二次創作小説(紙ほか)
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- 悪ノ娘 〜黒のイレギュラー〜
- 日時: 2015/10/08 04:20
- 名前: ライカ (ID: IgOdDNi7)
こんにちは、ライカです。
このたびは、僕の小説をご覧いただき、ありがとうございます。
この作品は、小説「悪ノ娘 〜黄のクロアテュール〜」「悪ノ娘 〜緑のヴィーゲンリート〜」の二次創作です。
2015年10月8日 更新再開しました
〜あらすじ〜
エヴィリオス歴1562年。
蛇国から連合国家USEのクロックワーク学園・歴史学科へ留学している黒河さな。
ある日彼女は、ルシフェニア革命の資料を探している時に、意識を失ってしまう。
目覚めるとそこは……千年樹の森!?
1000年以上前にタイムスリップしてしまった彼女の運命はいかに!
〜オリキャラ紹介〜
黒河 さな (クロカワ サナ) 15歳
クロックワーク学園の生徒。蛇国人。
エヴィリオス歴499年にタイムスリップし、偶然出会ったエルルカ・クロックワーカーの弟子として生活する。
ユミリナ・フリージス 15歳
さなの親友。ユキナ・フリージスの血族であり、フリージス家の長女。
家柄に縛られるのが嫌で、家を飛び出している。
- Re: 悪ノ娘 〜黒のイレギュラー〜 ( No.14 )
- 日時: 2013/03/20 13:06
- 名前: ライカ (ID: IgOdDNi7)
「二人とも疲れたでしょう。今日からはあそこの小屋で生活するから、先に行ってて。私は、後片付けをしてから行くから」
桃髪の女性が言うと、緑髪の二人は向こうの方に見える小屋へ行ってしまった。
「さて、あなたはなにをしてるのかしら?」
「うわっ!」
いきなり彼女が話しかけてきた。というか、いつの間に目の前に!?
「驚かせてしまってごめんなさいね」
「い、いえ……」
覗いていた私にも非はあるし。
「それで、あなたの名前は? 見たところ、蛇国人のようだけど」
「黒河さな、です……」
「えーと……クロカワが名前?」
そうか。蛇国と他の国とだと、名乗り方が違うんだった。
「違います。サナ=クロカワ。サナが名前です」
「分かったわ。私はエルルカ=クロックワーカー。よろしくね、サナ」
エルルカ=クロックワーカーって、あのエルルカ様!?
でも、クロックワーク学園の入学式で見たエルルカ様は、黒髪だったけど……。
そこまで考えて思い出す。エルルカ様は、『転身の術』を使って、金髪碧眼の身体から桃髪の身体、そして黒髪の身体と転身したんだっけ。
エルルカ様が桃髪ということは、今は137年から842年の間だ。……範囲広すぎ!
- Re: 悪ノ娘 〜黒のイレギュラー〜 ( No.15 )
- 日時: 2013/03/26 12:55
- 名前: ライカ (ID: IgOdDNi7)
「エルルカ様、一つ聞いてもいいですか?」
「何かしら?」
様付けすることにツッコミは入れないんだ……と思いつつ、私は彼女に質問する。
「今は、何年ですか?」
エルルカ様は少し驚いたような顔をしながら答えた。
「今は、エヴィリオス歴499年よ」
タイムスリップしてしまったことへの驚きは、ほとんど無かった。むしろ、やっぱりな、という気持ちの方が大きい。
桃髪のエルルカ様を見て、この展開を予想していたからかもしれない。
「エルルカ様……」
「どうしたの?」
「私、1000年以上前から、タイムスリップしてきたみたいです」
エルルカ様は何も言わずに、私の目をじっと見つめた。
私も、見つめ返す。先に視線を逸らしたのは、エルルカ様だった。
「どうやら、嘘をついている訳ではなさそうね。タイムスリップってことは、帰る家も、頼る人もいないのだから……」
エルルカ様はなにやらぶつぶつ言いながら考え込むと、私の顔を覗き込んだ。
「そして魔力も十分。なるほどね……」
そして彼女は言った。
「サナ。あなたを、私の弟子にしてあげる」
「えええええええええええええええええええっ!?」
私は驚きのあまり、叫んだ。
- Re: 悪ノ娘 〜黒のイレギュラー〜 ( No.16 )
- 日時: 2013/05/17 18:45
- 名前: ライカ (ID: iQZhz91g)
「あら、タイムスリップしたのには驚かないのに、弟子にするって言うと驚くのね」
「そりゃそうですよ! エルルカ様の弟子にしてもらえるなんて、滅多にあることじゃありません!」
「タイムスリップも滅多にないでしょうが」
確かに。っていや、そうじゃなくて!
「弟子ってことは……ルシフェニア王宮も行くんですか?」
「そのつもりよ」
今がエヴィリオス歴499年ということは、ちょうど【悪ノ娘】の時代。
そんな時期のルシフェニア王宮に行くのはちょっと……いや、かなり危険だ。
だけど……
「もしかして……アレン=アヴァドニアと、会えたりします?」
「あら。サナ、アレンを知っているの?」
「ええ、まあ……」
曖昧に、言葉を濁す。
この先、“緑狩り”が始まり、そのせいで革命が起こります。
言ってしまおうか、と思う。
だけど、エルルカ様は知っているはずだ。
「それより、さっきの緑髪のお姉さんたちは誰なんですか?」
「ああ、二人の紹介がまだだったわね。着いてきて」
私はエルルカ様の案内で、さっき見えた小屋に向かった。
- Re: 悪ノ娘 〜黒のイレギュラー ( No.17 )
- 日時: 2013/06/10 20:46
- 名前: 赤の女剣士 (ID: hd6VT0IS)
悪ノ娘大好きです この話面白いです 頑張ってください♪
- Re: 悪ノ娘 〜黒のイレギュラー〜 ( No.18 )
- 日時: 2015/10/08 04:42
- 名前: ライカ (ID: IgOdDNi7)
エルルカ様に連れられて小屋に入ると、
「わぁ!」
青緑色のツインテールの女性が、私を見て驚いたような声をあげた。
「え、誰!? なんでここに!? ていうか、綺麗な黒髪! 僕、こんなの見たことないよ!」
彼女が感激している一方で、もう一人の女性がエルルカ様に話しかける。
「……エルルカ、この子は?」
「ついさっき私の弟子になった子よ。名前はサナ=クロカワ。
サナ。この子はグーミリア、無愛想だけど悪い子じゃないわ。そっちの驚いてる子はミクリアよ。どちらも私の弟子なの」
「グーミリアさんに、ミクリアさん……!?」
その二つの名前は、私に衝撃をもたらした。
グーミリアの名は、少し詳しい歴史書ならどれにでも載っている。弟子としてエルルカ様の旅に同行し、彼女を支えた人物だ。ただし、エルルカ様とイリーナ=クロックワーカーの“メリゴド高地の決闘”前後に行方不明になっている。
ミクリアの名を見たのは、ユキナ=フリージスの日記だ。当時のマーロン王、カイル=マーロンがまだ王子だった頃に懸想し、“緑狩り”の原因ともなった、“伝説の歌姫”。
しかし、その彼女自身の名はあまりにも知られていない。「“緑狩り”の原因は、マーロン王子が歌姫に懸想してルシフェニア王女との婚約を破棄したこと」という話は、教科書に載っているほど有名なのに、である。
そんな有名な「歴史上の人物」に、まさか会えるだなんて。
私は思わず身震いした。