朝食が、リビングのソファには見慣れない白衣を着た男が座っていた。


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