ダーク・ファンタジー小説
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- 超スペック社畜 in 異世界(仮題)
- 日時: 2017/03/21 19:39
- 名前: しょーゆさん (ID: W5lCT/7j)
「起きて、はやくぅ!!」
キンキンと煩い耳障りな雑音が目覚ましとなり、俺の意識は体感50トンはある瞼とともに光を取り戻す。
これまた体感50トン近くある重い体に鞭打って起きると、どうも自分の居る場所が今迄見たこともない場所だという事に気付いた。
異常なほどビンビン鳴っている嫌な予感レーダーが律儀に身の危険を知らせてくれているので、はぁ…と思わず心の中なのにため息をついてしまう
まだ寝ぼけている頭をフル稼働させ、状況を把握しにかかる。
周りを見渡してみれば、八畳間くらいの部屋に、書類の山と一昔前のPC。
PCにも書類の山にも何やらどうも異世界やら転生やら物騒なことが書いてある…
「やっと起きたね!!聞きたいことは色々あるだろうけど、まずは自己紹介ね!!私は神様です!!こんにちはじめまして、志乃 優沙くん!!」
なぜか後ろから聞こえる雑音に名前を呼ばれたことによって、俺のこいつに対する警戒度が跳ね上がる…
振り向いて見れば、俺より頭2つ背の低い女が立っていた。俺の身長が179位なので、こいつの身長は…何センチだ…?
容姿についていうと、金髪ロングで金眼、顔立ちは、鼻が高く、何に形容したらいいのかあまり分からないが形の整った唇。客観的に評価するとしたら整っている、と思われる。
頭の中でそんな変なこと考えていると、こいつがまた喋り出した。
…まだ喋り足りないのかこいつ、もう黙ってても誰も文句は言わんのだが…
いや、むしろちょっと黙っといた方が助かる。
「え…!!えへへぇ…」
急に顔を赤らめはじめたぞこいつ…一体全体なんだというんだ天変地異か…きっとそうに違いない。
寝起きのテンションから早くも立ち直った俺はさっきまでの機嫌の悪さはどこへ…と言わんばかりのハイテンションだ。
…調子が狂うからやめよう。
「天変地異ってなんぞや!!怒るよ!?」
…地の文よm
「ストォォップ!!メタ禁止!!」
…うっす
「で神様(笑)が俺に何の用ですかねぇ?」
俺がそういうと、待ってましたとばかりにそのまな板とも形容できるような胸を存分にドヤ顔で答えた。
ムカつく…
「そうそう!!君、死んだんだよ…ていうか!!(笑)って何!?態々かっこわらいとか発言してまで強調したい事!?」
ん?なんか物騒な発言聞いちゃったんだけど…
「死んだとか…冗談もほどほどにしろよ」
俺はそう言ってアホ神を心底可哀想な子を見るような目で見つめ、余りにも憐れなので…どうしてやることもないのだが…
「可哀想に…親にまともな教育を施してもらえなかったのか…
死んだ人は喋らない、まだ10歳と少しくらいなのにそんなことも教えてもらってなかったんだな…」
「違う!!私もう100歳は超えてるよ!?」
途端、彼女が真剣な面になって俺に言ってきた。
「…可哀想なのはそっちだよ。死んだのはほんとだから…」
ふむ、こいつの真面目な顔を見る限りそうらしい。まぁ問題は解決していないどころか何が問題なのかさえ分かっていないままなんだが…
とか言ってるが察しはついている、この部屋の至る所に置いてある書類やらの中に沢山書いてある異世界転生とかいうのが、俺にも起こるのだろう。
「え?信じてくれるの…?自分が死んだってこと…自分で言うのも何だけどこんな見た目クソガキの小娘がほざいてる戯言とか思わないの?」
うっわ口悪すぎだろ…ありえないとか思いながらも、常時コピーしてあった営業スマイルを顔にペーストしてこう言う
「うっわ口悪すぎだろ…ありえない」
ハッ!!しまったつい心の声が…
「何度も言うけど取り繕ったって心の声聞こえてるって!!取り繕えてないけど!!」
「…一回も言ってなくないか?みんな、スクロールして確かm」
「ストォォップ!!メタいよ!!止まってよ!!暴走しないで!!」
「話が進まん、巫山戯るのもいい加減にしてくれ…」
「酷い!!残虐的!!非人道的すぎる!!」
こいつもう涙目だからやめてやろう…
他にも残虐的の意味とか、非人道的の使い方とか、情緒不安定すぎて喧しいとか、一々一言一句煩いとか言ってやりたいことは異常にあるが。
「本気でなんだ?エタってきたぞ…」
うぅ…と言いながら床に膝をつき、目から塩水を流している幼女を見下しながら、俺は言った。
っておいちょっと待てや、これ結構危ない図なんじゃないか?勿論俺が。
「ふふん、これも私の作戦よ!!」
煩い上に感情の起伏が激しくてついていくのが困難です。
と言った直後、自称神は立ち上がり、アホ臭い茶番は終わり、とばかりに真面目な顔に変わった。
…それこそ何十年も生きてきて、人生経験豊富で、恐らく前世、と言うのも少しさみしい気もするが、前世で唯一俺が敵わない、うちの会社の社長さんと比べても謙遜ないほどだ。
というか神様と比べても謙遜ないで済むっていうのが異常といえば異常なのだが…社長だからな。
「君には転生をしてもらいたいんだよ!!」
「知ってる知ってる」
こうなることは予想済みだ。
まぁ教えてくれたのはそこに散乱しまくってる書類達なんだが…
「えぇ!!なんで分かったの!?」
あいもかわらず喧しいことこの上ない駄雌神は案の定喚き散らしている。
「そこの書類見たらわかる」
心底面倒臭いオーラを発しながら俺はそれを指差した。
「あ、そう…」
何故にしょげたのかは俺の人生の七不思議にはいるだろうな。
…いや入らねえよ。
と、くだらない事に思考を巡らせている内に、この物置部屋レベルに散らかった部屋のドアノブが音を立てた。
「あの、女神様…転生くらい早くしてください…後がつかえてます。」
入ってきたのは、身長は俺の鼻の高さくらいのスタイルのいい金髪の女性だった。ハワイの壮大な海を瞳に閉じ込めたような美しい色の瞳が印象的で、艶やかで色気のある雰囲気は目立つ、美人さんだった。
…例え方については…あまり突っ込まないでくれると助かる…
どうもこういう時の表現力やら語彙やらが圧倒的に欠如しているのは承知している。