シリアス・ダーク小説

幻の如く過ぎ行く世界
日時: 2020/09/14 19:07
名前: 霧滝禊 ◆cTMHUFnf0k (ID: M5P3Ap0i)

現実とはかけ離れた、この世界のどこかにあるとされる幻の様な世界、『明瞭域』。
様々な存在が様々な思惑を持ち、訪れるとされるその世界で生まれ育った青年、『識枷霊夜』。
この物語は、そんな青年が世界を変える、在り来たりでよくある物語。

【幻の如く過ぎ行く世界】、はじまりはじまり。


【記録】
2020/9/13:第1章開幕

【更新予定】
週1更新を目指しています。

Page:1



Re: 幻の如く過ぎ行く世界 ( No.1 )
日時: 2020/09/14 03:48
名前: 霧滝禊 ◆cTMHUFnf0k (ID: M5P3Ap0i)

【幻の如く過ぎ行く世界】第1章第1話【この識枷霊夜は夢を見る】





最初に、誰かに問いたい。
「俺が思い出せる最初の記憶はなんだと思う」、と。
両親の顔?それとも家族?もしくは友達?…残念だが俺の記憶はそのどれでもない。
俺の思い出す最初の記憶は、「自分が地面に横たわりながら見た空」だ。



そして俺が今見ているその光景も、俺が最初に思い出す「空」だった。




「……夢、か。」
もう何度呟いたか分からないこの言葉を呟きながら、俺は身体を起こす。
「眩しいな…」
寝ていたベッドの真横にあるカーテンを開け、外を見る。今日も世界は晴天だ。
普段の自分であれば、俺はこの後顔を洗い、食事をし、身支度をした後、適当に外出する。
そんな適当人間が識枷霊夜(しきがせれいや)だ。
しかし、今日は普段通りではなかった。
「荷物?何か頼んだものでもあったかな…?」
一連の流れを終え、外出しようとした俺の足元には箱があった。
黒く重厚な、20cm四方くらいの正方形の箱だ。
「ご丁寧に俺の名前まで書いてるのか。」
俺もどこかで人気者なのかな?と、ふざけた台詞をこぼしながら、宛先の書かれた紙の裏側を読む。


「拝啓、識枷霊夜くん。
 いきなりこんな怪しい箱が置かれていて不審に思ったかもしれないが、どうか許してほしい。
 私は怪しい者ではない。君を育てた者だ。今回はやれといわれたのでこんなことをするが、
 私はやりたくなかった。直接渡した方が早いからね。後の話をするので私のところに来てくれ。
 あ、勿論箱の中身も持ってな。」


「…巴折、お前か。」

ここで一つ補足をしておきたい。俺に両親はいない。最初からいないらしい。
そんな俺を育てたのは、背がやたら高い女、「織神巴折(おりがみはおり)」と、基本的に何でも出来るメイドみたいな女、「希刹川理(きせつがわことわり)」だった。
両方とも癖が強い奴らだが、同時にいい人間だった。

「中身…?これって腕時計か?」
やけに高そうな箱の中身は、恐らく金属と思しき素材でできた、白い腕時計だった。
「時計なんていきなり送ってきてどうしたんだ…。」
俺は困惑しつつ、その箱を持って送り主のいるところへ向かうことにした。
俺の住む家のすぐ近く________見飽きるくらいに見たバカでかい城、「洛城」に。




「あれ?今日は門の前にいないのか?」
すぐ近くなので然程時間もかからずに洛城についた俺は、とある人間の不在に気付いた。
「馬鹿め、今日もいつもどおりにいるだろう。」
「今日は門の上にいるのか…相変わらずよくわからないやつだな…」

いつの間にか門の上に立っていたその男、真っ白な男、「蔵階梯(くらしなはしご)」といつもどおりの会話を交わすと、俺は洛城の中に入った。

「遅かったですね。待ちくたびれて悪戯をしてしまうかと思いました。
「やめてくれ…理の悪戯はただの虐待だ…」
「うふふ。愛情を虐待だなんて酷いですね。ぶちますよ。」
「言ったそばから虐待じゃないか。」
「うるさいです。えい。」
割といい勢いで頭をはたかれた俺は、やり返さずに言葉で訴える。
今から10年くらい前の7才の時、同じ様な場面でやり返したことがあるのだが、ひどい仕打ちを受けた。思い出すのも怖いくらいの仕打ちを。
「痛い!呼ばれてきただけなのになんで殴るんだ!」
「…呼ばれてきた?ああ、そういえば呼びましたね。」
巴折も待っていますから、と促され、俺は階段を登る。
「なあ、いきなり時計なんて送ってきてどうしたんだ?」
「まあそう焦らずに。話は巴折から。」
と、疑問をぶつけてみるも、適当にあしらわれた俺は、これ以上聞いても同じ答えしか帰ってこないだろうと思い、黙る。
歩き始めてから1分位経っただろうか。理は足を止めた。
「ここです。この扉の先に巴折がいます。」
「いや、何回も来たことあるから知ってるよ。」
「そうでしたね。忘れてください。」
「…で、扉開けないの?」
「開けません。自分で開けてください。」

なんだ不親切に、と思いながら扉を開けた俺にいきなり何かが飛びついてきた。
「れいやあああああああ!会いたかったぜえええ!」
「抱き着くな!離れろ!気持ち悪い!」
「やだー。離れないもんねー。」
俺に飛びついてきたのは先のもう片方の女、織神巴折。やたら過保護なやつで、合う度にこうやって抱きついてくる。少し気持ち悪い。
「いい加減にしなさい!」
と、横で見ていた理が巴折の胸ぐらを右手で掴み、思い切り投げ飛ばした。
投げ飛ばされた巴折は椅子に座っている状態で着地し、口を開けていた。
「理すご!巴折びっくり!」
「もうできないことないんじゃないか?俺にはできないぞ、こんなの。」
「うふふ。私にも出来ないことくらいありますよ。」
「へー。あたし気になる。教えて?」
「霊夜くんに手加減することです。」
「おいおいそれは出来なきゃいけないだろ!?俺がかわいそうだ!」

「うふふ。出来ませんよ、そんなこと。…巴折、本題に入りましょう。」
「ああ、そういえば本題あったな。」
なんだこいつら、本題喪失症にでも罹ったか?と思いつつ、少し姿勢を正す。
「今日、霊夜のところに一つ、荷物を送った。」
「ああ。来たな。」
「勿論、持ってきたよな?」
「ここにある。」
「オーケー、話を円滑に進められるよ。」
「で、この時計は一体何なんだ?」
「詳しく教えるためにも、とりあえずその時計を付けてみろ。」
「わかった。」
そう答えた俺は、箱の中から時計を取り出す。ずっしりとした重さを感じる。
俺の利き手は右手だが、時計は右手に巻く。
「これでいいか?」
時計を巻いた右手を巴折に見せつつ、確認を取る。
「それでいい。で、その時計なんだがな…」
「その件は私から説明いたしましょう。」
巴折の話を遮る形で、理は説明を始める。
「そちらの腕時計は名前を【白の創世】といい、私の父が作った作品です。」
「へえ…理の父さんが作ったのか…」
「はい。父の傑作と言って、過言ではないでしょう。」
「で、なんでそんなもんを俺に…?」

「それはですね…」
「霊夜の能力が見たいからだ。」
今度は理の説明を遮る形で、巴折が話を始める。
「俺の…能力?」
「そうだ。もうお前には宿っているはずだからな。」
俺の能力?なんのことだ?俺はただ暇な人間で、能力なんて一般人レベルしかないんだが…?
そんなことを考えている俺に、巴折はとある衝撃的な言葉をぶつける。
「そのために、こいつと戦ってもらう。」
困惑している俺の目の前に、突如として少女が現れる。
黒いワンピースを着た、黒いショートヘアの、黒い少女。
そしてとても、目付きが悪い。
そしてその両手にはとんでもないものが握られている。
少女の矮躯には似合わない、無骨な大鎌が。

「はじめまして________こんにちは、そしてさようなら。」

そんなことを呟いた少女はその大鎌を振りかぶり…俺を、ぶん殴った。


「あがッ…」
どてっ腹に大鎌を喰らった俺は、扉をも突き破り、壁に叩きつけられた。
鈍い痛みは感じるも、出血はしていない。どうやら刃では殴られなかったようだ。
「弱い弱い弱い弱い弱い。全くもって無価値です。」
俺をぶん殴った少女は平然とこちらに歩み寄ってくる。
「くっ、逃げないと…」
なんとか身体を起こし、入り口へ向かおうとするが…
「虫けらが…逃げるなッ!!!!」
またしても大鎌を振りかぶり、今度は俺の眼前に叩き落としてきた。今度は刃を。
「ッ…危ね…」
「逃げるな、と言っているのが分かりませんか?逃げるな避けるな背けるな。理解しろ。」
高圧的な言葉をぶつけてくる少女。俺はこの少女になにをしたのか。わけがわからない。
「な、なあ。君は一体何なんだ?正直怖い…ぞ。」
「当たり前です。怖いことをしているんですよ?馬鹿なんですか?」
「目つきといい言動と言い、怖いことだらけなんだが…」
俺がそう呟いた瞬間、その少女の目つきがもっと悪くなった。
そして俺は感じた。言ってはいけないことを言った、と。
「目つきの事を…口にするなあああああああッ!!!!!」
恐らくブチ切れたその少女は、先の動きとは比べ物にならない速さで、こちらに刃を振り下ろしてくる。
間違えない。俺の命はここで終わった。我が生涯、多々の悔いあり。
「った…弱…い…の…」
どこかでそんな声が聞こえた気がした。
その瞬間だった。俺の右手…正確には俺の右手の時計に動かされる形で、俺の右手は動いた。
そして辺りを閃光が包んだ。眩しい。目が痛い。ので目を瞑った。

「何ッ…!?」
気がつくとそんな少女の声が聞こえた。
俺は目を開けると同時に、眼前の光景に驚愕した。
俺の両手には白と金を基調にしたガントレットと思しきものが装着されており、時計のあった右手には、これまた剣が握られており、その剣は少女の大鎌を受け止めている。
「なんだ…これは…」
俺が驚愕の声を漏らすと、再び俺の右手が動く。
軽々と少女を大鎌ごと跳ね飛ばし、その勢いで自分の体が起きる。


「そこまで。」


巴折の声が聞こえる。
「冬問、ありがとう。少し休んでくれ。」
「わかりました、巴折さん。」
少女はぺこりと頭を下げると、そのまま消失した。
「な、なんだったんだ…今のは…」
「今のが霊夜の能力だ。」
巴折がそう答える。
「はい。今のが霊夜くんの能力________【然舞廻し(リテイクエイク)】かと。」
理も続けて答える。
「り、りていくえいく…?これが…能力…?」

理解が追いつかない。今日はやっぱり、普通じゃない一日だ。


【幻の如く過ぎ行く世界】第1章第1話【この識枷霊夜は夢を見る】了
→NEXT【幻の如く過ぎ行く世界】第1章第2話【暇人間に戻りたい】

【後書き】
一回全部消して焦った。Control+zとクリップボード復元を知らなければ今頃この小説はなかった。
いきなり人がたくさん出てきて、書きたいことがたくさんあったので変な文になってしまったと思います。今後も改善しながら、自分の考える最終回まで執筆していきたい所存なので、今後もよろしくおねがいします。霧滝禊でした。
【追記】
5話あたりで一度キャラクター設定を投稿します。

Re: 幻の如く過ぎ行く世界 ( No.2 )
日時: 2020/09/14 22:07
名前: 霧滝禊 ◆cTMHUFnf0k (ID: M5P3Ap0i)



【幻のように過ぎ行く世界】第1章第2話【暇人間に戻りたい】


「戸惑うのも無理はないです。私も分かりませんでした。」
少し頷きながらそう言う理。
いきなりなんなんだ。変な少女と戦わされた挙げ句、能力だなんだと畳み掛けられる。戸惑って当然だろう。
「戸惑うっていうか…自分にそんなもんがあったことが驚きなんだが…」
「色々疑問に思うこともあるだろうし、自覚させた人間としての責任もある。一からあたしが教えてやるよ。」
巴折が能力について、そして時計について説明を始める。
俺は端々に疑問を感じつつも、その説明の大まかな部分は理解できた。

どうやら【能力】と言うのは明瞭域に存在するものがなんらかの原因で発現させる超能力の様なものらしく、その効果は多岐に渡るらしい。
明瞭域に存在する、能力を持つ者…通称【能力者】の割合は非能力者6:能力者4とそこまで多くないようで、自然発現する存在は稀との事だ。
そして【白の創世】とかいうこの腕時計、区別名を【器装】というらしく、その実態は『武具を内包した装身具』だそうだ。姿形は様々で、眼鏡から腕時計、はたまた家屋の形の物もあるらしい。誰が作ったんだそんなの。明瞭域に存在する能力者の大半は、特定の節目でなんらかの器装を用いて能力テストをし、判別をするようだ。


「…能力と器装の説明としては、ひとまずこんなとこか。なんか質問は?」
「あー…まあ質問だらけではあるんだが…まあ一番気になるのを一つ。」
「おっ、なんでも聞けよ。なんだって答えてやる。」
「俺の能力の…なんだっけ?【然舞廻し】?だかなんだかは一体何が出来るんだ?」
少し考える素振りを見せる巴折。10秒程の沈黙の後、ようやく口を開く。
「あたしの予想と…観測が正しければ『自然操作』系統の能力。それも何かだけではなく、自然現象全般の。」
なんか、地味。自然現象ってあれだろ…雨とか、雪とか、そんなの。
「そ、そうなのか…疑問が解消できてよかったよ…。」
「霊夜…お前今「つかえねー」とか、「地味だな」とか思ったんじゃないか?」
思考盗聴の能力でも持ってんのかこいつは。
ここで「はい」と言えば間違えなくなにかされるだろう。
「いや、思ってない。なんかこう…夢がある、能力だよな。」
「なーんだ。思ってないのか。思ってたらなんかしてやろうと考えてたのに。」
良かった誤魔化して。身を捨てるところだった。
「…あの。私からも一つ、よろしいでしょうか?」
しばらく黙っていた理が口を開く。
「その…私から一つ、個人的に霊夜くんにお渡ししておきたいものがあるのですが。」
「え、まだなにかあるのか?」
少しお待ち下さいね、と部屋を出る理。
「理からもなにかあるらしいし、まあ座れよ。」
そういえばずっと立っていた。
部屋の中にある椅子の一つに腰掛け、ふと自分の手を見下ろす。
今はもう【白の創世】による武装は解除され、ただの両手が見えるだけだ。
遠くから足音が聞こえてきた。そろそろ理が戻ってくるころだと思い、視界を上げる。その時だった。
「…しに…と……?」
【白の創世】が発現したときに聞いたあの声がまた聞こえてきた。
今度はより、しっかりと声が聞こえる。男の声だ。
誰の声だ…?こんな声聞いたことがない。
「…どうしたんだ霊夜?そんなに目ェ開いて。なんか見たのか?」
「今、声聞こえなかったか…?若い男の声…」
「男の声ぇ?そんなもん聞こえなかったぞ?だいたい、今この城にいる男はお前だけだぞ?」
「そ、そうか。多分何かの音がそう聞こえたんだろう。悪かった、巴折。」
そんなわけない。しっかり聞こえたんだ。男の声が。
疲れたので早く帰りたい俺は、誤魔化しの言葉で終わらせる。

「お待たせしました。こちらがお渡ししておきたいもの、です。」
そういった理が両手で抱えて持ってきたのは、【白の創世】が入っていた箱と同じ様な箱だった。
一つ違いを上げるとするなら、長い。
目で見ただけなので詳しい寸法まではわからないが、恐らく120センチはあるだろう。
理は俺の目の前にあるテーブルに箱を置くと、蓋を開ける。
「果刀・戯切、という刀になります。…と、いっても私の作ったレプリカですが。」
箱の中に入っていたのは、とても刀とは言い難い代物だった。
刃の部分はなんとも奇妙な形になっており、言葉を絞り出して説明するなら、「二振りの刀を無理にくっつけた」のではないかと思うほどに奇抜だった。
それに加え、柄部分は更に装飾が酷く、これではまともに持つことは難しいだろう。
真剣というよりは芸術品に近い、そんな刀だった。
「へー。レプリカの割にはいい出来じゃん。やっぱ理って何でも出来るのな。」
いつの間にかすぐ近くにいた巴折はそう言い、果刀・戯切を持ち上げる。
「やっぱ持ちにくいな、こいつ。こんなんで戦えるやつがいたとか信じらんない話だよ。」
巴折はぶんぶん、と軽く振り回しながらそうつぶやく。
「ちょ、巴折危ないぞ、俺たちに飛んできたらどうするんだ。」
「えー?飛んでくるって?こんな感じ?」
少しにやけながら俺に果刀・戯切を投げ渡してくる。
「おまっ…なにして…」
俺は投げられた刀の柄の部分を奇跡的に持つことが出来た。少々安堵し、刀をまじまじと見ようとした。
見ようとした。
見ようと、した。
見よ、うと、した。
見、よう、と、し、た。

しかし、俺が見たのは果刀・戯切ではなく、男だった。
辺りは急に畳張りの屋敷に変化しており、その男は胡座をかいている。
風貌としては20代中盤ほど…?長い髪を後ろで適当にまとめ、黒い着流しに身を包んだ…少し笑った、男だった。
「う、うわっ!だ、誰だあんた!」
俺は反射的に後ろに下がる。本能が距離を取れと言っている。
平和に普通に生きてきた俺でもわかる。こいつは、やばい。
「お前が…やつがれか…?」
声を聞いて驚愕する。さっきも聞いた声だ。手を見た時の声、【白の創世】を発現させたときに聞いた声。
「なんだ?やつがれが聞いてるだろうが、すぐに答えろよ。」
「答えようにも答えられないんだが…。お前は一体誰なんだ…?」
「やつがれが誰、だと?だからやつがれはお前と言っているだろうが。」
「いや、本当に意味がわからないんだが…。」
着流しの男は少しため息をついた後、頭を掻きながら再び口を開く。
「…まあいい。お前はやつがれで、やつがれはお前。不自然ではない。」
「なんだ…こいつは…」
「お前、名前は?」
起き上がった着流しの男は、後ろを向き、そう質問してくる。
「名前…。識枷霊夜、だ。」
「識枷、か。いい名前だ。そうなっても何ら不自然でない。やつがれが褒めてやろう。」
そう男がつぶやくと、いきなり世界は揺れ、崩壊を始める。
「な、なんだ!?ゆ、揺れてるぞ!?」
「やつがれが揺らしている。お前はもう帰る時間だからな。」
「は、はぁ?」
「それではまた、やつがれが会いたくなったら会いに来る。」
男の言葉が紡がれるたび、揺れが強くなる。
「ま、待ってくれ…!最後に、俺の、質問を…」
揺れに耐えながら、俺は言葉を絞り出す。
「なんだ。一つだけなら答えてやろう。聞け。」
「お前の、名前は、何だ…!?」
男はまたそれか、と少し笑い、こう答える。

「愚影劫問。やつがれの名であり、お前の名だ。二度と忘れることのないよう、脳内に刻み込め。」




そんな言葉を聞きながら、崩壊する世界に落下してしまった。
愚影…聞いたことがない。
ああ、普通の日常は何処に行ったのか…。




【幻のように過ぎ行く世界】第1章第2話【暇人間に戻りたい】了
→NEXT【幻のように過ぎ行く世界】第1章第3話【そうなってこうなってどうなった】

【後書き】
第二話です。今回も迷走しています。会話文と間に挟む状況文?的なのの使い分けが拙いのと、「…」を使いすぎていると思います。さてさて、早くも謎の声の正体が判明しました。当初予定していた形と大きく違うキャラクターにしてしまった謎の声の正体。だって余りにも書きにくくて描きにくいんだもの。
霧滝禊でした。

Page:1



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