ダーク・ファンタジー小説

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魔法遣いのオキテ(ファンタジー)
日時: 2012/07/11 01:22
名前: yuunagi(悠凪) (ID: wfu/8Hcy)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2549z/

・あらすじ

王立魔法科学院——通称「アカデミー」には二つの学科コースがあった。一つは「普通学科コース」。もう一つは「魔法遣使学科コース」。普通科を就学している生徒たちの学び舎はアカデミー。だが、魔法遣使学科——魔遣科を就学している生徒たちの学び舎は……え? 個人事務所?!

・当作品は不規則な構成(時系列)となっていますご了承下さい。
(例)夢見る愚者篇=未来(現在) 物憂う少年の贖罪篇=過去 etc.

・なお、当作品は小説家になろうさま、Arcadiaさまの方でも投稿させていただいていますご了承ください。(只今、諸事情により更新停止中。涼しくなった頃に再開予定)

※お気軽にご感想などをよろしくお願いしますm(。-_-。)m

・夢見る愚者篇(全三十話)
初期メンバーである牧瀬流風が三年になり、中途編入した雨宮彗月が二年になって……。そして、ようやく正式にメンバーに加わる新入生——椎葉姉妹が入所してから早数ヶ月経過したある日に起こった事件の内容です。

※なお、不規則な構成(時系列)となっておりますので、もしかすると……描写等で至らない部分があるかも知れません。ご了承ください。

 序 章 〜夢見る愚者 前 篇〜 其の一 >>01
 序 章 〜夢見る愚者 前 篇〜 其の二 >>02
 第一章 〜夢見る愚者と軟派男〜 其の一 >>05
 第一章 〜夢見る愚者と軟派男〜 其の二 >>08 >>09
 第一章 〜夢見る愚者と軟派男〜 其の三 >>10 >>11
 第一章 〜夢見る愚者と軟派男〜 其の四 >>12
 第一章 〜夢見る愚者と軟派男〜 其の五 >>13 >>14
 独 白 〜牧瀬流風 十八時十三分〜 >>15
 第二章 〜夢見る愚者とくりそつ姉妹〜 其の一 >>16 >>17
 第二章 〜夢見る愚者とくりそつ姉妹〜 其の二 >>18 >>19
 第二章 〜夢見る愚者とくりそつ姉妹〜 其の三 >>22 >>23
 第二章 〜夢見る愚者とくりそつ姉妹〜 其の四 >>24 >>25
 第二章 〜夢見る愚者とくりそつ姉妹〜 其の五 >>26
 第二章 〜夢見る愚者とくりそつ姉妹〜 其の六 >>27 >>28 >>29
 独 白 〜椎葉鳴 十三時十九分〜 其の一 >>30
 独 白 〜椎葉鳴 十四時十九分〜 其の二 >>31
 第三章 〜夢見る愚者とおしどり夫婦〜 其の一 >>32 >>33
 第三章 〜夢見る愚者とおしどり夫婦〜 其の二 >>34 >>35
 第三章 〜夢見る愚者とおしどり夫婦〜 其の三 >>36
 第三章 〜夢見る愚者とおしどり夫婦〜 其の四 >>37
 第三章 〜夢見る愚者とおしどり夫婦〜 其の五 >>38 >>39
 第三章 〜夢見る愚者とおしどり夫婦〜 其の六 >>40 >>41
 第三章 〜夢見る愚者とおしどり夫婦〜 其の七 >>42 >>43
 独 白 〜雨宮彗月 八時一分〜 其の一 >>44
 独 白 〜久遠寺美鈴 十三時十一分〜 其の二 >>45
 終 章 〜夢見る愚者 後 篇〜 其の一 >>46
 終 章 〜夢見る愚者 後 篇〜 其の二 >>47
 終 章 〜夢見る愚者 後 篇〜 其の三 >>48 >>49
 終 章 〜夢見る愚者 後 篇〜 其の四 >>50
 補 遺 〜久遠寺美玲 十三時十一分〜 >>51

・夢見る愚者篇〜After Story〜(全四話)
本篇〜夢見る愚者〜の後日譚です。

 幕 間 〜牧瀬流風 十八時十三分〜 其の一 >>52
 幕 間 〜椎葉鳴 十三時十九分〜 其の二 >>53

・物憂う少年の贖罪篇
アカデミー入学時代。初々しい頃の魔遣科一年、牧瀬流風の物語です。

(2)終 章 〜夢見る愚者 後 篇〜 其の三 ( No.49 )
日時: 2012/07/01 01:07
名前: yuunagi(悠凪) (ID: wfu/8Hcy)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2549z/28/

 「……そう、良かったですね。——侵入者さん」

 そんな女性の声が唐突に聞こえ、男性は血相を変えて辺りを見渡した。
 すると、何事もなかったようにけろっとした様相で久遠寺美玲が微笑みながら一歩ずつ男性に向かっていた。
 美玲の無傷な姿を見て、男性は驚きの表情を浮かべる。

 「——どうしてって、顔に出てますよ。嫌ですわ……。そこは淑女の秘密として処理出来ないでしょうか?」
 「……ふざけるなっ!」

 拳を握りしめて勢いよく立ちあがった男性はゴーレムに命令し、歩み寄って来る美玲目掛けて拳を叩き込ませる。
 美玲はそのゴーレムの拳目掛けて、両手に携える双銃を発砲しながら何事もなかったように歩みを進める。

 しかし、先ほどのように小さな弾丸ではゴーレムのごつごつした太い拳を止められるはずもなく、そのまま彼女は拳を叩き込まれた。
 間違いなくゴーレムの拳が美玲に直撃した光景を目の当たりにした男性は今度こそ勝利を確信する。

 だが、目の前には何事もなかったように平然とした素振りで男性に向かって歩み寄って来る美玲の姿が確認された。

 ——男性は命令する。

 それに応えるかのようにゴーレムは右、左と交互に拳を連続で美玲目掛けて叩き込む。
 しかし、美玲は相も変わらず、何事もなかったように平然と歩み寄って来る。

 ——それでもなお、男性は命令する。

 けれど、結果は変わる事無く、美玲はとうとう男性のすぐ目の前まで距離を縮めていた。

 「全く……。侵入者さんには正直がっかりですよ。もう少し、女性の扱いを学んだ方が良いですよ。——ゴリ押しだけじゃイケないですよ。……ほら、私が手本を見せてあげますわ」

 そう嘆くように話すと、美玲は男性を押し倒して馬乗りになった。
 そして、双銃を男性の口に押し込み、徐に恍惚な笑みを溢す。

 「どうですか? モノを咥えさせられるご気分は……。男性である侵入者さんにはさぞご経験のない事でしょ?」

 双銃を口に押し込まれ話す事も出来ず、苦しさのあまり涙を流す男性を見て美玲はさらにうっとりとして恍惚な笑みを浮かべる。

 「……そうですか。それほどおいしいですか。とんだ変態さんですね……。——そろそろこの子たちもイキたがっているので、もっと激しく舐め回してあげてくださいまし……」

 男性の口に押し込んだ双銃で美玲は凶悪的な笑みを浮かべながら口内を押し広げ、乱暴にかき回す。
 男性は成す術がないまま身体を震わせながら彼女にいいようにされ、苦しさのあまり彼はむせ返し、嘔吐する。
 それでもなお、美玲は双銃で口内を「クチャクチャ」と卑猥な音を立てながら乱暴にかき回し続ける。

 「この子たちもそろそろ限界のようです。変態さん、この子たちの気持ちを全部受け取ってあげてくださいね。——もちろん、一滴も零さずに……」

 微笑みながらそう告げると、美玲は双銃の引き金に手を掛け、男性の口内で躊躇なく発砲した……。
 乾いた二発の銃声と共に男性の血液が辺りに飛び散り。
 至近距離で発砲した美玲にも男性の血液が付着する。
 そして、男性の死をもって召喚したゴーレムは崩れ去った……。
 顔に返り血を浴びた美玲はそれを舌で艶やかに舐め取り、徐に不敵な笑みを浮かべる。

 ——すると、

 「ゴホッ!」

 と、嗚咽がし。
 そこには即死のダメージを負ったはずの男性の無傷の姿があった。

 「あらあら。駄目じゃないですか……。——一滴も零さないでって、言いましたよね?」

 自らの手で撃ち殺したはずの無傷な男性が目の前にいるのにも関わらず、美玲は淡々と先方に苦言を呈した。
 それに対し、男性は何が起こったか理解出来ずに呆然としてしまう。

 「先ほど、自分は久遠寺美玲に致命傷を負わされたはずなのに、なぜ生きているんだ」と男性は不思議に思った。
 そして、男性は「久遠寺美玲が持つ双銃に何か秘密があるんじゃないか」と考え。
 未だに口内に押し込まれたままの双銃に男性が視線を送り、その視線に気付いた美玲は徐に口を開き、

 「——先ほどの双龍神のお話の続きなんですけど……それに出て来る伝説の魔装具と呼ばれる物があるんですよ。でも、実際はその魔装具を見た者はおらず真相は闇の中……。——って、まぁ〜ソースがお伽噺なんだから当たり前なんですけどね。しかしですね、実際には実現するんですよ。それもこの世界ではない異世界に……。——ホント、見つけるのに苦労しましたよ。しがないアンティークショップで乱雑に置かれ売られていたんですよ。あの時はさすがの私も頭に来て店主に……。——って、愚痴はさておき……。その伝説の魔装具がこの子たちなんですよ。実際に目にするのはその時が初めてだったんですけど、目にした瞬間に感じましたね。——得体の知れないオーラを……」

 と、流暢に時には愚痴を漏らしながら伝説の魔装具の経緯について語った。
 しかし、男性が求めていた情報と違い。
 ただの雑談だった事にさすがの美玲も気付いており「ゴホン」と一拍を入れて本題に入る事にした。

 「——白は破壊を司り、黒は創造を司る……。この子たちの見た目通りの説明ですけど、そこがネックなんです。黒を白で塗りつぶし、白を黒で塗りつぶす。これの繰り返しこそがこの子たちの性質……。要するにこの子たちに撃たれてしまうとそのモノとして本来あるべき性質が破壊され、そして創り変える事が出来るんですよ。例えば、硬い物を柔らかい物にとか、他愛もない事ですけどね。——もちろん破壊したモノの性質をそのまま復元する事も出来ます。……理解出来ましたか?」

 伝説の魔装具の能力について語った美玲は、男性の口に押し込んだままの双銃の引き金を再び引き、容赦なく発砲する。
 案の定、撃たれた男性は即死。
 血液を辺りに撒き散らし息絶える。

 ——しかし、数秒後……。

 男性がまた「ゴホッ」と咳き込んで、息を吹き返した。

 「どうですか? ——また、生き返った感想は?」

 口に双銃を押し込んだまま男性にそんな質問を投げかけるが、男性は何も答えようがなかった。口に双銃を押し込まれたままでは口は利けない。

 「——ふむ、この状態では言いたくても言えないですよね。……でも、ダメですよ。悪い子にはお仕置きをしないと、ね……」

 男性にそう微笑みかけると、先方は堪らず涙を浮かべながら視線だけで美玲に何かを訴えかけた。
 その訴えかけを理解出来たのか、美玲は凄惨な笑みを浮かべながら、

 「らぁめ。言ったでしょ? 言いたくなるようにたっぷりとお仕置きをしちゃいますから覚悟しといてくださいね、と……。でも、心配しなくても大丈夫ですよ。——慣れて来たらこれも案外エクスタシーを感じられると思いますよ。だから、良かったですね——新たな極致を開拓出来て……」

 と、他人事のように淡々と話し。
 美玲はまた男性の口に押し込んだままの双銃の引き金を今度は焦らすようにゆっくりと引いて……。
 
 ——容赦なく発砲した……。

終 章 〜夢見る愚者 後 篇〜 其の四 ( No.50 )
日時: 2012/07/01 21:43
名前: yuunagi(悠凪) (ID: wfu/8Hcy)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2549z/29/

 ——一三一一軸、久遠寺事務所。

 波形の長針と短針だけの装飾品が「ジリジリ」と音を立ててゆっくりと動き。
 六時十三分なのか、十八時十三分なのか、定かではないその辺りを指して「チン!」とベルの甲高い音が鳴った。

 そして、扉が「ガチャ」と音を立てて開く……。

 「たっだいま〜」
 「戻ったぜ〜」
 「ただいま戻りました〜」

 牧瀬流風と椎葉姉妹が調査を終え、揃って事務所にぞろぞろ入って来た。
 彼らはいつも通りに物で散らかり放題の事務所内を縫うように進み、所長である久遠寺美玲は立派なデスク。
 雨宮彗月はお気に入りの革製ソファー。
 牧瀬流風は古ぼけた事務机。
 椎葉姉妹は流風と同じく事務机だが新調仕立ての真新しい物……。

 ——と、各々の事務所での居場所に向かう。

 ちなみに久遠寺美鈴が事務所に入り浸る場合は彗月のお気に入りのソファーを使用するため、彗月は追いやられるような形で事務所の端の方にある通称「セカンド寝床」と呼ばれる段ボールが敷き詰められたその場でゴロ寝する事しばしば……。

 「——あら? ずいぶんと遅かったのですね」

 事務所内に聞き慣れない女性の声が聞こえ、流風たちは一斉に声がした方に振り向く。
 と、そこには赤の久遠寺美玲が愛用しているデスクで優雅に紅茶を嗜む黒の久遠寺美玲の姿があった。

 「ありゃ? 黒姫ちゃんバージョンの美玲ちゃんが何でここに?」
 「どういう風の吹きまわしだ?」
 「……本当ですね」

 流風たちは黒美玲の姿を見て少し驚いてしまう。
 赤の久遠寺美玲が大司教と呼ばれる男性に述べていた通り。
 黒の久遠寺美玲は本来外界用、外交用と言った用途でしか姿を現さない。
 だが今、目の前にいるのはその外界用、外交用の変装した姿の美玲だった。

 「ほら、たまには気分転換もよろしいかと……」

 微笑みながら流風たちの質問に答える美玲だったが、まだ流風たちは納得していないのか徐に眉間にしわを寄せ、怪訝そうな表情を浮かべた。
 そんな彼らの反応に美玲は見て見ぬ振りをして、紅茶を口に含む。

 そんな中、事務所出入り口の上に飾られた波形の長針と短針だけの装飾品が再び「ジリジリ」と音を立ててゆっくりと動き。
 六時十三分なのか、十八時十三分なのか、定かではないその辺りを指して「チン!」とベルの甲高い音が鳴った。

 そして、扉が「ガチャ」と音を立てて開かれ、

 「やっと、帰って来れた……」
 「ただいま〜」

 と、雨宮彗月と久遠寺美鈴が事務所に帰って来て。
 案の定、彗月と美鈴の二人も散らかり放題の事務所内を縫うように進み、自分たちの居場所へと足を進めていると、あるモノに自ずと気付いてしまう。

 「あれ? 所長、どうしたんですか? そんな格好をして……」
 「お姉ちゃんのその姿。久しぶりに見た……」

 黒美玲の姿を見るや否や流風たちと同じような反応を見せた二人。
 それでもなお、美玲は何の反応もせずに優雅に紅茶を嗜み続ける。
 すると、流風が小さく手招きをしている事に気付いた彗月たちは、その手に引き寄せられるに彼の元に近づいて行く。

 「な〜んか、美玲ちゃんの様子がおかしいと思わない?」

 「ちらちら」と横目で美玲を一瞥しながらも彼女の事を心配してか、そう話す流風は徐に円陣を組み、美玲に聞こえないように小声で「美玲トーク」を開催した。

 「——いや、いつも通りな気がするが……。それよりもくりそつ姉妹のそれは最近流行りのファッションか何か、か?」

 と、まず先陣を切って、彗月が話を切り出した。

 「……まぁ〜そんな所だ。——それよりも彗月は見る目がないなぁ〜」
 「うん、彗月ちゃんは見る目がないです」

 椎葉姉妹にそう返され。

 「私も右に同じ〜」
 「僕も〜」

 彼女らに便乗するように美鈴と流風も彗月に意見する。

 ——実の所、最初の彗月の指摘に椎葉姉妹は表情を歪めていた。

 それは言うまでも無く、久遠寺美鈴に決してバレてはいけない事情があったため……。
 しかし、強引にも話しが進み、椎葉姉妹は事無きを得て、人知れずホッと安堵の息を漏らす。


 「——私もそう思いま〜す」

 彗月以外、全員椎葉妹の意見に賛成したかと思われたが……何かがおかしかった。

 『……あれ?』

 と、彗月たちは疑問に思った。
 そして、一人多いような気がし。

 ——恐る恐る、声が聞こえた方向に視線を向ける。と、

 『うわっ!』

 目の前の光景に堪らず、彗月たちは一斉に驚いてしまう。
 そこには、まさかの本人がいつの間にか「美玲トーク」に参戦していたから……。
 それに何だか「ニコニコ」と愉しげに小さく挙手をしながら椎葉妹の意見に同意していたのだ。

 そんな彼女の姿に皆タイミングを見計らったように大きく嘆息を吐き。
 そして、彗月以外の皆はこう思った……。

 ——ちょっとでも心配した自分が馬鹿だった、と……。

 そんな彼らに対して、題材に取り上げられた張本人は首を傾げ、きょとんとしていた……。

補 遺 〜久遠寺美玲 十三時十一分〜 ( No.51 )
日時: 2012/07/01 21:53
名前: yuunagi(悠凪) (ID: wfu/8Hcy)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2549z/30/

 美玲タ〜イム。

 ——ふむ、この姿で言うのは恥ずかしいものだな……。

 まぁ〜いい、報告だ。
 まずは、牧瀬流風からの報告——。

 「魔法遣いになるまでの軌跡とその末路」と呼ばれるサイトが一八一三軸の世界のサーバーで立ち上がっており、夢想薬に関する機密情報を記載している模様。
 ただちに現地の政府に報告し、削除を要請。

 それから「夢見る愚者」と名乗る集団の幹部クラス三名と交戦。
 夢想薬を使用し、魔法遣いになるが……副作用で焼死。
 そのため詳しい情報を聞けず仕舞いで終わる。

 ——ねぇ〜美玲ちゃん。

 本当は何か知ってたんじゃないの?


 ——ふむ、さすが流風と言った所、か……。

 続いては、椎葉鳴、鳴(なる)姉妹からの報告——。

 えっと、調査報告ですけど……。
 今回の連続変死事件には色々な思惑があるように思いました。
 それは事件が続くにつれて魔法の精度が上がって来ている事です。
 そう、実験を繰り返しているかのような違和感を覚えました。
 これは何か大きな事を起こすまでの言わば前座なんじゃないかなと思います。

 調査をしている最中に変な集団にからまれた。
 その集団は夢想薬ともう一つ「ルクエラ」って呼ばれる痛覚を麻痺させる麻薬を飲み、アタシらと交戦した。
 途中、姉貴がキレてあわや相手を殺りかける所でアタシが制止し。
 事無きを得たが……結局、夢想薬の副作用で焼死して、相手が何者かを聞けず仕舞いで終わる。

 ——そして、最後に……。

 『雨宮先輩は論外!』


 ——ふむ、カマトトの着眼点はなかなか面白いな。

 それにイケメンも良く頑張った。

 しかし、彗月の奴は一体何を仕出かしたんだ?
 それと、この報告書を学校に提出する私の身にもなれ……。

 ……まぁ〜いい。
 続いては、雨宮彗月からの報告——。

 調査中、おかしな集団に追われ交戦。
 相手が夢想薬を飲み、魔法遣いになるが副作用で焼死する。
 しかし、その集団の中に現地の魔法使いが二名混じっており、少々苦戦を強いられるが無事勝利した。

 交戦中に久遠寺美鈴が覚醒し、一名の魔法使いの時が奪われ絶命する。
 生き残りの魔法使いから奴らの計画を問い質した。
 が、それはターゲットを間違っている事が分かり、計画は失敗したものと考えた。

 ——えっと、所長。

 大丈夫だったんですか?


 ——ふむ、何だかんだで……仕事はきっちりするんだな、アイツは……。

 さて、部下からの報告はこれで終了。
 最後に所長である私からの報告だ。

 ——大司教と呼ばれる輩を問い詰めて吐かせた内容をここに記す。

 奴は元々夢想薬研究に携わっていた研究者の一人だった。
 しかし、上のやり方に不信感を抱いて行方をくらまし、流風の報告にあったように「魔法遣いになるまでの軌跡とその末路」と題されたサイトを立ち上げる。

 そして、同じ志を持った同志(元研究者)たちと「夢見る愚者」なる集団を築き上げ、夢想薬の危険性を世間に広めようとした。
 だが、目先の欲に走った人間どもには彼らの言葉は届かず、奇異な視線を向けられ軽くあしらわれる。

 そこで彼らは夢想薬の危険性を世に知らせるべく、夢想薬を使用した変死事件を企てた。
 が、政府及び警察は不慮の事故として処理し、最初の変死事件は呆気なく幕を閉じる。
 それに対し、大司教は不慮の事故などとして処理出来ないほどの事を起こせば良いのだと踏んだ。

 しかし、世に出回っている夢想薬を活用するに当たって、少々問題が生じる。
 それは巷にある夢想薬を過度に摂取し、稀に魔法遣いモドキとして覚醒する事があるようだが……如何せん魔法の精度が落ちるため、また不慮の事故として処理されかねないのだ。

 そこで大司教は苦渋の選択をする事に……。

 ——そう、彼は忌み嫌っていた夢想薬の研究に着手し、夢想薬の効力を上げる事にした。

 その研究課程で自ら夢想薬の試飲を名乗り出た同志たちの尊い犠牲を払いながらも夢想薬の効力を着々と上げて行き。それと並行して出来上がった新薬を使用した変死事件を次々と引き起こしていたが、いずれもまともに取り上げられる事は無かった。
 まともに取り上げてくれるまで繰り返し、繰り返し行って来たが……あまり成果が上がらなかった。

 ——そこで大司教は考えた。

 元凶である政府を直接叩けばどうにかなる、と……。

 そこで標的にされたのが私たちである。
 久遠寺家は代々タイムタイムの管理者(時統べる魔女)を輩出し、異世界同士の円滑な流通を担う役を果たしていた。
 それは政府にとって心臓部と言っても過言ではない。
 その重役の首でも差し出せば政府も考え改めると踏んだようだが……。

 雨宮彗月の言葉を借りるなら——標的を誤り、計画は失敗に終わった。
 まぁ〜そもそも世間的にタイムタイムの管理者は私となっているから標的を誤っても無理もない。タイムタイムの力を悪用せんとする輩が現れるやも知れんから、私が久遠寺美鈴の身代わりとなっている。

 ——この件は一部の身内にしか知られていない。

 言わずとも分かると思うが、美鈴は魔法の類は一切使用出来ない堅気の人間だからだ。

 ——要するにお家からの命令って奴。

 それはさておき……我々の情報を大司教にリークした人物は一三一一軸の世界の元政府の人間らしく、そいつは大司教の夢想薬研究過程で被験者の暴走した魔法に巻き込まれ死亡したようだ……。

 ——ったく、物は使いようって言葉を知らんのか。

 確かに夢想薬は過度に摂取すれば危険だが、それで助かっている人間もいる事は確かだ。
 まぁ〜利益重視の一部人間などは論外だが、な……。

 ——それともう一つ。

 奴らが夢想薬を飲む際に自らの血液を混ぜて飲んでいたのは魔法遣いになるための精度を上げるモノであると同時に無理やり精霊と契りを交わすために行っていた……謂わば、魔術儀式のようなモノである。
 そう、精霊とさえ契りを交わす事さえ出来れば自ずと魔法の精度も上がる事は確かだからな。
 成果のほどは……私個人の主観からしてあまり芳しくないと思われるが、彼らにとっては成功に等しいのだろう。

 ——しかし、まさかの収穫だったな……。

 人に対してアレを行使したのは今回が初めてだったが、まさか命までもが容易に創造出来るとは……恐れ入ったよ。
 さすがの私も久しぶりに興奮してしまい本来の目的を忘れ、あの男を使って実験をする所だった。
 まぁ〜多少は実験込みで使用していたと言う感は否めない事実だがな……。

 ——反省、反省っと……。

 だが、命を創造、再生させるのはその命が宿っていた器があってこそなんだろうが……。

 ——仮に、本当の神の力を行使する事が出来れば……無から命を創造、再生出来るのだろうか?

 ふむ、そればかりは実際に使ってみないと分からんな……。

 ふぅ〜、今回はこんな所だろう。

 ——私からの報告は以上だ。


                                                      報告書「夢見る愚者」済

幕 間 〜牧瀬流風 十八時十三分〜 其の一 ( No.52 )
日時: 2012/07/11 00:54
名前: yuunagi(悠凪) (ID: wfu/8Hcy)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2549z/31/

 ——一八一三軸、衛星都市某所。
 僕はただいま後輩の代わりとなってパシられ中……。

 ふむ、後輩想いの良い先輩だこと……。

 さてさて、パシられ中である僕はただ今、とあるタバコ屋に赴いている。
 しかし、この店はかなり風変わりな店だった。
 なんていうか……モノホンのタバコが一切置いていなかった。

 ……何でや?

 店先には平仮名で「たばこ」と描かれた看板があるにも関わらずに、だ。

 ただの飾りだったのかな……?

 しかし、店先のショーケースにはしっかりとタバコの銘柄入りのケースが小奇麗に陳列されている。
 けど「これはただの飾り」だと店主こと団子頭のお婆ちゃんが話す。
 じゃ〜僕が、

 「これのモノホン頂戴な」

 と、お婆ちゃんに投げかけると、お婆ちゃんは、

 「あいよ〜」

 と、心もとない声で返答し、僕が指定した銘柄のタバコを取ってくれた。
 僕は心置きなくそれを受け取って、代金を支払い。
 「これでパシリは終えたのだ」と、ばかり思っていた僕だったが、なぜか買い取ったタバコから甘ったるい匂いが漂って来たのだ。

 美玲ちゃんがいつも愛煙しているタバコは、そんな匂いを放出しない。
 もう少し、トゲトゲしい匂いを放出する奴である。

 だから、僕はお婆ちゃんに、

 「これ変な匂いするから取っ換えて〜」

 と、ねだると、お婆ちゃんは、

 「あいよ〜」

 と、また心もとない声で返答し、新しいタバコと取り換えてくれた。
 「今度こそ終わっただろう」と思ったが、また甘ったる匂いがタバコから匂って来るではないか……。
 不審に思った僕はパッケージを開けて、中身を確認してみると……。
 そこにはパッと見、タバコにしか見えないただの棒状のラムネが入っているだけだった。

 すぐさま、僕はその事をお婆ちゃんに言い寄ると、お婆ちゃんはこれを「タバコだ」と言い張って僕の言葉を聞き入ってくれず。
 少々口論となってしまって、現在に至るのだった……。

 「ねぇ〜、お婆ちゃん。僕はラ ム ネじゃなくてタ バ コを買いに来たんだけど?」
 「ああ? タバコならお兄ちゃんがさっき買ったじゃろ?」

 と、お婆ちゃんは僕が持つ「タバコ」と名ばかりの「ラムネケース」を指さす。

 「いやいやいや。これタバコじゃないって……。てか、何でタバコのケースにラムネが入ってんの?」

 中身を確認するまで分からない程に精巧な造りのケースには、ホント驚きである。
 コピー商品もここまで来たら「モノホンじゃん」と……。
 だが、中身はタバコじゃなく、ただのラムネではあるが……。

 「タバコじゃからに決まってるじゃろ? 若いのにボケてるのかぁ?」
 「……それ、お婆ちゃんに言われたくないよ……」
 「ああ? 何だってぇ?」
 「……何でもありません」

 はぁ〜、ダメだこりゃ……。
 僕はお婆ちゃんとこのまま口論していても仕方がないと思い、別の店でタバコを買おうかと考えを巡らせている間に少し疑問に思った事があった。

 このお婆ちゃんが「タバコ」の事を「ラムネ」と言い張るのなら「本物のラムネ」の事は何て呼ぶのだろうか、と少し興味本位で聞く事にした。
 もちろん、ラムネ本体を見せなければ話にならんと思い、僕は購入したばかりのタバコもといラムネを一本手に持って徐にお婆ちゃんに提示してみた。

 「ねぇ〜、お婆ちゃん。ちなみにだけど……これは何て言うの?」

 僕が提示したラムネを食い入るようにまじまじとお婆ちゃんは見つめ始め。

 ——しばらくしてからお婆ちゃんが口を開いた。

 「……ラムネ、じゃろ?」
 「そう、これはラムネ——って、え?」
 「何じゃ? ラムネはラムネじゃろ?」
 「そうですけど……」

 どういう事?
 訳が分からない……。

 「じゃ〜これは?」

 僕は次にタバコケースもといラムネケースを提示する。

 「……タバコじゃろ?」
 「そう、これはタバコ——って、ちが〜う! これはタバコじゃなくてただのラムネケース! ——って、もしかして……」

 お婆ちゃんの受け応えに僕はある疑念が過った。
 それを確かめるために僕はラムネケースと中身を同時に見せる事にしてみた。

 「じゃ〜お婆ちゃん、これは?」

 僕はラムネケースのフタを開け、中身とケースを見えるように計らう。
 それをお婆ちゃんは食い入るようにじっくり見つめ……。

 ——そして、口を開いた。

 「……タバコに入ったラムネじゃろ?」
 「……さいですか……」

 お婆ちゃんが口走った返答に思わず僕の身体に悪寒が走る。
 うん、まさかのオチだ……。
 しかも、最低最悪の……。
 お婆ちゃんはどうやら「タバコ」の事を多目的に使用出来る箱……。

 ——すなわち「多箱」と勘違いしているようだ。

 なら、そこは段ボールでしょうに……。
 はぁ〜、ホント……。
 風邪を引きそうだよ……。

 仕様も無い事実を知って肩を落とした僕はお婆ちゃんに別れの挨拶を言い残し。
 正真正銘のタバコを買いに別の店へと重〜い足取りで向かった、とさ……。

幕 間 〜椎葉鳴 十三時十九分〜 其の二 ( No.53 )
日時: 2012/07/11 01:30
名前: yuunagi(悠凪) (ID: wfu/8Hcy)
参照: http://ncode.syosetu.com/n2549z/32/

 ——一三一一軸、久遠寺事務所。
 現在、私たちは事務所内にて土下座をさせられています……。

 どうしてこうなってしまったんでしょうか?

 ふむ、悩んでも仕方がありませんね。
 その原因ならはっきりしてしまっている訳ですから……。

 ——はぁ〜、鳴(なる)ちゃんの馬鹿……。

 「——で、二人とも。何か言いたい事はある?」

 美鈴(みすず)ちゃんが私たちの事を満面の笑みを浮かべながら見つめていた。
 だけど、それはただの仮面でしかない。
 その下では鬼の形相で睨みつける美鈴ちゃんがいる……。

 「あ、あの! 美鈴ちゃん! 私たちは別に危険な事なんて一切してないよ!」
 「あ、ああ! 姉貴の言う通りだ。アタシたちはただジャレ合って転んだだけなんだよ」

 私は鳴ちゃんとともに言い訳がましい事をいけしゃあしゃあと口走る。
 ホント、途中まで上手く事が運んでいただけに今までの頑張りが全て水の泡です……。

 ——そう、私たちは上手く誤魔化せていた。

 彗月(はづき)ちゃんの発言で少し肝を冷やしましたけれど。
 それ以降、順調に進んでいた。
 ただ、鳴ちゃんが不意に美鈴ちゃんに話しかけられて、挙動不審な態度を取るまでは、ね……。

 「だったら、何でナルちゃんの服が破れているの? ジャレ合って転ぶだけじゃここまでならないよね?」
 「さっきも言ったけどさ、これはへそ出しルックって言って——」
 「なら、わざわざ服を破る必要ないよね? 少し服を捲り上げる程度で十分にへそ出しルックが出来ると思わない?」
 「えっと、それはさ……」

 言い訳苦しくなった鳴ちゃんが徐に私の事を一瞥する。
 つまり、私に「援護を頼む」と言う合図である。

 はぁ〜。
 いつもながら世話の掛かる妹ですね……。

 私は鳴ちゃんのアイコンタクトに対して小さく頷き、援護をする事を了承した。

 「あ、あの。美鈴ちゃん。よく考えてください。相手はあのナルちゃんです。わざわざそんなまどろっこしいマネをすると思いますか?」

 この言葉に美鈴ちゃんが顎に手を添えて、鳴ちゃんの事をまじまじと凝視し始める。
 何かを見定めるように鳴ちゃんの身体をなめまわしながら見つめる。
 その視線に鳴ちゃんは堪らず身体を強張らせた。
 すると、考えが纏まったのか、美鈴ちゃんが小さく頷く。

 「……確かにメイちゃんならともかく、ナルちゃんがそんな事しないか……」
 「そうですよ。ナルちゃんなら自ら服を破って、自作へそ出しルックを作りかねないでしょ?」
 「そうよね。ただただ服を捲り上げれば済むだけの簡単なアイディアなんてナルちゃんには浮かぶ訳ないよね」
 「はい、その通りです」

 力強く頷きながら発したこの言葉に美鈴ちゃんが力強く頷く。
 ふむ、どうやら美鈴ちゃんが納得してくれたようです。
 ただ、気掛かりなのが……隣で正座する鳴ちゃんの身体が小刻みに震えている事でしょうか……。

 どうしたのでしょうか?

 しかし、これでようやく美鈴ちゃんから解放されそうです。

 「——まぁ〜、ナルちゃんの事はだいたい分かったわ。……だけど、メイちゃんのその頬の傷はなぁに?」

 不敵な笑みを浮かべながら発せられた言葉に私は思わず「ビクっ」と身体を強張らせる。
 まさか、自分に食いついて来るとは思わなかったからだ。
 だけど、こういう状況に慣れてしまっている私には通用しません。
 もう、良い言い訳が頭に入っていますからね。

 「これはですね——」

 「ああ、それなら。簡単だぜ。姉貴の趣味みたいなもんだ」

 私の言葉を遮るように鳴ちゃんがそんな事を言い出した。
 突然の事で私は少しフリーズしてしまいましたが、鳴ちゃんの真意を確かめるべく、ふと彼女に視線を向ける。
 すると、鳴ちゃんが不気味な笑みを浮かべていた。

 ——え?

 もしかして、ハメられた……?

 「……メイちゃんの趣味?」
 「そう、姉貴って結構ウジウジしてるだろ? そのイメージ通りで少〜しばかり自傷癖があるんだよ。全く、困ったもんだ……」

 私が呆けている間に二人は有らぬ話を進める。
 しかも、あたかも私がそういうキャラだと思わせぶりに話す鳴ちゃんの表情が悪意に満ちていた。
 そして、馬鹿正直に鳴ちゃんの妄言を信じたのか、美鈴ちゃんが私の事を心配そうに見つめ始める。

 「……メイちゃん、悩みがあるなら聞いてあげるよ?」

 少し涙交じりの声で発せられた言葉に私は表情を歪めた。
 悩みがあるとすれば、それは今し方の私への扱いである。

 「気を使わなくていいって、美鈴さん……。そんな事したら姉貴が、さ……」

 含みを持たせた鳴ちゃんの言い回しに静かに頷く、美鈴ちゃん。
 そして、徐に私の肩に「ポン」と手を置く。
 私を見つめたまま、何も語る事はなかった。

 だけど、美鈴ちゃんの熱い眼差しからは「心配しなくても、私が付いてるよ」的な熱意が十二分に伝わって来た……。
 「このままじゃダメだ」と、私は弁解するべく、立ち上がる。

 「いや、そうじゃ——」
 「もう、いいよ。十分に分かったから、メイちゃん……」
 「だから、そうじゃ——」
 「うん、うん……。ストレスが溜まってたんだよね……」

 有らぬ疑惑を払拭しようと弁解を試みるものの、全て美鈴ちゃんに言い包められ弁解する余地すらなかった。
 そのやり取りを一人……。

 ——声を殺し、身体を震わせながら笑っている人物がいた。

 私の隣で土下座をする鳴ちゃんである。

 そんな鳴ちゃんの姿を目の当たりにした私は彼女の事を軽く睨みつけてやると、私の視線に勘付いたのか、鳴ちゃんが突然、身体を強張らせた。

 全く、怯えるぐらいなら最初からやらないでほしいですね……。

 だけど、私たちのトリックプレイ(?)のおかげか、美鈴ちゃんの頭から私たちを「叱る」と言う選択肢が消えたようです。
 これで晴れて私たちは自由の身となる訳ですね。

 ——良かった、良かった……?


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