ダーク・ファンタジー小説

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いつか視た終末戦争。
日時: 2012/09/06 23:47
名前: 神童珠湊 ◆4xLZ.gsETk (ID: ZEjsU2TR)

プロローグ

「兄さんって、いいよね。」

「唐突になんだ。」

丘の麓だった。
頂上へ、俺と三男と二人で歩いている最中だった。
頂上には、次男がいる。

「なんか兄さん・・・物語の主人公にできそう。強いし・・・ 僕の憧れだなぁ。」

「憧れ、か・・・」

俺は少し笑った。
嬉しいのもあった。
でも何故だろう。理由もないのに少し、少しだけ笑った。

「僕いつか、兄さんを主人公にした物語を書きたい!」

「俺を主人公にした、か・・・」

悪くない。
俺は純粋にそう思った。

「いいじゃないか、なかなか面白そうで。」

「ええっ!?書いていいの、兄さん!」

「ああ、もちろん。」

「約束だよ、兄さん!」

その言葉を聞いて、俺はゆっくりとうなずいた。

弟の喜び方が尋常じゃない。
本当に、よく分からないやつだ・・・

「あっ!そろそろ頂上だよ、兄さん。ほら、待ってるのが見えるよ!」

「ああ、少し急ぐか。」








過去の記憶。

弟は、本当によく分からないやつだった。
俺には理解できない「何か」を持っている。

恐ろしいような、そうでないような、何かを・・・











「約束だよ、兄さん。僕はあの約束を忘れてなんかいないからね・・・」








     — 兄さん。—