シリアス・ダーク小説

高校生になったら生徒会長
日時: 2020/03/23 17:08
名前: 枢木

能力者も存在すると噂される高校、曼珠沙華学園高校の特別科から推薦され入学した主人公

甘露寺依吹はその科に入学すると同時に能力を開花させる。そしてその科で出来た友人

信楽衛士(しがらきえいじ)に推薦され生徒会長にさせられる。

<曼珠沙華学園高校>
表向きは普通の進学校。普通科で大抵は3クラス。それにプラスして特別科が1クラスある。
特別科の生徒は学校側が推薦して選ぶ。人数も安定せず極端に数が少ない時もあれば
多い時もあるようだ。

<特別科>
能力者若しくは他人より異常な何かを持っている。依吹の代では男子の人数が女子より若干多く
人数が少し少ない。

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Re: 高校生になったら生徒会長 ( No.1 )
日時: 2020/03/23 20:39
名前: 枢木

入学から早一か月が経っている。依吹は溜息を吐いた。それは数週間前に戻る。

委員会決め。生徒会に参加する人物が必要となり選ぶのに中々悩んだ。

「先生」

手を挙げたのは信楽衛士だ。

「生徒会なら依吹さんが良いと思います」

その意見があっという間に通ってしまい断れず渋々生徒会に入った。そして不思議なことに

得票率ほぼ100%に近い状態で生徒会長に選ばれてしまい今に至る。因みに衛士は全く別の

委員会に入ってしまった。

「ほれ手が止まってんぞ生徒会長」

声を掛けてきたのは生徒会長補佐の座についている同級生、伊黒灸だ。互いに中学校時代の

友人だ。彼もそして本人も甘露寺依吹が生徒会長という大役をすることになるとは思いも

しなかった。

「なりたくてなったわけじゃないんだけどねぇ…」

「仕方ねえだろ。思いのほか得票率が高かったんだからさ」

「一言余計じゃない?」

慣れない高級そうな椅子の背もたれに寄り掛かり伸びをしようとしたところに一人の生徒が

入ってきた。顔が腫れ上がりボロボロの男子生徒は前のめりに倒れた。否、捨てられた。

白い手袋を真っ赤にした少年は意識を失い倒れた男子生徒を蹴飛ばす。生徒会書記係、

狗神錆丸は赤い右手袋を脱いで笑顔を向けた。

「遅くなってすみません生徒会長」

「あ、あのねぇ錆丸。あんまりやり過ぎないでよ?色んな意味で苦労するんだから主に私が」

彼は耳が良い。特に依吹に対して悪口、誉め言葉問わず。

「いいじゃないですか。それに大丈夫ですよ俺がしっかり後始末してますから」

「お前なぁ…」

灸は錆丸の前に立ち前蹴りを放とうと脚を振り上げようとする。上に上がる前に錆丸が彼の足を

踏みつけた。

「同じ委員会だよ?喧嘩は良くないだろ?」

錆丸は灸の耳元で囁く。

「お互い生徒会長の汚れ仕事を担ってるんだからよ。仲良くしようぜ?」

Re: 高校生になったら生徒会長 ( No.2 )
日時: 2020/03/23 20:53
名前: 枢木


「生徒会長様は随分と余裕そうだな」

放課後の廊下。鞄を持った依吹は身構えた。大柄な男子生徒が声を掛けてきたのだ。肥満体質、

ゴリゴリの筋肉で覆われているわけでも無い。細身で綺麗な顔立ちをしている。女子の中で

曼珠沙華学園高校美男子ランキングと言って話し合っていた。その中でボクシング部の生徒が

ランクインしていた。

「確か…連火紅蓮(つれびぐれん)君だよね?」

「知ってるのか?クラスも違うのに」

「結構有名だよ。女の子たちが話してた」

そう言うと彼は「あー」と抜けた声を出した。クラスの女子曰く、「顔が好き」「強い人って

カッコイイ!」「細マッチョなんだよね」「スカーフェイスもイケてるよね」だそうだ。

色白な顔。右眼に縦に斬られた傷がある。

「で、本題に入るんだが俺を生徒会に入れてくれよ」

紅蓮はそう言った。

「お前は知らないかもしれないがここの生徒を侮っちゃいけねえ。色々情報通な奴がいるからな。

俺もその一人、グループなんかを作って色んな奴の弱点を握ってる。お前の過去も性格も全てな。

それでどうして過去のようになっていないか知ってるか?」

紅蓮に言われて依吹の心は沈んでいく。

「知ってるよ…錆丸君とか灸君たちが何かしてるんでしょ」

「…今まで粛清された生徒は約35名。そのうち約半分が元、琴南中学校出身の生徒、それも

お前に絡んできた奴だ。全員が伊黒灸と狗神錆丸によって粛清という名の暴力を振るわれたって

ワケだ」

話が終わり彼は右手を握り振り向きざまに拳を放った。それを躱し蹴りを放つ者がいた。灸だ。

「なるほど。曼珠沙華学園高校ボクシング部主将は伊達じゃないってか!」

左からくる拳を躱し一旦下がった。紅蓮は構えを解いた。

「喧嘩はしたくないな」

「よくいうぜ。ぶん殴る気満々だっただろうが」

灸は言い返す。紅蓮はふと笑みを浮かべた。

「喧嘩は嫌いだが試合というのなら良い。来いよ、今なら貸し切りだ」

Re: 高校生になったら生徒会長 ( No.3 )
日時: 2020/03/23 21:20
名前: 枢木


真四角のリング。似合わない服装の少年が二人いた。一人は腕に生徒会の腕章を持つ。もう一人は

格闘技とは縁遠い華奢な少年。

「じゃあはじめよう、かっ!!」

紅蓮が先手を取りストレートを放つ。構えていない状態から放たれているためパワーはないはずと

考えた灸は防御を選んだ。だがそのパンチは強い。両腕に痛みが走り灸の顔が歪む。看破を

入れずに紅蓮が攻勢に出る。そして連打を放つ。ガードはしているが力に押されて灸が

後ろへ下がっていく。

「(ロープ際にまで来ちまったな。流石は主将、反撃させねえつもりか)」

灸は依吹に目を向ける。心配そうに見つめている。戦闘力0に近い彼女に戦えとは言えなかった。

生徒会長、甘露寺依吹を守る。それが灸が自分に課した使命だ。このまま守り続けていては

負ける。だからこそ反撃に出る。二人の拳が同時に互いの頬を掠った。クロスカウンターという

奴だ。

「脚は使っちゃいけねえなんてルールないよな!」

下から上へ三回、横蹴りを放つ。全て当たっている。灸の蹴りはそれなりにパワーがある。並の

人間なら大抵倒せるが今回は難しい。打たれ強い紅蓮を倒すにはもう少し手数等が必要だ。

「(かなりタフだな。それに頑丈な体…)」

不意打ちしかない。そう考えたとき、防御が緩んでしまった。血混じりの唾が床に飛散する。

「ぐぅ…!」

「それぐらいで倒れてんなよ」

襟首を掴み灸を立ち上がらせる。ふら付きながらも灸は構える。鼻からポタポタと血が流れる。

呼吸が止まり思考が鈍り出す。

「ぐぶぅ!?」

顔面を紅蓮の拳が貫いた。更に右頬、左頬、胴体と強烈なパンチが襲う。

「す、ストップ!!」

依吹が声を出して二人の間に入ってきた。

「依吹…」

「何?って、うわぁ!!?」

依吹の頭上を灸の脚が通り過ぎ紅蓮の左頬を抉った。

Re: 高校生になったら生徒会長 ( No.4 )
日時: 2020/03/23 21:33
名前: 枢木


依吹の横をすり抜け灸は攻撃に出る。顔面に拳を入れる。片目は大きく腫れていてしっかり

見えてはいない。だが相手の顔だけは捉えている。もう一発と灸が拳を突き出す前に紅蓮の

フックが右頬を捉えていた。だがピタリと止まった。

「……は?」

「何呆けた顔してるんだ?ストップ掛けられた。俺もそろそろ帰らなきゃな」

ペッと血が混じった唾を吐き捨て紅蓮はリングから降りた。近くに置いてあった鞄を手に取る。

「で、俺は生徒会に入っていいのか?それとも掛け持ちは禁止か?」

「…禁止しないよ。掛け持ちもオッケーだから」

それを聞き紅蓮は静かに笑みを浮かべ帰って行った。リングの上に倒れ込んだ灸に近寄る。

「ホント恐ろしいなアイツ。まだ本気出してねぇ、タフさは人間の域超えてるぜ?」

「それ灸君が言う?それより鼻血、拭いてよね」

依吹からティッシュを受け取り鼻に当てる。灸自身、まだまだ弱いということを痛感した。

そして少し焦り始めた。集団ならまだしも個人相手に不覚を取ってしまった。

「(仕方ない。錆丸と訓練するか…)」

錆丸も灸もライバル同士だ。実力も同格。二人とも同じ目標を持っている。依吹を守るということ。

そのためならどんな汚れ仕事もするという意識を持っている。

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