ダーク・ファンタジー小説

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箱【7月11日更新】
日時: 2015/07/11 17:03
名前: フクロウ福楼 (ID: OGCNIThW)


 箱が、ある。 

 大切なものが、たくさん詰まった

 箱。




 女は、この中に私の大切なものは無い。と、言った。

 なら、貴女はこの箱はいらないのか。と、問うと、

 いらない。と、言った。


 だから貰っただけだ。




 男は、この中に大切なものがある。と、言った。

 大切なものとはなんだ。と、問うと、

 富だ。と、答えた。

 欲しいか。と、問うと、

 欲しい、何に変えてでも。と、答えた。



 だから変えてもらった、それだけだ。




 
 



 箱が、ある。

 大切なものが

 その人にとって、一番大切なものが、

 一つだけ、ある。



 70億を超える人間の、

 70億を超える数の、

 大切なもの。


 自らの一番大切なものを、間違うことなんてないだろう?



 






 





 だから私は、選択を誤った人間からひとつづつ......




 









 この箱の中に、貴方の大切なものはあるか?


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 一ツ目の話、始まり。

Re: 箱 ( No.11 )
日時: 2015/02/26 23:07
名前: フクロウ福楼 (ID: OGCNIThW)



コメント

 みーこさん、コメントありがとうございます。
 遅くなって申し訳ありません。
 応援、励みになりました。


 
↓続きです
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 ごめんなさい

 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい



 もう、独りはいやなの。

 でも……私のせいでみんな——


 

 










 「白鳥さん?」



 ……っ


 「白鳥さん、だいじょうぶ?」


 ……もう、何で、みんな、みんなっ、





   全部私のせいなのに。




 「あ、ちょっ、白鳥さん、しらとりさ——」





 



 ごめんなさい、怜君




 




 






 ごめんなさい。




 「……白鳥さん」


 「ねぇ」

 「!?」

 




 「君が、『霧島 怜』君?」

Re: 箱 ( No.12 )
日時: 2015/05/15 21:39
名前: フクロウ福楼 (ID: OGCNIThW)
参照: 久しぶりに見たら参照300でした感謝。



 嫌になっていた。

 仕事もせずに、酒を飲み暴れる獣の様な父と、
 毎晩毎晩、父ではない男と寝る母と、
 そんな両親から生まれた、自分さえも。



 家を出た、18の時だ。


 金属を切断する毎日、機械の様に働く。
 休みはほとんど無かったが、
 住み込みで、食事まで付いている。文句はない。

 家に比べれば、天国の様。

 


 




 


 俺の20回目の誕生日をまえに、

 天国は奪われた。






 脱税だそうだ。
 天国は、国に奪われた。





 





 嫌になっていた。



 なけなしの金と、幾つかの着替え。
 その時の俺のすべて。

 


 
 雨が、降る。


 
 近くの公園のベンチに、屋根があるのを思い出した。
 
 公園へ向かう。




 

 公園で、雨にうたれていた白鳥さんを、

 公園で、雨にうたれながら俺はみていた。










 綺麗な人だ、と、おもった。








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 お久しぶりです、フクロウ福楼です。

 先日、フクロウカフェに行きました。

 とんでもなく可愛かったのですがなんですかあの生き物梟ですかそうですか。


 皆様も是非。

 
 それでは、素敵な夜を。


    フクロウ福楼

 

Re: 箱 ( No.13 )
日時: 2015/05/18 19:28
名前: 四之神綾芽 (ID: GIxrqpJQ)

こんにちは、初、シリアス・ダークで、ワクワクドキドキブルブルしながらきました。

小説紹介、ありがとうございます。

題名に超惹かれました。
たった一文字「箱」とだけにかかれていて、すっごく興味がわきました。

箱ですか・・・・・・感情のつまった箱でしょうか。
宝物を大切に保管する箱だろうか。
もしくは、宝物と、思い出と、感情の沢山つまったものが「箱」なんでしょうか。
勝手に想像して、勝手に突っ込んでました。

フクロウ、可愛らしいですよねー。
ウザギフクロウが一番好きです。可愛い・・・・・・♪

では、失礼します。
小説更新、頑張って下さい!

ご訪問、有り難うございました!

Re: 箱【7月11日更新】 ( No.14 )
日時: 2015/07/11 16:59
名前: フクロウ福楼 (ID: OGCNIThW)


今、俺の目の前に立ち、俺の話を頷きながら聞いている男は、『ドロイ』と名乗った。
『ドロイ』は、その名前にそぐわない純粋な日本人の顔をしていた。昔の書生のような格好をしており、なぜか足元が革靴なのだが、不思議とそれは良く似合っている。ただ、服からのぞいている首や足が針金のごとく細く、それが不安だった。
 俺が一とおり話し終えると、ドロイは口を開けた。

「それ、嘘だから」

 意味が分からない。嘘な訳がなかった。俺が口にしたことはすべて、俺が今まで体験してきた地獄で、天国だ。
嘘とは、どういうことだ。こみあげてきたのは、怒り。

「もう一度、最初から考えてみて。すぐにわかるから」

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四之神綾芽様
 閲覧、コメント、ありがとうございます。
初、シリアス・ダークが僕の作品とは。楽しんでいただけたら光栄です。
僕はエゾフクロウが好きです。

 占部流句様
 お待たせしました。
 『ドロイ』素敵なお名前頂きます。
 あ、あと、お疲れ様でした。【7月11日】
 

Re: 箱【7月11日更新】 ( No.15 )
日時: 2015/08/14 17:55
名前: フクロウ福楼 (ID: OGCNIThW)


 
 何人目だろう、彼女が連れてきてしまったあちら側の人。

 彼女に悪気がないのは分かっている。このことで、どれだけ彼女が悲しんでいるかも、知っている。

 『霧島 怜』か。

 男らしく割と筋肉質な体つき、太く生えた眉、大きな手のひら。

 僕とは全く正反対だ。





 ……彼は自分の記憶の矛盾に気づかない。

 それは彼が——













 彼女をとても信じているから。


 
 

 皮肉なものだな。信じているから分からない、助からないなんて。











 




 いや、


 僕のこの状況も……助かったなんてとてもいえないけど。



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 いや、僕がね、タイトルに【o月o日更新】なんて似合わないことしたからですかね。
 
 目次作ろうと思ったら、親記事のパスがいつもと違ったみたいで書きこめないんですよ情けないことに。

 なので、タイトルも変えられなくて……

 箱【7月11日更新】ですが、更新はしている。という状況です。

 分かりづらくて申し訳ないです。

                          
 フクロウ福楼


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