ダーク・ファンタジー小説

スキルワールド
日時: 2019/02/24 17:59
名前: マシュ&マロ
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=1029

 どうも、マシュ&マロです

 この小説は『スキル』と呼ばれる能力を持つ者が存在する世界を題材にしたファンタジー作品です。
{自分の文才はかなり低いですが、諦めずに書こうと思っています}



※注意書き※

・オリキャラの募集はリクエスト掲示板でやっています。

・小説への意見や指摘は、リクエスト掲示板にあるスレットへお願いします

・作者は投稿が遅かったりしますので、ご了承下さい

・スキルワールドの説明などはリクエスト掲示板にありますので興味のある方はお読み下さい


それでは小説スタートッ!!



 第一幕『黒奈友間という少年』
 >>64


 第二幕『一人の裏切り者』
 (前半)>>102

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Re: スキルワールド ( No.109 )
日時: 2019/03/28 00:07
名前: マシュ&マロ



 「・・・・・・や、やぁエン」


 (「いや〜久しぶりですね!、友間様っ!」)


 今の友間は自身の精神世界に呼ばれて来ていた、そして友間をここへ呼んだのは何を隠そういつも通り全身が燃えているエン本人なのだ。


 (「鉄の性質に力負けしてしまい謎の空間に閉じ込められた挙げ句、友間様のピンチに駆けつけられなかった私が憎いです」)


 「そ、それは置いといてエンが元気そうで何よりだよ」


 友間は話を変えるために自ら話を振ってみた、するとエンの炎に覆われた顔が照れたのかと受け取るべきか少し火力が増した様な気がした。


 (「で・す・が・・・・・・また無茶なさっちゃってるじゃないですか!、何で自ら火に飛び込むような危険を犯そうとするんですかっ!?」)


 「いやいや!、今回のはお姉ちゃんが強制的にしでかした事だよ!」


 (「むー・・・・私は友間様の安全を守るのが最優先なんですよ....、もしもの事なんて考えたくないんですからね!」)


 「分かったよ、出来る限りで安静に過ごす事にするよ」


 (「今の言葉にちょっとだけ不安を抱きましたが、どう願っても危険に巻き込まれてしまうと思うので私と一つだけ約束を交わしてくれませんか?」)


 「うん、分かった。エンとの約束なら絶対守るよ!」


 (「・・・・・・絶対という事をどんなに願ってもこの世に“絶対”がないのは分かっています。ですが絶対に生きて生きて髪の毛が白髪になってしまっても長生きして下さいね!」)


 「......ありがとエン、約束は絶対に守るから」


 (「ふふふ、貴方という人は初めてお会いした時と変わらず真っ直ぐなお方ですね」)


 そう言って笑っているエンをじっと見ていた友間、すると徐々に視界が霞んでいき時間が迫っている事に気付くと慌てながらエンにこう言おうとした。


 「エン!、いつもエンに頼りっ切りで心配させたりもしてきたけど本当にあり・・・・・・」


 友間は自身の体から噴き出した炎によって一瞬で燃え上がりエンの目の前で塵と化してしまった、最後の最後で言いたい事は言えないままになってしまった。


 (「・・・・・・大丈夫です、言いたい事は分かっています。だって私はアナタ様のスキルの一部なんですから」)


 そう呟いたエンの顔は何処かいつもより赤く燃えている様に見受けられた。

Re: スキルワールド ( No.110 )
日時: 2019/03/29 18:54
名前: マシュ&マロ



ーーぎゅ....ッ!


 「・・・・・・・・痛ててててっ!?」


 今まで眠っていた友間、すると姉に頬を引っ張られながら目を覚ました。


 「よっ!、友間」


 「んも〜・・・・、その起こし方は止めてくれないかな?」


 「いや〜、昔からの癖でして」


 「はぁー.....まぁでも、お姉ちゃんに頼んで治った事なんて指が5つあっても余るぐらいだしね」


 自身の頭を掻きながら体を起こした友間、だが直後に体から力が抜けてしまい倒れそうになったが誰かの腕が友間の体を支えてくれた。


 「ありがとシロ、・・・・・それと何か怒ってるの?」


 「いいえ......、怒ってません」


 明らかに怒っている様子のシロ、多分その理由は友間自身も薄々気づいたかもしれない。


 「もしかして無茶した事に怒ってる?」


 「“はい”、それとも“そうです”のどちらが良いでしょうか?」


 「じゃあ“勿論”という事で。それとすみませんでした....」


 「・・・・・・・・でも...、友間さんが御無事なだけでも大目に見ることにしましょうかね」


 少し肩を落としてみせたシロだったが、どうやら自分の中で折り合いをつけたようだった。

 それと友間は寝たきりの状態で自身の体を見下ろしてみると包帯やら湿布といった代物が体を隠してしまわないかと思うぐらいに敷き詰められていた。


 「あ、あの......お姉ちゃん?、これってどういう事?」


 「えーと、その〜...加減を間違えちゃった♪」


 「いやソレは間違えたでは済まないでしょ!?」


 「いや〜、私も私で色々とあったりしてさ〜」


 そうこうしていると友間は真横で禍々とした殺意を感じると振り向く間もなく殺意の張本人であるシロが美香に対して口を開いた。


 「自らの手で弟を半殺しにするのが姉のすべき役割なのか?、それなら私はお前を全力をもって殺すッ!」


 「だーかーら、さっきから謝ってるし説明もしてるわよね? 少し黙らせて挙げましょうかシロちゃん?」


 一触即発という言葉でも足りない程に火花を散らせているシロと美香、だがその二人の重圧に耐えれなくなった友間は無謀にも二人の間に割って入った。


 「ちょっとストップ! ストーーーップ!、ストラングでの武力行使は禁止なんだよ!」


 「「・・・・・・・分かった」」


 そう双方が同時に言って顔を反らすと辺りの空気が軽くなったような気がして友間自身、心の中で深々とした長い溜め息を漏らしたのであった。


 「ところで此処って何処なのお姉ちゃん?」


 「えーと....あっ、そうそう此処はストラング内の救護室ってとこ」


 「怪我の具合は?」


 「全治9ヵ月ってとこかな?」


 「・・・・・・・それじゃあ、土神に会いに行くのはいつ頃?」


 「今日でちょうど一週間後だけど?」


 「ちょっ...!!、圧倒的に時間が足りないでしょ!?」


 「大丈夫だって友間、お姉ちゃんに抜かりはないから」


 辺りによく響くような音を立てて指を鳴らした美香、すると先程まであった体の悲鳴が一瞬にして無くなり体の調子が元に戻っていた。


 「ほれ、姉が折角やってあげたんだから喜びないさいよ」


 友間の目の前でピースサインを掲げている美香、少しそれに呆れつつも自分の姉に対してお礼を述べると動くようになった体で寝ていたベッドから起き上がった。


 「それでお姉ちゃん、これからどうするの?」


 「美香、友間さんに何かあったら姉と言えども本気で殺しにかかるぞ」


 「私がいるから大丈夫よ、・・・・・・それに友間に“何か”あるなんて私自身が許さないから」


 先程まで火花を散らしていた二人だったが最終的に意見が合致したようでそれ以上はどちらも何かを言うような様子はなかった。


 「それじゃあ本題に入るわよ友間、まずは課題だけど.....」


 「うん、何?」


 「やっぱり攻撃面と体力面に欠けてるところかしらね? まぁそこら辺にいる雑魚が相手なら大体は勝てるとは思うけど、友間が今から行くのは最悪なんて言葉が似合いすぎる程の奴らがいる監獄だからね。言わば『悪の巣窟』よ」


 「分かった!、なら早速トレーニングをお願い!」


 「鍛えるのは私じゃないわよ? だって手加減とか面倒だし、“まだ”人間レベルな奴を用意してあるわ」


 「へっ? あっ、うん分かった」


 まだ、という言葉に少しだけ違和感を感じてしまったが気にしたら負けだと友間は自分に言い聞かせたのであった。

Re: スキルワールド ( No.111 )
日時: 2019/04/01 23:43
名前: マシュ&マロ



 「こ....、此処で良いんだろうか?」


 友間は今、姉である美香に手渡されていたメモを頼りに“ある人物”の部屋の前に来ていた。


 「お姉ちゃんの推薦した人だから少し心配だなぁ.....」


 ーーピーンポーン、.....ガチャッ!


 「んっ....あぁ、美香の弟とやらか。美香の弟だけあって鍛えがいがありそうだ」


 「えーと。これからお世話になりますね」


 出てきたのは青いセーターに茶髪でロングヘアの女性だった、挨拶がてら握手を求めてきたので友間も手を伸ばしてそれに応じたのだが腕が痺れる程の握力で握り返されてしまい思わず小さな呻き声を挙げてしまった。


 「おっと悪い、仕事柄が体を張ったものばかりでな。人に対しての力加減が苦手なんだ」


 「いえいえ、力量を肌で感じられて感激ですよ」


 痛みで涙袋に少量の涙が溜まってきた友間だが、それを無理矢理に作った笑顔で吹き飛ばすと不意に女性の下の方へと目がいき思わず驚いてしまった。


 「うわっ!、刀ッ!?」


 「むっ?、この刀の事か。私の一部みたいなものだから気にしないでいてくれ。それと名はなんて言うんだ?」


 「えっ?、あっ! 黒奈 友間って言います!」


 「そうか、私は沖田 一(おきた はじめ)と言う。ストラングで幹部兼指導係をしている者だ」


 「ところで、沖田さんの部屋ってどんな雰囲気なのか少し見てみたいのですが・・・・・・」


 沖田の背後に見える部屋を少し覗いてみようとした友間だったが、弾かれたかのように沖田がドアを閉めてしまったために部屋の中は見ることが出来なかった。

 すると沖田は焦り気味に友間の肩を掴むと口早にこんな事を発した。


 「え、えーと....つまりだな!、私の部屋を見てしまうとこの先の人生が大変な事になるぞ!」


 「えっ!、人生が大変な事にッ!?」


 「そう.....大変な事になるのだ、私が!」


 「へっ?、沖田さんが?」


 「あっ、えーと...今のは忘れてくれ!」


 「中に何があるんですか?」


 「ほら行くぞ友間!、訓練はもう始まっているのだからな!」


 「あっ!、ちょっと待って下さい沖田さん!?」


 話を断ち切って何処かへと向かって足早に突き進んでいく沖田だったが、後ろから追いかける友間からも確認できるぐらいに耳が真っ赤になっていたのであった。












 「着いたぞ、此処だ! それとメニューの方は手短に強くするよう美香から頼まれている、だから妹の手伝いを借りつつお前に実戦訓練をさせる予定だ」


 「はい、分かりました! ではお願いします!」


 「まずは私の妹との挨拶が済んでからにしよう。おい!、ルカッ!!」


 「もぉーうるさいな〜、私って盲目なんだから耳が生活において大事なんだよ!」


 「お前の場合はスキルで平気だろ?」


 「酷いなぁー、本当に私の姉なのか確かめたくなっちゃうじゃん」


 「もういい、コイツは私の妹の『ルカ』だ。目は見えないがストラング内にある研究室でそこそこの実績を挙げているらしい」


 ルカと呼ばれた人物は沖田とは似ても似つかず桃色の髪はショートヘアで服装は膝までの長さがあるパーカーとパンパンに何かが詰まったリュックを背負っていて研究職をやっている人間には見えない。


 「んっ?、君が噂に聞く友間くんかぁー。うんうん、顔立ちは美香と似ているんだね」


 近寄って早々に友間の顔をあちらこちらと触りまくるルカ、その様子に友間は混乱しつつも沖田に助けを求める目線を送った。


 「はぁー、ルカは初対面の相手には誰とでもそうなんだ。少し悪いのだが付き合ってやってくれ」


 「うんうん、ストラングに入って間もないのに普通の子より体の造りが頑丈で引き締まってるわね」


 「それはルカ、こいつは美香の弟だからな。アイツと同じで普通じゃないのは分かりきっている事だろ?」


 「それもあると思うけど、この子を実験体....いえ!、ストラングの科学力で磨き上げたら凄い事になりそう」


 「おい、こいつはお前の被験体じゃないんだ。下手なまねをすると美香に何て言われるか分からんからな」


 「あら、そうだったわね。お姉ちゃんよく美香に悪戯されてるもんね」


 「う、うるさい! それが怖いわけではないぞ!」


 「えーと.....、うちの姉がいつもすみません」


 「いいんだ、弟のお前に罪はない。だが!、いつの日か美香に一泡を噴かせてやるつもりだ」


 「あれあれ〜?、誰に一泡を噴かせるって〜?」


 「それは決まっている!、あの憎き美香を・・・・・・美香ッ!?」


 「やっほー沖田ちゃん、おまた〜」


 沖田の肩に腕をかけている美香、その美香に対してトラウマがあるのか沖田はパニック気味に言葉を発した。


 「だだだ誰がコイツを呼んだのだッ!?」


 「あっ!、お姉ちゃん。私が呼んじゃった」


 「こらルカァ〜!、お前は悪魔の子か!?」


 「だって〜、美香に遭遇した時のお姉ちゃんの表情っていつも面白いんだもの」


 姉から顔を反らして笑いを堪えているルカ、その様子に沖田は激怒しそうになったが美香に背中をくすぐられて笑い転げてしまった。


 「やっぱり沖田ちゃんは背中が弱いわねぇ」


 「こ、この屈辱は絶対に晴らしてやるぞ美香」


 「はいはい、そう言ってる前に弟のこと死なない程度に鍛えちゃってよね」


 沖田の言葉には知らんぷりな様子の美香はそんな事を言うと両腕を構えて沖田に再度くすぐりを掛けようとしていた。


 「分かった分かった!、直ぐに始めるから止めてくれ美香!」


 「はいはい、じゃあお願いねぇ〜」


 「本当にいつも姉がすいません」


 「い、いや弟は関係ない。そうだ関係ないのだ」


 最早、自分に言い聞かせるように呟いている沖田。その目に少し闇が渦巻いているように感じるのは友間の勘違いであろうか?


 「さあ始めるぞ友間!」


 「あっ!、お願いしますっ!」


 懐にある刀を構えた沖田から距離を取るように友間は後ろの方へ下がると、状況を把握するため周りを見回すと巨大なシェルターの中に自分がいるような感じがした。


 「ここは特殊な部屋でな、どんなに暴れようとストラング基地内には全くの影響がない。だから全力でぶつかりに来い!」


 「スキル『性質<炎>』ッ!、それじゃあ行きますよっ!」


 少し遠くに見える沖田と更に遠くでリュックから銃機らしき物を取り出したルカを視界に納めると、地面を強く蹴って友間は飛び出して行った。












 「・・・・・・・始まったか....」


 遠くで友間の様子を見ていた美香は不意にそんな事を言った。しかし弟である友間を心配しているのか顔が少し曇ったように感じられた。


 「1分.......いや、3秒か」


 そう美香が言った直後、遠くで友間の“胴体”が斬り飛ばされたのが見えて美香は思わず目を背けてしまった。


 「・・・・・堪えろ私、堪えろ」


 そう言っている美香に反して左手は今にも指を鳴らしてやろうと疼いて仕方がなかった。


 「あーもー私の言う事を聞きなさいよ!、じゃなきゃ肘の方から切り落としてやるんだから!」

Re: スキルワールド ( No.112 )
日時: 2019/04/17 22:20
名前: マシュ&マロ



 死に目を見たなんて言葉では言い表せない、むしろ三度は軽く死んでいるだろう。


 「ハァ、ハァ、ハァ....取り敢えず、勝てそうにはないな」


 友間はそう言うと視線の先にいる刀を構えて立つ沖田と、こちらに銃口を向けているルカを視界におさめると次の一手に息が詰まりそうになった。


 (沖田さんに近付けば胴体を切り裂かれる上にルカさんの援護射撃で体の節々を撃ち抜かれるし、だからと言ってルカさんに向かおうとしても沖田さんが許さないし近付く前に撃ち殺されちゃうしな・・・・・)


 状況を変えようにも二つある内のどちらの壁も高すぎて跳び越えるのは無理に等しい。だが道は一つではない、飛び越えられないのなら壁を壊せば良いのだ。


 「どうした友間!、時間は有限なんだぞ!」


 「分かってます!、本当の意味で死ぬ気で殺らないとこっちが死んじゃいますからね!」


 「良い覚悟だが、覚悟は行動で示すものだというのを忘れるな!」


 十分に距離は取っていたつもりだが、次の瞬間には沖田の持っている刀が友間の肩から斜めにかけて半円を描くように振り落とされ胴体が地面へと落下する。


 「美香の弟だから期待していたが、“まだ”早すぎたようだな」


 「まだ、....です......。」


 「いいや、もう今日は遅いし腹が減った。この続きは明日としよう」


 体が両断されようとも沖田の足を掴んで訴えた友間だったが、それを制止するように言った沖田は刀を自身の懐にある鞘に納めると踵を返して友間に背を向けた。


 (沖田さんとルカさんには勝てるイメージが湧いてこない.....あっ、それとお姉ちゃん)


 「ルカ!、飯を食べに行くぞ!」


 「姉が乱暴でごめんなさいね、実のところを言うと不器用なのよ」


 「ルカッ!!、いらん事を言うな!」


 「はいはい、分かりましたよ姉将軍さま」


 「くっ、その名前はやめてくれ!」


 先程までの緊迫感はなくなっており姉と妹のたわいのない会話をしながら去っていく二人。

 そして地面にまだ倒れていた友間はスキルを解除しつつ立ち上がると遠くで待っている自身の姉の方へと重い足取りで歩いていく。


 「どうだった....かな..?」


 「んー・・・・・、成長途中ってとこかな」


 「やっぱり今のままじゃ、全然ダメなのかな....」


 「まぁ、急がば曲がれって言うんだし焦っても無理な話よ。それに友間は私が絶対に守っちゃうんだから♪」


 「それとお姉ちゃん、これで体を鍛え続けたとしてスキル自体は強くなるの?」


 「ん〜、体を鍛えるというよりかはスキルを使うことで強くなっていくみたいな感じかな?」


 「スキルを使う......、ところで今って何時ぐらい?」


 「ちょっとタンマ。......えーと夜の11時半を回ったところ」


 美香のそんな声が聞こえたからか急に眠気に襲われた友間、疲れが今頃になって追いついてきたのか欠伸を一つすると美香はその様子を見てこんな事を言った。


 「今日はお疲れ、明日もあるから夜更かしはしない事!」


 「分かってるよ、部屋に戻ったら直ぐに眠るから」


 「よし!、私の弟ながら良い子だぞ〜」


 「もー、頭をクシャクシャにするのは恥ずかしいから止めてってば」


 「その反応もまた可愛いぞ友間!」


 「ちょっ!?、今汗かいてるから抱きつかないでよ!」


 「それはそれでグー」


 そんなこんなで仲が良い美香と友間はその後、それぞれの部屋に戻るため途中の道で別れて行った。











 「いてて、明日になって筋肉痛になってなきゃ良いんだけどなぁ....」


 見覚えのある通路を進んでいく友間、そして数歩ほど先に進むと一つの扉の前で立ち止まり右のポケットから部屋の鍵を取り出してドアノブを回した。


 「あっ、おかえりなさい友間さん」


 「ただいま・・・・・・えっ、ジャッキー?」


 「お邪魔してるわよ友間、それと久しぶりね」


 「こ、こん...ばん..わ...。友間...さん」


 部屋の中にはシロだけではなくジャッキーとシセラが座っており、ジャッキーの方はギブスが外れているようだが折れていた方の腕を庇うような仕草をしており完治にはもう暫くかかるようだ。

 そしてシセラの方はいつもの様に車椅子に乗っており手には初めて会った時に持っていた人形が抱えられていた。


 「どうしたの?、こんな夜中に?」


 「どうしたのってアンタねぇ、土神との面会日まで一週間もないんだから。もしもの時の打ち合わせって感じよ」


 「友間さん、『マゴ』とは何なのでしょうか?」


 「ちょっとジャッキー、またシロに変なこと吹き込んだの?」


 「だってシロの反応って可愛いし純粋すぎるんだもの」


 「マゴ?....。まご.....ん〜??」


 「それでジャッキー、土神についての話に戻すけど何か分かった事とかある?」


 「んー・・・・・・。実はね友間....」

Re: スキルワールド ( No.113 )
日時: 2019/04/21 16:55
名前: マシュ&マロ



 「私の義母......つまりシセラの母親にあたる“あの女”について知っているらしいわ」


 「でも、飲酒したまま交通事故にあって死んだんじゃ・・・・・」


 「分かってるわ友間、あの女は死んだ“はず”なのよ。だけど.....」


 口を固く結ばれたように黙り込んでしまったジャッキー。その眼は次に何を言うべきか言葉を探すように空中を泳いでいた。


 「あ、あの女は今.....生きてるそうよ。しかもノアやドルスと繋がってるらしくて裏世界では有数のブローカーになってるらしいわ」


 「ブローカー......つまり裏の世界では“何か”を売りつけているの?」


 「詳しくは土神に聞いてみなきゃ分からないけど、ノアやドルスが製造してるトリガーを仲介役として売ってるらしいわ」


 「お母....さん..。怖い.....嫌...」


 「・・・・・・私とシセラは土神からの情報を嘘だと信じたい.....けど、どうしようもない胸騒ぎがするの....」


 ジャッキーの肩は震えていた、友間自身はこんな様子のジャッキーを初めて見た。

 すると今まで黙って見ていたシロが口を開いた。


 「なら、土神に会って真偽してみれば良いんじゃないでしょうか? それとも怖いのですか?」


 「・・・・・・ッ!? 行ってやろうじゃないの!、なにが何でも土神から真意を吐き出させてやるわよ!!」


 そう言って勢いよく立ち上がったジャッキー、その様子に友間は横で座っているシロに問いかけてみた。


 「シロ、今のってまさか.....」


 「はい、元気になったようで良かったです」


 「シセラ!、私が何があろうと守ってあげるから!」


 「ちょっと元気になり過ぎたみたいだけどね」


 少し苦笑いをする友間を他所に元に戻ったジャッキーからは赤々としたオーラが溢れ出していた。


 「じゃあ友間、6日後に皆で集合よ! 忘れないでよね?」


 「わ、分かったよジャッキー」


 「それじゃあ私とシセラは失礼するわね、それとシロとの夜を楽しんでね〜」


 「.....ッ!? だからシロとは付き合ってないんだってば!!」


 「友間さん....シロさん..。おやすみなさい.....」


 ジャッキーと共に帰って行くシセラ、友間はシセラにおやすみと帰して扉の鍵を閉めた。


 「ハァー、何で皆付き合ってると思うのかなぁ?」


 もう半ば誤解について諦めかけてきた友間、そして此処で一つの疑問が浮かんできた。


 「ねぇシロ、夕食は食べたの?」


 「夕食は、その・・・・・・」


 するとシロのお腹から部屋に轟くほどの音が鳴り響いてきて夕食を食べてないのが直ぐに分かった。


 「あっ、いえ別にお腹は・・・・・・」


 「分かったよシロ、それにお腹が空いているのはお互い様みたいだしね」


 そう言うと友間の方も恥ずかしそうにしているシロに負けないほどの音が鳴り出し、友間は冷蔵庫に何かあったかと考えつつキッチンへと歩き出した。

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