ダーク・ファンタジー小説

Chage the world
日時: 2018/02/16 09:05
名前: 和花。
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=5047

2017年の小説大会で銅賞を受賞しました。

〔この小説を読む前に〕
・本編・番外編共に、共通の思いを込めて小説を書いております。
その思いは、私が学校生活や世の中のニュースなどを見たりして感じた事です。
それがこの小説が完結したときに読者の皆様に伝わっているといいなぁ、と思います。
完結はきっとかなり先になると思います。
そのときにでも私の込めた思いが何だったのかコメントしてみてください。
否定はしません。ですのでよろしくお願いします。

・見直しをサボっているため、最初と今で地名や内容が異なる場合があります。
発見次第、直していく予定です。*ただいま修整中

これは、人と幻獣の絆の物語。


悪逆非道な帝国により離ればなれになってしまった少年少女たち。
だが、長い時がたち再会する。

そんな時だった。

あの帝国が再び動き出したのだった。

少年少女たちは旅立つ。
帝国を止める事を
これ以上悲しむ人を増やさない事を目的にしながら……

以上、あらすじです。

ーお知らせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リク依頼・相談掲示板にて『CTWいろいろ募集』を開始しました
連載が少し遅れ気味です。
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メインキャラクター

レオン・ハイレゾ
主人公。17歳。武器は剣。魔法の属性は無。乗り物に酔いやすい。
小動物に好かれやすい。髪色は黒い。姿は簡単にいうと、少女漫画で出てくるクールなイケメン。白いTシャツに黒いライダースジャケットを羽織り、チャックは前回。暗めの色のジーンズをはいている。料理好き。

ミント・グリーンティー
みんなのお姉さん的存在。17歳。武器は鞭。魔法の属性は風。
髪色は薄緑。ポニーテールでまとめている。デニムシャツワンピースの中に黒色のロゴが入った白いTシャツを着て、ミニスカぐらいの丈のデニムをはいている。

オリガ・ハイウィンド
頭にうさ耳に縛りをしたバンダナをつけている。16歳。武器は槍。
魔法の属性は氷。レオンに片想い。髪色は空色(水色)で肩までのショートカット。カーキ色のミリタリーシャツの下に白いレースのシャツ。それにショートデニムをはいている。(踝辺りまでのスパッツも)フーの世話役(一応このメンバーの中では飼い主となっている)

フレイ・ウォーリア
緑の国の現国王。フレイヤとは双子の兄。17歳。武器は己の拳。魔法の属性は火。
やる時はやる男。ボケる時はボケる。金髪で前髪を上にあげているためソフトリーゼント風。動きやすさを求めた服装で、ゆとりのある白いハーフパンツ(膝丈)に白いタンクトップ。その上に目に優しいくらいの紅色の半袖のジャケット(ロゴ付き)を着ている。

フレイヤ・ウォーリア
なぜか森の中で暮らしていた。フレイの双子の妹。17歳。武器は銃。魔法の属性は土。
兄に突っ込みを入れたり(蹴る、殴るなど)など止め役。金髪で長い髪を肩辺りでツインテールにしている。(おさげに入るのかな?)白いワンピースに腰辺りにベルトをしている。ベルトについているのは武器の銃。黒いスパッツをはいている。

シド・メロ
元帝国側。追放されて雪の国へ。19歳。一応医者。武器は双剣。魔法の属性は雷。
髪色は銀髪でストレート。服装は脛まである白衣着て、中には薄緑のシャツにネクタイをしている。ズボンは茶色。白衣を脱げば学生のような格好。飛空艇の基礎プログラムや部品にとても詳しい。

ジュリィ・ティーク
さすらいのギャンブラー(一応踊り子)。妹がいる。19歳。魔法の属性は水。
武器はタロットカード。髪色は茶色で長く、毛先は鋭い。服装は白い肩出しガウチョ風のシャツに赤茶色っぽい膝下まであるスカートのような物をはいている。(長い布を履く物にした感じのやつ)くるりと回るとスカートのような物が綺麗に舞い広がる。

こんな感じで頑張ります!
初投稿のため、少し物足りないと思います。

作者は中1の女子です。
よろしくお願いします
(お知らせ書く場所オカシイけど気にしないでください)

目次

一気に読みたい方>>1-

第1章 良くも悪くも再会 >>2-15 (途中コメントもあり)←ありがとうです!
1話>>2 2話>>3 3話>>6 3.5話>>7 4話>>8 4.5話>>9 5話>>15

第2章 皇帝の野望を知れ>>16-25
6話>>16 7話>>17 7.5話>>19 8話>>20 9話>>21 9.5話>>22 10話>>23 >>25

第3章 真実>>26-38
11話>>26 12話>>27 13話>>28 14話>>29 15話>>31 16話>>32 17話>>33 18話>>36
19話>>37 20話>>38

第4章 それぞれの思い>>39-
20.5話>>39 21話>>41 22話>>42 23話>>43 24話>>44-45 25話>>46 26話>>47 27話>>48
28話>>49 >>51 29話>>55 29.5話>>56 30話>>58 31話>>65 32話>>66-69 (とても長いです…)

もしかしたら、フィルタリング機能でこの小説が書けなくなるかもしれません。
ですが、かけるだで書きます。

コメントはバシバシしていいですよ! (してくれた方が嬉しいです…)
返信を必ずしますのでお気軽にどうぞ

☆この小説の歴史☆
2017.8.26 開始
8.28 番外編を別スレで開始(URLで行けます)
8.28 閲覧数100突破。
8.29 第2章開幕。
8.31 キャラ情報更新
9.11 閲覧数150突破。
9.24 第3章開幕。
9.25 閲覧数200突破。
10.16 閲覧数250突破。
11.1 リク依頼・相談掲示板にて『CTWいろいろ募集』を開始。
11.2 閲覧数が気がついたら300突破
11.3 もう閲覧数350突破。更新できなくていつもすみません…
11.7 閲覧数400突破。
11. 16閲覧数450突破。
12.7閲覧数550突破。
12.18閲覧数600突破。今更だけど第4章開幕(書き忘れてた)
12.27閲覧数650突破。
12.30閲覧数700突破。
12.31キャラクター投票開始
1. 1閲覧数750突破! 今年もよろしくお願いします
1.13閲覧数800突破!
1.22閲覧数900突破
2. 5閲覧数1000突破!! みなさまありがとうございます!
2. 6 2017年冬の小説大会にて銅賞を受賞

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Re: Chage the world  ( No.67 )
日時: 2018/02/14 11:28
名前: 和花。 ◆5RRtZawAKg

32話(2) 合流

「ん? 月のカード。幻想でも見てな」

向かった先にいたのは、ジュリィだった。
周りを囲んでいた兵士が次々と倒れていく。幻想に囚われたのだろう。

「ジュリィだ〜」
「お、フレイヤにミント。そっちは終わったのか?」
「うん。終わったよ」

バハムートや飛空挺がいる方を南とし、城の方を北とすると、私達がいるのは西側。
私とフレイヤは南西を、ジュリィは北西を担当し両方とも鎮圧したので西側の心配はもうない。

「気づいたんだけど、帝国兵達が援軍を呼ばない理由」
「なになに〜?」
「バハムートの時間稼ぎらしい。反乱軍の掟を利用したね。他にも…」

そこからジュリィはたくさんの事を話してくれた。
時間稼ぎ以外の理由。次にどこが狙われるか…
どれも全て、帝国兵が耳につけている通信機から入手したものらしい。

「つまり、次はレオンのいる北東に行けばいいってこと?」
「そうなる。さーて、行こうか」

城門前を通り、北東… 商店街の方へ行く。
私達のいた住宅街とは違い、メイン通りの幅は広く、直線に長い。無駄に周りを警戒しなくて済む。

「レオン、大丈夫か?」
「そっちこそな」

レオンは剣舞技の中で少し威力の強い、龍の名を冠する技で戦っていた。
まとまっている帝国兵に向けて、レオンの放った水龍が飛んでいく。

「思ったんだけどさ、その技って全部龍に任せてない?」
「攻撃するのは龍だが、操ったり生成したりするのは俺だ。大変なんだぞ」
「ふ〜ん、そうなんだ」

結局、自分は直接攻撃してないじゃない。
まぁ、それは置いといて。

「ここらへんは片付いた。そっちは大丈夫なんだよな」
「もちろんさ」
「じゃあ、次は南東…オリガの所だね」
「南東は飛空挺から降りてくる帝国兵が多い。オリガと同じく屋根で戦う事になるぞ」

あたりを見回す。屋根へ登れそうなのは… 花屋横にある宿屋の階段。

「あれしかなさそうだね」
「行こ〜」

オレンジ色の屋根へ登ると、国のほとんどが見えた。
そんなか、飛空挺から降りてくる帝国兵と戦っていたのはオリガとメイスを振り回す少年。
あの少年はきっと…

「赤髪にメイス… ノアかな!?」

何事にも積極的で明るく、いつもヘラヘラしていた赤髪の少年… ノア・マルティネス。
オリガと仲が良く、少しの間、孤児院で共に生活した仲間。
里親が見つかって別れて何年ぶりだろう。

「おぉ、レオンとか久しぶりだなぁ! こんな時に会えるだなんて、ついてないな」
「再会を喜んでる暇があったら、あの集団を止めたらどうだ?」

オリガとノアの目の前には、帝国兵の集団が迫ってきていた。
最後の時間稼ぎ… というよりは、こちらを潰そうとしているようだった。

「メンバーが増えたことだし、もうひと頑張り!」

オリガは槍を1回転して持ち直し、帝国兵の集団へ襲いかかった。
それに続くように私達も戦う。

フレイ達は今、何をしているだろうか。
「時間稼ぎをしろ」と言われてから何分経ったのだろう。
…また考え事をしてしまった。戦闘中に。



「これで… 最後ッ!」

息切れがする。私達は何十人の帝国兵と戦ったのだろう。
最後の1人を’’戦えない状態’’にした途端、今までの疲れが出てきた。
体への影響は疲れだけではなく、傷が痛み出すというものもあった。また服も汚れたり切れていたり、自分の武器も傷ついたり痛んだりしていた。

「疲れた〜」
「まだ、大物が、いるけどね…」
「いったん拠点へ戻ろう。疲れただろ?」

ノアの提案を受け入れることにした。

国から少し離れていた拠点は、反乱軍のアジト… 孤児院だった。
そこでは避難者、怪我人、反乱軍の者… いろんな人が協力し助け合っていた。

「なぁ、疑問に思ってたんだけどさ。なんで拠点を攻撃しちゃダメなんだ?」

ノアが聞いてくる。その様な事もわからずに戦っていたのか…

「世界が4つに別れた時、結ばれた協定があるでしょ」
「確か、’’4大陸協定’’だったよね?」

会話にオリガも入ってきた。

「アタリだよ、オリガ」
「世界のジョウシキってやつでしょ、わかんないだなんてねぇ」

ノアがボソッと「マジか…」と呟いたのは、確かに聞こえた。
さて、話を戻そう。

「その’’4大陸協定’’では、戦いの事についてもあるの。それで、『相手の拠点への攻撃及び侵入を禁ずる』というのがあるから… わかったよね?」

確認も含めてノアに言う。
しかし、ノアは壁に寄りかかって寝ていた。

「あはは、寝てるね」
「相変わらずみたいだね」

笑うしかない。

「ノアー! 仕事!」
「は、はい!?」

ジェシィに呼ばれると、ノアはビクッとして起き走って行った。
過去に何かあったのだろうか。こんなに年下に弱いノアは初めてだった。

向こうでは、ジェシィが何かを訴えている。ここでノアとはお別れだろう。

まるでノアと入れ替わるかの様にジュリィがやってきた。

「妹さんに合わなくていいの?」
「大丈夫さ。アイツは私がいなくとも」

そんな時、レオンとフレイヤもやってきた。

「どうした?」
「お兄ちゃん達の準備が終わったって。機械みたいな竜の石像まで来てだって」
「了解だよ」

何をする気だかはわからない。
でも、バハムートをどうにかできる様な気がした。

拠点を後にする。
目指すは、小さい頃よく遊んだ場所の1つ。中央広場へ。

Re: Chage the world  ( No.68 )
日時: 2018/02/15 12:17
名前: 和花。 ◆5RRtZawAKg

32話(3)幻獣と共に

「総員撤退せよ!」

帝国軍がバハムートだけを置いて撤退していく。

日の昇る方がだんだんと明るくなっていく。
もう少しで夜が明ける。きっとこの戦いも終わるだろう。

「お〜い、早く来いよ〜」

道の先にある少し広い所… 中央広場でフレイとシドは待っていた。
2人の後ろにあるのは機械みたいな竜の石像。
何か、関係あるのだろうか。

「何をする気だ?」
「『この地に伝わりし秘宝』… 国宝を使って、幻獣アポロンを召喚する。たぶん、バハムートに対抗できる」

聞いたことの無い幻獣だった。
とりあえず、ここはフレイに任せてみよう。

「国宝っと。これをこう… なんだ!?」

真横にバハムートの衝撃波が降ってきた。
上空を飛びながら衝撃波を次々と放ってくる。石像を狙っているみたいだ。

「シド、防壁魔法を頼む。レオンとかはバハムートの狙いをこちらから離してくれ!」
「わかった」

シドが防壁魔法を詠唱したのを確認し、バハムートへの攻撃を開始した。
自分の武器や魔法で攻撃する。しかし、バハムートの見えないバリアによってダメージが与えられない。
他に方法が無いのか… そう思った時だった。

「我らを使うのだ…」

どこからか声が聞こえた。

「誰…?」

ポケットの中が光る。いや、ポケットの中に入っていたお守りの中の石が光る。
小さい頃、ひいおじいちゃんから貰ったお守り。『時が来れば、効果が現われる』と言われたようなきがする。
ポケットから取り出し、石に魔力を込める。まるで魔石を使う時のように。

「誰だかわからないけど、お願い!」

石を空へ投げる。目がやられるほどの輝きを一瞬放つと、無属性特有の薄い灰色に輝く魔石となった。
そして現れたのは…

「幻獣王… オーディン!?」
「使ってくれてありがとう。お主達と共に我らも戦おうではないか」

オーディンが言い放つと、皆の持っていた魔石が輝き、召喚獣として姿が現れる。
イフリートにフェニックス、コールドとフェンリル、バイウ・カハの三姉妹。
今、私達が仲間にしている幻獣がここに集った。

「王様!? まだ仲間にされてなかったんじゃないの!?」
「う〜ん… コールド、私じゃ答えられない」

「おう、久しぶりだな焼き鳥!」
「その呼び方やめてって言ったよね?」

「姉さん、フェンリルだよ!」
「グルぅぅぅ」

皆、再会を喜んでいる。何のために呼ばれたかを知らないで。

「大丈夫なんですか? 皆、こんな感じで」
「皆、共に揃い人間と戦うのが久しぶりなものでな… ちょっと待っておれ」

甲冑に包まれ、八本足の馬スレイプニルに乗った王は槍を掲げると

「皆の者、我が仲間バハムートを止めよ!」

と叫びバハムートへ攻撃し始めた。
戦い方は様々。だがそれぞれの思い、考え… は皆同じように感じた。

「万物を貫け、グングニル!」

オーディンの放った槍がバハムートのバリアを破壊する。
やっと、ダメージが与えられるようになったのだ。

「皆の者、今こそ攻めるのだ!」

自身の中で最大のパワーを使い、技を放つ。
バハムートには聞いているようだが、まだ倒れない。それに対して召喚獣達はパワーを使い果たし、魔石へと戻っていく。

最後に残ったのはオーディンだった。

「我が最後の力を使って、あの者を呼び出す手助けをしよう…」

手を石像へ向けるとオーディンは何かを放ち、魔石へ戻ってしまった。
だが、石像に変化が起きた。

他の幻獣と比べ物にならないくらいの大きな光る魔法陣が石像の上空にできる。
現れたのは…

Re: Chage the world  ( No.69 )
日時: 2018/02/15 23:02
名前: 和花。 ◆5RRtZawAKg

32話、長いですね(自分で言うんかい)
書いてる途中にエラーが起きたり、重くなったり、時間がかかったり(32話(2)は1時間掛かってます)… などと様々な事が起きる可能性があるため、このように分割して連載させていただきます。
前置きが長くなってしまいましたね。それでは32話(4)どうぞ。

32話(4)死闘

「わたしを呼んだのはあなた達ですか?」

巨大な魔法陣から現れたのは、機械仕掛けの10メートルほどの竜…アポロン。
他の幻獣と雰囲気が全く違う。

「そうだぜ、アポロン。すべて見ていたんじゃないのか?」

女性のような優しい声でアポロンは続ける。

「主の持つわたしの魔石からその場の音、雰囲気は感じ取れていました。また、景色も僅かですが見えました。ですが、わたしが存在するのは多次元宇宙。王様に呼ばれるまでは意識を集中してこちらの世界を見ていなかったため、わからない事もあります」
「そ、そうか…」

フレイは頭の後ろをぽりぽりと書く。困っているようだ。

「貴様は機竜か… 何百年ぶりだ…」
「竜王バハムート…」

バハムートがアポロンに話しかける。帝国に操られているせいか、気が荒いように感じる。

「竜王… なぜあなたは’’扉’’を開けようとする者の側につき、この地を滅ぼそうとするのですか」
「貴様は忘れたのか。この地に住まう者はかつて世界が1つだった頃、我ら竜族を滅ぼそうとした事を」
「忘れてはいません。いや、忘れてはいけません。ですがそれは過去の話。囚われていては、前には進めません。」
「それだけか」
「否、他にもあります。わたしは昔、与えられた使命を果たそうとしているのです」
「ほう… そうか。ならば我も与えられた使命を果たそうではないかッ!」

バハムートがアポロンに襲いかかる。

「主、わたしはこの土地と生ある者達を守ります。ですが相手は竜王。わたしの援護をお願いできますか」
「了解だぜ! おっし、ひと暴れするぞ」

私達は再び屋根に上り攻撃し始める。
バハムートの攻撃対象がアポロンとなっているせいか、先程のように受けるダメージは少ない。
体の傷が痛むが、攻撃はやめない。だって、未来がかかっているのだから。

「消えろ」

アポロンが鋼鉄の爪をバハムートに振り下ろす。

「グハッ…」

バハムートにとって大きなダメージとなっただろう。
しかし、衝撃波、ブレスの威力が弱まることはなかった。



「ヤバい… 魔力もカラッポになってきた…」
「大丈夫? ミント。 コレ使って」

フレイヤから渡されたのは使って失われた魔力を回復する薬… 魔力回復薬だった。
この戦いで魔力がそこをつくたびに使っていたせいか、わたしの分はもう無くなっていた。
フレイヤのメインの攻撃は銃撃だが、時に魔弾と呼ばれる少し強い魔力を込めた攻撃もある。
仲間の中で唯一の遠距離攻撃ができ、動き回るバハムートに確実にダメージが与えられるのにいいのだろうか。

「いいの?」
「魔弾がもう無くなっちゃってさ〜 回復魔法ぐらいでしか魔力使わないし、ミントの方が魔力強いし… まぁ、私は通常弾、散弾、火炎弾とかいろいろあるから大丈夫。使って」
「ありがとう」
「えへへ、頑張ろうね」

フレイヤは銃のリロードを済ませると、すぐに私を離れた。
私は渡された魔力回復薬を使い、自分の傷を癒し再び鞭を振るった。



「まだ、負けるわけにはいかねぇ…」
「ジュリィ… 大丈夫かい…?」
「シド… あんたもな」

皆、体力・魔力・精神力が限界に達していた。
長きにわたる帝国軍との戦い。残るはバハムートだけだが、相手は竜王。だいぶ動きは鈍くなってきたが、まだ魔石には戻らない。
アポロンも鋼鉄の翼には傷が付いていた。胸のあたりにあるコアらしき者にもヒビが入り始めていた。
このままでは負けてしまう。何か方法は無いものか…
そんな中、幼い頃に聞いたおとぎ話を思い出した。
世界が1つだった頃に起きた’’終末戦争’’を終わらせた少女の話。
確か、その少女が使ったのは…

「アポロンよ、その程度の力では、我を倒すことはできん!」

アポロンの悲痛な叫びが響き渡る。コアが破壊されてしまったのだ。

「主… 申し訳ありません。わたしは… どうやらここまでのようです… この世界に、召喚していただいたのにも、かかわらず… 敵を… バハムートを、倒せなくて…」
「アポロン… ありがとな。あとは… オレ達にまか、せろ…」
「少し… 休ませて… いただきます」

アポロンは光となって消え、魔石に戻った。
やはり、あの禁術と呼ばれる魔法を使うしか無い。この戦い、未来、思い出のためにも。
命が消えても、体が滅びたっていい。それでも、みんなの中にある記憶には私は生き続けるから。

「ジュリィ… バハムートの動き、封じられる…?」
「今残ってる、魔力、全部使えばギリギリ、いけそうだ…」
「ありがと… お願いね… レオン、オリガ、ジュリィの魔法… 効果が出るまで、バハムートを、固定できる?」
「任せろ…」
「りょーかいだよ…」
「シド、フレイ、フレイヤは… 一瞬、でもいいから… バハムートの動きを、止められる…?」
「OKだよ…」
「任せろって…
「ミント… わかった…」
「みんな、ありがと… 動きを、止めて… 固定して、封じる。そしたら… 私が、デカイのやる、から」

皆、動くだけでも一苦労なのにありがとう。責任重大だな… 私。
頷いてくれたと同時に作戦が開始する。それに合わせて私も詠唱し始める。
おとぎ話では世界を滅ぼしたけれど、あれは唱えた少女の魔力が莫大な物だったから。今ここで私がやったら、この国ぐらいの範囲で滅びるまでには至らないだろう。

「神の見張る…試練与えし… この世界に… 刻は来たれり…」

その言葉にオリガが振り向く。
さすが重宝部員… いや、昔話好き。この魔法がどんなものか知っているのだろう。
いつものオリガだったらきっと私の事を止めるだろう。でも、今回は止めてくれない。
私の覚悟が伝わったのだろう。振り向いた時、涙目だったもの。

フレイヤの撃った弾のおかげで一瞬、バハムートの動きが止まった。
その瞬間を逃さず、オリガとレオンが自身の得意とする技でその場に固定する。

「多次元より… 飛来せし… 流星… 」

「ジュリィ、今だ!」
「わかってる」

ジュリィの魔法が効く。幻獣には効かないと言われていた拘束魔法が。

「今こそ… 降り注げ! 流星雨(メテオレイン)!」

上空に掲げていた手を勢いよくバハムートへ振り下ろす。
それに対応するかのように、空から隕石が雨のように降ってくる。
隕石が無差別にあたりを破壊する。

ごめん… フレイ。国の修復費、増やしちゃった…
でも、これで未来が助かるんだからいいでしょ?

1つ大きな隕石がバハムートに当たる。
魔法が解けた瞬間に隕石が当たったため、地面へと押しつぶされた。
アポロンと同じように光となって魔石に戻り、その場に落ちた。

「ミントーーーーッ!」

一番にそばにやってきたのはフレイヤだった。
その場にしゃがんでしまった私を、支えながら少し立たせてくれた。

あぁ、もう立つ力も残ってないんだ。

ゆっくりだけど、皆そばに来てくれた。
オリガは槍を支えに、シドは双剣を背当てにしてその場に居座る。
そんな時だった。私から出た光が空へ昇って行くのが見えたのは。

もう、時間も無いんだ… 最期くらい、わががま聞いてくれたっていいじゃない。

「ミント… お前…」
「レオン、気づいちゃった? 私、もう空に消えちゃうみたい。」
「嫌だよぉ… ミント…」

フレイヤの事を泣かせちゃった。相変わらず、泣き虫だね。

「みんな泣かないでよ… こっちまで… こっちまで悲しくなっちゃうじゃん」

フレイ、後ろ向きで立って泣いてるの隠してるんだろうけど、バレバレだよ。ほら、男でしょ?

「別れは新たな出会いの始まり… そう言ってくれたのは、ミントだったよね…」

オリガ、覚えててくれたんだ。ノアが孤児院を離れる時に言った言葉。これから言うことも、覚えててほしいな。

「そうだよ。出会いがある分、別れがあるのと一緒。別れがある分、出会いだってあるんだよ。その度に、出会った人との記憶ができる。私は記憶の中で生き続けるから、これは永遠の別れじゃない。その記憶こそが、
私の’’生きた証’’。」

女王様が残したように、私も’’生きた証’’が残せたよ。もう少しでそっちに行くね。

「ミント… 僕、医者なのに… 助けられなくてごめん…」
「いいの。これは私の選んだ事だから…ね。シドは何にも悪くない」

これは自分の選んだ事。そう言い聞かせて涙をこらえる。
実際、記憶の中で生き続けるって言ったけど、実際に見て、触れて、話して、感じられるのはコレが最期。
別れの時は笑顔の方がいい。ジン君、そう言ってくれたよね。
だから、言い聞かせてこらえるよ。

「まだ、勝負は終わってないからな…」
「ジュリィったら、もう。小さい頃の話でしょ。…私も言わせてもらうよ。まだ、負けてないから」

いつまで続けるのかな、この勝負。
諦めたら負けって勝負。結局、最期までわからなかったよ…

「今まで… ありがとな」
「…レオンっぽくない。いつものクールさはどこ行ったの? まぁ、いいや。言うなら、自分の気持ちに嘘はつかないでねって事かな」

手や足の感覚が消えてきた。それに、体も透けてきちゃった。
本当の、本当に終わりなんだ… ここ数年、楽しかったな…
もう、お別れしなきゃ。約束しなきゃ。

「…もう、お別れみたい。1つだけ約束。…またどこかで会おうよ。記憶じゃないどこかで。だから忘れないで。閉ざさないで。私と共に過ごした日々を。そして…」

『ありがとう。またね』

Re: Chage the world  ( No.70 )
日時: 2018/02/16 09:20
名前: 和花。 ◆5RRtZawAKg


みんなが離れていく…
いや、私がみんなから離れていってるんだ。


最期の、最期まで、涙はこらえたけど…
前向きにみんなを励まそうとしたけど…
やっぱり、別れは辛いなぁ。


あぁ、もう泣かないでよ… フレイヤ…
そんなに泣いたら、みんなを困らせちゃうよ。
…少なくとも私は困る。私だって、泣きたいよ。思いっきり泣きたいよ。
でも、私が泣いたら… 雨になっちゃうよね。
せっかく、朝焼けが綺麗なんだもん。私は我慢する。


この世界ともお別れ。
目を閉じて、寝ちゃえ。
次、目がさめる時はいつだろう…

Re: Chage the world  ( No.71 )
日時: 2018/02/16 10:14
名前: 和花。 ◆5RRtZawAKg

33話 勝利

目の前で、ミントは消えた。
バイウ・カハの死の予言は、今、戦いの終わりを告げると同時に的中した。

自分の気持ちに嘘はつくな… なんの事を言っていたんだ?

俺の胸には、仲間を失った事による喪失感と疑問が入り混じったような気持ちだけが残っていた。
この気持ち… 前にも感じた事がある。あぁ、あの時か。

「フレイヤ… もう泣かないの!」
「う… うん。 私、泣かない!」

切り替えは早いな。まぁ、それがいいところなのだが。

「さて、宣言しなきゃな」

フレイはポケットの中に入っていたスマホを取り出し通話状態にした。
相手は、拠点にいるジェシィ。

「もしもし、みんなそっちにいるか?」
「集めたほうがいい?」
「お願い。みんなが聞きたい事、話すからな」

スマホからガサゴソと音が聞こえる。

「集まったか? んじゃ、宣言するぜ」

フレイは周りを確認すると、深呼吸をして言った。

「帝国軍撤退及びバハムートの撃退に成功。よって、我が緑の国、反乱軍の勝利だッ!」

スマホから歓声が聞こえる。
あの帝国に勝ったのだ。7年前とは違う結末を迎えられたのだ。

「やべ、足攣った…」
「お兄ちゃんったら、かっこつけるから…」
「いったん、ユピテル号に戻ろう。そして拠点に戻ろう。話はそこから」

ジュリィはポケットからテレポ石を取り出す。
監獄からの脱出やその他諸々、この人は何個その石を持ち、使ったのだろうか。

「どこに飛ばされるかわかんないけど、戻るよ!」

見えてきた景色はユピテル号のコックピットだった。

「さて、飛ばすよ」

拠点の近くに飛空艇を着陸させる。
俺達を待っていたのは、ジェシィとヒメカだった。

「姉さん達、お帰り!」
「みなさん、お疲れ様です」

それから、今まであった事全てを話した。
ミントの事も、国の様子の事も。

「いろいろ… あったんだね」
「まぁな」
「とりあえず、どちらの国もいろんな意味での致命傷を負ったでしょ。だから、少し休んだら?」
「そう… だな。休ませてもらう」
「…でも、手伝いとかあるからね」

ジェシィの最後の言葉だけは聞かなかったふりをしよう。

皆それぞれ、自分の仕事を、手伝いをしていた。
フレイはレヴェリーへの報告書作り。シドとフレイヤは怪我人の治療。
ジュリィとオリガは修復作業の手伝いや、物資の確認。なぜその2人に任せたのだろうか…
フーは、避難してきた他のフーと戯れている。ん? あれは… フー吉!?
フー吉がいるという事は、リベロもいるという事か。
昼飯作りを手伝わせられそうな予感がする。

時計が昼になった事を伝える。

「レオン、いるなら手伝え」
「了解… だ」

予想どおりリベロに呼ばれた。今日の昼飯は… カレーか。
ご飯は炊けている。あとはルーだけという事か。

食材を切り刻み、焼き、煮る。久しぶりの作業だが、体は覚えていた。
ご飯にルーをかけ、カウンターに置く。そして、戻ってきた皿を洗う。

そんな事をして過ごし、あっという間に1週間が過ぎた。
1週間の内には、追悼式、復興作業などいろんな事があった。
他国の支援などもあり、国や周りの村や町ではだいたい住めるようになった。
だんだんと拠点に住む人は少なくなり、前と同じようになった。

「ふぅ、やっと完成した! ありがとな、ヒメカ」
「いえいえ。こういう文章は得意ですので」

フレイの報告書も完成したため、今日中にはレヴェリーへ旅立てそうだ。

「さて、レヴェリーへ行こうぜ!」
「ちょっと待って〜 オリガがまだ帰ってきてないよ」

小さい子達と遊ぶフレイヤが言った。
数十分前、オリガは森の中の昔よく遊んだ場所に作ったミントの墓標へ向かった。
だが、帰ってきていない。
あまり遠くなく、出てくるモンスターも攻撃しなければ襲ってこない。
なのになぜ帰ってきていないのだろうか…

もしかして、刻印の効果が出てきたのか…?

腹に刻まれたまがまがしい紅い刻印。魔封剣で封じ込めたが、消えてはいなかったはずだ。
その刻印を知っているのは俺だけ。確認するしかないな…

「俺が行ってくる。ちょっと用もあるからな」
「早めに帰ってこいよ〜」

拠点… アジトを後にする。
お願いだ。無事でいてくれ…

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