ダーク・ファンタジー小説
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- 君と僕の歪んだ世界
- 日時: 2012/12/06 21:32
- 名前: 狐浅 (ID: q4IWVUNW)
お初にお目に掛かります狐浅(koasa)と申します、
以後、お見知りおきを。
目次
prologue 異様な異能>>01
第1話 非現実との出会い>>04>>05>>06
キャラ設定(随時更新)>>07
お礼>>08>>09
- Re: 君と僕の歪んだ世界 ( No.5 )
- 日時: 2012/12/04 17:13
- 名前: 狐浅 (ID: q4IWVUNW)
the second chapter:非現実との出会い
探さなければならない。
それが私の第一の夢への一歩でありあの男に対抗する唯一の方法なのだから。
探さなければばらない。
それが私の願いであり復讐を成し遂げるための唯一の方法なのだから。
探さねばならない、探さねばならないのだ。
最強の異能者を、そして最凶の異能を。
そのためなら私は、
私は、
まずは手がかりを探さなければ。
私のこの異能があれば見つける事事態は難しくないはずなのだ。
幸い彼はまだこの町にいる。
問題はしらみつぶしに探して見つけた後にある。
もし見つけられたとしても、彼は私に同行してくれるだろうか。
私の言うことを聞いて付いて来てくれるだろうか。
もし断られたら?
...そのときはそのときだ。
彼は気まぐれだから望みが無い訳ではない。
とにかく見つけなければ。
彼を、
————忌まわしき男を叩き潰すために。
* * *
三鷹との接触後、俺たちはなんとか遅刻せずに学校に着くことができた。
いつも通りの賑やかな教室に安堵に似た感情を抱く。
やっと自分の現実に帰って来たような心地さえする。
先ほどまであんなに憧れていた非現実が酷く恐ろしく、過去の自分の神経を疑ってしまう。
俺たちが教室に入ると、数人の生徒が駆け寄ってくる。
「よっ、今日も相変わらずラブラブですなー」
そのうちの一人の名前は...確か矢口、が然程整っていない顔にニタニタと怪しい笑みを浮かべて肩を叩いてくる。
俺はそれを鬱陶しそうに払いのけてから自分の席を目指して歩く。
横目で立花を蜜と、まだ数人の生徒に囲まれて笑い合っている。
彼女にはやはり現実が似合う。
彼女にはクラスでも居場所があるし、何より好かれやすい。
それに対して俺は無愛想で直ぐ人が寄り付かなくなる。
これも全部生まれつきのこの目つきのせいだ、と愚痴ってみるが虚しくなるだけだった。
「ねー聞いた?今日うちのクラスに転入生来るんだってっ!!」
「あーそれ私も聞いたー」
「男かな?女かな?」
「男だといいなーだってホラ、私今彼氏募集中だし?きゃはははー」
馬鹿な...騒がしい女子の会話に自然と耳を傾ける。
転、入生?
嫌な予感が背筋を凍らせる。
視線を巡らせると立花もその話を聞いたのか、笑顔を強張らせている。
まさか、
そのまさかなのか?
不安と恐怖がよみがえる。
軽薄な金髪が視界に移ったような気がして辺りを見回す。
そこで丁度担任の青山がドアを豪快に開けてズカズカと教室の真ん中に立つ。
———毎回思うのだが、もう少し女らしさを持って欲しい。
青山は教室をぐるりと見回すと満足気に笑みを浮かべて手を叩く。
「おはよう諸君!!今日も欠席、遅刻共に無しで結構!!ところでもう皆知っているだろうが、私たちのクラスに転入生が来た!!」
おぉぉおおおっ
その一言で教室中が一気にざわめき立つ。
俺は冷や汗でびっしょりだって言うのに、のんきなもんだなコノヤロウ。
「はいはい静かに!!じゃあお待ちかねの転入生の登場だ!!よし、入って良いぞ!!」
青山の合図と共に教室の扉がガラリと軽快な音を立てて開く。
———そうそう、青山もこのくらい女らしく開いてくれれば。
「って、え、あ」
一瞬の沈黙。
違う。
あいつじゃない。
目の前に現れたのは女だった。
紫がかった黒髪を腰まで伸ばし、瞳は深い藍色。
なんとなく儚げな印象を抱くような、容姿端麗な少女だった。
三鷹でなかった事に安堵の吐息を吐く。
少女は黒板に綺麗な字で名前を書き出していく。
″三 鷹 憂 ″
「 は ? 」
ガタッ
椅子を揺らして立ちあがる。
一瞬、息をするのを忘れる。
何で
何で三鷹の名前が...?
同姓同名なのか?いや、でもそんな偶然ってあるのか?
引いたはずの汗がまた流れ始める。
鼓動も早くなり、息をするのが苦しい。
「おい?藤崎?どうかしたのか?」
青山に声をかけられて我に返る。
いつの間にかクラス中の視線が俺に集まっていた。
「あ、い、いえすみません、なんでもないです」
恥ずかしさと不安感がごちゃまぜになってうまく言葉に出来ない。
俺は大人しく椅子に座りなおす。
立花も驚いたように黒板の名前を凝視している。
「ならいいんだがな」
あはははは
クラス内でみんなの笑い声が響く。
俺はそれ所じゃなくて、転入生へと目を向ける。
「...え、」
ドクン
ブワッと汗が吹き出る。
慌てて逸らした目が向こうを見る事を拒む。
————何で、
笑って、る?
転入生は俺を見て嬉しそうに、まるで獲物を見つけた獣のように笑みを浮かべていた。
その笑みに、三鷹の笑みが重なる。
———ここでようやく俺は非現実に足を突っ込んでしまったのだと気付いた。
「見ぃつけたぁ」
非現実は、刻々と迫っている。
了
- Re: 君と僕の歪んだ世界 ( No.6 )
- 日時: 2012/12/05 17:27
- 名前: 狐浅 (ID: q4IWVUNW)
third chapter:非現実との出会い
毎日に絶望していた。
毎日毎日を繰り返す内に俺は自身が渇いているのに気付いた。
日がたつにつれて酷くなる渇きを、どうやっても潤せない渇きを、俺はどうしようもなく持て余していた。
何日も眠れない日が続き、俺を心配してか両親が俺が寝たかチェックしに来るようになった。
勿論俺は寝たフリをして両親を騙していた。
思えば俺はこのころから歪んでいたのかもしれない。
そんなある日、兄貴に声をかけられた。
兄が珍しく声をかけてくれたことがとても嬉しかった。
兄貴は聡明で病弱だった。
両親の大きすぎる期待のせいもあったかもしれない。
俺は兄貴と違って馬鹿で、餓鬼だった。
両親に期待されず、兄貴を恨む日もあった。
それでも兄貴を嫌いにはなれなかった。
俺は兄貴が大好きだった。
なのに、
—————如何して、?
* * *
ありえない、
如何してこう不幸というのは連続して起こるものなのだろうか。
目の前で笑みを浮かべる少女、三鷹(女)といい三鷹(男)といい、今日は恐ろしい奴にばかり遭遇する。
「んーじゃあ三鷹の席はー...藤崎の隣な」
「え、あ、え、ちょ」
青山の空気を読まない発言で俺は凍りつく。
三鷹(女)は迷わずに俺のほうへと近づいてくる。
周りの馬鹿な男子どもが「羨ましい」という視線を向けてくる。
だか俺は顔を上げられない。
上げたく、ない。
「よろしくね、臣くん」
鈴のような、軽やかな声が上から降ってくる。
俺は顔を上げるしかなくなくなり、ゆっくりと顔を上げる。
普通の人間からみたら愛らしく写るであろう笑みが顔を彩っている。
だが、俺からしたらその笑顔は恐ろしい。
「あ、ああ、よろしく」
声が震えて自分でも情けないくらいの声が出た。
必死に笑顔を浮かべようとするがうまく笑えている自信がない。
俺の反応に微笑を浮かべながら三鷹(女)が席に座る。
そこでやっと俺は安堵のため息を付き、体の緊張を解くことが出来た。
キーンコーンカーンコーン
学校終了のチャイムが鳴り、先生たちの帰宅を促す声が廊下に響く。
ようやく帰りの支度をし終わった俺の肩を誰かが叩く。
振り返った俺が視界に写したのは愛らしい笑みを浮かべた、三鷹(女)であった。
「あのさ、ちょっと御話したいことあるんだけどいいかな?」
わざとらしく傾げられた首に寒気を覚える。
ここでもし「いいよ」などと言えば二人きりになった瞬間にサクッとやられる可能性がある。
三鷹(男)が使った(?)、物を抉る能力をこいつも持っているという可能性も無くは無い。
なんせ同姓同名だし。
いや、だかもし断ったら「じゃあいいや」みたいなノリでグシャッとやられるのではないだろうか。
この場でやられる可能性も無くは、無い。
辺りを見回すといつのまにか教室には俺と彼女と数人の生徒しかいない。
様々な逡巡の後、俺は「いいよ」と答える。
俺が死んだらゴメンナサイ!
神様、どうか俺を見放さないで!
——祈ることしかできない自分を情けなく思った。
俺たちは学校から離れて、少し歩いた所にある土手に歩いてきた。
辺りに人の姿が見当たらず不安は益々大きくなる。
前を歩いていた彼女がこちらに振り向く。
俺の目をまっすぐ見つめながら彼女は言う。
「ねぇ、君ってさ、異能者でしょ」
「 は ?」
異能者?
聞きなれない単語に首をかしげる。
なんだ異能者って、いのうしゃ、イノウシャ?
俺の反応に彼女は驚いたように目を開いて更に言う。
「え、まさか違うの?え、何で、だって私の名前が三鷹じゃないってすぐ気付いたじゃない!」
「お前やっぱり三鷹じゃないのかよ!」
会話がうまくかみ合わない。
何を言ってるんだこの女は。
「え、だ、だってだって君の名前が、赤い、のに」
「 は ? 」
更に混乱するような発言が飛び出す。
頭が酷く痛い。
考えることを拒むようにズキズキと痛む。
三鷹...じゃない女は俺より混乱してるのかしきりに目を泳がせている。
「お、おいちょっと落ち着けよ」
女の方へ近寄り、落ちつけようと試みる。
しかし火に油を注ぐ行動だったのか、女はキッと俺を睨んで後退する。
「なんで三鷹に反応したのよ」
女はじっと俺を伺うように見つめる。
「知り合いに、同姓同名の奴がいたから」
俺は素直に告白する。
すると女は目を見開き唇をワナワナと震わせる。
そして俺に飛び掛るような勢いで近寄って胸倉を掴み上げる。
「ッ!?な、急に、なに、」
「三鷹憂を知っているの?」
女は鬼のような形相で俺に詰め寄り、言葉を吐き出した。
憎悪と怒りと怨みが圧縮されたような声だった。
「し、知ってる、っていうか会ったって言うッく、くるしッ」
喉が圧迫されてうまくしゃべれない。
そんな俺の反応に女はハッとしたように手を離す。
ケホッと咳をしてから女を睨み上げる。
女はバツが悪そうに目をそらしながら質問を続ける。
「どこで、会ったの?」
「すぐそこの道で」
「そう」
女は数回頷くと俺に頭を下げる。
「ごめんなさい。いきなり掴み上げたりして。それと偽名だってことは内緒にしておいてね、御願い」
そういって眉を下げて見つめてくる。
そんな頼まれ方されたら断れないだろ、
「分かった、いいよ」
「有難う。代わりに私の本当の名前教えてあげる。九ノ瀬杏奈、九ノ瀬杏奈よ。覚えておいて」
ふんわりと愛らしい笑みを浮かべて歌うように告げる。
思わず今までの事を忘れて見惚れてしまう。
「九ノ瀬杏奈、か」
「そう。じゃあね」
踵を返そうとする彼女を俺は見送ろうとする。
だけど、
俺はとことんツいていないらしい。
「やっほー、って俺の事覚えてる?覚えてますよねー?」
最悪なタイミングで軽薄な金髪がフラリと姿を現した。
了
- Re: 君と僕の歪んだ世界 ( No.7 )
- 日時: 2012/12/05 18:21
- 名前: 狐浅 (ID: q4IWVUNW)
とりあえずのキャラ紹介
名前:藤崎臣(ふじさき しん)
性別:男
性格:厨ニ気味/臆病/人見知り/馬鹿/慎重
容姿:黒目で釣り目/黒髪で少し長め
異能:嘘を見抜ける
その他:両親はどちらも他界。親戚のうちに居候中で非現実に憧れる。
二人の異能者に接触したとこにより異能が覚醒。ちょっと厨ニ病気味。
名前:九ノ瀬杏奈(このせ あんな)
性別:女
性格:あざとい/天然/泣き虫/怒りっぽい
容姿:藍色の瞳でやや釣り目/紫がかった黒髪ロング
異能:相手の名前、異能者か無能力者かが判別できる。
その他:復讐に燃える少女。兄を憂に殺害され憂の命を狙う。
憂を倒すべく助っ人を探しにやってきて、蒼の異能に目をつける。
名前:三鷹蒼(みたか あお)
性別:男
性格:壊れ気味/冷酷/明るい/単純/人間不信
容姿:紫の瞳で釣り目/軽薄な金髪で長め
異能:狙った一部分を抉れる。但し一日5回が限度。
その他:兄との騒動のあと、少し歪に歪んだ少年。不自然なほど明るい言動の裏に冷たい本性を隠す。
名前:三鷹憂(みたか ゆう)
性別:男
性格:表)温和/人間不信/ 裏)冷酷/冷徹
容姿:紫の瞳でやや垂れ目/黒髪で長髪を下で結わく
異能:相手の思ったことを見抜ける。
その他:蒼の実の兄。両親を殺害し蒼も殺そうとするが失敗。杏奈の兄を殺害した本人でもある。芝居がかった言動が異様。
名前:立花婁依(たちばな るい)
性別:女
性格:天然/しっかりもの/ドジ/泣き虫
容姿:茶色の垂れ目/茶髪でショートカット
異能:一定時間相手の視界を潰す
その他:臣の事が好きで臣を守るために異能が覚醒。蒼に対して恐怖感をもっており、近寄れない。憂を信頼している。
- Re: 君と僕の歪んだ世界 ( No.9 )
- 日時: 2012/12/06 21:25
- 名前: 狐浅 (ID: q4IWVUNW)
どうも皆さん!!閲覧感謝の思いでいっぱいの狐浅です(`・ω・´)
やっと第一話完結ということで、お礼を申し上げたいと思い参上させて頂きました!
閲覧してくださった皆さん!コメントしてくれた梓守白さん!!
本当に嬉しくて、モリモリとやる気が出てきます!!
おかげで狐浅の心は折れずにここまでやってくることが出来ました!
幼稚でgdgdな文で申し訳ありません(´・ω・`)
狐浅にはこの程度の文才しかないのです!!(泣
しかも受験生(中3)ということもあって更新が遅くなる可能性大ですし...(クワッ
もし宜しければどんどん閲覧していただきたいと思います!
これからも末永くよろしく御願いしますヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ
- Re: 君と僕の歪んだ世界 ( No.10 )
- 日時: 2013/01/27 18:42
- 名前: 蝶歌 (ID: gIDLNLr/)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=595
こんばんは、此処ではお久ですね(?)
リアの蝶ですよー。
相変わらず文才がすばらしいこと……。
私も受験終わったら見習いますねw
お互いがんばりましょうー。
今日限りなので受験終わったら、此処でまたお会いしましょう。
支援上げ。
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