ダーク・ファンタジー小説

その緋眼に映る景色はなんと呼ぼう
日時: 2017/07/01 07:15
名前: 阿修羅

どうも。皆さん。
いつもはボーカルロイドという名前で、二次創作小説(映像)で【ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!】と【メカクシ団の日常】を書いておりますが、今回は初めてオリジナルに挑戦してみようと思います。

文才皆無でやばいと思います。
投稿率は少し低めです。よろしくお願いします。

プロローグ>>5

第1章『目色の意味』>>6-?

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Re: その緋眼に映る景色はなんと呼ぼう 【和風ホラー】 ( No.10 )
日時: 2017/05/24 22:34
名前: 阿修羅

「おーい!席つけー!じゃ、テスト返すぞ〜」

えー!とみんなの中から声が上がる。正直言って、僕もこの時間が好きではない…
なんだか、よくわからない緊張感に…そして、高かった時は喜びだけど、低かった時のあのガンッと頭をぶつけたような衝撃は味わいたくない…
今日は、数学…か。
あんまり得意な分野ではないけど、計算なら得意だし…ま、計算と知識ぐらいかな?取れているのは…

「朱姫!朱姫!ほら、お前の番だぞ!」
「あ、はい!」

僕はガタッと音を立てて立ち上がった。自分の点数が気になったせいで、声が全く聞こえなかった。周りからの冷たい視線が僕を突き刺す。でも、それはふざけ的なもので、大抵のみんなは、僕が通り過ぎる前に吹き出してしまう。
それも、好きではなかった。

受け取った答案用紙を敢えて半分に折ったままにし、点数を見ないようにした。
と言っても、ほぼ無理だ。
答案用紙自体が薄いから、赤で書いた点数が紙越しにうっすらと見える。そんな感じだから、開く前にわかってしまう。そこが残念で仕方がない…
開いてみると、93点。まあまあな出来だ。
95点以上じゃないと、家として誇れる人物じゃないと言われる。授業の合間にある小テストや、単元ごとにある単元テストでは95点以上取れても、此処で通用しなければ、意味がない…
僕は溜息を吐いた。

「じゃ、一旦教え合いタイムとるからなー!教科書見たり、ノートを見返したり、友達と話し合ったりして見つけろよ!じゃ、スタート!」

そう言うと、消沈していた教室に活気が溢れ出す。
一気にざわざわと会話の波が襲ってきて、不快な気持ちにさせる。でも、2人が来るとそれは吹き飛んだ。

「ふーん、やっぱ紗雪は高得点か…」
「へー!すごぉー!紗雪君、頭いいんやな!」
「俊と葛は何点なの?」

僕が聞くと、2人は気まずそうに顔を見合わせた後に、小さな声で言った。

「俺は…、63点」
「僕は、45点やったわ〜…」
「そっかぁ、分かんないところどこ?」
「ここ!ここ教えてくれへん!?」
「じゃ、俺も。ここ教えてくれ。全くわからん」
「うん。じゃ、説明するね」

そうやって、手順良く植え付けられた知識を2人に教える。
たぶん無駄なことだろうに、2人は一生懸命言葉の一つ一つを漏らすまいと、聞いている。そう思っているのが伝わるのだ。表情や態度から。元から、こういうところが嫌いでもある。
態度や表情などの細かい動きから、人の感情読み取るなんて、罪悪感や劣等感などもあるが、一番は知りたくない感情を知ってしまった時。
1度経験したトラウマは、時が経つごとに苦味を増して、じわりと自分を苦しめる。そんな言葉のもうごめんだ。
僕が説明を終えると、2人とも感心したように頷いた。

「へぇ、凄いな。紗雪」
「僕、今度から紗雪君と勉強するわ〜」
「ありがとう。お世辞でも嬉しいや」

そうやって他愛のない会話をすると、パンパンッと乾いた音が響き、この時間は終わってしまった。
みんなが慌ただしく席に戻った。

* * *

Re: その緋眼に映る景色はなんと呼ぼう 【和風ホラー】 ( No.11 )
日時: 2017/05/29 21:14
名前: ボーカルロイド

「ちぇ〜…、なんかこの点数はないよな〜」

俊は帰り道にブツブツとまだあの事について言っている。
あの事っていうのは、数学のテストで63点を取ったこと。別に、平均点は超えていたし、大丈夫かと思ったのに、俊にとってはかなりの大きなミスだと言う。
数学だけは、70点以下を取ったことがないって言ってたからかぁ…としみじみ思う。

「でも、まだマシやで〜。僕なんか、45点やで〜。こっちの方が大ミスやないの〜」
「うや、そっちの方がむしろ清々しいよ。なんか、惜しいって感じが嫌なんだよなぁ〜。下なら下で、もっと低い点数ならいいのにな…」
「そう言うもんかね〜?」

葛は疑問を持ちつつも、それで納得してしまったらしく、すぐに話題を変えた。

「ああ、そういえば…桐生ちゃんは何点だったん?」

桐生は、学校に行ってない代わりに、養護の先生がいつも桐生の病院に行って勉強を教えている。一応、ここの生徒って事になっているから、テストの日は養護の先生が見てる側で、解かなければならない。
そして、その返却する際は必ず僕らが行く事になっていた。
桐生は、普通ぐらいだからなぁ…

「確か、70点ぐらい取ってたよ。いつもと同じくらい」
「やっぱり、桐生ちゃんは絶好調やねぇ。僕も、その力欲しいわぁ〜」

冗談半分、本気半分できっと言ったのだろう。
おふざけにしては、何気に嫌味っぽいし、本気にしては、言葉は軽い。きっと、両方とも思っているのだろう。

例え、こんな状況だとしても、僕は目のことを忘れない。
赤の目には、必ず緑・橙・紫・黄が近くにいるということだ。
緑は俊。橙は葛。紫は紫貴だということは分かってる。でも、黄とは、いったい誰のことを指しているのだろう。
因みに、母と父は違う。父は赤で、母が橙だ。
だから、違う。いったい、黄とは誰のことだろう…

そう考えていると、葛の能天気な声が聞こえた。

「そういえば、桐生ちゃんの目って綺麗やないぁ〜」

別に、葛のことだからくだらないと思ったけど、「目」という単語が引っかかってとりあえず、耳だけは傾ける事にした。

能天気な声に続いて、うげ…という勘弁して欲しいような俊の声が聞こえた。

「お前、気持ち悪…」
「酷いなー!別に、綺麗なのは本当なんやから、ええの!」
「桐生って、何色だったけ?」
「うーん、確か…黄色…やったよな?」
「確かな…」

黄色…?
桐生の目が黄色?
もしかして…黄って…

僕の背中にひやっとした何かが掠った。

* * *

Re: その緋眼に映る景色はなんと呼ぼう 【和風ホラー】 ( No.12 )
日時: 2017/05/29 21:17
名前: 阿修羅

すみません…
二次創作小説を執筆した後に来たため、>>11の名前がそちらで使っている、「ボーカルロイド」になってしまっています。
でも、人物は変わっておりません。

ちょっとしたミスですみませんでした。
今後このような事が無いように気をつけます…

Re: その緋眼に映る景色はなんと呼ぼう 【和風ホラー】 ( No.13 )
日時: 2017/06/11 20:22
名前: 阿修羅

>>11

何故ひやっとしたか。
それは、先程から僕が言ってきた先祖の話。目の色の話。そういう、色々なもの。実は、このことは僕の家族内で聞いたわけじゃなくて、桐生から聞いたことなんだ。桐生は、僕が小学生の頃、「面白いこと教えてあげる」と遊びに退屈していた僕にそう言った。
驚きの連続で、いつの間にか僕は話に夢中になっていたのを覚えている。

あの時、桐生は窓を見ていた。
夕焼けの赤が僕と桐生、そして病室全体を煌々と赤く染め上げていた。此処まで状況を鮮明に覚えている割には、目の色は覚えていない。
まあ、それもそうだろう。
桐生は、昔から窓を見ている。ほぼ、振り向くことはないだろう。だから、目の色のことを知らなかった。にしても、今になってはなんでその行動をとったのか…大体予測がつくのは何故だろう?
前は「景色でも見たいのかな?」とか、純粋無垢に受け取っていたけど、多分違う。桐生は、目の色を隠そうとしていたのだろう。多分、僕だけに。
何故かっていうと、葛と俊が桐生の目の色を知っているから。
たまに、僕でも行けなかったり、遅れて来ることはある。だから、2人だけってのもあった事はあった。その時は、窓を見ずに顔を見合わせて、笑いあっていたに違いない。だから、目の色を覚えていた。

まぁ、如何にせよ、今回は3人だし、その事については、また2人きりになる機会があったら、話そう。
コツコツと廊下に僕たちの足音が響く。なんとなく、この音にびくりとする事もある。そして、特定の部屋を見つけると、一声かけてガラッとドアを開けた。
其処には、桐生の隣で楽しそうに話す少女。2人とも、笑っている。

「あれ?桐生ちゃん。その子…誰なん?」
「知り合いかなんかだろ?なあ、紗雪」
「……」

1人、その少女に目を向けながら硬直していた。だって、其処には…其処には…
僕の妹、朱姫 紫貴が座っていたからである。
なんでなんだ?僕は、紫貴に病院も教えていないというのに…!!
何故だ?!

頭ん中でぐるぐると渦巻いていく感情に、終止符を打ち込んだのは意外にも桐生だった。

「ま、驚かないでよ。紗雪くん。妹ちゃんを呼んだの私だし」

そうやって、意地悪くにっこりと笑う。
葛と俊は僕の妹という事に初めて気づいたらしく、驚きの表情を露わにしている。といっても、2人は初めてじゃないはずだけどな…
桐生は、ニコニコと笑顔を絶やさないまま、話を続けた。

「まあ、座りなよ。今日は、この4人に話があるんだから」

そうやって笑う桐生の目は、怪しげに黄色く光った。

* * *

Re: その緋眼に映る景色はなんと呼ぼう  ( No.14 )
日時: 2017/07/01 07:35
名前: 阿修羅

僕の頭に浮かぶのは、あの先祖様のこと。
目の色…僕らの目の色が関係している、あの…呪いのこと。
僕は赤。あの、狂ってしまった先祖様と同じ色。

桐生は、特にこっちを見るでなく、すぐに窓の方へ目を移した。

「綺麗な夕焼けだよねぇ…」

全く関係のない話だ。何故、そんなことを話したのだろう。
それは、事情を知らない紫貴や俊や葛にも分かったらしく、不思議そうに首を傾げている。
僕は、少しでも桐生を警戒しすぎていたのか…?ただ単に、みんなと話したかっただけかもしれない。僕のとんだ早とちりで、別のことと捉えてしまったのかもしれない。みんなが首を傾げてるのは、どう答えればいいか考えているからかもしれない。
そうだ。きっと、そうに違いない。
僕は僕を暗示し、きっとそうだと信じ込ませた。しかし、消せば消すほどその色はだんだん濃くなるばかりで、疑いや不安ばかりが膨らむだけであった。

「そろそろ…さ、現実逃避もそれまでにしなよ。沙雪くん。見苦しいよ?」

目の前に目を移すと、少し不満気そうな桐生。
一体何に怒ってるんだ…というか、何故わかったんだ。

みんなの視線は僕に注がれており、決してそれは心地の良いものではなかった。怪訝そうな顔で、探るように見てくるのである。それは、誰にだって不快だろう。

「まあ…腰掛けてよ。私の話…聞いてからにしてくれる?」
「…分かったよ」

僕は焦る気持ちを振り払うように、前髪をかきあげた。そして、意外にも汗をかいていた事に吃驚した。
僕は、悟られないように、平常心を保ちながらゆっくりと腰掛けた。
僕が腰かけた途端、ふー…と息を吐いた桐生は、周りを見渡してから、口を開いた。

「結構前から、沙雪くんには伝えていたんだ。…昔の事を」
「昔の事?…って、なんのことや?」

葛が不思議そうに相槌をうつ。
そりゃそうだよな。急に僕のご先祖様のお話なんて…知る由もない。
しかし、蔓はああ。と手を打った。

「もしかして、前に話した…沙雪くんのご先祖の事?」
「そう。そういう事」
「一体それがどうしたんだよ」

葛は少しあやふやながらも、なんとか思い出したみたいだ。俊もそれを知っていたみたいで、桐生に話を急かした。

でも、なんで知ってるんだ。もしかして…紫貴も?

「私も知ってる。ていうか、目が関係してるんでしょ?」
「そうそう。目が…ね。今日は、そのお話」
「へー、面白そう!」

予想が当たってしまったようだ。どうやら、紫貴も知っていたらしい。しかも、葛や俊よりも、もっと深く…。
桐生は、少し上機嫌なのか笑いながら…話を続けた。

「じゃあさ、目の関係性って知ってる?」

そうやってまた笑う桐生。何度見ても僕の心には恐怖というものか植え付けられた。


***

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