ダーク・ファンタジー小説
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- Abyss Apocalypse 名もなき炎
- 日時: 2017/04/09 21:59
- 名前: 赤湖都 ◆Q8ehryREQw (ID: bmJ5BkM0)
- 参照: http://www.z-z.jp/bbs.cgi?id=kings&p3=google&th=&style=1&wr=1
主な登場人物
八雲高校
川口 亮(かわぐち りょう)
二年生。臆病な性格だが、反面、自分が危険な状態にあっても、仲間だけは放っておけないという一面もある。
西原 雄介(にしはら ゆうすけ)
二年生。亮とは正反対な冒険家で、将来の夢は新聞記者。あまり騒いだりはしない方だが、観察力は人一倍で、誰よりも先を見据えている。
時雨 美希(しぐれ みき)
二年生。幼少期に両親を亡くしており、祖父と祖母が面倒を見てくれている。将来は自分のような子供達を助ける仕事をしたいと思っている。
だが、ちょっと間が抜けているところもある。
森澤 杏子(もりさわ きょうこ)
二年生。しっかり者の委員長タイプで、何事にも動じない。
舞台 三代孤児院
1945年に設立された、戦争孤児救済のための孤児院。
ある事件で惨殺された孤児達の思念によって、孤児院に引きずり込まれた沢山の人々が惨い死に方をしている。
- Re: Abyss Apocalypse 名もなき炎 ( No.9 )
- 日時: 2017/04/12 22:01
- 名前: 赤湖都 ◆Q8ehryREQw (ID: bmJ5BkM0)
「...はぁ...はぁ...あぶねぇ、...何となく嫌な予感がする...」
雄介は大分走った。
だが、そこで致命的なミスに気づいた。
彼は生存者の筈だ。消えたり浮いたりしてなかった。
ならば、彼から有益な情報がひとつくらいは聞き出せたかもしれない。
.........だが、彼はあの様子だと、随分と長い間ここにいるようだった。
ならば......
「気が狂って何をするか分からないって可能性もある...そんな危険な奴と一緒にはいられねぇか」
死体は、最近のものから古そうなものまで、沢山ある。
古いものは腐っているし、新しいものは此方を絶望したような顔で見つめている。
...
- Re: Abyss Apocalypse 名もなき炎 ( No.10 )
- 日時: 2017/05/26 09:36
- 名前: 狂yuki (ID: bmJ5BkM0)
亮が歩く度に、床でヌチャヌチャという音がする。
靴の裏からでもその不快感が伝わってくる。
まるでゴムか何かのような、湿ったものが床に敷かれている。
「あっ!!」
亮は足を滑らせて転けた。
「...ーってぇー...。何でこんなにヌメヌメしてんだよー...」
すると亮は何かに気がついた。
床が生温かい。
そして、手には何か赤いものがへばりついている。
転けた拍子にポケットから落ちたのか、ケータイが手許にあった。
92%
まだ使える。
明るさを最大にして、薄暗くて見えづらい床を照らす。
「............っぬわッ!!」
亮のケータイが照らし出したのは赤ピンクの、ヘビのような細長いものだった。
それが何か、亮には分かった。
「ひ、、、ひ、ひいぃぃ!!」
慌てて後退する。
ゴトン
ビチャッ
後ろに机があったらしく、
それにぶつかり、直後に何かが床に落ちた。
今度はそれを照らす。
そこには、ギョロリと目を剥いた、鼻から上しかない顔が落ちていた。
「っ!!だ......あ......あ、あ...ああああ......!!」
足がすくんでいたのも忘れて立ち上がり、逃げ出す。
赤ピンクのヘビに足を滑らせながら、
必死で逃げる。
後ろから視線を感じる。
次第に強い悪寒を感じ始める。
そして
続く
- Re: Abyss Apocalypse 名もなき炎 ( No.11 )
- 日時: 2017/06/08 22:04
- 名前: 狂yuki (ID: WgIzNCa0)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=523.jpg
生首。
ナマクビ。
何故ここに!?
さっきの位置から動いたというのか。馬鹿な。馬鹿な。馬鹿な。馬鹿な。
薄紫色の長い髪は床に伏し、赤っぽい虹彩が美しい。瞳孔が異常に開いている。
ただただ、此方を見つめる瞳。
刹那。
バンッ
すぐ横の壁から音がした。
「ひッ!?な、何だ!?」
壁には血が塗られていた。
ただ不規則な塗り絵のようなものではなく、数字で。
『0433002,222,299,999,334555,556 222,999,993,333』
「......は、はぁ!?何何何何何何なんだよ!!!!」
メッセージ性の欠片もない暗号のような数字に苛立つ。
「クソッ、何のイタズラだ!?」
すると、血で書かれた数字に気を取られている間に、生首はそこから消えていた。
生首があったところには、血溜まりがあったのだが、それすらも消えていた。
そして、奥の方から
「アヒヒヒ ク,ハハハハ アフハハハハ アハハ,ハハハハ」
不気味な笑い声が聴こえてきた。
それが甲高い声で、不気味だった。
続く
- Re: Abyss Apocalypse 名もなき炎 ( No.12 )
- 日時: 2017/06/13 21:45
- 名前: 狂yuki (ID: WgIzNCa0)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=526.jpg
どうしようなもなく、雄介は絶望していた。
階段を降りたのだ。
なのに
二階にいる。
数え間違いではない。
階段を降りた。
降りたのだ。
試しにもう一度降りてみる。
そうすると、またもや二階にいた。
一階に降りられないのだ。
階段の踊り場には鏡がある。割れていて、血のようなもので<43332>と書いてある。
途中からは掠れていてよく見えない。
その数字が何なのか確かめたいのもあるのだが。
そう言えば
先程から何か強い視線のようなものを、左から感じる。
「......」
恐る恐る、左を向く。
そこにあったのは、ただの目のポスターだった。
「...!何だよ、ただのポスターかよ....」
そう言って、また階段に向き直る。
すると
「......やっぱ、何か感じるぞ」
再び左を向く。すると
「...?この目、さっきと違う方向向いてねえか?」
さっきは上を向いていた。しかし、今は。
「......何で下向いてんだ、コイツ」
すると
ヌ
目が動いた。ヌッと。此方を向いた。すると更に
目から血が溢れる。
「......ッ!マジかよコイツ!」
得体の知れぬポスターは、しかしそこで、急に一点を注視した。
多分、さっきの鏡だ。鏡に残された数字と関係があるのだろうか。
目玉は、そのあと、何かを描くように動き、......
バンッ
突然、ポスターの中で破裂した。
続く
- Re: Abyss Apocalypse 名もなき炎 ( No.13 )
- 日時: 2017/08/11 15:48
- 名前: 狂yuki (ID: WgIzNCa0)
美希は一階の玄関近くにいた。
そこで、妙なものを見つける。
「......ひっ!こ、これ!?」
落ちていたのは、血塗れの携帯電話だった。
「スマホ...だよね」
画面は割れ、謎のストラップ人形が首から上だけぶら下がっている。
誰かのイタズラか。それとも...。
望ましいのは前者だが、より可能性が高いのは...。
...
スマホに近寄ろうとすると、
「ーひぃ!」
いきなり、スマホが凄まじい勢いで画面に文字を出し始めた。
「な、な、なな、何?これ...」
電話番号の文字数はオーバーしている。では何の数字か?『43332222444433554222511』
『04336741122444411411 433322224444』
『1184 1184 222225114444』
そしてこれらの文字が一通り打ち込まれると、スマホの画面は真っ暗になった。
「ホントに何なのこれ...?」
続く