ダーク・ファンタジー小説

VS人類
日時: 2019/05/26 16:22
名前: マシュ&マロ



 宇宙からの侵略者。総称を宇宙人とし地球に生息する生物種を越える程の数多くの種族が宇宙にはいる。

 地球には数えきれない程の宇宙人が降り立ち、人類は瞬く間に壊滅の一歩手前まで追い詰められてしまった。

 そんな人類は自分たちに出来る最後の悪足掻きとして新たな人類を作り出した。



 その名は_______、



 「おっ!、お目覚めのようだね。起きた今の感想はどうかな、新人類“ヘラトクレス”」


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Re: VS人類 ( No.1 )
日時: 2019/06/05 22:45
名前: マシュ&マロ



 初めて光を見た.....。


 「・・・・・・・、ここは...?」


 そう呟いて一人の少女が目を覚まし、冷たい実験台の上から体を起こした。

 すると奥の方から知らない男が歩み寄ってくるのが確認でき、嬉しそうな笑顔を浮かべている。


 「僕の名前はユズ。君は地球の救世主となる存在であり、我々が生み出した新人類の一人だ」


 「新人類?」


 「君が目覚めるまでの成長過程で“仮の記憶”を埋め込んである。少し混乱するだろうけど、直ぐに慣れると思うよ」


 そう聞かされた直後、少女は激しい頭痛に襲われ波のように押し寄せてきた記憶の激流に悶絶し床に倒れ込んでしまった。


 「ハァ! ハァ! ハァ! あ、頭が...割れる....っ!??」


 「大丈夫だよ、ただ一億人分の記憶が流れ込んでるだけだよ....って、気絶しちゃったのか」


 体が痙攣した状態で気絶してしまった少女、するとユズと名乗った男は溜め息を漏らして少女を担ぐと何処かへと去っていった。













 暗い空間を少女は歩いていた、遠くで呻くような声も聞こえてくる。


 「ここは....、何処だ?」


 少女は無意識の内に足を動かしていた、この空間は危険だと本能的にそう感じ取っていたのだ。速度は早足から走ることへと変わり、背後から迫りくる“何か”から逃れようとしていた。


 そして、再び光を見た....。


 「ハァ、ハァ、ハァ、助...かった...」


 周りを見渡し一息入れると、荒い呼吸を落ち着かせるように深い溜め息をついた。

 ここは何処かの施設の医務室らしく、寝かされていたベッドの横にはユズという男が座っていた。


 「悪夢を見たようだね」


 「あれは....何なんですか...?」


 「記憶の奥底に潜んでいる怨霊、とでも言うのかな。君を生み出すために犠牲を払い過ぎたからね」


 初めて会った時と変わらずニコニコと笑っているユズ、しかしその笑顔の奥に底知れぬ恐怖を感じるのはどうしてだろう。


 「君を生み出すために犠牲にした人類の数はおよそ一億、君には人類一億の力が蓄積されてるんだよ」


 「じゃあ、“仮の記憶”というのは・・・・」


 「犠牲にした人々の記憶だ、悪夢の原因は人々の抱いていた恨みそのものだ。それに君はこれから侵略者どもと戦わなければいけない」


 「話の内容に着いていけない、それに今も激しい頭痛がする」


 少女の脳裏には宇宙から来た侵略者によって、人々が次々に殺されていく光景が走馬灯のように映し出されていく。


 「君のやるべき事は、記憶たちが教えてくれるはずだよ」


 「うっ...!、何となく分かった気がする」


 「よし、いい子だ。それに君の名前を決めないとね、んー....そうだな」


 「私の名前・・・・・・?」


 すると少女の脳裏にふと浮かんできた名前があった。


 「ベル.....、私の名前はベル」


 「えっ!....今なんて」


 少し驚いた様子のユズ、少女改めベルが不思議そうな顔をすると我に戻ったようにユズはニコリと笑顔を作った。


 「いや何でもないよ。それとベル、君に会わせたい人物がいるんだ」


 そうユズに言われ付いていくベル、こうして彼女の人生が始まった。

Re: VS人類 ( No.2 )
日時: 2019/06/10 22:08
名前: マシュ&マロ



 「いいかい、初対面の相手には愛想よくだよ♪」


 「はい、分かりました」


 扉の前に立たされたベル、このドアの向こうにユズの言っていた人物が待っているようだ。


 「それじゃあベル、行こうか」


 ユズが扉を開くとベルの瞳に部屋の照明が眩しく照りつけ、部屋の中に一人の人物が立っていた。


 「よお、あんたが“新型の新人類”か。ごつい男でも来るのかと思ってたら、まさかの少女だとはな」


 「何か私に苦情でも?」


 「無愛想な奴だなぁ。おいユズさん!、こいつの面倒を俺が見るのかよ?」


 「気を悪くしないでくれ。君が研究所に一番近いからね、当然と言えば当然だと思うよ?」


 「はぁ〜、分かったよ。俺がこいつの身元引受人になってやるよ」


 「先程から二人で話しているが、私はこの男の元に居候するという事で良いんでしょうか?」


 「俺はそんなに乗り気じゃねぇんだがな」


 「まぁまあ、意外と住んでしまえば相性が合うかもよ」


 「分かったよユズさん。ところでこいつにも『仕事』はやらせるつもりなんだよな?」


 「おい、私の名前は“こいつ”ではなくベルだ」


 「じゃあベル。後先になって泣き言を言われても困るから言うが、宇宙人どもと殺り合う覚悟はあるか?」


 そう目の前の相手に問い掛けられ答えに少し迷ったベルだったが、“仮の記憶”たちが見せた悲惨な光景を思いだし一つの答えに辿り着いた。


 「殺り合うのではなく一方的に殲滅していくだけだ、犠牲となった人たちのためにも侵略者どもは息の根ごと殺す」


 「よし決まりだベル、俺がお前の身元引受人になってやるよ。ところでユズさん」


 「んっ、何だい?」


 「こいつのベルって名前、もしかしてユズさんの・・・・・」


 「それ以上は言うな。それとお前にベルの教育係を任せるが、まだお前の“妹達”には知らせるな。」


 「了解。それじゃあ、またなユズさん」

Re: VS人類 ( No.3 )
日時: 2019/06/16 18:04
名前: マシュ&マロ



 「ところでベル、自己紹介がまだだったな」


 そう言ってベルの一歩先を歩いていた人物は、少し歩く速度を遅めてこう言ってきた。


 「俺は阿佐見 悟史(あざみ さとし)、22歳。趣味は情報収集で最近になって此処に上京してきた身だ」


 「私はベルだ、年齢は15歳前後と設定されているらしい。ちょうど目覚めて1時間39分が経ったところだ」


 「お前のことはよく分かったが、一つ気になるのは“新型”だからか背が高すぎねぇか?」


 


 そう言って悟史は自身の150cmの身長とベルの自身を見比べるに交互する。どうみても端から見れば姉と弟のようにしか見えない。


 「身長は約173cm、私の素材となった人々の平均がそうだったらしい」


 「・・・・・まぁ、身長はどうあれ口調はどうにかならないのか?。なんと言うか接しずらいしな」


 「・・・・出来るだけ努力はしてみる」


 「それとタイミングがあれば、妹達とも会わせいと思ってる。そうすればお前も女の子らしくなるかもだしな」


 そう言ってベルに笑いかける悟史、ベルはそれに頷いて応えると周囲の街並みを見回して一言呟いた。


 「この周辺では敵の気配は感じない。特に厳重な警備態勢が敷かれているようだな」


 「まぁ、ここは日本の首都だからな。厳重に守られてるのも当然ではあるだろうな」


 「という事はここが東京か、仮の記憶の中での話だが此処に住んでいた覚えがある。そのせいなのか少し懐かしさも感じるな」


 「だとしたら世界中に故郷があるって事になるな。まぁ、それはそれで面白そうだがな」


 「不思議な感覚だ、初めて訪れた場筈なのに隅々まで何があるのかと鮮明に蘇ってくる」


 「“仮の記憶”か、また変なもんをユズさんも埋め込んだな」


 「・・・・・少し頭痛に悩まされるが、私はこれはこれで気に入っているらしい」


 「お前もお前で物好きだな、それともう少しで家が見えてくる頃だな」


 そう言って笑っている悟史、だが心の中では別のことを考えていた。


 (・・・・・今日は少し荒れそうだな...。)


 

Re: VS人類 ( No.4 )
日時: 2019/06/16 18:20
名前: マシュ&マロ



 「この家で暮らす以上、決めておきたいルールがいくつかある」


 東京の一角にあるマンションの一室でそうベルに言った悟史、ベルは新人類とはいえ悟史から見れば女の子である事に変わりはないからだ。


 「ルール?、それは鉄則なのか?」


 「絶対だ!。これだけは守ってくれ、第一に俺の指示には必ず従うこと」


 そう人指し指を立てて言う悟史、次にもう一本の指を立ててピースのようにすると悟史は二つ目のルールを告げた。


 「二つ目、絶対に死ぬな!。自己犠牲の精神は時として周囲を陥れかねない、だからまず自分が生き残ることを考えろ」


 「鉄則なら基本的に従う。だが時としてルールを破るかもしれないが構わないか?」


 「その時は俺が許可を出すから勝手な行動は控えてくれ。それと最後になるが・・・・・・」


 「・・・・・・なんだ?、私の顔に何かついているのか?」


 「最後にお前は女子力を上げることだ!、そうしなきゃ折角の容姿も宝の持ち腐れになるからな」


 「それは誉め言葉か?、かなり遠回しで人を誉めるのだな」


 「そこん所は良いんだよ、それと一旦笑ってみろ」


 「それは命令か?」


 子首をかしげて尋ねるベル、するとベルの白い髪が小さく揺れた。


 「一応やってみろ。人とのコミュニケーションはまず笑顔だからな、お前だっていつかはお偉いさんと話すかもしれんしな」


 「分かった、こうか....?」


 「おいおい表情筋が死んじまってるじゃないか、笑うってのはこうだよ」


 ベルの両頬を摘まんで上げた悟史、ベルは慣れない笑顔に思わず戸惑いを見せた。


 「はらしてくるないか?」


 「おっと悪いなベル、だが作り笑顔でも良いから出来るようにしとけよ。新人類は戦わされるだけの“道具”じゃないからな」


 そう人指し指をベルに向けて言った悟史、彼も彼なりに信念というモノがあるらしい。


 「いい事を聞けた、それが悟史なりの信念というわけか」


 「分かったなら楽しい時には笑え、悲しい時に泣けばいいんだよ。それが人間だ」


 「・・・・・・、出来る限りやってはみる」


 悟史はベルの目付きが少し変わったのを感じた、今まで精気の無かった目に命が宿ったような気がする。


 「それじゃあ、今はちょうど昼時だし何か俺が作っ・・・・・」


 そう言いかけた悟史だったが一瞬動きを止めると、呼吸をする暇もなくベルを部屋の奥へと突き飛ばした。


ーーガッシャーーーーーンッ!!


 次の瞬間にはマンションの外壁を突き破り、ベルと悟史のいる一室に何かが突っ込んできた。


 「我らはシュラベター族、この星の支配者となる前の布石として貴様らを奴隷にしてやる!!」


 「人の家に突っ込んでくるとか危ねぇだろ! それと律儀に日本語をどうも、殺れるかベル?」


 「ああ、問題ない」


 そう言ってベルと悟史の二人は突如として現れた敵と対峙するように睨みつけた。

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