ダーク・ファンタジー小説
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- Onyx
- 日時: 2018/01/05 16:35
- 名前: 花園霊暗 (ID: S6EvXzAb)
お久しぶりです。花園霊暗(はなぞのれいあ)と申します。
久々にめっちゃ暗いお話書きます。
あと、スランプと多忙故の亀更新です。ごめんなさい。
≪主な人物≫
草部 杏南(くさかべ あんな)
マイペースで自我が強い(周りに流されない)良い意味でも悪い意味でも感情が表に出ない。
根性強く努力家。同じグループの綾那と陽介とは仲が良いが、賢次とは馬が合わず仲良くできない。
ある日突然屋上から謎の転落死をしてしまう。高校3年生。合唱部。
西嶋 賢次(にしじま けんじ)
感情豊かでユーモアのある性格。歌う事が好きで部活に一生懸命。
なかなか癖が強く、杏南とまではいかないが、友達は少なめ。
杏南とは同じグループだが目を見ても何を考えているのか分からなくて、何をしてても考えていることが全く分からないため嫌い。
杏南と最後に会話をした人物であり、杏南の死の真相を知っていたり…?高校3年生。合唱部。
宮園 綾那(みやその あやな)
杏南の幼馴染であり、杏南の良き理解者。
空気を読むのがうまく、皆を盛り上げてくれるムードメーカー。
そのため、周りの変化にも敏感。
杏南と賢次のギスギスをその場で解消してくれるのも彼女。
杏南の死を気づけなかった自分の責任だと悔やんでいる。高校3年生。合唱部。
八木 陽介(やぎ ようすけ)
綾那と3年間同じクラス、同じ部活そして賢次の親友。
穏やかかつ単純。普通に優しい。
少し天然なところもあるが、それはそれで愛される。
仲の良かった杏南が転落死するところを見てしまい、かなりトラウマになってしまっている。
賢次と杏南にはお互い仲良くしてほしいと考えている。高校3年生。合唱部。
- Re: Onyx ( No.1 )
- 日時: 2018/01/05 17:11
- 名前: 花園霊暗 (ID: S6EvXzAb)
プロローグ『杏南の最後の言葉』
高校3年生の10月20日。午後2時前。
まだまだ暑さがしつこく残っている季節の、かんかん照りの太陽は俺ら二人の体温を上昇させるにはもってこいだ。
今日は図書館でいつもの四人でお勉強会をしていた。
大学受験も近く、仲良し四人組での勉強はなかなかはかどった。
昼食を摂ろうと手軽に食べられる店を探していたんだよな…
じゃあ何故俺は大嫌いな奴の手を握っている?
しかもここは図書館の入ってるビルの屋上。
そこで俺の大嫌いな奴…杏南は屋上から身をのりだし、俺の手を命綱にぶら下がっている。
暑い中、杏南の命が懸かっている互いの手はどんどん汗ばむばかりだ。
野次馬も出てきたであろう状況だが、俺は杏南の手を離さないように必死で、杏南以外はなにも見えず、なにも聞こえない。
この馬鹿…一体何考えてんだよ?
俺をじっと見つめる黒い目を見つめ返す。
杏南の目は相変わらず黒く塗りつぶされているようで、目を見ても鏡のように俺の尋ねたことをそのまま返されるようだ。
俺はそんな杏南の目が一番苦手だった。
命が懸かっている中ですら、こいつの考えてることは完全に理解不能だ。
お前は助けを求めているのか?それともこのまま離してほしいのか?
ふと、杏南が笑った。
いつもの感情が篭っていない笑みだ。
賢次、と久しぶりに名前を呼ばれる。
「」
杏南がそう言った瞬間、俺は思わず手を少し緩めてしまった。
力の限界もあってか、間もなく杏南が俺の視界から消える。
極度の緊張から解放され、意識が遠退いて行く。
あいつは、最期まで全く分からない奴だったな。
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