ダーク・ファンタジー小説

スキルワールド
日時: 2018/08/23 16:52
名前: マシュ&マロ
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=1029

 どうも、マシュ&マロです

 この小説は『スキル』と呼ばれる能力を持つ者が存在する世界を題材にしたファンタジー作品です。
{自分の文才はかなり低いですが、諦めずに書こうと思っています}



※注意書き※

・オリキャラの募集はリクエスト掲示板でやっています。

・小説への意見や指摘は、リクエスト掲示板にあるスレットへお願いします

・作者は投稿が遅かったりしますので、ご了承下さい

・スキルワールドの説明などはリクエスト掲示板にありますので興味のある方はお読み下さい


それでは小説スタートッ!!



 第一幕『黒奈友間という少年』
 >>64

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15



Re: スキルワールド ( No.70 )
日時: 2018/10/04 17:39
名前: マシュ&マロ



 「あっ、友間〜! 京八〜!、久しぶだな〜!!」


 そう言って遠くの方から近づいてきたのは久しぶりに会った零だった。


 「あっ零!、久しぶり〜!!」


 「おう! 友間、それと色々と大変だったな」


 「ま まぁね。あ、ははは.....」


 シロの食物兵器を思いだして苦笑いを見せていると零の後ろに誰かが隠れているのが分かった。


 「灯利と会うのも久しぶりだったね」


 「あ...あ..、こんちには・・・・友間さん....。」


 「ところでよぉ零、俺と黒奈も運動しに来たんだがお前らもか?」


 「お前らも...というよりは、今日はここの連中の指導を任されてんだよな」


 「おう聞いたか黒奈?、ちょうど良いから頼もうぜ?」


 「」


 「別にいいけど、俺と灯利がやってんのは筋トレとかじゃなくて対人戦闘法とかだぜ」


 「望むところたぜ!、なっ 黒奈?」


 「なんか最初の主旨から反れちゃってるけど、まあいいや」


 「おっし! 決まりだなっ!!」


 「そんじゃ俺と灯利の指導についてこいよ二人とも?」


 「ふ...二人とも、...よろしく...ね....。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「まずは相手に対して絶対に自分の考えてる事を悟られるない事だ。出来るだけ顔はどんな時でも戦ってる場合は変えるなよ」


 「おう! 分かったぜ!」


 「うん、俺も分かった」


 「そんじゃ次だが、戦闘時で大事なのは相手にどれだけダメージを負わせるかより最小限にどれだけ自分がダメージを負わないだ。とにかく動きながら相手の動きに集中しろ、いいな?」


 「「ああ、分かった」」


 「よし、そんじゃ最後になるが敵を恐れてもいいけど絶対に生きる事を諦めるな。精神の衰退ってのは隙ができやすくなるからな」


 「OK 分かったぜ」


 「いちょう分かった...と思う...。」


 「そんなら次にお前らには灯利と戦ってもらう。別に手加減とかは必要ねぇぜ、逆に本気を出さねぇとヤバいしな」


 「・・・・・っ!!、でも灯利って男性恐怖症だよね?」


 「そこんとこは大丈夫だぜ友間、ちゃんと灯利には目隠しをしてもらってるからな」


 「何も見えない・・・・・・、これなら平気」


 「おっし!、じゃあまずは俺から行かせてもらうぜ黒奈」


 「背骨の方は大丈夫なの?」


 「まーかしとけ、俺はそこそこ頑丈だしよ」


 右肩をグルグルと回しながら言うと灯利と対峙する京八、もはや灯利に対して手加減する気は毛頭なさそうだ。


 「スキル『発電』ッ!!、クーー珍しく羽が伸ばせそうだ」


 「行きますよ、京八さん」


 「おう!、いつでも来や・・・・・ブホッ!!」


 初撃から当たるまでの時間はとても短いものだった。飛び散った鼻血が雨でも降るかのようにポツポツと地面に吸い込まれていった。


 「・・・・・・よし、当たった」


 「おー、こりゃ効いたぜ」


 もう初撃から致命傷を喰らってしまっている京八だが、何が彼を動かしているのか震える両足で立ち上がる。


 「今ので勝負はついてます、降参をお願いします」


 「悪いがよ灯利、男が潔くなんかに応じるのは自分の女を怒らした時か死を覚悟した時ぐらいだぜ」


 「・・・・・・では、構えて下さい」


 「おうよ、あっと言わせてやるぜ」


 ーードガァァアンッ!!


 意気込みも虚しく吐血と一緒に飛び散っていき京八の服が地面と擦れて全てが決着した。


 「はい!、そこまでっ!」


 「ちょっと京八、張り切りすぎじゃない?」


 「何言ってんだよ黒奈、男は何事も全力でだろ?」


 「はいはい、俺も負けないよう頑張るよ。だからゆっくり休んでて」


 「友間、戦う準備はできたか? それと俺の教えた3つを忘れるなよ」


 「分かってるよ零、それにじゃなきゃ半殺しは覚悟しなきゃだしね」


 次に灯利と対峙する友間、灯利は相変わらず目隠しをしているが打開のない以上は下手に攻められない。


 (んー、目隠しをしてても戦えるのは経験? それともスキルなのかな?)


 「行きますよ、友間さん」


 「ちょ、ちょっと待って!。性質<鉄>」


 これで少しは時間稼ぎ程度にはなっただろうが不明な点が残ってる今は警戒という言葉につきるだろう。


 「うん、ありがと灯利。これで準備よし」


 「じゃあ、・・・・・行きます。」


 その直後、目の前から灯利の姿を見失う友間だがそれと同時に直感的に横に飛びのいたその瞬間さっきまで自分のいた場所に灯利の踵落としがメリ込んでいた。


 「・・・・・外しましたか、なら....」


 「えっ!、ちょっ!」


 ーーガシッ!!


 反応する間もなく灯利の華奢な腕が友間の首を捕らえると自身へと引き寄せながら強烈な膝蹴りが顔面を直撃する。


 「・・・・痛いですね」


 そう痛みを感じて言った灯利だが、それと同じく友間も顔面に感じる痛みで少し怯んでしまった。


 (うっ!、顔がちょっと変形してるな。だとしたら鉄をへこませる程の蹴りって人間じゃないよね)


 双方どちらも少し後ろに下がった状況、ここからは先手を取った者が勝ちといった感じだろう。


 (ここは少し離れるべきか、それとも攻めるべきか....。)


 どちらかを決断しようとする友間、しかし灯利に動きがない事に気づいたので少し様子を見ることにしてみた。


 (動きがない...、罠? それとも動けない?、だとしたら相手をどうやって認識しるんだ?)


 目の前の事への緊張で少しバランスを崩してしまいバランスを保つため数歩後ろに下がった瞬間、灯利が恐るべき瞬発力で突っ込んできた。


 ーードガァンッ!!


 今の友間は鉄の塊にも関わらず後方へと吹き飛ばしてみせる灯利、これに対して友間は動こうとはせずに息を殺した。


 (やっと分かった、灯利の戦い方が...。)

Re: スキルワールド ( No.71 )
日時: 2018/10/21 07:13
名前: マシュ&マロ



 (灯利は、足音や声で相手を探してるんだ。少しありえない気もするけど絶対にそうだ)


 それを証明するために小さな石を拾って投げてみる、すると灯利は石が落ちた瞬間にその場所に蹴りを叩き込んだのであった。


 (うん、じゃあこれをどう利用したら良いのかな)


 仕組みは大体分かったが、ならどうやって灯利に勝つかと言えば悩み所としか言えない。


 (ただ正面から突っ走っての力じゃ勝てない、確実な不意打ちでなきゃ灯利は倒せない)


 「んー、少し私の戦い方がバレてきた様ですね」


 これには返事はしない、どうしても命は大切だからね。


 (ちょっと、スキルの実験でもやってみるかな)


 そう心で言ってゆっくり音を立てないように立ち上がる友間、緊張で顔から汗がふき出していた。


 (.....性質<樹>)


 ゆっくり体は木材と化していく、そしてそれが終わると友間は少し屈んで地面に手を着けてみた。


 (えーと、下に枝が広がるイメージで...。)


 友間の両腕から次々と枝が現れて地面へと忍び込んでいく、この時なんとなくだが地面の中で枝がどうなってるか分かる気がした。


 (そのまま地面全体を侵食する感じで枝を伸ばし続ける...。)


 自分の腕の一部が地面を這って侵食していくような感じが微かながらにするので体が少しむず痒かい気がした。


 (準備完了、あとは灯利のいる場所の感覚を掴めば)


 ちょうどその時、灯利の足元から一本の蔓がゆらゆらと出てきたところだった。なので友間はいよいよ攻撃に転じる事にした。


 「むむ、友間さん。あなた何かするつもりですね?」


 経験からの勘というやつなのか目が見えないながらに何かに勘づいた灯利だったが今となっては遅かった。


 ーーボコ...っ!!


 地面から大小様々な枝が出現しては全体をうねらしながら灯利を拘束しようとする。しかし灯利の勘と経験を舐めてはいけなかった。


 「ハッ! ホッ! ヨッ! ヤッ! 」


 枝ができたのは少しだけ服を傷つける程度のことだった。しかし薄々想定していた事だった


 (第二段階っ!!)


 ーーボゴンッ!!


 破裂にも似たような感じで地面全体が新たに出現した巨大な枝によって掻き混ぜられ灯利だけじゃなく周りの者の足場まで被害が及んだ。


 (こ、これは想定外...。これだとボスにあとで怒られるな....)


 色々と覚悟することが増えたが止まる気はなかった。どうしてなのかは今やその後も分からないままだろう。


 「足場がッ!?、卑怯ですよ友間さん!?」


 「ごめん!、あとで謝るからっ!」


 「スキル『布糸』ッ!!」


 その瞬間、灯利の服の一部が糸と変化して友間を襲ってきた。しかし目隠しのお陰かそれとも足場のお陰かギリギリのところで反れた。


 「ビックリした!?、今のって何??」


 「私は自身の肌に触れている布を自由自在に操れるんです、でもやり過ぎるとちょっと恥ずかしいんですけどね....。」


 何か苦い思い出でもあるのか最後の部分はよく聞き取りずらかった。


 「まだまだ行きますよ友間さん!!」


 次々と灯利の着けているフード付きパーカーが糸に変換されていき原型が薄れていく、それに伴い糸の長さはどんどんと伸びていき友間を襲う。


 「性質<解除>」


 危険だと判断した友間はスキルを解除して腕の枝から解放されると足場の悪いなか攻撃を回避する。


 「性質<炎>ッ!!」


 体が燃え盛っている状態で灯利に突っ込んでいく友間、それに対して糸で応戦しようとするが結果は見えている。


 (灯利の目隠しさえ取れれば傷つけないまま勝負をつけられる!)


 そう思った友間の心に比例してか一層と勢いを増していく炎、灯利までの距離あと僅か2m弱。


 「私だって負けられません、スキル『布糸<全開>』」


 灯利へと到達するまであと少しの時、灯利の服が全て糸に変わり色々と友間を驚かせた。


 「!!....ッ。あっ! スミマセン見ませんからッ!?」


 思わず目を瞑ってしまった友間、それが仇となったのか大量の糸が友間に押し寄せては弾き飛ばしたのであった。


 精神的に疲労困憊となってしまったからか友間のスキルが自動的に解けてしまう。それに友間自身も力尽きたようで立ち上がれない。そんな所へ灯利がやってきた。


 「私の勝ちで、良いですね?」


 「うん、それはそれで良いんだけど......寒くない?」


 「??、.....何のこ・・・・・・・。」


 ゆっくりと目隠しを上げながら喋っていた灯利の動きが止まった。そして続いて起こったのは灯利の悲鳴だった。


 「きゃっ!? あの、あの..ふ、服とか、えーとあの」


 声からして半狂乱となっている灯利、それに対して友間も混乱気味であたふたとしていたが理性の一部が働いたようで自分の着ている服の布の性質を吸収して別の新しい服を申し訳なさそうに差し出した。


 「あ、あ。ありがとう....友間...さん」


 「き、気にしないで、それといいから早く服を着けて」


 そんな調子の会話が続くところへ観戦していた京八や零が二人の所へと走り寄ってきた、そして京八の第一声がこれだった。


 「おいおい黒奈、こりゃあボスに呼び出しくらうかもな」


 「え、何の事?」


 そう疑問に思って目の前を見てみるとすぐに納得できた、目の前がまるで荒れ果てたジャングルのような感じになっており、どうやらヤンチャしすぎたようだった。


 「こ、これは確かにボスに起こられそうだね」


 そう言った友間の口元には引きつった苦笑いが浮かんでおり、おまけに冷や汗が頬を滑り落ちていったのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 時間は数時間ぐらいは経ったのだろうか、今友間はボスに至急の呼び出しをされたので所長室へと向かっているのだがどうも気が進まなかった。


 「はぁー、嫌な予感しかしないなー」


 所長室へと差し掛かった所、


 「おっ黒奈!、お前も呼び出しくらったのかよ?」


 「えっ!?、京八! 何で京八までいるの!?」


 「さぁな?、まずは部屋にでも入ろうぜ」


 京八に言われるがままに部屋へと見たところ、どうやらペルナルティー的なものは“今のところ”なさそうだった。


 「よく来てくれた二人とも、今日はある人からの依頼がある」


 「「へっ?、依頼?」」


 京八と友間はほぼ同時に同じところを向くと、そこには一人の少女が静かに座っていた。

Re: スキルワールド ( No.72 )
日時: 2018/10/15 20:49
名前: マシュ&マロ



 「どうぞ、金剛おじさんと二人方も」


 ボスの秘書を務めているらしいハルカという少女からお茶を頂いた二人は自分たちと対局して座っているボスの隣を見ていた。


 「この方は天音(あまね)さんと言ってな、君たち二人と同じくアビリティアの一人だ」


 「どうも、天音美琴(あまね みこと)と申します。二人ともよろしくね♪」


 少し落ち着いてるというかおっとりとした雰囲気をした美琴と名乗った彼女だったが、友間と京八は彼女の隣に置かれているものが気になっていた。


 「あっ、これの事? 私ね...、自分では上手く歩けないのよね...。」


 「すみません!、不快にさせるつもりではなかったんです」


 「オホンっ!。 友間、その事については気にせず天音さんからの依頼を聞いてあげなさい」


 「あっ、はい ボス。それで俺と京八に何の用なんですか?」


 「えーと実はね、今日は調べて欲しい事があって来たの。それで調べて欲しい事なんだけど」


 「はい、何ですか?」


 「私の弟....いえ、天音伊月(あまね いづき)について探ってほしいの...。」


 「?、また何で弟なんですか? しかも俺らなんかに...。」


 「俺の方から君達の事を推薦したんだ。この前、といっても3ヵ月は経ってはいるが土神との一件があったしな」


 「土神....ですか。でも土神の一件については俺はただラッキーだっただけで他の皆だっていま・・・・・。」


 「他の皆もいる、だろ? しかし今はジャッキーも負傷中であり龍紀や他の全員も別の任務に行ったりしているからな」


 「あのーボス、黒奈については分かったんですけど俺のいる意味は?」


 「京八、君には今回も友間のサポートをしてもらいたい。友間だけでは心配な面もあるからな」


 「うっす!、任せて下さいボスっ!」


 「それと君達にはもう一人程の助っ人を付けようと思っている、詳しい事は依頼の説明と一緒に行うつもりだから少し待っててもらいたい」


 「「分かりました、ボス」」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「私、綾音ニコラ。よろしくね二人とも♪」


 「よく来てくれたニコラ、君には二人と一緒に行動してもらいたいんだが...、行けるかい?」


 「任せて下さいボス!、それと今回はどういった内容ですか?」


 ニコラと呼ばれた少女はボスを目を向けて頭を右に傾ける。それに続くようにボスの隣に座る美琴がこう言った。


 「少し前に友間さんや京八さんにも説明したように、私の弟である天音伊月が何をしているのかを探ってほしいんです。最近、よく怪我をして帰ってくるんですよね....私、心配で...。」


 「ただの喧嘩とかじゃねぇのか?、それだったら怪我ぐらい誰でもすると思うぜ?」


 「それがなのですが、京八さん....。この頃 近所で失踪事件が多発していまして私が直接見たわけじゃないんですが......伊月らしき人物が事件の起こった付近で頻繁に目撃されているんです・・・・・。」


 「ふ〜ん、そんで弟さんの行動を見張ってほしいという訳で?」


 そう言った京八、すると美琴は罪悪感を感じたように顔を曇らせてながら話を続けた。


 「ええ、まあ....。私の勘違いだと良いのですが....。」


 「そういう事で三人とも、今回の依頼については頼んだぞ」


 「「「はい、ボス!」」」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 時間は進み、まだ冬の季節から抜けだせない様子の町の風景が友間の目の前には広がっていた。


 「あっ 家はこちらです、まだ伊月は帰っていないと思います」


 「マンションですか、高台なので町がよく見えますね」


 「はい、私もそこが気に入っています友間さん。坂が少しあるのが大変なんですけどね」


 そう言いつつ友間に微笑みかける美琴、すると友間の耳に京八の声が聞こえてきた。


 「おーい黒奈〜っ!、俺らも自分達の借りてる部屋に行こうぜ〜っ!」


 「分かったー!、俺もすぐ行くよーっ!」


 そう言って二階に向かうための階段を駆け上る友間、部屋は美琴と伊月が住んでいるすぐ隣になっている。


 (今回は安全に終われますよーに)


 そう心で祈った友間だったが、それと同時に雨が降り始めてしまい悪い予感がしてきたのだった。


 「・・・・・・・・あっ!、美琴さんが風邪引いちゃう!?」


 そう言って踵を返して駆け下りていく友間、だが次に聞こえてきた誰かが階段を滑り落ちていく音は痛々しいものだった・・・・・・。

Re: スキルワールド ( No.73 )
日時: 2018/10/21 07:16
名前: マシュ&マロ



 「だ、はははははッ!! 黒奈!、なつう顔してんだよ!?」


 「その事については触れないでくれないかな?」


 まだ顔がヒリヒリしていて悲惨な状況になっているだろう、しかし京八の笑いようには呆れがきてしまった友間だった。


 「友間さんも失敗する事があるんですね」


 「いやいやニコラ、俺は成功より失敗してばっかりの人生だよ?」


 「あら、それは失礼。ふふ...」


 三人は今、自分たちが借りている賃貸マンションの一室にいた。極めて平穏なので嬉しいこと他ならないことだろう。


 「そんで黒奈、これからどうするつもりなんだ?」


 「ん〜・・・・・。伊月って人が帰ってたら、まずは次に出かける時に尾行するぐらいしかない今のところないかも」


 「そんじゃ、気長に待ちましょうかね〜。俺は一旦寝るぜからなぁ 」


 そう言って立ち上がると別の部屋の方へ行ってしまった京八。そして残された友間とニコラは仕方なしに暇潰しの会話を始めたのだった。


 「友間さんは、お母さんが殺されてしまったらしいのですが犯人は捕まったのですか?」


 「んー、急にそう来られると少し困るんだけど.....率直で言ってまだ捕まってないみたい...、一度だけ会った事があるけど二度目は遠慮したいかな」


 「そうですか......、なら! もう一度会えるのなら、友間さんはお母さんに会いたいですか?」


「えっ? 急にそんな・・・・・・、んーでも、それが本当なら一瞬でも良いから会いたいかな」 


 「決まり!、私が友間さんの願いを一つだけ叶えてあげるね♪」


 「ははは、ありがとニコラ。ならそれは後のために大切に取っておく事にするよ」


 「えー・・・・勿体な〜い」


 「いいんだよ、この先何があるのかも分からないんだしね」


 「そお?、.......でも! 友間さんがそう言うなら大切に取っておくね!」


 「うん、分かった。....あっ!、それとニコラの方も叶えたい夢とかってあるの?」


 「え........そ、それはね・・・・・・。」


 唐突な質問に思わず頬を紅潮させて言葉に詰まってしまうニコラ。そして少しの間があったあと、ニコラは小さな声でこう言ってきた。


 「・・・・・・お、おに〜ちゃんと....ずっと幸せに.......過ごしたい...な..。」


 ーーカア〜っ!!


 「あっ、ニコラにお兄ちゃんがいたんだ。それでどんな人なの?」


 「ほ、本当は血が繋がってないんだけどね.....初めて...、私に優しく接してくれた人なの....。」


 もう恥ずかしさのあまり頬が林檎のように赤くなってしまったニコラ、気持ちを必死で抑えようとしながら友間との話を続けた。


 「そ、それでね....おに〜ちゃんは...芸術家をやってるんだけど、すんごく凄いんだけど周りからの評価があんまり良くなくてどこか悲しそうなの....。」


 「その、お兄ちゃんって凄く良い人なんだね。ニコラが嬉しそうに話してるからそうなんだって思える」


 「うんっ!!、すんごく良い人なのッ!。今度ね、友間さんにも会わせてあげたいなーっ!!」


 「うん、じゃあ今度ね・・・・・あっ、京八っ!!」


 「んもー、騒がしくて眠れやしねぇぜ」


 「ごめん京八、次から声ボリュームを考えるよ」


 「いや、それより隣の家の弟さんが帰ってきたみたいだぜ」


 「それじゃあ準備しとかないとね、ニコラも何か必要なのがあったら言ってね?」


 「はい、分かりました友間さん」


 こうして友間・京八・ニコラの三人の物語が開幕しようとしているのかもしれません。

Re: スキルワールド ( No.74 )
日時: 2018/10/20 10:53
名前: マシュ&マロ



 「あっ!、お帰り伊月」


 「ああ.....ただいま、姉さん」


 「・・・・・今日もボロボロじゃないの。そうだ!、私のスキルで治して・・・・・。」


 「いい....いらねぇ...。」


 「で、でもね。たまにはお姉ちゃんにも世話をやかせてくれないかな〜って・・・・・」


 「だから! いらねぇって言ってるだろッ!!」


 「そ、そう怒らなくても」


 「・・・・・・っ!!.....。ご、ごめん....姉さん...。」


 「ううん、お姉ちゃんの方もごめんね伊月。...でもね、お姉ちゃんだって心配なの、伊月が何処か行っちゃう気がして...。」


 心配するように伊月に語りかける美琴、だがそんな美琴の声を遮るように伊月は顔を背けてこう呟いた。


 「分かってるよ、俺だって分かってんだよ・・・・・・。悪い、また出掛けてくる」


 伊月はそう言って家を出て行こうとする、美琴はそれを引き止めると伊月にこんな事を言った。


 「約束して!、絶対に危ない事はしないって!!」


 「・・・・・・たぶんな....。」


 「伊月っ!」


 だが伊月は姉の声を無視するかのように足早に外へと出て行ってしまった。


 「・・・・・・はぁ....。」


 そう誰もいなくなった部屋で溜め息を漏らした美琴、その目には涙が浮かんでいたのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 外へと出てきた伊月は少し肩を落としながら歩き出した、が その後ろから数人の人影がついてきていた。


 「だ、大丈夫だよね? こんな典型的な尾行の仕方だけど?」


 「静かにしとけ張れねぇだろ?、それに方法もこれしかねぇしな」


 「大丈夫ですよ友間さん!、自分の事を信じましょう!」


 「おっ、黒奈。ニコラ。伊月が曲がってったぜ!」


 「よし、自分の運でも信じようかな」


 そう自分に言い聞かせるかのように友間は呟くと、二人と一緒に角を曲がっていった....しかし、曲がってすぐに三人の足取りは止まった。


“伊月が消えた”


 「チッ!、勘づかれてたみていだな黒奈」


 「ん〜、だったら手分けして探してみるしかないのかな?」


 「仕方ねぇなー・・・・。おしっ!、じゃあ伊月を見つけた奴は各自で連絡するって事で良いな?」


 「分かった、京八」


 「分かりました、京八さん」


 そうして各自解散する事になった三人は、それぞれの道を進んでいく。そして友間も自分の勘に従って前へ前へと歩き始めた。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


E-Mail


URL


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。