ダーク・ファンタジー小説
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- ダルマさんが転んだ【コメント募集中】
- 日時: 2017/06/03 17:47
- 名前: 花水木 (ID: pKTCdvWc)
語彙力の欠片があるか怪しいですが、是非、見ていただけると幸いです。
- ダルマさんが転んだ〜天使少女とお人形〜 ( No.3 )
- 日時: 2017/03/13 20:24
- 名前: 花水木 (ID: pKTCdvWc)
コツ…コツ…コツ………コツ
一定の規則で足音が教室中に奇妙に響く………。今日は、…。いつもより早く学校に
登校し、そして、教室には誰も居なかった…。これが、私の知っている事だ。
………。休校日とは、聞いていない。筈だ…。それに、何故、シューズの音ではなくて、足音がヒールでも履いているかの様に高いのか?
頭の悪い私は分からない。でも、異常な空気だという事だけは気付く事ができた。
コツ…コツ…コツ… 足音が近づいて来る…。自然と手に力が入りスカートを握りしめる。
嫌な汗だ。今まで、かいた汗でここまで嫌な汗があっただろうか?
これが、冷や汗…。辞典も、教えてくれる友達もいない中自然と頭に浮かぶ。
混乱しそうな頭で、この場にいることをが得策かどうか…。今の私には判断出来なかった。
その時、足音がピタリと止む。するすると布が擦れる様な音がした後…。
聞き慣れたあの子の声が聞こえた。
「お早う。優花ちゃん。」
全身の力が抜けた感覚…。脱力感と安堵の色が混ざる。よ、良かった…。
そこには、私の親友の「梓」の姿があった。
幼稚園から現在中学の2年まで、ずっと親友の女の子。
その子が、「春風 梓」 ふわふわしていて、まるでお人形さんの様だ。
でも、それだけでなく、梓は、宝石みたいな瞳で、抜けるように肌が白い。
そして、天然がかったふわふわの白い髪の毛。
性格も、優しくどんなに自分が辛くても相手を気遣える天使の様な子だ!
と勝手に私が思っている。彼女は、謙虚だから自慢することもない。
もったいない!私みたいながさつな子ではないことは確かだろう。
女の私でも、可愛いと思うので、男子ともっと話せばさぞかしモテるだろうに…。
ずっと黙っていてもしょうがないので、会話を続ける事にした。
「あ、おはよう〜!梓!」 できるだけ元気良くね!
「誰も、教室に来てないからビックリしちゃった〜!」
「誰かと思ってたら梓だったんだね!」
いつも通りの会話になるのかと思っていたところ、珍しくいつも聞き手にまわってくれる梓から話題をくれた。
「そうだったんだね。驚いてたからビックリしたよ。」
「そうそう、昨日おじさんからこのお人形を貰ったの…。」
「可愛いでしょ?」
そういって、ニッコリと微笑む彼女。彼女の普段とは違う返しに、一瞬遅れをとる私
しかし、すぐに梓の手に握られた件の人形に視線を向ける。
フランス人形だろうか、青い瞳に、金髪の綺麗な女の子。
透き通った瞳は、息を飲むほどに美しい。
「可愛いね〜!」とはきそうになった言葉を寸前に飲み込む。
今、梓は何と言っただろうか?
"おじさんから貰ったの" でも、梓のおじさんは、去年に…。
近所のおじさんとか?
それに、"可愛いでしょ?" と…。彼女は、人形が大の苦手の筈だ…。
何だか、無機質で、怖いと言っていた。一日で、怖い物が好きな物に変わったのだろうか?
可愛いね!の代わりに口をついた言葉…それは…
「?」という疑問符だけだった。
- Re: ダルマさんが転んだ ( No.4 )
- 日時: 2017/03/14 22:25
- 名前: 花水木 (ID: pKTCdvWc)
「?」という疑問符を浮かべた。
先程の梓の言葉と今までとの違いに違和感を拭いきれない私は、そんな間抜けな言葉をはき出した。
「梓…。お人形って…。」 ポカンとした顔をしているだろう私に、梓は妖艶な笑みを
浮かべた。
「そう、お人形…。」 ………。あれ?梓はこんな笑みを浮かべる子だっただろうか?
今その答えを知る者は、梓と私しかいない筈だ…。
ちがう…。何かが違う。梓は、こんな瞳で人を見つめない。こんな話し方はしない。
こんな………笑い方はしない。
私の理性の部分だろうか? 私の頭が段々と冷えてくるのを感じる。
そして、危険だと警鐘を鳴らす…。そんな理性を無視しながら…。
「梓…。ちょっと遊ばない?」 軽く、昔から遊びに誘う決まり文句で
昔の小さな子供のころの様に 無邪気に笑った。
- ダルマさんが転んだ ( No.5 )
- 日時: 2017/05/20 10:55
- 名前: 花水木 (ID: pKTCdvWc)
いつも遊びに誘う時の決まり文句
「ちょっと遊ばない?」
この言葉を使ったのはつい昨日のことだ。
昨日は、学校が終わって部活がたまたま休みだった。
梓と私は行ってる部活は違う。梓は、図書部で 私が、美術部だ。
どちらも文化部で、いつも一緒に帰っていた。
昨日は二人共これと言った用事はなくて、何となく街にでも遊びに行こうかと脳内で計画していた。その時、たまたま通りかかった人形屋さん
そこには、お店自慢の人形達が行儀良く座っていた。
青い着物に、黒髪オカッパで、ぬける様に白い肌とそれをひきたてる
ような赤い唇をした少女。その隣には、白いワンピースを着た茶髪の少女等々さまざまなお人形達が生き生きとしていた。
そんなお人形たちに興味をひかれた私は、ニコニコしながらお店の
ショーウィンドーを覗いていた。ら、梓は忽ち暗い顔つきになった。
私は、忘れていた。梓が人形が大の苦手だということを…。
梓の顔をみてすぐに思い出した私は、梓に謝った後、すぐにそこから
立ち去ったものだ。
うーん。やっぱり私は馬鹿だなー。と改めて実感する。
一通り昨日の出来事を振り返りながら、私と梓は体育館に向かっていた。どうしてかって?それは…。
「お祓い」のためです!
なんとなくだけど、なにか霊にでも取り憑かれたような不可思議な
雰囲気を梓から感じた。会話が一旦終わった後は、ボーとしていて、
まるで 「さっきの言葉を告げれば役目は終わった」
とばかりの行動にも見えた。
じゃあ、「霊」の可能性にかけてみるのも、一つの手かなと思いつつ
できるだけ綺麗な所に移動しています!
私の知っているお祓いは本だけの知識だから、中途半端かもな…。
まぁ、何もしないよりマシ!と言う安直な思いから動いていた。
梓は、相変わらず気の抜けた様な表情で、ゆらゆらと私と
一緒に歩いている。全身に力が入っておらず、目には光が宿っていない。
梓の手を引いて歩いているが、体温が低いのが分かる。
顔色も悪い。
そんな梓に不安がつのる私は、自分の家から持ってきたお札を
強く握りしめていた。
体育館までの道のりが遠く感じられた………。
- ダルマさんが転んだ ( No.6 )
- 日時: 2017/05/21 15:06
- 名前: 花水木 (ID: pKTCdvWc)
いつも通りに…は、行ってないけど、少し早めに学校に着いた私
そんな私は、今 幼馴染の友人と二人で体育館へ向かっています!
それは、幼馴染の梓の様子が普段と違うからです!それも、まるで 魂が抜けたようなんです。
これは、私にとって「事件」ですよ!
と、勝手に脳内アナウンスを始めた私。本当は、それどころじゃないのだけど何となく私の悪い癖が…。暗くなるとどうしても明るくしたくなる…。
そんな言い訳をしながら梓の様子をちらちらと見る私。
本当に具合が悪いだけなら保健室にと思ったものの、保健の先生がいなかった。 職員室はカードキーになっていて、生徒は職員室の入口のインターホンから声をかける。 しかし、先日からインターホンが不調で使えなくなっていた。本当に、運が悪いなぁ。とションボリしている現在です。
ここまで、二階から一階におりるまで先生、生徒 誰一人として会わなかった時点で本当におかしい。なんか、わざと此処まで誘導されている
気がしてならない。気のせいだと思いたいなぁ。
そんなこんなで、体育館に着いた私達二人。
勿論、二人以外人影も見当たらない。
体育館の妙にガランとした寂しい雰囲気が身にしみる。
ひんやりとした空気と体育館特有のボールのゴムの匂いがする。
「じゃあ、入ろうか!」 この時、私は気付けなかった。
誰が 体育館の鍵を開けたのか。 普段なら、担当の先生か生徒しか
触らない体育館の鍵。だからこそ、認識が甘くなっていたのかもしれない。
——— もしかしたら、先生か生徒が開けたのかも…。
そんな妙な期待を抱いてしまった。
もっと、考えていれば、疑えば この体育館には足を踏み入れなかった
かも知れない。それは後になって思いしる。
梓と私は、体育館に何の疑いもせず入りこんだ。
さて、今からお祓いしますか!
体育館全体は隅々まで綺麗になっており、掃除をする必要はなさそうだ。霊は汚い所に集まりやすい と聞いたことがあった。
え〜と、次に…体育館のカーテンを全て開ける!
こうすることで、太陽の光、特に朝日は神聖な力があるそうで、浄化の力が高いらしい。
後は、塩。塩っと!天然の塩はなめたり、調子の悪い所にすりこむと除霊と効果があるそうです。梓には少量の塩をなめてもらった。
盛り塩も一応しておこう。
最後に、水を使った方法。水道水を外の蛇口からくんできて、
これを、 ごめんね。梓。まだ使ってないバケツだから許してね。
未使用のバケツに水を汲み 水に手を浸す。そして、手から悪い物を
水から吸い取ってもらうイメージで、それを流す。と…
こんな感じかな?一通り除霊の知っている方法は試してみた。
いやー。いつもお弁当のおにぎりにつける塩を持参してて良かった。
こんな時に役立つとは…。
って、塩を持参してる中学生って、私ぐらいしかいないかな?
いない。よね…。ははっはh。虚しい。
梓の除霊&浄化は成功したかな?
と梓をじっと見つめていると。
——ピクリ まるで、居眠りしてて今起きました。とでも言うような
動きをした梓。ダランと下げていた頭をゆっくりと上げる梓。
椅子に座ってもらっていたためか、体が傾いている。
はっとした様な表情を浮かべた梓。
「へっ?え、此処は?どこ?体育館?」
とキョロキョロ周りを見渡す梓。
次に私の姿が視界に入ったようで、驚きと安堵が混ざり合った様な
複雑な表情をする。
「優花ちゃん…?」その言葉を聞いた瞬間 全身の力が抜けたのが
はっきりと自分でも分かる。
それこそ、良い意味の orz をしてしまった。写真撮りたかった。
とそんな呑気なことを考えながら、梓の顔を見上げる。
今、相当おかしな光景だろうな。だって、梓からしたら、いきなり
目が覚めて、何故か体育館にいるし、その上 友人がリアル orz
をしているし。で明らかに同様するか、ついに私がおかしくなったか。
と思うだろう。
ごめんね。梓。私 元からおかしいの!と弁解なのか、肯定なのか、
謝罪なのか、分からないことを心で言ってしまう私。
実際言った言葉は「おはよう!梓。」ただそれだけだった。
これだけで、梓は なんとか、納得したらしく
「お早う。優花ちゃん。」と苦笑気味に言ったのだった。
本当なら質問攻めにしたいだろう。しかし、梓は、まず 落ち着く事を
優先した。本当に梓の冷静さには感服する。
しかし、次の言葉で私も苦笑せざるお得なくなる。
「なんで、うなだれてたの?」
「なんでだろうね?」きっと私の苦笑は自虐的な意味も含まれてるだろう。
二人で、「どういうこと?」と笑い合っていた。
——刹那
『ガタンッ!』となにか固い物でも落ちたような轟音が体育館に響き渡る。私達二人は、唖然と音のなった方向に目を向ける。
梓はビクリと肩を震わせ私の後ろに隠れた。
な、に? 不安と驚きは、徐々に恐怖に変化していく。
どろり とした不快な感覚が少しずつ思考を埋め尽くす。
ガガガががあガ………キィーン
校内放送の器具の音がしっかりと伝わってくる。
『校内放送を始めます。現在、9時35分です。』
その機械仕掛けの声は完全に私達の思考を奪うのに十分だった。
『校外にいる生徒の皆様は、速やかに校内に移動してください。』
『なお、一分以内に戻られなかった方々は、全員監禁対象となりますので、ご了承願います。』
『今から、皆様には学校内のゲームに参加していただきます。』
『ルールは簡単。今から三十秒後にアンドロイドが皆様を監禁しにまいります。郊外の皆様は交渉の余地は御座いません。しかし、
校内の皆様は戦闘、交渉、もしくは、逃走。どのような手段でもかまいません。 時間以内にアンドロイドから拘束されなければ勝利です。』
『勿論、時間内にアンドロイドから拘束された後、再逃走をされても構いません。』
『皆様には、最高の授業を受けていただく権利がございます。』
『皆様、有意義なお時間をお過ごしくださいませ。』
私達は、確信する。
もう、日常は帰ってこないのだと ———
- ダルマさんが転んだ ( No.7 )
- 日時: 2017/06/12 22:26
- 名前: 花水木 (ID: pKTCdvWc)
私の親友「梓」の様子が朝からおかしかったため、
「お祓い?」らしきものを行った!って、…これだけ言ったら、相当お
かしな事を言ってる気がする…。
本当は、お祓いって、そう、簡単には行えないらしい!
それに、いくら親友と言っても、「魂が抜けたみたいで不安になったから、お祓いしちゃった!てへっ!」
…。完全に私がやると変人にしか見えない。なんか…より悲しくなってきた。
等と一人で自問自答をしていた時だった。
不思議な放送内容が入り、体育館に居た私と梓は硬直していた。
「え?え…。え!?なになに?イベント?宇宙人?魔法使い?
そうか、分かった! 神様だ!!」
「落ち着きなよ。優花ちゃん。」おかしな言葉を紡ぐ友人に、半分心配した様な口調でいう梓。
こんな友人で、申し訳ない。と梓に対して心で謝罪する私。
でも、冷静に考えると、生徒の悪戯かな?という話でまとまった。
けど…。さっき、「最高の授業」とか、「アンドロイド」とかっていってたような?それに、この学校のセキュリティだっけ?確か相当高かったような。
「う〜ん。」
静かに目線を下におろしながら、この言葉を呟くのが、梓の考えている時の癖。本当は、黙っていた方が良いのだろうけど、
十秒ほど我慢して、耐えきれなくなった私。
「…。えっと。ごめん!梓。何考えてるの?」そう 口をはさむ私に嫌な顔一つせずに、笑顔で話す梓に尊敬してしまう。
「あ、ごめんね。急に黙っちゃって。」申し訳なさそうな表情の梓。
「それは、全然良いんだけど、何考えてるのか気になって!」
実はね。と説明してくれる梓。どうやら、「私達の学校のシステムがハッキングされたのかも。」ということらしい。
「ありがちなのが、ソーシャルセキュリティーナンバーを使ったり」
「パスワードの複雑さと長さ、ハッカーのコンピュータ速度、ハッカーのインターネットの接続速度が大きな鍵かな?」
「…。ごめん。梓。全然分からなかった。私の頭の悪さに感服するぐらい分からなかった。」(ションボリ)
梓は「そんなことないよ。私の説明が悪過ぎたね。ごめんね。」
等とお互い謝罪大会を繰り広げようかとした時だった。
『ターゲット カクニンシマシタ。イマカラホカクシマス。』
ほ・か・く?今何ていって…。そんな疑問を問いかける時間は残されていなかった。
見慣れないライダースーツのようなものに身を包む女性。
顔は純日本人風の顔立ちで、長い茶髪を編みこみしていた。
そこまでは、いい。珍しい格好をした女性だな。で済んだかもしれない。 彼女の持っているものが「アレ」でなければ…。
梓は私より後ろで女性の顔は見えるが、持っている物までは、私に隠れて見えていないだろう。
「…。梓。私が『いい。』って言ったら、廊下まで全速力で逃げて。分かった?」
梓は、何のことだか分からないとでも、言いたげな顔をした。
が、私の緊張した顔をみて頷く。
梓の足なら、まず追いつかれないだろう。
それよりも、眼前の女性をどうしようか?
・・
まさか、おのなんて持っているとは…。
最悪の場合、凶器…にしかならなさそうだ。
私の頭の中で、危険信号が鳴っている気がする。
お願い。「あの人」でないと言ってほしい。
頭にちらつく光景。この顔にピンときたらと書いてある張り紙。
指名手配と大きくかかれ、「殺人」と書かれた「顔」と同じに見える事を今は、ただただ信じたくなかった。
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