ダーク・ファンタジー小説

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Reason's〃World's
日時: 2014/04/01 11:32
名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)

生きるべきか死ぬべきか。それが疑問だ。
(引用:ウィリアム・シェイクスピア)



私にはわからない。
何が正解であって、何が不正解なのか。

世界は理由で回ってる。

理由がなければ始まらない。
そんな悲しくも綺麗な世界なのだ。


そして、私はまた新しい世界を開く。


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初めまして!
初書きになる、狸のさとです。
国語能力の低い僕ですが優しい目で読んでやってください。
至らない所もあるかもしれないのですが、よろしくお願いします。


結構くどい話になりますが、
基本ファンタジー色の強いコメディーです。
プラスで、ほんの少しだけグロ表現のある物語です。
そして、更新は亀さんです。


「Reason's〃World's」 意味:理由の世界



やっと、話が主旨に戻りました。
過去の話は飛ばしてもいいです(マジで)。
物語が進展しまーす。



第1理由 >>1 

Re: Reason's〃World's ( No.8 )
日時: 2014/04/01 12:17
名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)


「うざい。」

それは突然だった。
何処からともなく男の声が聞こえた。
それはあまり聞き慣れない声だった。

「(誰が言ったんだ?)」

翼は辺りを見回した。

殆どが、耀の方を向き笑顔で話し合っていた。
残りは寝ているか、集まって趣味について話しているかだ。
誰もそんな暴言を吐いた様な顔をしている人物はいなかった。

だが、確かに聞こえた。
その暴言は頭の中を回った。

翼は疑問に思った。
何故、うざいと言ったのだろうか。
何故、というか誰が言ったのだろうか。
何故、こんな大勢の中でその声だけ鮮明に聞こえたのだろうか。

そうだ。
何故、鮮明に聞こえたのだろうか。
こんなにざわついているのだ、隣ぐらいでないと聞こえないだろう。
だが、隣の男は健やかに寝ている。
前の女は好きな歌手について話しているし、後ろは欠席している。
近くに誰も暴言を吐く人物がいない。

「あー、うざいな。」

また、同じ声が聞こえた。
今度は確信を持ってはっきりと聞こえた。

どうしようもない、恐怖を感じた。
今までに感じた事のない、初めての恐怖だ。

「(どうなってるんだ。)」

翼は机に顔を伏せた。
今、気づいたのだ。

どうやら、その声は誰にも聞こえていないのだ。

翼以外に、辺りを見回している人が誰一人いないのが何よりの証拠だ。
みんな、楽しげに話しをしている。

とても怖かった。
誰かに言っても信じてもらえない様な事だ。
相談すら出来ない。
こんな事、初めてだった。

Re: Reason's〃World's ( No.9 )
日時: 2014/04/01 12:22
名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)


>>7 青色様

初めまして!
わわ、もう本当に嬉しいです!!(>д<*)
ありがとうございます!

はい!楽しみにしてください!
あ、でもそんなに期待はしないてくださいませ((

はい、更新頑張ります!
引き続き、お楽しみ頂けたらなと思います!!

Re: Reason's〃World's ( No.10 )
日時: 2014/04/01 12:57
名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)



授業終了のチャイムが鳴り、教室に戻ろうと廊下を歩いていた。

「でも、本当にびっくりしたねー!焔のあれー。」

羅奈は翼に小声で話しかけた。

「私、あんなの初めて見たわー!びっくり、びっくり。」
「私も初めて。びっくりした。」

二人は小声で話し続けた。
でも、「それより驚いた事があった。」なんて事は翼には言えなかった。

教室に続く廊下を渡ろうとした時、女の悲鳴がした。
翼と羅奈はあまりの突然さに驚いた。
廊下の中央に溢れんばかりの人だかりの円が出来ていた。

「耀、大丈夫ー!?今、先生呼ぶから!」

どうやら、円の中心に居るのは焔耀の様だ。

「何やろ?何か、やばそうやね。」

羅奈は人だかりの円に向かって走っていった。
翼は正直気が乗らなかった。
が、羅奈が翼の服の裾を必要に引っ張り続けるので仕方なく同行した。

円の中心で、座り込み右腕を押さえていた。
押さえていた腕からは大量に出血しており、ガラスの破片が食い込み刺さっていた。
座り込んでいる場所の丁度、真横にある窓ガラスが割れている。
耀は「大丈夫、大丈夫」と周りの人だかりに言い続けていた。
顔を歪ませながら。

しばらくして、教師が何人か集まり耀を保健室へと連れて行った。
口々に「痛そうー」と呟きながら、皆、教室へ入っていった。
そんなに呆気なくて良いのだろうか、皆大好き焔耀ではないのか。

「私達も行こっか。」

羅奈は翼に言い放ち、その場を後にした。
その時だった。

「あー、超すっきりしたー。」

翼はドキリとした。

また、あの声が聞こえたのだ。
全く同じ男の声が。
辺りを見回しても、もう誰もいない。

翼は恐怖に陥った。
もうその声の主は人ではない事がほぼ確定したからである。

全速力で教室に向かった。
絶対に後を振り返らずに。

Re: Reason's〃World's ( No.11 )
日時: 2014/04/01 13:25
名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)


翼は教科書を見つめ、虚ろな表情をしていた。
頭はもうあの声の事でいっぱいだ。

「(誰なんだ、あの声は…誰なんだ。)」

考えても、考えても答えはでない。
また一つ解決の出来ない疑問が増えた。
恐怖が翼の心を包んでいった。

「槙村さん、槙村さん。」

ふいに小声で呼ばれ、我に返った。
この艶っぽい声は聞き覚えのある声だ。
隣を見た。

「今、見てないよね?貸してくれない?前の時間のラインが引きたいから。」

朝霧椎名あさぎりしいなは翼の隣の席の女子生徒だ。
クール美人という言葉は彼女にぴったりな言葉だ。

勉強もでき、スポーツ万能なうえに、美人。
それに、兄に生徒会長を持つという素晴らしい家系の女だ。
彼女自身、一年生で副会長をするという異例の快挙を成し遂げた。
だが、クール美人という名はだてでは無い。

まず誰とも会話をしない。
話かけても二言返事しか返ってこないのだ。
それに、今まで告白した男は全て断られている。
あの、焔耀も告白したらしいのだか断られたのだ。
よっぽどである。

「ねえ?聞いとる?迷惑じゃなかったら、貸してほしいんやけど。」
「あ、ごめん。いいよ、全然。はい。」

翼は開けただけで一度も見ていなかった教科書を渡した。

そう、椎名は何故か翼にだけはよく話しかけてくる。
だが、友達と言って良い程の仲でもないのだ。
今の様なやりとりしかした事がない。

「(なんで、私何だろう。)」

翼は「まあ、いいや」という結論に結局辿り着いた。
そして、さっきの声についてまた思考を巡らせる。


Re: Reason's〃World's ( No.12 )
日時: 2014/04/01 14:03
名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)


下校のチャイムが鳴る。

翼と羅奈は部活を終えて、帰宅用意をしていた。
今日は二人を含めた、一年生組みが掃除当番だった。

「おい、槙村達。あっちの部屋もいってきてくんね?」

帰宅用意をしていた翼達に、同じ一年生の男子生徒が話しかけてきた。
帰る用意をしているのが見えないのだろうか。
苛立って仕方ない。

「いや、何で。君がいったらいいじゃんか」
「だって、あっちの部屋…何か、怖えーんだもん。」

男は身震いして部屋を指で指した。
翼は指の指し示した場所を見た。
立ち入り禁止と張り紙のされている古い部屋だった。

翼達の部室は本部から離れた、小さな旧校舎だった。
校舎と言っても、体育館より小さく二階分しかない建物だ。
とにかく、古くて小さな場所だった。

だが、例え小さな校舎でも立ち入り・使用禁止の部屋があった。
それが、男の指したあの部屋だ。
部員だけでなく、教師も立ち入り禁止なのだ。

「あそこ、立ち入り禁止やろー?何の用なんー?」

羅奈はその男に聞いた。
確かに、立ち入り禁止の部屋に何の用があると言うのだろうか。
まず、立ち入ってはならないのではないか。

「何か、掃除メモに中にある折り畳み椅子取って来てって書いてあるねんか。」
「それぐらい、自分で行けよ。」

男は「無理だってー」と翼に向かって嘆いた。

何故、立ち入り禁止の部屋から持って行かなければならないのだろうか。
確か、折り畳み椅子なら体育館の軒下に置いてあったはずだ。

「とにかく、よろしく。持ってこなきゃ、お前が怒られるからな!」

男はメモを翼に素早く手渡し、靴を履き替えて門を出て行った。
翼達はただ唖然とするしか無かった。

最終的に、立ち入り禁止の部屋には翼が一人で入ることになった。

羅奈は昔からほこり等にアレルギーがあり、くしゃみが止まらなくなるのだ。
翼はそんな完全にほこり塗れな部屋に羅奈を同行させる事はできなかった。
羅奈は「ごめんね」と、本当に申し訳なさそうに翼に謝った。

「謝らないで。ちゃんと、外で待っててくれたら許すから。」

羅奈は笑顔で「ありがとう」と言い放ち、翼の鞄を持った。
そして、靴をはきかえて門へと向かった。

翼はしばらく、悩んでいた。
今日は運が何かと変な方向に悪い日なのだ。

何も起こらないと良いのだが。

意を決心し、立ち入り禁止の部屋の鍵を開けた。

「怖くないですように。」

翼は目を閉じながら、ドアを開けた。


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