ダーク・ファンタジー小説

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【夢幻を喰らう者】※1-19更新
日時: 2013/04/01 07:52
名前: だいこん大魔法 (ID: uupAp8Xk)

今更ながら、初めての方は初めまして、そうでないかたはまた、よろしくお願いします^^だいこん大魔法です^^

以前書いていた小説がもう無理だああぁぁと投げ出して一年・・・気分を一転させて、新しく書くことにしました^^;


それでは、再びこのだいこん大魔法を、新しくなっただいこん大魔法を、どうかよろしくお願いします^^


作者現状【ファンタシースターオンライン2をガチプレイしてたら更新ペースがガクッと落ちた(´;ω;`)】





prologue〜終末〜>>0


第一話〜夢幻〜>>1 >>2 >>3 >>6 >>7 >>8 >>9
>>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19

第二話(一話が終わり次第更新)〜Those who eat the Phantom〜

主要キャラクター(現時点での登場人物のみ)

・織塚 冬夜(おりづか とうや)
年齢 17
性別 男
身長172
体重65
使用武器【ブラックフェザー】
夢幻喰【アマテラス】
『夢幻を喰らう者』
『ファンタズマ』所属



・神樹 鈴(かみき りん)
年齢 17
性別 女
身長148
体重「は、はずかしくて言えないよぅ」
使用武器【十六夜】
夢幻喰【未定】
『夢幻を喰らう者』
『ファンタズマ』所属



・中西 隆臣(なかにし たかおみ)
年齢 56
性別 男
身長175
体重76
『軍』
『ファンタズマ』所属


天美 ルリ(あまみ るり)
今現在年齢設定不確定
性別 女
身長145
体重「乙女の秘密ってやつだね」
使用武器【???】
夢幻喰【未定】
『夢幻を喰らう者』
『ファンタズマ支部長』


西岡 流地(にしおか りゅうじ)
年齢 18
性別 男
身長171
体重60
使用武器【ロングソード】
夢幻喰【未定】
『夢幻を喰らう者』
『ファンタズマ』所属



各設定

『夢幻』
夢幻菌、ファンタジーウイルスと言われる、災厄を齎す病原菌。人間以外のすべての動物に感染する力があり、感染した動物を例外なく自我を奪い、強制進化させる力をもつ。さらに、夢幻には不死性があり、菌そのものだけではなく、感染した動物すらも不死に変えてしまい、それだけではなく、すでに死んだ動物にも感染し、無理な強制進化をさせ、蘇らせる力をも持つ。発生原因は不明、しかし、発生した場所がすべて人里離れた辺境の地だという憶測が、人々の中では事実として成り立っている。

『キメラ』
夢幻に感染し、強制進化した後の状態の動物のことを指す。

『シェルター』
人類滅亡を信じきっていたとある政治家が各国に強要して作らせたもの。当時はその計画の無意味さが幾度となく議論されたらしいが、夢幻が生まれたことによって、その存在は認められ、人々はそこに逃げ込むことになる。

『夢幻喰』
夢幻、キメラの細胞、人の血。それらをあわせることにより生まれた人口の菌。それは不死性をもつ夢幻を唯一無力化させ、消滅させる力を持ち、さらに、夢幻に感染しない人間に宿らせることにより、自我を奪うことなく、五感強化という形で進化させることができる。

『ヴァジュラ』
夢幻喰を宿した武器。キメラをこの武器で傷付けることにより、内に宿る夢幻を消滅させることが可能。
強制進化の応用により、このヴァジュラにはブラッドアーツ、希にブラッディアーツという力が宿る。

『夢幻を喰らう者』
夢幻喰を体内に宿し、ヴァジュラの使用を許可された人間のことを指す。これらの人間はすべてファンタズマという組織によって管理される。

『ファンタズマ』
夢幻を喰らう者と、国の軍隊が連携して成り立つ組織。夢幻を喰らう者のメディカルチェックや、『ヴァジュラ』の整備、開発、さらに、シェルター内の生活に必要なものの開発など、さまざまなことを請け負う。昔でいうところの政治も担っている。

『夢幻魔術』
キメラの使う異能力。
メカニズムは、「夢幻」が体内にやどり、進化する過程でその個体に宿るもの、とされている。
ブラッドアーツは、この「夢幻魔術」の応用とされている。





prologue〜終末〜


賽は投げられた。
目の前ですべてが、壊れていく。
巨大な塔が、巨大なビルが、家が、人が、すべてが、目の前で、姿形を一瞬にして変えられていた。
瓦礫の山となる住宅、ビル、鉄塔。
屍となる人、人、人。
壊れた家に押しつぶされて死ぬ人、恐怖のあまりに狂い、自殺する人、同じく狂い、互いに殺し合う人。逃げる人・・・そして、それを追う、人ではない、「なにか」
その「なにか」は、人を喰らいつくす。逃げ惑う人を喰らい、屍になったものも喰らい、互いに殺し合っているものも同時に喰らう。
まさにその姿は獣そのものだった。ライオンのような胴体をもち、鳥のような翼を一対背に宿し、蛇のような先端をもつしっぽをぶら下げ、鰐のような顔をもつ・・・それらのもととなった生物よりもはるかに巨大な体躯をもつ「なにか」は、人を、街を、日常を喰らい尽くす。
目の前に見えるだけでも三十匹以上いるそれは、圧倒的なまでの力で、人々を蹂躙して、欲望を満たしていく。
悲鳴が上がる。絶望の声が、聞こえる。それの咆哮が、唸り声が、それらを打ち破り、鼓膜を震わせる。
混沌、という言葉は、今まさに使われるべき言葉なのだろうか、それとも、終末という表現が、今正しいのだろうか・・・そんなことを考えるのは、もうやめた。
目の前で人が死に、化物が欲望を満たす。・・・そんな光景、いやなほど見てきた。いやなほど、脳裏に焼き付かされてきた。
だからこそ・・・「俺」は果たそう。世界の意思をぶち壊し、自分の意思を貫くために。
右の手には自分の背丈と同じぐらいの長さをもつ、黒い剣。それは、太陽の光を不気味に反射する。
まだ倒壊されていないビルの屋上から、化物の集団を睨みつける。今すぐに飛び出したい気持ちもあった。人が殺されるのをもう見たくなかった。だけど・・・自分のことを、
今この場にいる、「喰らう者」をより安全なタイミングで出動させなければ・・・より一層の被害が辺り一帯を襲うことが、わかっているから、なにもできなかった。
耳に当てられた端末から、指示を待つ。・・・いまかいまかと・・・化物を・・・あいつらを殺せるのは・・・まだか、と。
そして———

「・・・さあ、存分に暴れろ。『夢幻を喰らう者』よ」

その声が・・・始まりの合図だった。








それは、世界各国の、人里離れた辺境の地に生まれた、菌が始まりだった。
発生原因は不明。だがしかし、それが必ず人が住んでおらず、野生の動物しかいないところで発現したということだけはわかっていた。
それは、その地の生命を蝕み、水を枯らし、動物に感染した。
動物は感染されると、狂犬病に似た症状を起し、周りにいるものを傷つけた。
その菌は、ただの動物には感染力が非常に高く、次々に、襲われた動物、死体に感染していったという。
そう、そこまでならまだ対策のほどこしようは、あったのだろう。
だが、その菌は留まることをしらなかった。
菌の特性は、感染した動物を狂わせることだけでなく・・・そう、次の過程に、強制的に進化させる、という異常なものだった。
当然、それは活動を停止したあとに感染した動物にも起こり得るものだった。生きている動物は、本能的に、自身が恐るほかの動物の姿を形取るようになり、そして、死んだ動物は、まるでゾンビのように、もとの姿を形取り始める。
人間がその異常を感知したのは、ついにそれが、一般家庭や動物園などといった、人間が住まう地域に現れるようになってきてからだった。
どういったわけか、人間はその菌の免疫を必ず、ほぼ100%にもっているために、感染のおそれはなかった。だがしかし、飼っていた犬や猫などは、そういうわけにはいかなく、最初は近所の犬同士で殺し合い、猫同士で殺し合い、動物園などでは、折などを突き破り、すべての動物が血で血を争った。
人間も当然の如く、その被害を受け始めた。
飼い犬が突然飼い主の指を引きちぎったり、腕をもいだり、猫が爪で目を潰したり、その事例は多数存在したが、共通して言えることは、必ず襲われた人間は死んでいたということだけだった。
後に軍隊が出動して、動物を殺すために動いた。けれども、その菌は死をも無意味にさせる。
死んだ動物は憎しみという心をもち、力をまし、軍隊は壊滅させられた。
世界各国は、すべての感染した動物を一つの国に集めて、核を投下して、国・・・大陸ごと、消してしまおうという本当の最終手段を、使わざるを得なくなってしまった。
各国の人々は、3分の1程度まで減らされてしまったが、生き残った人々は、その国ごとの首都に設置されていたシェルターの中になんとか避難させたが、そこからはどうしようもなかった。だから、もうそうするしかないと、代表たちは語り合った。
思い出をすべて喰らい尽くした、その菌を消すには、もうそれしかないと。
そんななかで、まだ強度の調整が終わっていなかったブラジルのシェルターが、その時には「キメラ」と名付けられていた、感染した動物によって壊された。
ブラジルからの救援要請が全世界へとむけられて放たれたが・・・ほかの国は、これがチャンスだといわんばかりに・・・ブラジルを犠牲にして、その一帯にいる「キメラ」を全滅させるべく、核の準備を始めたという。
すべての国がこれに許可をして、ブラジルの救援要請を無視し・・・もしかしたら、助かっていたかもしれない人々を見殺しにして————その作戦は、実行された。
無慈悲に放たれた核爆弾は、ブラジルの首都にむけてまっすぐととばされ・・・着弾した。
全世界を揺るがすほどの大きな地震とともに———ブラジルの大地は、消え去った。
「全て」の国の人々は、喜んだという。絶命するどころか、死してなおも蘇り、数を増やし続ける「キメラ」の数を、少しでも減らせたという、殺せたという状況に、喜び、酔いしれた。
—————だが・・・そんな簡単に物事は進むはずがなかった。
菌は核の影響をうけなかった・・・。そう。宿り、繁殖していた媒体がなくなってしまった菌は、大気中をさまよい———魚に、感染し始めた。
今まで海のなかには一切影響を与えてこなかった菌は、核の爆風によって海のなかに沈められ、その中の生物に乗り移り・・・再び暴れだした。
そしてそれを何ヶ月後に知った人間たちは絶望し、再び「キメラ」の存在に怯えることとなった。
シェルターが壊されれば、核を打ち込まれ、シェルターが壊れなければ、そのシェルターの不具合に生じて侵入してくるキメラに襲われるという恐怖に怯える・・・。誰かがいった
これは・・・「終末を迎えた」・・・と。






核がきかず、絶対に死に絶えることのないその菌・・・まるで夢、幻のような今の現状を用いて、「夢幻菌」「ファンタジーウイルス」と名付けられた。
当然、人間たちは必死になった動物の死体からなにからか、菌に感染していながらも、まだ発現していない存在すべてから、その菌を摂取することに成功した。
この菌に対して、なにか打開策はないのか、人間は、いろいろな薬やなにやらをすべて使い、さらに、別のウイルスとあわせ、相殺しないか、また、融合したりして、別の効果を得られないだろうかと、試行錯誤をくりひろげた。
そして完成する・・・その菌を「断ち切る」「喰らう」ことのできる、「ウイルス」を。
それは・・・人間の血と、その菌と・・・感染していた、動物の細胞を混ぜ合わせ完成した、対「夢幻」用ウイルス・・・「夢幻喰」。
だがそれだけでは、大気中に漂っている菌は消せなければ、すでに感染して、進化を遂げてしまっている「キメラ」には、手の施しようはなかった。だが・・・
「夢幻喰」は、人の血と動物の細胞、それらが「夢幻」に加わり、より力の強い「菌」になり、それは人体にも影響を及ぼしてしまうほどのものだった。
とはいうものの、それは人間に感染はせずに、大気中でも生きることもできず、さらに・・・それを体内に取り込んだ人間が、力の調整を、制御をできるところから、早速研究者の一人がそれを注射という形で摂取した。
「夢幻喰」を摂取したことによる人体への影響は二つ。一つは五感強化。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚をより鋭くすることによって、「キメラ」がどこにいるのかというのをすぐに探知できるようになる。そしてもう一つが、身体能力大幅な上昇だ。とはいうものの、外見には一切影響は与えず、このあたりは「夢幻」と異なるだろうが、極端にいってしまえば、間違いなくこれは「進化」の領域に値するものだった。
そうして、「夢幻喰」を体内に宿し、研究は次の段階にはいる。人体に摂取する、というところまではまだよかったのだが、その人間だけでは、「夢幻」を打ち消すことはできないからだ。まあそれもそうだろう、なにせ「夢幻喰」が「夢幻」に触れて、始めて打ち消すことができるのだろう、それでは意味がなかったのだ。
そこで、その「夢幻喰」を体内に宿した人間だけが振るうことのできる武器「ヴァジュラ」の開発が始まった。
「夢幻喰」が人体以外で拒絶反応を起こし、霧散してしまわずに、文字通り「宿る」金属を検討し、その特別な金属を加工する過程で「夢幻喰」を中に練り混ぜて、錬成したそれこそが・・・対「夢幻」対策でもっとも重要なものとなる。
「キメラ」に対抗するために、身体能力を大幅に上昇させて、相対することのできる人間が、「夢幻」を断ち切ることのできる「ヴァジュラ」を扱うことによって・・・始めて、「夢幻」を打ち消し、断ち切り・・・喰らう存在が、生まれた。



人はそれをこう呼んだ。



「夢幻を喰らう者」と。




Re: 【夢幻を喰らう者】※1-14更新 ( No.15 )
日時: 2013/02/25 00:43
名前: だいこん大魔法 (ID: g5yX4cMd)

やっと理解した神樹が神妙に頷いている。

「まあ、そういうやつらも少なくはないはずだ。まあ、これから見る映像っていうので、実感をわかせようっていう魂胆もあるだろうね」

「うーん・・・織塚くん、なんか・・・頭、いいんだねー」

そういいながらニコニコ笑う神樹。
こいつもこいつで緊張感ないじゃないかとか思ったりもするが、この類はリラックスしているといった類のものだとわかり、なにも言わないことにした。

「ま、誰かに物を教える機会がたくさんあったから、頭の回転はちょっとだけ早いかもしれないけど・・・別に頭がいいってわけじゃないさ」

「でもでも、私てきには織塚くんは頭いい人っぽいよ?」

「くすぐってぇ」

そういいながら俺は頭をかく。
そんなくだらない会話をしていると、ついにたどりついたのか、長い廊下のはてに、扉が見えた。
そこにおっさんが立ち止まると、新人たちも立ち止まる。神樹はまた真剣な面持ちになり、おっさんの話を聞く体制になる。そんな神樹を見て、俺も少しだけ真面目に聞くことにする。

「ここが、訓練上だ・・・主な使用用途は、さっきの説明通り、個人の力量の確認などが主だが、研究、つまり、今現在確認されている「キメラ」にどのように対抗すればいいのか、弱点はないのかとうを確認するために、モニタールームも用意されている。ますばそのモニタールームで今現在確認されている「キメラ」を映像を見せながら軽く説明させてもらう」

そう言い終わると、おっさんは扉を開く。横スライド式の扉を開くと、空洞・・・というのか、いや、ちがう、過去の資料に残されている、体育館といわれている施設とほぼ同じような広さの空間が、そこにあった。
奥の方には・・・おそらく、本物の「キメラ」を管理している、檻で塞がれた通路がある。その横には訓練待機室があり、その待機室は中から訓練の様子を見れるように、おそらく強化ガラスで作られているのだろう。その待機室の中は、さきほどの「ヴァジュラ」の整備室で見たような穴があいており、おそらくおっさんがいっていた、訓練はその類ではないという言葉の意味のとおり、そこと整備室は直接つながっていると見える。
訓練場の端にはドアがあり、そこの上のプレートになにかかかれているが、そこまで見ることはできなかったが・・・おそらくあそこが

「この訓練場の説明はあとでさせてもらおう。では、むこうにドアが見えるな?あそこはモニタールームにつながっている。広さは教室とほぼ同程度だ。席は好きに座っていいぞ」

そういうと、またおっさんは歩きだす。今度はついていく形ではなく、各々が好きに移動し始める。
訓練場を見渡すもの、喋りながら今後のことを話すものなどなど・・・さまざまだ。

「ひろいねー・・・」

歩きながらキョロキョロとしている神樹が、そんなことをつぶやく。
たしかに広いと思う、思うけれど、俺は何度かもうここに来たことがあった。
特別事例・・・それにより、俺は検査のために、模擬戦闘、つまり、先輩のファンタズマと何度か手合わせをここで行っていた。
そこでのブラッドアーツ、ブラッディアーツの使用は禁止されていて、単純に俺が戦闘を行うことによって、なにかしらの変化はないかなどを検査していたりする。
まあその時の思い出と言ったら、簡単に俺の攻撃をいなされて、ボコボコにされたという思い出ばかりだからなんともいえないが・・・それのおかげで俺はこの施設がどういうものなのか知る機会を経たり、さらには、この「夢幻喰」により、どこまで体に無茶を効かせられるのか、その限界をだいたい把握することができた。
人により上限はさまざまだが、・・・「アマテラス」の「夢幻喰」の上限は、本人が意識していても達することはほぼ不可能のはずだと、ルリがいっていたような気がするが・・・その条件は、これから知ればいいか。
キョロキョロと辺りを見回す神樹を連れながら、ようやくモニター室に入る。そこは、おっさんがいったように教室とほぼ同じつくりだったが、前がわはすべてモニターになっており、教卓が置いてあった場所には、映像を再生させるための機材が置かれている。

「後ろでいいか?」

そういいつつ、俺は教室とほぼ同じような位置に座り、その隣の席の椅子をひっぱり、神樹を手招きする。それに神樹がぽけっとしたあとに、少しだけ頬を染めて

「う、うん、ありがとう」

そういい、すわる。それに俺はどうも、と返して、

「それにしても・・・すっかりはぶかれたな」

「そ、それはいわない約束だよっ」

今の現状をボソリと口にすると、神樹が過剰に反応する。それを見て俺は少しだけ笑う。

「な、なんで笑うの?」

「いやさ、そこまで過剰に反応しなくてもいいんじゃないかってね・・・でも、ま、いいか、べつに」

「うんっ、いいんだよ、べつに」

Re: 【夢幻を喰らう者】※ネタ不足(´;ω;`) ( No.16 )
日時: 2013/02/27 19:20
名前: だいこん大魔法 (ID: g5yX4cMd)

そういい、笑い合う。
最初はどうするもんかと悩んだが、神樹と仲良くなれて、よかったなと俺は思う。
実際、チームワークが大切だとして、友達というのが大切だとして、素の状態で最初から話し合えるかといえばそうではない。
だけど、神樹にたいしては不快感もなく、違和感もなく、むしろ好感しかもてない。だからだろうか、俺は、会って間もないというのに、神樹には素の状態で話すことができる。

「なんか、織塚くんと話してると、楽しいね」

そんなことを、サラッと神樹がいってくる。
・・・かゆい、それを言葉にされると、むずむずする。たしかに、俺も今それと同じようなことを思っていた。だけど、それを口にするのはちょっと・・・

「かゆいなっ」

思ったことをそのまま口にすると、神樹が若干傷ついたような顔になり

「ひどいよぉっ」

といいながら、俺に弱々しく拳を振り下ろしてくる。
教室にはまだまばらにしか集まっていない。それぞれが訓練場を見ているのか、それとも、「キメラ」がでてくるあの場所の奥を少しでも見ようとしているのか、なかなか来る気配がな
い。
時間割が決まっているとは言え、時間に余裕はあるらしく、おっさんは機材をいじりながら、画面の調整をしている。

「にしても・・・」

といいながら、教室ではしなかった、この場所に集まっている限りの新人を、俺は見回す。
さきほど、おっさんにたいして質問をした茶髪はいない。さっきも訓練場の方で女の子三人ぐらいにかこまれながらなんか楽しそうにしてたし・・・別に羨ましくなんかないが、うん、別に羨ましくなんかないが・・・そんなことはどうでもいい。
今集まっているメンバーは、三十人程度のメンバー中、十人弱だ。前方のほうに二人、真ん中あたりに三人、俺たちとは反対側の端に三人、そして、俺たち二人。
前方に座っている二人は、どちらも眼鏡をかけているようで、いかにも真面目っぽい格好をしているため、印象に残りづらかったが・・・

「なあ、神樹はさ、ここにいるやつらの名前だけでも覚えてるか?」

と、聞く、すると、神樹も俺のように集まっている限りのメンバーを見渡しながら、んー、と唸って

「名前と顔が一致しない?」

といって、笑う。
それを聞いた俺も若干笑いそうになったが、実は俺もそうだったりするのであまり神樹を笑える話ではなかった。
正直、あの茶髪、西岡以外覚えてないと言っても過言ではない。神樹はべつとして・・・うん、これから一緒に、とは言わないが、おんなじ場所で働く仲間たちだ、少しでも覚えときたいと思うのは普通だよな?

「おっそくなりましたーっと」

そんなことを思っていると、茶髪がモニタールームに入ってくる。
それに、前方に座っている男二人が迷惑そうな顔をむけるが、意に介さず、ぞろぞろと四人で入室して、真ん中の席を陣取り、また話始める。なにがそんなに楽しいのかは知らないが、声を大きくして笑っているあたり、迷惑極まりない。
神樹もそう思っているのだろうか、若干迷惑そうな顔をしている。そんな神樹に俺は

「あいつだけは覚えてたりするか?」

と少しふざけた感じで言う。それに神樹は肯定したように肯き

「緊張感がない人だね、やっぱり」

と言う。
・・・今のはまずいな。
神樹の声のボリュームが、今までよりも大きかったから、俺は直感的にまずいな、と思った。
それは神樹もわかったのだろう、慌てて口を塞ぐが・・・どうにも、やはり聞かれていたみたいで、茶髪・・・もとい、西岡流地が周りのやつらとの会話をやめて、こっちを見ていた。
前の席に座っていた二人は、こっちにぐっ親指を立てて、ナイスっといったふうにしているが・・・と突然、西岡が、立ち上がる。

Re: 【夢幻を喰らう者】※1-16更新 ( No.17 )
日時: 2013/03/22 12:29
名前: だいこん大魔法 (ID: g5yX4cMd)

「おいおい、なんだ今のはぁ?もしかしてもしかすると、俺にむかっていっちゃったりしたのかなぁ?」

といいつつ、机をバンッと勢いよく叩く。それに神樹はビクッとなって、涙をにじませる。
突然の大きな音におっさんが顔をあげてこっちを見るが・・・止める気はないらしい。むしろ、仲良くなるいい機会じゃないのか?みたいな感じで俺のことをニヤニヤと見ている。・・・正直、めんどくさいことこの上ないのだけど、とりあえず、様子を見守ることにした。

「・・・っと、よくみりゃ随分と可愛い顔してんじゃないの、俺としたことが、こんな可愛い子をマークし忘れてたなんてっ」

突然手のひらを返したようにニコニコ顔になる西岡。こっちにむかってきつつ、神樹に話しかける。

「ねぇ君、名前は?そんな冴えなさそうな奴とじゃなくて、こっちきて一緒に話そうぜ」

おいおい誰が冴えなさそうだ、と心の中で文句をいうが、なにもいわない。
神樹のほうは・・・前にも言ってたとおり、俺以外の人と話すのはどうにも緊張するらしく、なにもいわずに硬直してしまっている。その間に、俺たちの真ん前まできた西岡が

「ああ、さっきのもしかして怖かった?いいっていいって、べつに気にしてないからさぁ、ほら、こっちきなって」

といい、神樹の手をとろうと、手を伸ばす。
神樹は動かない。けど、西岡の手が、神樹の手を取ろうとした瞬間・・・俺は、その手を弾いていた。

「・・・あ?」

西岡が、こっちを思い切り睨む。・・・凄むことに必死になりすぎていて顔がおもしろいことになっていて、プッと吹き出しそうになるのを俺は必死にこらえつつ。

「まあまあ落ち着けよ・・・顔がひどいことになってるぞ?」

と、こらえきれず言ってしまった。
キレやすいタイプなんだろう。西岡がテメェッと大声をだして、顔にむかって拳を振り下ろしてくる・・・が、「ファンタズマ」の中で、「夢幻を喰らう者」同士の喧嘩は御法度だ。
仲間で喧嘩をして、どちらかが使い物にならなくなっては、いろいろと困ることがある。たとえば、使い物にならなくなったもののチームも、使い物にならなくなってしまうからだ。
新人の間は被害はほぼないといってもかまわないが、ルールはルール・・・俺は、最低限の力でその拳を掴み、そのまま固定する。

「ちっ・・・」

といいながら、西岡が反対の拳も振り下ろすが・・・今度は俺がなにもせずに、その拳は止まった。

「西岡、やめておけ、「夢幻を喰らう者」同士の喧嘩は流石に見過ごすことはできない」

と、おっさんがいいながら、その手を掴んでいた。
「夢幻を喰らう者」は自身でリミッターを解除させて、力の上限を変えることが可能だ。今の西岡はおそらく、リミッターを解除している状態だろう。俺も若干だけど解除しているが、それでもかなり重い。だが、おっさんはただの「軍」の人間のはずなのに、飄々とした顔でその拳を止めてしまっていた。やっぱり・・・よくわからないやつだな、このおっさん。

「・・・くそがっ」

といって、拳を収める西岡。それをみて、おっさんがうむ、と肯き。

「どうせこのあと実戦訓練をするのだ、そのあとにでも、対人戦闘訓練でもして、勝敗をつけるといい」

そういいながら、この場をさり、じょじょにあつまりつつある新人たちがこちらに注目しているのを感じて、なんでもない、といったふうにいい、

「各自好きな席に座れ。そろそろ始める」

といいながら、機械のほうに戻る。

「・・・あとで覚えとけよ」

といい、西岡も下の席に戻る。そっちではありえなーい、とか、なにがあったの?とか、西岡の周りのやつらが話ていたが・・・

「こ・・・こわかったぁ」

と神樹が弱々しくつぶやくのを聞いて、俺はフッと笑う。

「・・・次からはボリュームに気を使えよ?」

と別に痛くないけど、痛そうに西岡の拳をとめた手をふる。

「う・・・うん、ごめんね?」

「気にすんな」

と言いながら、神樹の頭をポンポンと叩いて、怒ってないよ、といったふうに、俺がよく孤児院でやってたように、撫でてやる。
それに神樹は一瞬気持ちよさそうにするが、すぐにハッとなって

「こどもあつかいしないでよぉ」

と、今度は頬をふくらませる。
その様子に俺はまた笑い、撫で続ける。まあこれが、さっきのことの罰だと思って頂ければ、それでかまわない・・・が、めんどくさいことになっちまったなと、俺はひとりつぶやくのだった。

Re: 【夢幻を喰らう者】※1-17更新 ( No.18 )
日時: 2013/03/27 14:58
名前: だいこん大魔法 (ID: g5yX4cMd)

「では、まずはじめに、「キメラ」の具体的な種類から映像を流させてもらう。その映像にあわせて、その「キメラ」の危険度などを説明させてもらう」

そういいながら、おっさんが機械を軽くいじる。すると、教室の電気がおちて、モニターに映像が映し出される。
一瞬暗くなったことに、周りが一瞬騒ぐが、映像が映し出されると、そのざわめきもおさまった。

「まずは、君たちがこれから戦う、「犬型」のキメラだ」

おっさんがそういうと、ちょうどいいタイミングで、何度も見てきた、その「犬型」の「キメラ」が映し出される。
外見は犬そのもの・・・いや、犬そのものといっても種類がそれなりにあるので・・・そうだな、ドーベルマンの形が、「犬型」の主といえる。
とはいうものの、サイズは人間よりも大きいか小さいかぐらいで、ライオンと同じようなサイズ、といえば簡単に伝わるかもしれない。

「「犬型」のキメラは、比較的危険度が低い種類だ、だがしかし、群れで行動している場合は注意しなければならない」

モニターには、「犬型」と、「夢幻を喰らう者」の戦闘画面が映し出されていて、その力量を見ることができる。

「「犬型」は、映像のように、足が速く、牙と爪がとても鋭い。一撃でももらえば「夢幻を喰らう者」でもそれなりのダメージはうけることになる。だがしかし、潜在能力的には圧倒的に「夢幻を喰らう者」のほうが上だから、喰らわれることはまずないだろうな」

だが、油断したら死ぬぞ、とおっさんはつけたして、次の映像が流れ始める。それは

「次が「鳥型」だ。言い忘れたが、「キメラ」にはそれぞれの固有名が存在し、「犬型」がライコウ、「鳥型」がイグルだ。鳥型は基本的に闘争本能があまりないため、人の住んでいる場所には寄り付かない。だが、一度戦いを始めたら、空からの攻撃が主になる。そのため、危険度は中だ」

「鳥型」形は鷲の巨大版とでもいっておこう。今説明されて初めて見た種類だけど、たしかに映像の「夢幻を喰らう者」が苦戦を強いられているということはわかる。さらに見た感じ、集団行動を主としているためか、おっさんのいうとおり、「犬型」よりは間違いなく危なそうなやつだった。

「これまでが、姿をあまり変えずに、サイズだけがでかくなった下位種の「キメラ」だ」

下位種のキメラ・・・つまり、おっさんのいうとおりに、サイズだけが巨大化、または進化したは、種類こそ二つにしか分かれていないが、その姿かたちはかなり違うものがある。
たとえば、最初の犬型なんかでいうと、ドーベルマンが主、というだけであり、また別の種類の犬が巨大になっているようなやつや、合わさったような形をしたやつもいる。つまるところ、下位種というのは、そのもとの動物の「種類」の巨大化という、とても曖昧なものなのだ。
けど、基礎の部分が似通っているために、それは同じ「犬型」、「鳥型」というふうに、わけられているらしい。

「つぎが、中位種だ」

そうおっさんがいうとどうじに、画面が切り替わりる。
次にでてきた映像は、一言では表しづらいかたちをしたなにかが映し出されていた。

「・・・下位種と違い、中位種には、それぞれ識別名があてられているのはもう知っているかもしれないが、いま映し出されているのはなんのキメラかわかるか?」

といい、目の前にいた眼鏡二人の片方を指差す。
眼鏡の片方はわかりません、といい、おっさんがそうか、と頷いて、説明に戻る。

「夢幻により強制進化したキメラたちは、一時期・・・そうだな、我々がファンタズマを作り上げるまでの間に、その強制進化後の形を成していた。夢幻が動物に感染した当時は、強制進化の形は様々で、識別名などつけようがないほどに様々な進化後の姿をとっていたらしいが、さきほどいった、我々が防戦に回っていた頃、キメラたちは、進化後の形を安定させ、我々が識別できる程度にまで限定された」

つまり、だ、キメラは最初、各々に強制進化していたのが、度重なる共食いなどの影響で、その場所その場所で食物連鎖の王となり得たキメラの姿を真似し始めた、ということだろう。
下位種なんかは、それ以上進化できないために、そのままの形で巨大化しているものも多いが、中位種、上位種なんかは、そのたぐいではない、ということだ。

「中位種は今まで観測されている中で8種類に限定されている。未だ観測されていないものがもしかしたらいるかもしれないが、今は外させてもらう」

そういい、説明を再回する

「今流れているキメラは、先ほどでてきた犬と、そして鳥が混じりあった姿を持っており、名を「フェンリル」と名づけている」

たしかに、言われてみるとそんな様子が伺えた。
犬のような形をもち、背に鳥のような翼を一対もつそのキメラは、下位種と比べ、若干神聖な生き物のような雰囲気を醸し出している。
大きさはやはり巨大化しているが、犬型のそれとたいして変わらないが・・・

「大きさが犬型と大して変わらない、と思ったかもしれないが、そこはさして大きな問題ではない・・・この「フェンリル」は、キメラの中でもっとも動きが俊敏で、さらに賢いのだ」

Re: 【夢幻を喰らう者】※1-17更新 ( No.19 )
日時: 2013/04/01 07:49
名前: だいこん大魔法 (ID: uupAp8Xk)

説明よりも見たほうが早いだろうといった感じでおっさんがモニターを指差す。おっさんの説明に耳を傾けてた者たちもそれにより映像をしっかりと見始める。
三人のチームを組んでいる「夢幻を喰らう者」が、一体の「フェンリル」と呼ばれたそのキメラにむかって攻撃を繰り出しているのがわかる。しかし、その「フェンリル」は易々とその斬撃をかいくぐり、反撃をくりだしている。

「キメラ」には、君たち「夢幻を喰らう者」のヴァジュラに宿る力・・・ブラッドアーツに似た力が存在する。「夢幻魔術」と我々が命名するその力は、中位種の「キメラ」から宿るとされている」

そうおっさんがつけたしたすぐあとに、映像のなかで「フェンリル」が「夢幻を喰らう者」たちから距離をとり、翼を大きく広げる動作を行う。
その攻撃はあきらかに「異常」だった。映像の中の「夢幻を喰らう者」は流石にプロだからか、その攻撃を武器で防ぐなり、かわすなりして対応をとり、反撃にでているが、あきらかに下位種の「キメラ」との戦闘とはあからさまに苦戦しているのが伺えた。
今の映像を見て、隣にいた神樹が震えるのがわかった。周りのやつらもふるえたり、悲鳴をあげているのがわかる。
翼を広げた瞬間に、羽の形をした光の物体が「フェンリル」の前に何十・・・何百・・・下手したら何千個も生まれる。それは、狙いを定めて大気を引き裂き、「夢幻を喰らう者」たちに襲いかかる。一撃一撃は大した威力ではないようだが———何千・・・か。
俺は、その一撃を・・・「夢幻魔術」を見て、若干の戦慄を覚える。この世界にはいっていき、何人も死んでいったという報告を聞いたことがある。「夢幻を喰らう者」の年々の死者数は、一般人よりも圧倒的に多いことも知っている・・・その原因が、この常識が通じない「夢幻魔術」によるものなのか・・・と、ようやく理解することができた。
だがしかし、そこで映像は終わらない。おっさんがみらたかったのは、たしかに「夢幻魔術」に関連するなにかもまじっていたのだろうが・・・問題は、このフェンリルの驚異性にたいしてだったから。
攻撃を難なく切り抜けた「夢幻を喰らう者」たちは、フェンリルにむかって再び攻撃をしかける。「夢幻魔術」に関しては、再充填時間があるらしく、フェンリルはさきほどのような驚異的な攻撃を繰り出すことはできない。だから、この戦いは「夢幻を喰らう者」たちの勝利のようにも思えた・・・が。
フェンリルはその翼で上空に逃げる。当然、身体能力が上昇している「夢幻を喰らう者」は、ジャンプすることによって追撃をしようとするが・・・。

攻撃は、届かなかった。

「フェンリル」のあまりの速さの浮上により、「夢幻を喰らう者」たちはなにもできずに地面に落ちる。そのまま「フェンリル」は上空で「夢幻を喰らう者」を見据え・・・再び、翼を大きく開いた。

そこで映像は止まる。下位種にくらべて、壮絶な戦いともいえたその映像を見て、今まで面白半分に見ていたやつらも、いたって真面目にみていたやつらも、なにも言えずにも無言になってしまう。おっさんはその様子を見て、少しだけため息をつくと、説明にもどった。

「今のが、「フェンリル」との戦闘時の映像だ。今見てもらってわかったように、「フェンリル」は速い。動きも俊敏だ。・・・だが、一番の問題は、その自身の能力をちゃんと活かせる頭脳をもっているということだ」

動きの速さ・・・俊敏さ。そして、それを活かせる賢さ。それこそが、この「キメラ」の驚異なのだろう。
「夢幻魔術」を再充填するために上空に逃げ、そして再び放つ・・・これを何度も繰り返されたら、間違いなく「夢幻を喰らう者」に勝ち目はないだろう。そんな思いを込めておっさんをみてると、ニヤ・・・とくちのはしを歪めて、よくきがついた、と口を形だけ動かした。

「しかし・・・だ、「夢幻魔術」を放ったあとに、上空に逃げ、再充填のちに再び放つ。そんなことを永遠とされては我々に勝ち目はない。そんなことが延々とできるのならば・・・こいつは上位種に食い込むほどの驚異となりえるだろうな」

おっさんがそういうと、どういうことだろうか、と騒ぎ始める。神樹もうーん・・・といったふうに考え込んでいるみたいだ。
まぁ・・・要するに、だ。これはまだ推測だけど———「フェンリル」は、「夢幻魔術」を放ったあと、あまり滞空ができないとか、そのあたりだろう。

「気がついた人もいるかもしれない。・・・そうだな、織塚、答えてみろ」

「はい」

おっさんが俺のことを指名して、俺は返事をする。すると、全員が俺のほうに注目するのがわかる。
正直、これが正解かどうかはわからないが、とりあえずといったふうな形で、俺は言う。

「おそらくですが、「フェンリル」は「夢幻魔術」を使用した後は、あまり滞空できないのかと」

「その理由はどうしてだ?」

「そこまではわかりません」

そういうと、おっさんはそれだけで上出来だ、と拍手をする。




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