ダーク・ファンタジー小説
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- 死神修行中!
- 日時: 2015/11/28 22:13
- 名前: 黒 (ID: nA0HdHFd)
ある小さな村に1人の男の子が生まれた。
その子の目は右目が緑で左目は赤色だった。
周りの人々は「鬼の子だ」「村が呪われてしまう」と言い、
母親も孤児院に子を押し付けた。
孤児院でも男の子は周りの子達にいじめられていた。
ついには孤児院も追い出されて独りぼっちだった。
「うわぁ鬼の子がいる!母さん鬼の子だよ!」
「やめなさい!呪われたりしたらどうするの!早く家に入りなさい!」
男の子は名前さえもらえず、「鬼の子」「疫病神」と呼ばれていた。
山奥にある廃屋に住んでいて食べるものも無く、他の子と比べても成長が悪かった。
そんなある日、
「こっち来るなよ!疫病神!」
いつも通りいじめられていた。
「あんたら、何してんだよ」
頭上で赤く光る瞳があった。
「コイツは疫病神なんだよ。だって見てよこの目!」
「へぇー片方ずつ色違うんだねー」
「気持悪いだろ!」
話しかけた女の人は瞳を赤く光らせて衝撃的な事を言った。
「アタシと一緒だね!」
ニッコリと笑っていた。
「今までずっといじめられてたんだよね?親はいるの?」
「い、いない…です…」
女の人は男の子の手を取ってこう言った。
「アタシのとこ、おいでよ」
「はぁ!?何言ってんの…!?コイツ、疫病神なんだよ!?」
「それが何?アタシはアタシの意思でこう言ってんだからさ…ガキのお前らに何が分かるのさ…?」
男の子の方に体を向けたまま、首だけを後ろへ向かせて、子供達を睨んだ。
子供達はそのまま逃げて行き、男の子は女の人に「ファイ」と言う名前をもらった。
「ただいまー」
森の奥にある少し開けた場所に大きな木造の家があった。
家の中には優しそうな女の人1人と目つきが悪い男の人がいた。
「おかえり。あら、誰?その子」
「誰だよそのガキ」
目つきの悪い男の人は雑誌から一瞬目を逸らしてファイのほうを見たが、
すぐに目を戻した。
「ガキじゃないし!ファイって言うんだよ」
「へぇーファイくん、こんにちわ。私はルシリアって言うの」
「アタシはルシアノ、よろしく。で、こっちの雑誌読んでる目つき悪いのがアタシのお兄ちゃんで、ルシオナって言うの」
舌打ちが聞こえたような気がしたけどファイは気にしない事にした。
「お兄ちゃんファイの事風呂入れてあげたら?」
「はぁ?何で俺がこんなガキを風呂入れてやんなきゃいけねーの?」
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「で結局いれるしかねーじゃん」
「あ、あの…ごめんなさい…」
「何でテメーが謝る必要あんの?」
大浴場みたいに大きなお風呂に入ってルシオナは文句を言った。