ダーク・ファンタジー小説

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殺人鬼さんと。【短編集】
日時: 2016/09/01 20:32
名前: 鏡杏 (ID: HKLnqVHP)

今日は…初めまして?

新月鬼 を執筆させていただいています、鏡杏です。

今回は無性にやりたくなった殺人鬼系の短編集です。

たまにほんの少しの恋愛要素はいるかもしれません。ほんのちょっとですが。

そしてこっちに新月鬼の番外編的なものを投稿しようかなとも思っています。

新月鬼、まだ読んでいない人は今のうちに読んでください←

Re: 殺人鬼さんと。【短編集】 ( No.1 )
日時: 2016/09/03 19:34
名前: 鏡杏 (ID: HKLnqVHP)

目次

episode Ⅰ 殺人鬼になった幼馴染 >>2
episode Ⅱ 殺人鬼に会った頃

Re: 殺人鬼さんと。【短編集】 ( No.2 )
日時: 2016/09/03 16:28
名前: 鏡杏 (ID: HKLnqVHP)

≪殺人鬼になった幼馴染≫

「わたしね、人殺しちゃったんだー」

子供のような口調、笑い方。 彼女は昔から何も変わっていない。
昔から、「人を殺したい」とかそういったことは言っていた。……でも、今のは普通に聞き捨てならない。
「人を殺した?」
僕がそう聞くと「うん!」と元気よく頷く僕の幼馴染の麻尋。
ふふふ、とどこか誇らしげに笑う。
「ニュースとかで騒いでるあの殺人事件!あれの犯人わたしだよー」
笑顔のままそういう麻尋。 昔から変わらない笑顔だけど、なんだか怖い。
「ま、麻尋がそんなことするわけないだろ、僕を騙そうとして…」
「死因は首を切られたことによる多量出血のショック死。他にも傷は全部で二十か所以上」
淡々と一定のトーンで遺体の様子を話していく麻尋。笑顔などもうなく、無表情で、一点を見ている。
「…ほ、ほんとに…麻尋、人、殺したのか…?」
「だーかーら!そう言ってるじゃん。信用してないの?酷いよ」
むぅ、と頬を膨らませて拗ねている姿を見るとなんだかほっとする。
「だとしても、なんで人なんて殺したの…」
僕の問いで、彼女は無表情に戻った。
「だって、殺したかったんだもん」
≪この世の男すべてを≫ そういたときに一気にトーンが下がった。
彼女と僕の間に、重たい空気が流れる。
「だからね、まず身近なとこから殺して行こう!って思って。だからまず父さんを殺しました」
さっきの無表情から一転してニコニコ笑顔の麻尋。
「でさ、わたしには男兄弟いないじゃん。それで一番身近な男って言ったらー」

死刑宣告を言い渡された気分だ。

気分、というか言い渡されたのか。死刑宣告を。

「水嶋 柚木くん。君だよ」

僕の最後に見たものは、にこにこと笑う幼馴染の麻尋とその手に持っているナイフだった。

Re: 殺人鬼さんと。【短編集】 ( No.3 )
日時: 2016/09/11 07:11
名前: 鏡杏 (ID: HKLnqVHP)

≪殺人鬼に会った頃—Ⅰ≫

私は≪殺人鬼≫と呼ばれるものに会ったことがある。しかも一回でなく、何回も。
≪会った≫というより、二回目以降は≪会いに行った≫といった方が正しい気がする。
私の会った殺人鬼は世間を騒がせる【新月鬼】。
黒いパーカーを羽織って拳銃で人を打ち抜く姿は今、「絵に描いてみろ!」と言われても描けるほど鮮明に覚えている。

部活の帰り、もう夜遅いから早く帰らなきゃ!と近道をして帰ろうと人気のない道を通った。
今日は新月。近くに街灯はないし月明かりもない。真っ暗闇の中を一人、駆け抜けていく。
 パァン... と乾いた音が聞こえた。ドラマでよく聞く、あの発砲音のような乾いた音が。
そーっと、物陰に隠れながら音のした方を見る。
「ひっ……!」
私は自分の口を塞ぐ。これ以上変な声を出さないように。
そこには何かを流して倒れている物体と、≪ソレ≫を見下ろす拳銃のようなものを持った人がいた。
え、なに、殺人現場? これやばくない?
えと…取りあえず警察に連絡しないと。あれ、警察の番号って何番だっけ…?
スマホを手にアタフタとしながら考える。
「あらぁ? 私としたことが、見られちゃってたかー」
さっきの拳銃を持っていた人が目の前にいた。
少し黒いパーカーに赤く染まったブラウス、黒のスエットを穿いた女の人。
その人は私の持っているスマホをひょいっと取り上げると遠くに投げ捨てる。
「ねぇ、お嬢さん? あなたはどこから見ていたの」
ニコニコ笑顔でそう聞いてくる女の人。でも笑顔だけど、なんか怖い_。

Re: 殺人鬼さんと。【短編集】 ( No.4 )
日時: 2016/09/16 20:04
名前: 鏡杏 (ID: HKLnqVHP)

≪殺人鬼に会った頃—Ⅱ≫

慌てている私に、女の人は笑いながらこう言った。
「大丈夫よ。女は殺さない。私はそういう人間だもの」
女の死体なんて見たくもないわ。 そう付け足して笑っていた。
「このまま警察にも、お友達にも言わなかったら見逃してあげるわ。ちゃーんと約束守れるわよね。お嬢ちゃん」
その言葉に、コクコクと首を縦に振る。 怖くって、声がうまく出そうにないから、それぐらいしないと伝わらないと思ったから。
「いい子ね。じゃあもう遅いから帰りなさい。私の同業者とかに殺されちゃうわよ」
そう言って私の背中を押す。そして、私の横を通って夜の闇の中に消えていった。

『今朝未明、男性の遺体が発見されました。男性は—』
ニュースは朝から気の滅入ってしまうような殺人事件の報道ばかりをしている。
はぁ、とため息をつき少し冷めたトーストの端を齧る。
殺害現場の映像が、映った。 どっかで見たとこだな、と思ったら昨日の≪あの≫場所だ。
『警察は新月鬼の犯行とみて捜査を—』
新月鬼。きっとあの女の人のことだ。そうか、あの人が新月鬼なのか。
新月の夜に犯行を行う殺人鬼。そんな人に会ったんだ。私は…。
そう思ったらなんだか嬉しい気持ちになった。
警察でさえ知らない、新月鬼の顔をちょっとだけだけど見れた。そう思うとすごく嬉しくなった。
それから、またあの人に会いたい。とおもって新月の夜にいろんなところをうろうろとしていた。



でも、彼女はどこにも表れることはなかった。

ある日、ニュースや新聞は一面で新月鬼の逮捕のことを報じていた。
何十人も殺してきた彼女は今まで人に見つかったことはなかった。でもたまたま、人に見られて、捕まった。
新月鬼はいなくなってしまった。きっと彼女はもっと多くの男を殺したかっただろう。
その意志は私が引き継いだ。 私は二代目の、新月鬼。
彼女は男を殺したがっていた。だからきっと男が嫌いなんだ。
じゃあこの世から男を殺して消し去ろう。 まずは身近な人間から。

そう考えたら、親を殺していた。次に身近にいる男って言ったら…





「水嶋 柚木くん。君だよ」


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