ダーク・ファンタジー小説

怖い恐い話
日時: 2017/07/06 13:54
名前: 兎妬

『 窓 』

私は換気以外、窓はあんまり開けない方だ。
なぜかというと、怖いのだ。窓を開けると入ってくるのは風だけではないから。霊感がある私にとって、窓を開けると入ってくるのは空気だけではなく、もう人間ではないものが入ってきてしまうだ。私は今まで、そういうものを何度も見てきている。ほとんどは何かを語りかけてきたり、記憶を見せてくるだけだが、襲ってきたりするのもいた。
その時から、私は窓を換気をするとき以外は絶対に窓は開けないようにしていた。すると、人だったものは全く入ってこなくなった。それで安心していた。

それでいいと思っていた。

それで解決したと思っていた。

私は浅はかだった。

幽霊と名前は変わっても元は「あれら」も私たちと同じ人間だったのだ。

窓をほとんど閉めきるようになってから入ってこなくはなった、けど窓の前に佇んだり窓を叩いたりとしてきた。でも、そんなことは予想の範囲内なのでこちらが気にしなければ全然問題なかった。窓に佇んでいるならカーテンを閉めればいいし、叩いてくるならばイヤホンを付けて音楽を流せばいいだけだった。これで問題はなかったのだ、なかったはずなのだ。でも、その日はいつもと違った。
その日の夜、私はいつものように服を寝巻に着替え布団に入った。窓の外に何かの気配を感じつつも、窓は開けずにそのまま眠りについた。
その夜、私は夢を見た。夢の中で私は自分の部屋にいて、まさに寝る直前だった。まるで巻き戻したビデオを見せられている感覚だった。布団に入り、寝ようとする。けど、夢の私は違うことをした。寝ようとしていたのになぜか起き上がって、おもむろにカーテンを開けた。カーテンを開けると窓にはある一人の女性が立っていた。その人物を見て私は目を見開いた、そんなはずはないと思いたかった、でも目の前にはなんど目をこすってもそこには同じ人物がっていた。母さんだ、あれは間違いなく私の母さんだった。窓の外に立って自分を見ているのは忘れもしない、私の母さんだった。
母さんは四年前に病気で亡くなっている。昔から体が弱かった母さんには病気なんて耐えられるはずがなかった。母さんは生前と変わらず優しい笑顔を私に向けていた。久々に見る母さんの笑顔に目が熱くなり、少し泣きそうになる。それが母さんにも見えたのか、母さんは心配そうに私を見ている。窓越しでなく、目の前にいたらきっと私のことを抱きしめてくれるだろうな。母さんはとても優しいひとだったから。
そこで、目は覚めた。
身体を起こし、カーテンを閉めきった窓を見る。まさか、あれはただの夢であって現実に母さんはそこにはいないのだ。母さんには亡くなってから一度も会ってないのだ。だから、いるはずはない。確かに、あの優しい母さんなら霊感がある私のことを心配してきてくれているかもしれない。あの優しい瞳で、また私を見てくれるかもしれない。
でも、亡くなってから一度も会いに来てくれていないのだ。きっと居るはずがない、けど先ほどから何かがいる気配が消えない。きっと違う、そうに違いない。窓から目を離せない。夢に出てきた母さんの優しく、暖かい笑顔が頭に浮かんでくる。
少し開けるだけなら、少しくらいなら大丈夫だろう。母さんでなかったらすぐに閉めればいいのだ。そうだ、少しだけ開けるくらいなら…。ゆっくりとカーテンに手を伸ばし、窓の鍵の部分に触れる。カチャ、と音がしてゆっくりと窓を開けた。するとカーテンの隙間から見慣れた服と肩まで伸ばした髪が少し見え、耐えきれずカーテンを勢いよく開けた。


「 や っ と 開 け て く れ た の ね 」


そこにいたのは母さんではなく、見るも絶えないほど見た目が酷い女だった。
肩まで伸ばした髪はべたべたと粘っていて、ものすごく傷んでいた。そして、母さんと同じ服を着ていたけれど服もしわだらけで、物凄く汚れていた。顔はあの優しい母さんな訳はなく、クマやシミやニキビなどがたくさんある本当に酷く、恐ろしい顔だった。

「 や っ と は い れ る 」


体の中に自分ではないものが入ってくる感覚を最後に、私の意識はなくなっていった。



この物語はフィクションです、またこの物語は自作です。








初めまして、ここまで読んでくださりありがとうございます。この物語を作った兎妬(とと)と申します。
ホラー小説や怪談話が好きでして、その手の話をよくネットで漁っています。また、私が言うのも恥ずかしいのですが自分も少々霊感はある方だと思っています。あまりはっきり見える方ではありませんがそれなりの心霊動画や、話を聞いていると頭痛に襲われたりすることがあります。
そんなことはさておき、どうだったでしょうか。初めて書いてみたのですが書いていて、楽しかったです。
一応、短編集ということで合っているのでしょうか。短く、怖い話をちょくちょく書いていくつもりです。
では、ここらへんで今回は切らせていただきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



目次はこちら >>23

Page:1 2 3 4 5 6



目次 ( No.23 )
日時: 2017/08/30 20:47
名前: 兎妬

ゼロ 窓 >>00
ヒトツ目 しいちゃん >>01
フタツ目 修学旅行 >>02
ミッツ目 紅い女 >>03
ヨッツ目 玩具 >>09
イツツ目 コインロッカーベイビー >>16
ムッツ目 コインロッカーベイビー 後編 >>19
ナナツ目 佐藤さん >>24
ヤッツ目 お前のせいだ >>25
ココノツ目 幸福を呼ぶ座敷童 >>26
十    誰のせい? >>27

Re: 怖い恐い話 ( No.24 )
日時: 2017/07/06 16:05
名前: 兎妬

『佐藤さん』

わたしの名前は、佐藤紅音。このマンションに住んでいるあの子の母親の姉。妹が生前に「自分が死んだらあの子のことを傍で見ていてほしい」と頼まれた。そして、妹はあっけなく逝ってしまった。あんなにも息子のことをかわいがっていて、孫を見るまでは死なないと豪語していたのに。人間とはとてもあっけないんだと思った。
妹が死んでから、あの子はおばあちゃんたちが引き取った。そして大学生になり、このマンションに一人暮らしをはじめた。私は妹の言葉を思い出し、このマンションに住むことにした。妹の大事な息子を、傍で見守ることが私がしてあげられることだから。だから、あの子が大学に行くときは後ろからついていったし、帰るときもちゃんと帰れるように見守っていた。不審者が出れば、私が排除した。あの子に怪我をさせるわけにはいかないの、だって大切な子なんだから。だから、私の手がどれだけこのワンピースと同じように、赤く紅く染まろうと気にしない。妹がやっとの思いで、産んだ大切な子だから。
でも、人間って酷い。私はあの子が無事に帰れるように、不審者を排除しているのに私が不審者扱いだなんて。むしろ褒められることだと思うけど。まあ、どう言われようといいのだけれど。
そして、その日もまたいつものようにあの子の後ろを見守っていた。でもあの子はいつもと違った。私の存在に気づいた。私は慌てて先ほど買った夕食の食材を見せて、説明した。いつも気づかなかったあの子がどうして気づいたのだろう、絶対いつも気づかれなかったのに。私はあの子を見送った後、盗聴器を確認した。あの子に危険が迫ったら、いつでも駆けつけられるようにあの子には盗聴器を仕掛けてある。どうやら大学で友達から聞いたようだ。なるほど、確かに大学でそんな噂を聞けば後ろも気にするようになる。

次の日、あの子の友達がいなくなってしまったそうだ。あの子と仲良く話していたから、あの子もとても心配していた。可哀想に、私もあの子が心配だと心配になる。そういえば昨日の夜いなくなったらしいけど、私がいつも使ってる包丁から変なにおいがし始めたのも、昨日からだったっけ。まぁ、あまり深く気にしなかった。そして次の日もその次の日も、私はあの子を見守った。心なしかあの子が日に日にやつれていってるように見えた。ちゃんとご飯を食べてないのかな、それとも何か悩み事はあるのだろうか。朝、大学に行くあの子に何気なく声をかけてみた。聞くと、自分の周りの友達が次々といなくなっていき、深く悲しみ大学ではいい目で見られてないと言う。
私はあの子を悲しませている「不審者」を探し出すことにした。あの子の悲しみの原因を立ち去らなければ、でも中々不審者は見つからなかった。いつもなら、すぐに見つかるのにその不審者だけは、いつまでたっても見つからなかった。とうとうあの子は大学に行かなくなってしまった。ご飯も食べず、部屋でひたすら泣いていた。私はあの子を元気づけようと、夕食の買い出しに行った。あの子の好きなものはオムライス、妹が生きていた頃よくあの子に作っていた。さすがに母の味は再現できないかもしれないけど、きっと喜んでくれるはず。
そして、食材を選んでいたらすっかり暗くなってしまった。夜道を一人で歩いていると、明らかに自分の足音とは違う音が混じっていた。私が足を早めると、もう一つの足音も早まった。このまま振り切ってしまおうか、それとも消そうか。護身用にナイフなら常備していた、でも純粋にどんな人か気になった。なので、思い切って振り返ってみた。すると、そこにはやつれたあの子が立っていた。びっくりしている様子のあの子に声をかけると、あの子も買い物をした帰りのようだ。片腕を後ろに隠しているけど、ビニール袋の音が丸聞こえだった。同じマンションに住んでいるのだから、確かに帰り道は一緒だった。せっかくだからご飯をごちそうすると言って、マンションへ帰ろうと後ろを振り返った瞬間、背中の真ん中に重い衝撃が来た。そして、鈍い痛みがじんわりと広がっていった。背中が熱くなり、後ろにいるあの子を見る。あの子は泣きながら、私を睨んでいた。なんで殺したんだと叫ばれた時、私は気づいた。不審者は私だったのだ、最初から不審者なんてどこにもいなかった。私はこの子に近づいた人を無差別に消していただけ、勝手に不審者と頭の中で決めつけていた。
あぁ、この子が怒るのも当たり前だ。この子の友達も、全て私が消したんだから。どうしてこうなったのかな、最初は見守ってるだけだったのに。どこでおかしくなってしまったのだろう。いつからか、私はこの子を「守る」ことをはき違えてしまったようだ。ごめんね、こんなことになってごめんね。向こうに行ったら、妹にどんな顔をすればいいのかな。なんて呑気なことを考えているうちに、意識がどんどん遠のいていくのがわかった。

「なんでだよ、いつも見守ってくれてたじゃねぇか。紅音、おばさん…」


人間って、本当にとても呆気ないのね。


この物語はフィクションです、また自作の作品です。

こんばんは、どうも兎妬です。今回は紅い女のサイドストーリー(?)となっています。あんまりまとまっていない感じでしたらすみません(;'∀')
なんというか、作品に間が空きすぎて佐藤さんがどんな感じだったか忘れるというプぷちハプニングと戦いながら書きました(自業自得です)
そのおかげで全然怖くなくなってしまった感じがありますね、もっと精進いたします。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

Re: 怖い恐い話 ( No.25 )
日時: 2017/07/14 17:05
名前: 兎妬

『お前のせいだ』


夏、私はおばあちゃんの家に遊びに行きました。私のおばあちゃんはとても怖い話が上手で、夏に遊びに行く度に苦手だけれどよく聞きました。その夏もおばあちゃんに話を聞かせてとねだりました。

「じゃあ、おばあちゃんが体験した話を聞かせてあげる」

昔、私はよく友達とかごめかごめをして遊んでいたの。私が子供の時代はゲーム機とかそんなものはなかったの。それでね、かごめかごめだけじゃお面白くないから私たちも、罰ゲームみたいに負けたら何かをするっていうのをやっていたの。それで、その時は近所に有名な廃墟があったから負けたら一人で行くっていうのをやっていたわ。

「かーごめ、かーごーめ、かーごのなーかのとーりーは、いーつーいーつでーやーるーよーあーけーのーばーんーにー、つーるとかーめがすーべったー
うしろのしょーめんだーあれ」

「あーあ、はずれちゃった」

その時、廃墟に行くことになったのはさとこちゃんっていう子なの。さとこちゃんは、少し怖がりだけど廃墟でもずんずん進んでいく子だったの。だから、少しだけ怖がっていたけれどでもどんどん中に入っていったわ。私たちは、廃墟の前で待っていたのだけれど夕方になっても帰ってこなくて、中に迎えに行こうかと思っていたの。そしたら、中からいきなりさとこちゃんが走ってきたの。出てきたさとこちゃんの顔は物凄く怯えていて、身体がとても震えていたわ。何を見たか聞いても何も答えてくれなかったの。ただ、ずっとあることだけ呟いていたの。

「私は悪くない、私は悪くない、私悪くない」

そして三日後、さとこちゃんは行方不明になってしまったわ。警察にも言ったのに、いくら探しても見つからなかったわ。でも、しばらくしてあの時遊んでいた私たちで集まって、さとこちゃんがいなくなった原因に心当たりが出てきたの。それが、あの廃墟。思えばあの廃墟に行ってから、さとこちゃんの様子は変わっていってしまった。ずっと何かに怯えていて、何かに憑りつかれたようだった。私たちは勇気を振り絞って、廃墟に行ったわ。
とても怖かったわ、でも皆で一生懸命さとこちゃんを探したわ。そして廃墟の奥の部屋、とても静かだった。それがすごく怖くて、皆で手を繋いで入ったわ。そしたらそこに、さとこちゃんがいたわ。

「え?さとこちゃん生きてたの?」

「いいや、いきていなかったよ」

「でもいるって…」

「そう、いたの」

「じゃあ、どうやっていたの?」


「天井の骨組みのところに、首を吊って死んでいたわ。何故か風が吹いてさとこちゃんの顔が見えたわ、とっても腐敗していたよ」


「だからって…なんでこんなところ来るのよ〜、翠」

私は、あの話を聞き居ても立っても居られなくなり実際に廃墟に来てしまった。さすがに一人は怖かったので、友達も連れてきた。しかしおばあちゃんが子供の頃にあったのに、まだ残っていた。古びていて、いかにも出そうな雰囲気だった。
恐がってる友達を引き連れつつ、廃墟に足を踏み入れた。中はとても寒くて、夏とは思えない気温だ。廃墟は木造で出来ていて、足を踏み出す度にぎしぎしと音がしていた。けれど、特に心霊現象が起きるわけもなく私たちは、奥へ奥へと進んでいった。そして、一番奥の部屋に足を踏み入れようとした。

すると、いきなり背後に気配がした。振り返ってみると、小さな女の子が立っていた。私たちは悲鳴を上げて逃げた、逃げている途中ではぐれてしまい私は一人になってしまった。勢いで入った部屋の隅に縮こまり、震えていた。
しばらくして、部屋のドアが開いた。そこから女の子が出てきて、段々私の方に近づいてきた。私の目の前に立ち、私をまっすぐ見つめていた。そしてゆっくり口を開き、ニコッと笑い私にこう言ってきた。

「お前のせいだ」

何度も何度もお前のせいだとまるで拷問のように連呼された。私はそれに恐怖し、無意識のうちに私は悪くないと、あの話のさとこちゃんのように言っていた。


「どうしよう、お母さん。あの子出かけたきり帰ってこないの」

「どこにいったの?」

「それが、翠の友達に聞いたらお母さんが言っていた廃墟に行ったらしいのよ。怖くなってはぐれちゃったから急いで戻って探したんだけれど、どこにも翠がいないの」

「…?あの廃墟に行ったの?」

「うん、どうかしたの?」

「おかしいね…あの廃墟」


「もう、何年も前に取り壊されたはずなんだけどねぇ」






「次のニュースです。×日から行方不明になっていた○○翠さんが、昨夜遺体で発見されました。遺体には首に縄で締め付けられた痕が見られ、死因は窒息によるものとみられます。
当時、翠さんがいた場所は辺りに民家もなく人も通らなかったとのことです。警察は、自殺とみて捜査を進めるそうです」


この物語はフィクションです、また自作の作品です。

こんばんわ、兎妬です。書いてから思ったのが、こちらの方が前より怖かったかな?みたいに思ってしまい、なんとも言えない兎妬です。こういうホラー小説を書いてるとき、明らかに無音はとても書きづらいです。なので、私は心霊スポットに行く動画とかをよく聞きながら書いています。怖いBGMを聞くのもいいですが、それだけではなんか寂しいんですよね。怖いBGMがかかっていて、かつ人の怖がっている声だととても小説が書きやすいんですよね。不思議(ドSとかじゃないです苦笑)
今回はいつもより短めになりましたが、少々読みやすかったでしょうか?読みやすかったら幸いです。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

Re: 怖い恐い話 ( No.26 )
日時: 2017/08/16 20:43
名前: 兎妬

『幸福を呼ぶ座敷童』
私は、あの夏に奇妙な体験をしました。
私の家では、よく怪奇現象が起きます。ポルターガイストやラップ音などの、よくありがちな奴です。両親や祖父母は、座敷童が住んでいるんだと言っていました。私は小さい頃からそう言い聞かせられてきて、毎年お盆の季節にはお供え物をしています。最初はお化けがいると聞いて、幼い私はその座敷童をとても怖がっていました。ですが、私が家で怪我をしそうになると不思議と助けてくれるようになってからいつからか、座敷童のことを怖がらなくなりました。
そんな私も成長して高校生になりました。私が高校生になってもポルターガイスト等の現象や、家で怪我をしないなどと変わらず座敷童がいました。ですが八月のお盆の時期、毎年恒例のお供えをしようとした時不思議なことが起こりました。いつものように、家の中にある両親が手作りした通称「お供え台」という台の上にお供えしようとした時、小さい女の子のすすり泣く声が聞こえました。最初はいつもの怪奇現象かと思いましたが、その泣き声はとても切なく私の耳に聞こえてきました。私には生まれつき霊感というものは全く無く、霊を見たことも会話したこともないのですが、とっさに声をかけてしまいました。

「どうしたの?」

すると泣き声は止みましたが、何にも返答がありませんでした。少し待ってみましたが、やはり何も聞こえないので諦めて部屋に戻ろうとしました。その時、

「助けて」

か細い声で、ただ一言助けを求める声が聞こえました。私はあたりを見回しましたが、誰もいません。もしかしたらまた何か聞こえるかもしれないと、少し待ってみましたがいくら待っても何も聞こえませんでした。ですが、その日から毎晩深夜零時を過ぎると、また小さい女の子の泣き声が聞こえました。私は必死に声を掛けますが、何も答えずただただ泣いていました。最初はどうしようもできないのかと思っていましたが、あまりにも毎晩泣いているのでどうしてもあの子を助けてあげたいと思いました。と、言っても私は霊感も無いし、声を掛けても泣き止まないのでどうしようか困りました。なので、ある晩少しいつもと違った声を掛けてみました。

「どうして泣いているの?どこか痛いの?」

泣いている声は、とても幼い声だったので人間の子と話す時と同じように接してみました。すると少しの沈黙の後、か細い声で私の質問に答えてくれました。

「…出れないの、ここから出られないの。出して、出して…」

「どこから出られないの?」

「出して出して出してだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだして」

その後、10分くらいなのでしょうか?私には一時間にも二時間にも感じられるくらい、あの子はずっと出してと言っていました。出してあげたいけれど、どこから出られないのかを聞いても出してしか言わないのでその日は仕方なく、そのまま眠りについていました。翌日、どうしたものかと考えながら廊下を歩いていると両親に呼ばれました。祖父母もおり、なんだか張り詰めた雰囲気でした。そして両親が口を開きました。開かれた口から出た話は恐ろしいものでした。
まず、座敷童は元々はいなかった。たまたま迷い込んだ座敷童を、祖父母たちがお札やらなんやらを使い座敷童を閉じ込めたらしい。それから毎年、自分らの私利私欲のために閉じ込めた座敷童を、まるで元からいた土地神のようにお盆の時期にお供え物をするという習慣をつけた。後に私が生まれ、閉じ込めたということは隠し元々いたかのように教え、怒りに触れないように崇めるようにしたということだった。そしてついに私にも座敷童の監視を任せたいという話だった。私はあまりの酷さに言葉が出ず、そのまま部屋に戻りました。その夜、ネットで座敷童のことを調べつくしました。

「座敷童がいなくなってしまうと、その家は火事になったりなど災厄が起こるか…火事か、全部燃えるのかな」

そう考えるととても怖くなりましたが、それよりも私はあの子の、座敷童が泣いているのを止めてあげたいと思いました。毎日毎日泣いているあの子の声は、本当に切なくなりました。きっとあの子は怖かったんだろうな、いきなり閉じ込められて外に出たいのに出してもらえなくて、暗い暗い部屋に閉じ込められるのはとても怖かったんだろうなと思いました。私は家こそ裕福なものの、心は真逆でした。学校でいじめられていなければ、あの子の気持ちも理解できなかったんだと思うと、その時だけは学校の人たちに感謝しました。私は学校で掃除用具入れに閉じ込められたことがありました。暗いし狭いし、息苦しくてものすごく怖かったです。なのであの子の気持ちが、痛いほどわかりました。
深夜、またあの子の泣き声が私の耳に入ってきました。私はまたあの子に声を掛けました。

「私が出してあげる、だからもう泣かないで」

するとまた泣き声が止まり、沈黙が流れました。そして、ちりんと鈴の音が部屋に響き、音がした方を見ると小さな女の子が立っていました。赤い着物を着ていて、おかっぱ頭のいかにも座敷童という見た目でした。こちらをじーっとみたあと後ろを向き、部屋の外へ行ってしまいました。私は黙って座敷童についていきました。すると、付いた場所はお供え台が置いてありました。座敷童は無言でお供え台を指さしていました。ここに閉じ込められているんだと言わんばかりに、台をじっと見つめ、指をさしていました。私はお供え台をくまなく調べました、するとお供え台の裏に数えきれないほどのお札が貼ってありました。普段は壁にぴったりくっついていたので、見つからないのも無理あると思いました。早速お札剥がそうとした時、手を止められました。座敷童は私の目をじっと見つめ、初めて口を開きました。

「私がこの家をでたら、あなたも家族もこの家と死ぬ。それでいいの?死ぬの、怖くないの?」

「…怖いけど、それより怖いのがあなたの気持ちも考えずに、自分たちのためにあなたを閉じ込める人間。」

お札を剥がしていき、最後の一枚を剥がすと同時に、キッチンから出火してあっという間に火が家中にまわりました。私がいるところにもまわってきて、紅い火が近づいてきました。私は逃げず、その場にただ立ち尽くしていました。部屋の温度もどんどん上がっていって、熱くて頭がぼうっとしてきました。ふらふらして、耐えきれずその場に倒れてしまいました。これから死ぬのに、自分の心境はあまりにもあっさりしていて不思議と怖くありませんでした。すると、座敷童が私を見下ろしていました。

「…死を恐れず、よく逃がすなんて決意したね。ありがとう、おかげでやっと出られたよ」

どういたしましてと言いたかったけど、喉が焼けてしまっているのか声が出ませんでした。そのかわり、私は笑顔をみせました。そして、私の意識はそこで途切れました。


あれから三年、私は奇跡的に助かり社会人になりました。祖父母はなくなり、両親は重体だけれど生きています。家は全焼、座敷童はもちろんいなくなっていました。なのに私はあの火事の中、火傷一つなく崩れた瓦礫に守られていました。私を預かってくれた親戚もとても驚いていました。そして、今は一人暮らししています。不思議なことに、一人暮らしを始めてからまだ一度も怪我をしたことはありません。

「不思議なこともあるもんだなぁ」

そう呟いて、眠りに落ちた。


「そりゃそうだよ、何故なら座敷童がついてるんだもの。本当はあなたのことも巻き込もうと思った、意識不明の重体にして両親を苦しめようとも思った。でもあなたの両親は少なくともあなたのことを一番に考えてた。私のところにきてあなたの健康を願っていたから、殺さないであげた。あの両親が何より大切にしていたし、私に自分たちはいいからあなたの健康を願っていたから火傷も防いであげたのよ。それに、こんな言葉もあるもんね。『子供に罪はない』だから、精々あなたが親になるまでは守ってあげるわよ」

すやすやと眠る寝顔を見て、私は姿を消した。


この物語はフィクションです、また自作の作品です。

こんばんわ、どうも兎妬です。今回はかの有名な座敷童様をお話に書かせていただきました。幸福をもたらすという座敷童、昔は神様として崇められていたでしょう。ですが、人間というのは非常に貪欲でずる賢い生き物で、自分のためなら神だろうと幽霊だろうと捕まえてしまいそうな気がして、今回はそれを感じていただければ幸いです。まぁでも、私も子供がいたら健康になってほしいので、同じことをしてしまうかもしれませんね。愛情故、されどそれが許されるかはわかりませんね。
では、ここまで読んで下さりありがとうございました。

Re: 怖い恐い話 ( No.27 )
日時: 2017/08/30 20:44
名前: 兎妬

『誰のせい?』

私はみんなが大好き。お父さんにお母さんに妹のまぁちゃん、みんな仲良しで大好き。いつも笑顔で笑ってて、こういうの幸せっていうんだってお母さんが教えてくれた。毎日寝るときは、お母さんが絵本を読んでくれて、お休みの日はお父さんが一緒に遊んでくれる。まぁちゃんは「お姉ちゃん大好き」って言ってくれる、この毎日が幸せなんだってお母さんは笑ってた。お父さんはお母さんに、いつまでも幸せでいたいなって言ってた。私も続くといいなって、思ってた。なのに…。
私は、お友だちと夕方まで遊んでておうちに帰るのが遅かった。夕方のチャイムが鳴って、お友だちにばいばいしておうちに帰った。玄関の扉を開けて、「ただいまぁ」って大きな声で言った。玄関で靴を脱いで、手洗いうがいをした。いつもお母さんにしなさいって言われてたから。リビングに行くと、お母さんもお父さんもいなかった。出かけてるのかなって思って、玄関を見たけど二人のいつもはいてる靴が置いてあった。おかしいなって思ったら、二階から足音がした。まぁちゃんがいるんだと思ったけど、まぁちゃんならすぐ降りてくるはずだった。でも、まぁちゃんは降りてこなかった。だから、まぁちゃんじゃないって思った。私は、ゆっくり階段をのぼった。何故か階段を、一段一段上る度に心臓がバクバクなった。二階にはお父さんとお母さんがいるはずなのに、何故か怖くてたまらなかった。まるで、ほかの誰かがいるみたいでとても怖かった。二階に上がり、まぁちゃんの部屋に行くと信じられない物が目に入ってきた。
部屋は真っ赤だった、紅い液体が水たまりを作っててその真ん中にお父さんがいた。私はお父さんに駆け寄り、何度もお父さんと叫んだ。お父さんの体は冷たくなってて、部屋を見渡すと隅にまぁちゃんもいた。まぁちゃんはいつも、白いワンピースを着ていた。そのワンピースも紅く染まっていて、まぁちゃんは紅いワンピースを着て倒れていた。まぁちゃんに駆け寄ると、まぁちゃんはまだ息をしていて痛いと呟いていた。お母さんを呼ばなきゃ、そう思って私は家の中を駆け回りお母さんを探した。すると、お母さんは一階のリビングに倒れていた。お母さんも、お腹が赤くなったいた。お母さんに話しかけると、お母さんは目をゆっくり開けて私に小さく囁いた。

「懐中電灯…それを持っている人に近づいちゃダメ。この家に、まだいるかもしれないから逃げて。逃げて、近くのお巡りさんの所に行きなさい」

懐中電灯、それを持っている奴がお父さんやお母さんにまぁちゃん、みんなを傷つけたんだ。許さない、でもお母さんにはお巡りさんに行きなさいと言われた。だから、大人しく家を出て交番に行こうと思った。その時、お母さんが叫んだ。

「早く逃げなさい!!!」

足音が聞こえ、後ろを振り向いた。懐中電灯のまぶしい光とお母さんのやめてという叫び声を最後に、私は倒れた。しばらくして目が覚めると、お腹の痛みを感じた。今までに感じたことのない痛みで、私の目からは涙が出てきた。後ろを何とか振り返ると、お母さんがいて私を抱きしめた。抱きしめてくれたお母さんの体は、熱くて手が震えていた。ごめんねと謝っていた。お母さん謝らないで、お母さんのせいじゃないよ。じゃあ、こうなったのは誰のせい?私たち、何もしてないのになんでこうなったの。懐中電灯…そうだ、懐中電灯を持った人のせいだ。許せない、私たちは幸せだったのにあいつのせいでこうなった。許せない、許せないと思いながら私はお母さんの胸の中で死んだ。
あれから何年経ったのだろう、死んでからも私だけはこの家にずっといる。成仏できなくて、要するに地縛霊となった。幼かった私は、見た目は変わらないが歳をとっていた。そして、幽霊だけどこの家の本を何故か読むことができた。幽霊になっても、物は触れるようだった。あれから私は、ずっとこの家にいる。心残りなのは、あの懐中電灯をもった犯人。でも、顔は見えなかった。だから、この家に来た懐中電灯を持っているやつは一人残らず逃がさなかった。それでも見つからない、私の家族を幸せを奪った奴が。私はあいつが見つかるまで、この家にいる。見つけて謝らして、そしたらみんなのところに行くんだ。

ある怖いうわさがあった。なんでも、ある一家が空き巣に襲われたらい。その家にいた家族は、みんな昼寝をしていたそう。空き巣が、家があまりにも静かだったので家族が留守と勘違いしたらしい。そしたら、案の定家族が起きて空き巣犯はパニックになり、家にいた家族を殺してしまった。その後、友達と遊んでいた娘が帰宅、その娘も殺されたらしい。何年かして、空き巣犯は捕まったらしいが事件があった家では不可解なことが起きるようになったらしい。事件の後もその家は、残って廃墟になったもんだから学生やらが肝試しにくるようになったんだ。するとおかしなことが起きた、肝試しに来た学生はその家で死んでしまったらしい。運良く逃げた者も、私は悪くないと呟き続けて最後には自殺してしまうとのこと。そんなことがあってから、ますます肝試しに来る人が後を絶たなくなった。でも不思議なことに、昼間行ったものはなんともなく帰ってきた。肝試しに行き、殺された人々は決まって夜に来ていたものばかりだった。その後、肝試しに行き亡くなった者たちの共通点がわかった。それが懐中電灯だ。夜に行って逃げ帰った者で、生き残った者たちが数名いた。その者たちは、全員が共通して懐中電灯を所持していた。ただ途中で落としてしまい、そのまま逃げかえってきたという。
それからというもの、あの廃墟には懐中電灯を持っていくと呪われるという噂になった。しかし、何年してあの廃墟は取り壊しになった。事件から何年も経っていて、しかも多くの死人が出ていたものだからさすがにお国の耳に入ったらしい。でも、それだけで終わりじゃなかったんだ。怖い噂は残ったものの、取り壊しになったことはあまり知らされなかった。だから、取り壊しになったのを知らずにその後も、肝試しに来る者が後を絶たなかった。そして、事件は起きた。ある時、一人の少女がその家があった場所に友人と肝試しに来た。すると、おかしなことに肝試しに来た少女はあの家があった場所で絞殺された遺体として発見された。その後、少女の友人曰く何故か来たときは家があったという。取り壊された家に入り、そこで幽霊を見たという。しかも、その時亡くなった少女は懐中電灯を持っていた。一緒にいた友人は途中で懐中電灯を落としてしまったらしい。何故、あの家が取り壊されたはずなのに彼女たちは家に入ることができたのか。亡くなった少女は誰に殺されたのか、さすがの警察も犯人が見つからずこの事件は闇に葬られたとか。もしかしたら、今もまだ最初の事件の被害者の家族…無残にも殺されてしまった娘が、幸せを奪った犯人を今でも探してるかも。懐中電灯を持った者を見つけては、「お前のせいだ」と叫び続けているのかもしれない。


この物語はフィクションです、また自作の作品です。

こんばんわ、どうも兎妬です。今回は比較的短い物語になったかと思いきや、そうでもありませんでした。わかる方はわかると思いますが、わからない方のために説明を少し入れます。この物語は、以前上げた「お前のせいだ」のサイドストーリーのようなものです。もしこの作品から読み始めた方は、是非以前上げた「お前のせいだ」という作品を読んで下さいませ。そうすると、話の内容が入ってきやすいかもしれません。私は、お話を上げる際にそれを読んだだけでは解釈が足りないような作品を上げます。そういった作品を上げているときは、いずれサイドストーリーが上がると思っていただけると幸いです。そして、この作品を上げるにあたって少し心配事があります。それは、多少グロ表現が入ったことです。一応直接的な表現を入れずに書いたのですが、もしかしたら運営様に指摘されてしまうのではないかとひやひやしております。おそらく、規定上は大丈夫なはずです。まぁ、何かあった際、臨機応変に対応したいと思います。
それでは、ここまで読んで下さりありがとうございました。

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