ダーク・ファンタジー小説

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危機を免れた一人の少年の物語
日時: 2017/01/05 18:03
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

どうも、ブルーオーガーです。前にも「シリアス・ダーク」で書いていた者です。
これが、僕にとっての二作目になります。
前の作品よりは上手く書けるように、頑張りたいと思います。
ではプロローグからどうぞ。


—【プロローグ】——————————————————————————————





 ———僕は普通に生活を送っていた。





 ———そしてある日、謎の"事件予告"が届いた。





 ———だが、そんなの気にせずに、誰にも言わず、再び普通の生活を送った。





 ———そのことがこんな不幸を呼んでしまったなんて……………………。





 ———絶望し、嘆きながら、少年は立ち向かって行った。








—【登場人物】———————————————————————————————


秀輝(以下ヒデキ):南島中学校三年一組。この物語の主人公。性別は男。卓球部に所属しており、成績はまずまず。ごく普通の中学生だが、よくくだらないことを言う。同じクラスのレイとユウジと仲が良く、休みにゲームして遊んだりしている。


澪(以下レイ):南島中学校三年一組。性別は男。ヒデキと同じ卓球部に所属。ヒデキとユウジと仲が良い。三人の中ではツッコミ担当。成績は三人の中で一番上で、二人が分からない所を教えてあげたりする。ゲームの腕前は一流。


勇二(以下ユウジ):南島中学校三年一組。性別は男。二人とは違い、サッカー部に所属している。たまに壊れて、おかしくなる事がある。全体の成績はヒデキと同じぐらいだが、数学だけはいつも成績が良い。ゲームの腕前はそこそこ。


南島中学校第三学年のその他の生徒や先生:十人十色とさまざまな人がいる。一年の時は不良やうるさい人がいたが、受験があり最近は静かになっている。不登校の人も数人いる。先生の中でもいろいろな個性があり、授業のやり方も先生によって大きく違う。


ヒデキの姉:大学二年生。成績が優れており、非の打ち所が無い存在だ。ヒデキには「勉強しろ」とよく言うが、ヒデキはいつも言い訳をして逃げている。


ヒデキの母:ごくごく普通の一般的な母親。唯一、勉強とゲームのことだけはうるさい。その性格が姉にも影響された、と僕は考えている。


NZUKS:没収されたゲームをつけたら、いきなり出てきた人が名乗った名前。俺以外の人間をウイルスによって洗脳させると言ったが、俺は半信半疑でいる。


サーディン:「NZUKS」の中での呼び名。「NZUKS」の中ではそこそこ上の位だった。罪悪感を抱き「NZUKS」から逃げ出すことを決意した。


—【目次】——————————————————————————————————


プロローグ
【第一話:事件予告】
>>3 >>4 >>7 >>8 >>9 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17
【第二話:取り残された少年】
>>18 >>19 >>20 >>21 >>22 >>23 >>27
【 NZUKS編:裏切った研究員】
>>30 >>31 >>40 >>45
【第三話:わずかな記憶】
>>52 >>53 >>54 >>57

コメント&コメント返し&その他
シロマルJr.さん >>1
名無さん >>5 >>25 >>28 >>32 >>35 >>37 >>38 >>39 >>41 >>43 >>44 >>46 >>48 >>50 >>55
チェ・チャンスウさん >>10
コメント返し >>2 >>6 >>11 >>26 >>29 >>33 >>36 >>42 >>47 >>49 >>51
>>56
—【注意事項】————————————————————————————————


※二作目ですが、絶対に上手くなっているとは限りません。

※目次はどんどん増えていくと思われます。(最終更新1/5)

※前よりは読みやすくするために、短くしていこうと思います。

※眠い時や忙しい時は誤字脱字があったり、雑になったりするかもしれません。

※題名は不規則に変えると思います。

※コメントを書く時は、悪口コメントは控えてください。(前と同じく、小説に対するアドバイスや感想が嬉しいです)

※学生なので、学校に行っている時間はコメント返しや小説を書くことができません。

※学生なので、家に帰ってきても宿題多かったり、忙しい時は書けません。

※更新が不規則なので、気長に待っていて下さい。

※不規則に修正を行います。

※かなりドジなので、小説の中の時間を間違えることがあります。(気がつき次第、修正をします)

※夜は基本的に寝てます。

※僕が使っているPCが壊れたら、この話は多分、書きません。

※小説を書くことは趣味でやっています。あと、少しでも国語の勉強になったらいいなと思って書いているのであまり上手くは書けてないかもしれません。


—【現在進行状況】——————————————————————————————

《一話現在進行形!》


コメントでのアドバイスや感想は大歓迎です。ぜひ、よろしくお願いします。見ていただけるだけでも大歓迎です。
ブルーオーガーをよろしくお願いします。

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 【参照200に感謝!】 ( No.19 )
日時: 2016/10/16 18:02
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

俺はお母さんの「ご飯だよー!」と言う声で起き上がった。
だが、リビングに行くのが怖くて仕方がなかった。
べつにあの事件予告を全て信じているわけではない。でも今までに起きた不可解な出来事を思い出すと、身震いが止まらなくなってしまう。先生のことは特に気にしていないが、お母さんの行動とNZUKSの言ったことが一致していて疑おうにも疑えない状況だった。

——きっと気のせいだっ!!………きっと気のせいだっ!!……………

そう自分に言い聞かせ、深呼吸をして階段を下りて行った。
その下りている足は安定せず、途中転び落ちそうになったが何とか踏ん張った。
階段を下り終わり一階に着いた。
扉のドアノブに手をかける。こんな緊張したのは初めてだった。
さらにここでも深呼吸し、ドアノブを捻った。
「あーヒデキ。ご飯そこに置いてあるから食べてね」
ドアの開く音とともに、お母さんがそう言った。
その言葉に全身の力が抜けた。

—どうやらまだ完全に洗脳されてないらしい

そう俺は思った。
俺は安心して、ご飯に食らいついた。
だがいつもと違い、手の震えが絶えなかった。実際はまだ安心仕切れてないらしい。
手の震えが止まらず、何回かご飯を落としてしまった。動揺してることを悟られないようになんとかごまかした。
食べている間に少しづつ緊張が和らいでいき、残りのご飯を早々と食べていった。


食事を終わらせ、二階へと戻っていった。
今の俺の居場所は俺の部屋しかなかった。
逃げるように自分の部屋へと向かった。まだ少し緊張していて体がカクカクとしか動かなかった。
扉を勢い良く開け、すぐに扉を閉めた。
俺はベットに飛び込んだ。
ゲームをせずすぐにベットに飛び込んだことは初めてのだった。自分でも初体験のことが続けて起こり、精神的にかなり不安定だった。

—俺はどうなっちまったんだ!?いつもの俺はどこにいったんだ!?

そう、心の中で思う。
俺は家の中でも食事の時は毎回のようにふざけて、笑いをとっていた。
だが、今日の俺は違った。
ふざける余裕がなく、緊張感が絶えなかった。お母さんのことが気になり、俯きながら何度見ただろうか?緊張や恐怖が続き、お母さんの様子をうかがった回数が多かった—それぐらいしか覚えていなかった。
今日の食事では何も喋らず、無言の時間が続いていた。俺はただひたすらはしを動かし、気持ちを落ち着けようと必死だった。

そんなことをした俺が、情けなく、悔しかった。

今でも心臓の鼓動が聞こえ、緊張が続いていた。
俺は感情を抑えきれず、拳をベットに叩きつけていた。

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 【参照200に感謝!】 ( No.20 )
日時: 2016/10/16 18:10
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

俺は恐れながらお風呂に入り、もう寝ようとしているところだった。
さっきまでは学校に行きたくないと思っていたのにもかかわらず、今となっては不安でいっぱいで、家から学校へ逃げたい気持ちが大きかった。
俺は布団に包まり、意識が薄れるのを待っていた。

だが俺の願いは誰にも聞いてもらえず、目はパッチリ開いており、まったく眠気を感じなかった。

緊張や恐怖の感情が治まらず、寝れる状態ではなさそうだった。心臓の鼓動はお風呂に入る前と変わらず、速いリズムを刻んでいる。
まあ、こんなにも精神が安定してないのだから無理もないだろう。

俺は早く寝て、学校に行きたかった。こんなことを思ったのは、お母さんに怒られた時ぐらいだった。
だが、今は理由が違う。それぐらいは分かっている。
今日俺が帰宅したとき、お母さんは珍しい行動をとった。「明後日に返すね」と言っていたゲームを一日経ったら返してくれた。嬉しいはずだが、この時激しい違和感を覚えた。そして二階に行き、ゲームを開いた——。

思い出すだけで、身の毛も弥立ってしまう。もう思い出したくなかった。記憶から消したかった。早く忘れたかった…………。

布団から顔を出し、床に置きっぱなしのゲーム機に目を向ける。
ゲームは俺にとって一番の楽しみだった。だが今はどうだろう?そのゲームによって、俺の気持ちはほとんど真っ黒に染まってしまった。好きなものだとはいえなんでもやりすぎると、いろんな面でいけないんだろう。


——恐怖………不安………そして、自分自身への怒り………


いろいろな感情が溜まり、自分がどうかなってしまいそうだ。
そこで、一つの仮説を立てた。

—もしかしたら、ゲームをやりすぎた報いなんだろうか??

そう考えた。
確かに俺は計り知れないほどの時間をゲームに費やしてきた。そして、お母さんの注意も聞いているふりをしながら聞き流していた。今となってはお母さんに慣れすぎていて、態度も悪くなったものだろう。

—その日頃の行いが原因なんだろうか??

そうなら、今からでも改善しようとするだろう。
こんな恐怖を味わうぐらいだったら、ゲームなんて無くてもいい。
ゲーム好きの俺でも、そんなことを思っていた。こんなことを思ったのは今回が初めてだった。

—そうだ……きっと日頃の行いがこういう形で返ってきたんだろう。きっと、改め直せばこの悪戯も無くなるはずだ…………きっとそうだ…………

そう何回も唱えることで、少し気持ちが落ち着いた気がした。
そして、ゲームのことについて決意を固めた。
考えている内に頭がぼーっとしてきて、俺はようやく眠りに就くことができた。



——そのヒデキが寝ている姿を、NZUKSの一人はモニターでしっかりと見ていた。
ヒデキのお母さんはドアを少し開き、頭だけを出してヒデキを眺めていた。その目は赤く光っており、人間とは思えなかった。NZUKSの一人はそのヒデキのお母さんの見ているものを送信してもらい、ヒデキの様子をモニターの画面で監視していた。今までには何百人もの人から映像を送ってもらっていた。

「—もう少しだ………あと二日が経てば………こいつは不幸のどん底に叩き落される…………さあ、絶望を味わうがいい……そして—」

最後に言った言葉は聞こえなかった。だが今までと雰囲気が違った。
続けて不気味な笑い声が聞こえた。

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 【参照200に感謝!】 ( No.21 )
日時: 2016/10/16 18:17
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

俺は目覚ましの音を聞き、目が覚めた。
ベットから起き上がり、俺の部屋の唯一のカーテンを開けた。
眩しい朝日を浴び、思わず目を細めた。
しばらく朝日を眺め、一階へと向かった。

階段を下り、リビングの扉を開ける。リビングには朝食が置いてあるだけで、誰もいなかった。そのリビングからは自分の足音しか聞こえなかった。

誰もいないリビングに激しい違和感を覚えた。いつもの楽しげな会話も無く、いつものドタバタと騒がしい音もなかった。
今日のリビングは静寂に包まれていた。

椅子に座り、テーブルに並んでいる料理を食べ始めた。
俺はこの時、何とも言えない謎の寂寥に襲われた。

「………………」

今までの楽しかった思い出が浮かんできた。
笑えて食べれなくなるぐらい面白かったお父さんのツッコミ、俺のつまらないギャグに笑ってくれた姉、俺が「美味しい」と言ったらどんどん料理を作ってくれたお母さん…………。

急に胸が苦しくなった。
涙を流しそうになったが、なんとか堪える。

—もしかしたら、もうみんなは洗脳されてしまったんだろうか??

俺はそう思った。
いつもならお母さんは家事をし、姉は大学の準備をし、お父さんは仕事の準備をしていた。
だが、今は俺一人しかいなかった。
今日は火曜日—しかも休日ではなかったはずだ。時間も七時十五分と遅いわけでも早いわけでもなかった。みんなが起きれなかった—というのも信じがたい。
かといって、見に行くのも抵抗があった。
今まで気がつかなかったが俺の周りを見ると、朝食は俺一人分しか置いてなかった。

俺だけが仲間外れのように思えた。

胸が鎖で締め付けられたようにさらに苦しくなった。
これ以上考えると、悲しさのあまり涙を流しそうだった。自分らしくない姿は、誰にも見られたくなかった。
急いで朝食を食べ終え、学校の準備をした。
今日必要な教科書を入れ、リュックのファスナーを閉じた。

飛び出すように家を出た。
この時、涙がこぼれ落ちた。歯を食いしばり必死に涙をこらえた。
泣いている姿を周りの人に見られないよう、下を向きながら走っていった。

家を出て数メートル走ると、スピードを緩めた。
頭を振って、今の気持ちを吐き捨てた。

—よしっ…………

そう心の中で唱えた。
涙を拭い、鼻水をすすった。
気持ちを改め、学校へと向かった。

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 【参照200に感謝!】 ( No.22 )
日時: 2016/10/16 18:25
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

俺は学校に向かって、通学路を歩いてるところだった。
その途中で、

「ヒデキ君、おはよう」

そう声をかけて来たのはハルカだった。ハルカはクラスの中で、一、二番目を争うぐらい物静かな子だった。放課中も読書をしていて、話したことは少なかった。
俺は驚きを隠せなかった。
今までは、ハルカの方から話しかけてきたことはなかったはずだ。しかもいつもはボソボソと話していたが、今日の彼女ははっきりと話していた。

—怪しい…………

そう思いながらも、
「…おはよう……」
そう挨拶を返した。この時からなぜか緊張感を感じていた。この後の話を聞いたことに俺は後悔してしまった。
「ねえねえ…………」
「何?」
彼女の変わりように俺は戸惑っていた。立場が一瞬にして変わっていた。

「——NZUKSの基地ってどこか知ってる??」

体中が反応した。
俺は一瞬身震いをし、誰かに押さえられているように動けなくなってしまった。
「……何で…そんなこと聞くの!?」
ハルカを見つめながら、そう無理やり言葉を繋げた。
今の俺には、そうすることが精一杯だった。

—ドクンッ……ドクンッ……ドクンッ……

心臓の鼓動がはっきり聞こえた。
自分らしくないところを見られたくなく、必死に心を落ち着けた。
動揺していることは、誰が見ても分かりきったことだろう。だが、どうしても俺らしくないとこを見られたくなかった。
「えっ!?いや……知ってるのかなーと思ってね」
彼女の言葉は一つずつ心に突き刺さっていった。

—ヤバイ……………

俺は本気でそう思った。
このままだと、自分がおかしくなってしまいそうだった。
必死にゲームのことを考えた。だが、今の状況は変わることはなかった。
「NZUKSの基地はね…………」
俺は目を閉じ、気持ちを落ち着けようとした。
歯を食いしばり、全身に力が入った。

「——南島中学校の裏山を越えて、その先にある大きな薬局の地下が基地なんだって」

俺は話を聞き終えると、自分でもよくわからない悲鳴をあげて全速力で走っていった。

—ヤダ…………もう、思い出したくない………………

しばらく走っていくと、

「——この情報は覚えておいた方がいいと思うよ…………」

後ろから男の人の声が聞こえた。
ハルカはどうなった、と思い後ろを恐る恐る振り向くと、そこには誰の姿もなかった。
この道は一本道だ。途中で曲がるとこもなく、死角になるところも横に動けば見えるはずだが、誰一人見えなかった。なら、ハルカはどこにいったんだ??

全身が凍りつくような恐怖が体中を走った。

俺は恐怖と懸命に戦い、一本道を走っていった。

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 【参照200に感謝!】 ( No.23 )
日時: 2016/10/16 18:34
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

俺は懸命に走り続け、足が疲れてきた頃に学校に着いた。
手を膝に当て、呼吸を落ち着けた。

—もうわけが分からない…………

俺は今日、数々の奇妙な出来事に直面していた。
今日の朝いつもと同じ時間に起き、リビングにいったら誰の姿もなかった。さらに登校中では、ハルカが話しかけてきたと思ったらNZUKSのことを教えてくれた。しかも、俺がその場から逃げ出して後ろを振り返ったら誰もいなかった。何があったんだ?俺は夢でも見ていたんだろうか?

汗が冷え、体中が寒くなっていた。
俺はあまりにも必死に走っていて気がつかなかったが、考えてみればそうとうな距離を走っていた。
ハルカと会ったのは、たしか横に俺がいつも買いに行っている自動販売機があったはずだ。ちなみに俺のお気に入りはブドウ味の炭酸水だ。自動販売機は家から百メートルぐらいにある。そして、家から学校までは一キロメートルぐらいはあったはずだ。そうなると九百メートルは走ったことになる。

自分の底力に驚いていた。これが自分が隠していた力なのか??

だが、学校に着くと疲れがどっとでてきた。
さすがにいざという時のための力だから、そうとう体力を使うんだろう。
しばらく立ち止まり、呼吸が落ち着いたところで下駄箱に向かった。
運動場では部活を頑張っているサッカー部員たちが見えた。必死にボールを追いかけて、時には転ぶ人も見えた。その中にユウジもいると思うが、遠くてどれがユウジかは分からなかった。
サッカー部から目線を逸らし、下駄箱へと向かった。

靴を上履きにかえ、階段へと進んでいった。
さきほどまでとは違い、俺は落ち着きを取り戻していた。
階段をいつものように上る。
階段を上り終え、教室へと向かった。
教室に入ると、驚きの光景が広がっていた。
その教室はいつもと違い、欠席の人が異常なほど多かったのだ。
クラスの三分の一ぐらいが休んでいるように見えた。その中にレイがいたことで、さらに不安が増した。俺は心当たりがあったが、何も言わないでおいた。

—きっと、言っても信じてくれないだろう…………

席に座り、教科書を机に入れた。リュックをロッカーにしまい、再度席に座った。

そして、ある生徒の席を眺めた。
それは、ハルカの席だ。通学路で会ったはずだが、今は席にいなかった。
そのことに、安堵した。
俺はあの時悟った。ハルカもきっと、洗脳された内の一人なんだろう。NZUKSの一人が操作して、俺に挑戦を求めてきたんだろう。そう考えていると、


「——その通りだ………………」


後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
とっさに振り向く。だが、当然誰の姿もなかった。
俺は後ろを見つめたまま、体が固まってしまった。
そう、この声はハルカのいた場所から逃げ、そのあとに聞こえてきた声をまったく同じだった。

—だが、何故俺の思ったことが分かったんだ??

俺は再び、全身が震えるほどの恐怖に襲われた。


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