ダーク・ファンタジー小説
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- All ages battle -古今大戦-
- 日時: 2018/04/08 17:24
- 名前: 篠木蛍 (ID: 6SeEpuIV)
ー今も昔も、馬鹿が居るのは変わらない。
けど、今だからこそ、昔だからこそ、大事なものが、見失っているものがある気がする。
【All ages battle -古今大戦-】
[目次]
序 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6
壱
弐
参
肆
伍
弱気な影武者は刀を振るう
>>7
※この物語を読む前に
・この物語はフィクションです。実在する、またはした人物、団体とは一切関係ありません。
・この物語を読んだ感想、ご意見はお気軽にコメント欄にご記入の上、投稿下さい。今後の活動に役立たせて頂きます。
- 序 ( No.4 )
- 日時: 2018/04/04 13:40
- 名前: 篠木蛍 (ID: 6SeEpuIV)
デパートの中は、もうすぐクリスマスや大晦日、正月などのイベントがあるためか、派手な装飾が施されている。
「うへー、しゃれてるぅ」
めいが目を丸くする。クリスマスツリーにかけられたベルがキラリと輝く。
「クリスマスイブは俺のコンビニのもので祝えよ」
圭介が鼻で笑う。それを耳にして、「クリスマスを祝う暇はない」と海奈が素っ気なく返してきた。トホホ、とうなだれる圭介。
「......ま、とにかく買い物すっぞ!」
気を取り直し、食品コーナーへ走り出そうとしためいのパーカーの襟を、圭介が引っ張った。
「何すんだよクソ!」
怒りながら後ろを振り返るめい。圭介は
「あれ面白そうじゃね?行ってみよーぜ」
と言い、天井に吊り下げられてある看板に目をやった。
そこには
『千葉の将軍・天狩義明展示会』
と書かれてある。
「はぁ?んなやつ、教科書に載ってなかったし知らねぇよ。行く意味あっか?」
めいが眉をひそめる。しかし
「知らないなら尚更行かなきゃいけないなー。いつかテストで出るぞー」
と海奈が呟くと、「......分かりましたー、行きますー」とやる気なく賛同した。
看板の下をくぐり抜けると、目の前に虚しく一本の刀が置いてあった。
「うわ何これ、ダッセェ〜」
めいが言う。「そんな事言ったらだめだろ」と圭介。
「海奈は興味あるか?」
「まあ、調べても損はないだろうな」
圭介の質問に海奈は即答すると、「しかしなんか物足りないなー。なんか違う」と刀を調べ始めた。
- 序 ( No.5 )
- 日時: 2018/04/05 07:30
- 名前: 篠木蛍 (ID: 6SeEpuIV)
「うわっ、海奈ってホントにそーゆーの好きだよなぁ」
熱心に刀を調べる海奈を目の前にして、めいが呆れながら言う。しかし海奈は
「うっさい」
と不機嫌そうに吐き捨てると、また刀を調べ始めた。んだよ、と頬を膨らませるめい。
「おいこれ、持てるらしいぞ」
圭介が刀の前に添えられてあったプレートに目を通す。そこには手書きで『御自由にお持ち下さい』と書かれている。
「はあ、よくまぁ盗まれない物だな」
それを聞いた海奈は、刀をそっと手に掴み、ゆっくりと持ち上げた。
「重いな......つまり本物か?」
「実際そうならな。......俺にも持たせてー」
海奈の持っていた刀を圭介がひったくる。すると強烈な重みが手に乗っかった。
「うおっ、お、重い......」
力に自信のある圭介でさえ、この刀を軽々と手にすることは難しいようだ。
すると、めいがいきなり変な提案をしてきた。
「もしかしたらその鞘抜いて......人殺せるんじゃねェ!?」
3人の間を沈黙が走る。
「ハッハッハ、じゃあ俺も人殺しの仲間入りに......」
汗をかきながら、圭介はゆっくりと、しかし確実に鞘を抜こうとする。
が。
「あれ?」
鞘が抜けない。
「ふんぬ〜!」
力いっぱいに鞘を抜こうとするが、全く、全然、微塵も抜ける気配がしない。
「......まあそりゃそうだろな」
哀れに挑む圭介とめいを見て、海奈は1人ため息をついた。
- 序 ( No.6 )
- 日時: 2018/04/07 13:31
- 名前: 篠木蛍 (ID: 6SeEpuIV)
どうやら、2人は諦めたらしい。5分ぐらい鞘を抜こうと一心不乱に取り組んでいたが、のそのそと刀を元の位置へ戻し、海奈の所へと帰ってきた。
「......抜けると本気で思ってたのか?」
「そりゃもちろん。夢を粉々にされた気分だよ」
アホだ。
海奈は頭をパチンと叩く。
「んだよこの野郎!私らの夢が壊れた事を可哀想だな〜とか思わねぇのかよ!」
「そんな事を悲しんでたら、いつでもどこでもしょんぼりしてる」
「キーーーッ!!」
めいが、今にも後ろに背負ったリュックサックの中にある雑誌を、海奈めがけて投げつけようとしている。
「まあとにかく、買い物するんだろ?とっとと済ませるぞ」
海奈はそう吐き捨てると、先に食品コーナーへ歩いていってしまった。
「んだよアイツ。......圭介もアイツ叩きに行くぞ」
「めいの意見に賛成だ」
二人も、海奈の後を追う。
まだ11月の半ばだというのに、辺りは『クリスマス大感謝セール!』などのチラシが壁に貼ってある。
「イベントまだ先だろ」
「あ、海奈いた」
めいが人差し指を一本突き出す。海奈はベンチに寄りかかり、自分達を待っていたらしい。
「んだよあのクソババァ」
「男だ〜」
めいの呟きが聞こえたのか、海奈がダルそうに言い返す。
「まあ、待っててくれてありがとう。
......とにかく行こう」
圭介を先頭に一行は自動ドアを潜り抜ける。
すると、辺りは一気に緑色の草原に変わり果てた。
「......え?」
全員があっけらかんに気を取られている。
圭介の頬を、冷たい汗が流れた。
「ここ......どこですか?」
【序 了】
- 弱気な影武者は刀を振るう ( No.7 )
- 日時: 2018/04/08 17:23
- 名前: 篠木蛍 (ID: 6SeEpuIV)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12218
始めましてと言わなければならないでしょうね。
篠木蛍です。プロフィールを貼っておきました。
「弱気な影武者は刀を振るう」では、主に私のまとめや連絡、今後の方針などを伝えていくつもりです。よろしくお願いいたします。
どうでも良い話ですが、ゲーム内では「骨がない人」名義で活動中です。
★ ★ ★ ★ ★ ★
『All ages battle -古今大戦-』、いかがでしょうか。初投稿でしたので、少々おかしい部分があるかと思います。その場合、連絡してくれると本当に助かります、ええ。
コメントもドンドン入れてくれると嬉しくて喜びの舞を繰り出します、見せられませんけど。
それでは今後の方針を伝えていきます。
5、6日くらい休んで、またできる限り毎日更新しようと考えています。
その間に、『High school battle -高校大戦-』や新小説の作成、更新をするつもりです。
それではこれより「弱気な影武者は刀を振るう」を閉じたいと思います。
ではまたどこかで。スーパーで会えたら奇跡ですよね。
皆さまと雑談したいなぁとか思う
篠木蛍
- 壱 ( No.8 )
- 日時: 2018/04/24 14:45
- 名前: 篠木蛍 (ID: 6SeEpuIV)
周りは四方八方が草と木々に囲まれており、とても今頂きました場所とは思えない。
「わかったー!」
めいが手を叩く。パチンと触れる音が虚しく響く。
「どうせあれだろ?最近流行ったVRとかいうやつ!」
「VRは今のところ映像しか表現できないぞ。質感や匂いまでは表現できない。と言うことは、これはイベントか?」
そう反論し、海奈は腕を組んで考え始めた。
「............」
沈黙が空気の流れのように通っていってはやって来る。
「と、とにかくよぉ......ここにいても何も変わんねえし、ちょっとあちこち行ってみっか?」
圭介が提案する。
「賛成だ」
海奈は圭介に目を向ける。
「迷子になったらどーすんだよ!」
「迷子になるもなにも、とっくに迷子になってる」
海奈はめんどくさそうにめいを見ると、圭介に
「とりあえずお前が行け」
と命令してきた。
「あそこに村があるんだ。行ってみようぜ」
圭介、海奈、めいはその村へと走って行った。
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