二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方
- 日時: 2013/05/31 22:38
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=10082
【読者の皆様へ レッドからの挨拶】
ダンボール戦機Wの小説でお馴染みのレッドです。
第2部の第1作【バン×ハルと失われた過去】の小説が終わった時点で新たに第2作を描くことになりました。
上記の参照に【バン×ハルと失われた過去(改)】のアドレスを載せておきます。興味のある方はクリックして読んでみて下さい♪
タイトルは【バン×ハルと忘却の彼方】です。
このようなタイトルに決まったのは、ハルの過去に繋がる記憶に出てくるオリキャラが1人くらい出ることを意味しています。
アメリカにいた時の記憶を中心に語られるオリジナルストーリーになります。
ミステリー×LBXを交えた謎解きアドベンチャーは今後も継続して描いていきます。
この小説はハルの兄・人見光一が登場します。
今回は大学4年生になる前のオリジナルストーリーになる予定です。
【原作:完結した作品】
第1作:バン×ヒロと黒影の亡霊
本編は全20章で完結、番外編は全16章で完結しているぞ!
ダンボール戦機Wの小説を描くにあたり、記念すべき第1作はホラー×ミステリーを交えた本格的な謎解きアクションアドベンチャー!!
第2作:バン×ヒロと過去の追憶
前作の【黒影の亡霊】の続編となった待望の第2作!
本編は全30章で完結、番外編は第25章で完結しました。
全30章にわたる大長編オリジナルストーリーを展開させることで感動あり、迫力ありの描写を表現しながら、展開が読めないようなオリジナルストーリーを手掛ける。
ポイント:ナオが記憶喪失していることだけではなく、ハルの過去に隠されたエピソードも収録している。
番外編では初登場した聴覚障害を持つ少年・船津直紀を取り巻く展開を中心にストーリーを進めていく。
これまでにないオリジナルストーリーを展開させることで前にも増して、文章力を上げることでクオリティをパワーアップさせた。
第3作:バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ)
前作の【過去の追憶】の続編となった待望の新作!
本編は第40章で完結しました。番外編は第4章まで進んだが、完結できませんでした。
なので、番外編は新シリーズの小説でリニューアルに伴い、執筆させることにいたしました。
全40章にわたる大長編オリジナルストーリーを展開させることで感動あり、迫力ありの描写を表現しながら、展開が読めないようなオリジナルストーリーを手掛ける。
ポイント:バンの弟・山野健太&直太の兄弟が初登場していることだけではなく、2人の過去に共通点を持つところがある。
バンが兄としての役割を担うことで、2人の弟をどうやってサポートしていくかというところも見逃せない!!
バンを支える仲間たちとの絆を深めながら、友情と感動を送るという感じになるストーリーも手掛ける。
健太と直太に対するバンの強い思いにも注目してください!!
第4作:バン×ハルと失われた過去
第1部の3作に代わる新シリーズ。第2部の第1作となった作品。
本編は全60章で完結しました。今までにない長編ミステリー小説。
全60章にわたる大長編オリジナルストーリーを展開させることで感動あり、迫力ありの描写を表現しながら、展開が読めないようなオリジナルストーリーを手掛ける。
ポイント:バンの妹となる山野リンが登場。リンの過去に隠された壮絶な記憶だけではない。
健太と直太の2人と共通点を持つことが判明。姉弟ということもあり、ある出来事をきっかけに絆を深めていく。
バンが兄としての役割を担うことで、リン・健太・直太をどうやってサポートしていくかというところも見逃せない!!
バンを支える仲間たちとの絆を深めながら、友情と感動を送るという感じになるストーリーも手掛ける。
リンに対するバンの強い思いにも注目してください!
【お客様】
シグレ:この小説に初コメしてくれた人です。友達だけど、ダン戦好きな人で気が合う! 2次(映像)でポケモン小説を描いておりますぜ♪ キョウヘイ君とヒュウさん、カッコイイ!! そして、メイちゃんもかわいい!!
たま:この小説に初めて来た人ですが、ダン戦好きで気が合います。映像の方でイナイレの小説を描いております。ロコちゃん、可愛すぎる!
タク:私の小説に初コメしてくれた人です。ダン戦シリーズの小説を読んでいて、凄く面白いと言ってくれました。本当にありがたいです♪ ポケモンの小説を描いておりますぜ♪
姫佳:2次(紙ほか)でイナイレの小説を描いてます。仲良くさせていただいてるので、たまにコメントをくれる親友です。輝姫・ティアラ・ここちゃんが可愛すぎる!!
雪桜奇:元は凛々でしたが、改名しました。この小説にコメントをくれる親友ですが…亞夢さまと和輝君をオリキャラとして使わせていただきます。亜夢さまと和輝の幼馴染コンビ、最高!!
【オリキャラ募集のお知らせ】
オリキャラの応募方法 >>34
この度、今作から応募方法を入れて募集することに致しました。
前作までは自らオリキャラを出してくださった方がいたので、今作から募集を行うことになりました。
読者の皆様のオリキャラ投稿、待っています!
【本編:キャラクター原案・構成】
本編の登場人物設定 >>1
バンたちの登場人物が設定されているぞ!
この小説に初めて来た人は読む前に目を通しておいてください。
健太&直太、姉のリン、イナイレの登場人物設定も収録されているので、それも含めて確認しておいてください。
この小説はハルの兄・人見光一も登場します。光一の活躍もお見逃しなく!
竜胆イブキ&桜崎トモミの登場人物設定 >>49
タクが出してくれたオリキャラです。この小説に出すということで応募して下さいました。
2人は幼馴染という設定で登場しますが、ハルの知り合いということもあり、LBXも載せております。
読む前に確認して、クリックしてください。登場予定は第9章〜第10章の予定です。
夢ノ崎亞夢&光ヶ丘和輝の登場人物設定 >>58
雪桜奇(凛々)が出してくれたオリキャラです。どうしても出したいということで応募して下さいました。
亞夢たんと和輝の幼馴染コンビがどうやって活躍するのか、そこを見逃すな!
登場予定はまだ未定ですが、10章以降の可能性あり。もう少しストーリーを進めた時にタイミングを計った上で考えて決めます。
【本編:ストーリー原案・構成】
第1章〜第4章:ミソラタウン編
第5章〜第7章:アメリカ(予定:ルークたちとの再会)
第8章〜 :謎かけ編(ハルの記憶喪失に関する謎など)
【本編:目次(ストーリー進行具合)】
第1部:ミソラタウン編
序章(プロローグ) >>6
第1章 7年が経過したミソラタウンでの日常…ハルの様子に異変を察したバンの違和感とは? >>10 >>16
第2章 7年前の事件に隠された謎とは? >>20 >>23
第3章 ヒロ&ナオの幼馴染コンビ登場!(前編)…バンからの大事な話とは? >>29
第4章 ヒロ&ナオの幼馴染コンビ登場!(後編)…2人が下した決断とは? >>33
第2部:アメリカ編(ルークとの再会、過去の出来事)
第5章 7年ぶりのアメリカ…そこで待ち受ける展開とは? >>39 >>42
第6章 7年ぶりの再会Ⅰ 幼馴染のルークに対するハルの思い >>43 >>60
第7章 7年ぶりの再会Ⅱ ルークの壮絶な過去…いったい、何が? >>69 >>72 >>86
第3部:謎かけ編(ハルの記憶喪失、事件に関する謎など)
第8章 ハルに忍び寄る影(前編)…その背景には、何が? >>91 >>93
第9章 ハルに忍び寄る影(後編)…ハルが記憶喪失!? >>95 >>100
第10章 桜崎トモミ&竜胆イブキの幼馴染コンビ登場! >>103-104
第11章 もう1人の幼馴染・高橋輝美との再会(前編) ハルに対するテルの思いとは? >>105
第12章 もう1人の幼馴染・高橋輝美との再会(後編) ハルは犯人を目撃していた? >>113
第13章 ロサンゼルス市警・捜査一課(前編) サイモン・マックロン登場! >>116
これからも応援よろしくお願いします!
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.118 )
- 日時: 2013/05/31 19:39
- 名前: シグレ (ID: pbINZGZ2)
ひっ、久し振りです……。
部活から帰って来ました……。疲れた……(´ヘ`;)
お知らせ見てくれたんだね、ありがとう!
いつ更新出来るか分からなくなったけど……暇な時に来ます!!
ところで、オリキャラの件なんだけど……もうウォーズキャラしかないorz
どうしよう?晶をあげようか?あ〜でも、ネタバレしちゃうし……レオンの設定が矛盾しちゃうし……。
レッドに出したオリキャラにしようか……悩んでますorz
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.119 )
- 日時: 2013/05/31 19:50
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
>>117 剣
いや、真実…とは違うかな?(苦笑)
その前にある事件について書きます。ただし、ハルの記憶が戻るとは限りません((エ
赤い瞳の男の新情報が出る…可能性もあるので、お楽しみに!
>>118 シグレ
久しぶりー!
部活、お疲れ様!!
お知らせはちゃんと見たからOKよ。元気そうで良かった♪
それより、ハルがとんでもないことに巻き込まれたっていうのは分かった?
オリキャラですか…レオンを出させてあげてもいいし、晶ちゃんでも構いません。
ウォーズは…うーん、ちょっと難しいな(−−;
でも、設定が重なるのには何か理由がありそうだねぇ…(−−;
とりあえず、第14章を更新します!
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.120 )
- 日時: 2013/05/31 21:02
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第14章 ロサンゼルス市警・捜査一課(中編) サイが語る1年前に起きた事件とは?
(バン視点)
ロサンゼルス市警の捜査一課に所属しているサイモン・マックロンに会うためにやってきた。
その応接室でサイの同僚であるローザ・フォンドルも加わり、捜査についての内容も含めて話を聞くことになる。
「ハルが記憶喪失に至ったのは、強い精神的ショックを受けたためだな」
「はい…そうです。彼女は記憶喪失で、今のところは少しずつ取り戻しかけています」
「そうか…まぁ、無理しないほうがいいだろうな。それよりも---------」
サイは俺たちを見回した後、慎重に何か言いたげな顔をしている。ローザはサイが何を言い出そうとしているのか分かっていた。
(もしかして、1年前の事件について話すつもりでいるのかしら?)
気にかけることもなく、ローザはサイを見つめた後に溜息をつく。何か話すべきことがあったのではないか。
そう考えれば、俺たちも納得できる…その時、サイは俺たちを見回してから溜息をついた。
「あの時の事件について調べてもらいたい…」
あの時の事件…っていうのは、いったい?
サイが何を言いたいのか分かりきっていたわけではなかったが、過去に何かが起きていたことを示唆している。
その事を理解するのに、時間はかからなかった…その時、ローザが捜査資料の中に入っていたファイルから1枚の写真を取り出して見せた。
「去年の夏…ロサンゼルス医科大学附属病院 第一外科の医師、ジョニー・ヴァルフ氏の遺体が自宅のマンションから発見された…」
ローザが差し出した1枚の写真には、ジョニー・ヴァルフという青年の顔写真が写っていた。
上半身には、白いワイシャツに緑のネクタイを身につけており、上には赤のジャケットを着用していた。
顔を見る限り、意地悪そうな感じがしてならなかった。病院で働いていたのに、なぜ殺されたのか?
「捜査を担当したのは俺の先輩で、俺と同じロサンゼルス市警捜査一課のディラル警部だった…」
当時の事件を捜査していたのは、ロサンゼルス市警の捜査一課で警部を務めていたディラル。
「彼の下に、射殺されたジェラネル刑事とジョルジュ刑事…そして、ビーフェ君がついたんだ…」
2人の刑事が射殺された…それはいったい、どういうことだ?
ビーフェと言う刑事のことは、後で聞くことにすればいい。しかし、サイから告げられた事件の内容を聞く。
「ヴァルフ氏はかなりの酒を飲んだ上、自分の手術用のメスで右の頚動脈を切っていた…」
手術用のメスで右の頚動脈を切った…つまり、これは失血死ということになる。
「第一発見者は、隣町に住んでいて、ルポライターをしている妹のキャサリン・ヴァルフさん…」
ローザが差し出した、もう1枚の写真を見ると…髪が長く、美人っぽく見える。
首にネックレスをつけており、赤のシャツを着ている。その上にはピンクに近いジャケットを着用していた。
「あれ、この人…どっかで見たな」
ルークが写真を見て、何かを思い出しかける。ケイティも一緒に腕を組みながら考え込む。
俺たちは何も知らないで居たけれど、捜査には協力するつもりだ。その時、ルークが写真を見て気付いた。
「あっ、この前の飲み会で会った人だ!」
「えっ、飲み会…って、そういえば出てたわね」
ケイティが何かに気付いて納得する。ルークは苦笑しつつも、溜息をつく。
その様子を見かねたサイがルークを見て、焦ったような顔で慎重に問い質す。
「会ったって…どういうことだ?」
「僕、ケイティと一緒に酒を飲んでたんですよ。その時、女の人に突っかかってくるヤツがいたから…」
ルーク曰く、飲み会には出ていたが…その時、かなり酔っ払っていたらしい。
そいつを止めるのに、ケイティが気付いて助け出した…ということだった。
「そうです。その時に女の人を助け出して、話を聞こうと思ったんですが…」
「それで、彼女は君に何を…?」
サイがルークとケイティに向かって問い詰める。ルークはポリポリと頭を掻きながら、思わず苦笑した。
「その時はかなり泥酔していたから、何を話したのか覚えていません…」
ルークの話を聞いて、呆然とする…かなり酔ってたなら、どうりで覚えていないわけだ。
ふと、ヒロが腕を組みながら考え込んでいた…その後、写真を見た時に何か思い出して話す。
「僕、このヴァルフと言う人の事件、覚えてますよ!」
「ヒロ、お前…何が言いたいの?」
あまりニュースを見る機会がないので、たまにパソコンでニュースを見ることが多い。
ヒロはサイとローザに向かって、冷静に腕を組みながら話す。
「亡くなる何日か前に、手術ミスを患者の家族に訴えられていたんですよね!」
そういえば、日本でもニュースで流れていたのを思い出す。テレビでよく流れていて、その時に聞いたことがある。
確か、手術ミスで訴えられていて患者の家族に謝罪の言葉がなかったのを思い出す。
「そうだ…部屋のワープロにも、手術ミスを謝罪する遺書が残ってたんで、ディラル警部は自殺の可能性が高いと判断したんだ…」
その遺書さえあれば自殺の可能性が高いということになる。しかし、自分で頚動脈を切るには無理だ。
なぜ、そんなことをしてまで自殺を図ろうとしたのかも分からない…それが未だ謎に包まれている。
「ところが…妹のキャサリンさんが自殺を否定したのよ…」
ローザが1枚の写真を持ちながら、思い出して語る。キャサリンが自殺を否定するとは思わなかった。
彼女が自殺を否定する理由は、そこにあるのではないかと推測する。
「『兄のジョニーは、元々患者の事などを全く考えない最低の医者で…手術を詫びて自殺するなど有り得ない』と…」
その台詞を聞いて、納得できた…確かに良く考えれば、最低の医者なら自殺するはずがない。
もし、他殺だったとしたら…犯人がいたということになるのか?
「しかも一週間ほど前に、ある倉庫の前でジョニーさんが緑色の髪をした若い男と口論しているのを見たらしい!!」
一週間ほど前にそんなことがあったとは知らなかった。緑色の髪をした若い男がいたことも聞かされていなかった。
「緑色の髪…?」
「ディラル警部は念のため、ビーフェ・ジョルシュ・ジェネラル刑事を連れて倉庫へ向かった!!」
その出来事は1週間ほど前に遡る----------------------------
しかし、その日は特に暑く、気温は35度を超えていた…倉庫に行くと鍵がかかっていた。
「鍵がかかっています!」
「よし、張り込もう!」
ディラルはジョルジュを見て頷く。その後に全員で張り込みをしながら見張ることになった。
別々に分かれて、張り込んでいた矢先のことだった…ディラル警部はタオルを出しながら呟く。
「ふーっ…なんて暑いんだ…」
その瞬間、ディラル警部の様子がおかしくなった。どうやら、心臓を押さえているようだ。
「うっ…ぐぅ!」
その発作に気付いたビーフェ刑事とジョルジュ刑事は発作が起きたことに焦った。
「どうしたんですか、警部!」
「心臓病の発作だ!! すぐに救急車を!!」
ビーフェが携帯を取り出し、救急車を呼ぼうとしたその時だった。パシッと左手で掴む音がした。
振り返ると、右手で心臓を押さえながら左手で強く握っているディラル警部の姿。
「呼ぶな…俺たちは今、張り込み中なんだ!!」
「しかし…」
ビーフェは心配そうに見つめていたが、ディラルはそれを無視して歩みだす。
「大丈夫だ…タクシー捕まえて病院に行くから…張り込みを続けろ…」
そう言って立ち去ったディラル警部は姿を消したが…それが気になっていた。
心配したビーフェがしばらくしてから見に行くと…ディラル警部が仰向けに倒れていた。
「ディラル警部!!」
ビーフェは驚きながら駆け寄ると、ディラルの様子に異変が出ていた。
その後、すぐにディラル警部をロサンゼルス医科大学附属病院に運んだ。
しかし、ディラル警部は手術中に息を引き取った。捜査中に起きた急死だった。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.121 )
- 日時: 2013/05/31 22:16
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
その頃、ジョルジュとジェネラルの2人は張り込みを続けていた。
「ビーフェさん、遅いですね…」
「うむ…」
「あっ、来ましたよ!」
倉庫の前にやってくる4人組の男たちがシャッターの前まで来た。しかも不良グループのように見える。
ギターなどを持っているところから見ると、ロックハンドのようだ。サングラスをかけた緑色の男が溜息をついてはずした。
「まったく、なんて暑さだよ…今日は!」
そう言って呟いたのを聞いたジェネラルがその男を見て気付く。もしかして-----------
「行きますか!?」
ジョルジュが慌てて行こうとしたところ、ジェネラルが肩を掴んだ。
「待てっ!!」
目を丸くするジョルジュはジェネラルが何を言いたいのか分からずにいた。
ジェネラルはその男を見て、ジョルジュに問いかける。
「あの男、誰だか知ってるか?」
「はあ!?」
ジョルジュは呆然として、目を見張る。あの男がいったい何者なのか知らずにいた。
「ガーネル警視長のご子息、ボルロさんだ!!」
「……!?」
冷や汗が伝い、ジョルジュは何も言えずに逆らえないままだった。こうして、その事件は打ち切りとなった-----------------
****
ロサンゼルス市警の応接室でサイの話を聞いていたが、気になっていたこともあった。
サイは溜息をつき、話のまとめをしながらも俺たちを見つめて言う。
「結局、ディラル警部の急死もあって、ジョニーヴァルフ氏の死は自殺と断定され…捜査は打ち切りとなった…」
サイの話を聞いたローザはコクリと頷きながらも、思い出して言う。
「妹のキャサリンさんには、男のことは調べたが、事件とは無関係だったとジョルジュ刑事が伝えたわ…」
事件とは無関係なら大丈夫だと思うが…まぁ、自殺とは言えない立場になっているわけだ。
そんなことがあったとは知らずにいて、ハルの事で精一杯だった。でも、事件の話を聞いてみて納得がいかない。
「そんなことがあったんですか…」
「ところで、ディラル警部には、ジョンという1人息子がいるんだが…」
ローザが差し出した1枚の写真には、ジョンの顔が映っていた。イケメンに近い青年だが、どういう関係で?
「この男が…何か?」
「うむ、通夜の席のことだ…」
サイは溜息をつきながら、通夜について語り始めた。
****
ディラル警部が急死して、通夜を行うことになった。それが終わった後、ジョンに話そうと思っていたという。
「なぜ救急車を呼ばなかったんですか…? 呼んでくれれば、父は助かったかもしれないじゃないですか!!」
ジョンは動揺しながら、冷静を装うことができない。父親の死を受け入れられずに居たのだろう。
ジェネラル刑事が戸惑いながら、ジョンに向かって話しかける。
「いや…ですから、警部が…」
「父を殺したのは、あなたたちだ!! 僕はあなたたちを許さない!!」
そう言った瞬間、ジョンは左手で指差しながらも冷たく言い放ったのだった。
****
サイは俺たちを見かねて、思い出しながら話を続ける。
「その後、間もなくジョルジュとジェネラルは所轄署に異動になった…」
2人が異動してから、ビーフェの様子がおかしいことに気付いたのだという。
ローザが勤務時間外にビーフェが捜査していることを知り、気になっていたようだ。
「ところが…最近になって、ビーフェが勤務時間外に何か捜査しているのをローザが気付いた…」
「彼女はジェネラル刑事に頼まれて、ジョルジュ刑事と3人で、1年前の事件を調べ直していたのよ…」
1年前の事件について再捜査していた…ということか?
じゃあ、なぜ再捜査してまで調べ直す必要があったのか分からないが…そこで何かが掴めそうだと思ったのではないか。
「ただ、ビーフェはボルロ君とヴァルフ氏の関係は…知らされていなかったようだわ…」
「ジェネラル刑事が射殺されたのは…それから間もなくだった…」
刑事が射殺されたって…いったい、どういうことなのか?
もしかすると、警察官を狙った連続殺人事件が起きていた…ということか?
「マックロン警部、ちょっと良いですか?」
「なんだね、バン君?」
サイは首を傾げながら、俺に向ける。咳払いしてから、サイに向かって問い質す。
「刑事が射殺された…って、いったい何があったんですか?」
「うむ…今年に入ってからの事だ。その事件が起きたのは----------」
事件が起きたのは、今年に入ってからだという。ルークの家の近所に住む男女の4人が犯人を目撃した。
当時、電話ボックスで聞き込みをしながら話していたジェネラル警部補が何者かによって、胸を撃たれたらしい。
「午後2時ちょうど、電話ボックスから出ようとしたジェネラル刑事が何者かに気付いた時には既に撃たれて倒れていた…」
電話ボックスのドアを開けたまま、仰向けに倒れていたジェネラル刑事は死に際に心臓のところを掴んだ。
その後に息を引き取り、犯人は既に逃走していたとのことだった。
「それで、事情聴取とかは?」
「あぁ、すぐに捜査本部を設置して聞いたんだが…」
犯人の特徴は、男か女かは分からないとのことだった。レインコートと傘は灰色っぽいものを使用していた。
しかし、傘は右手で持っていたという少年の証言を聞いたビーフェが気付いて、銃は左で撃ったということになる。
犯人は左利き、その可能性が高い…ジェネラル刑事が左胸を掴んで亡くなっていたことについては警察手帳を示したものと解釈した。
「それで、使用された拳銃は9ミリ口径のオートマチックだということが分かった…」
「女にも扱える、ありふれた銃ですね…」
そのような拳銃を使って、刑事を狙う連続殺人事件が起きようとしていたとは想像していなかった。
しかし、射殺されたのはジェネラル刑事だけではなかった…続けて、ジョルジュ刑事も射殺されたということだった。
「しかし、続けてジョルジュ刑事も射殺されたんだ…」
「えっ、ジョルジュ刑事まで射殺されたって…いったい、どういうことですか?」
ジョルジュ刑事が射殺されたのは、ロス市内にあるマンションの駐車場だった。
1台の車に乗った女性が駐車場に入って、車を止めようとした矢先…誰かが倒れていることに気付いた。
その時に降りてみれば、1人の刑事が仰向けに倒れていた…右手には警察手帳が握られていたそうだ。
「その時、背中を撃たれて死んでいたんだ…」
背中を撃たれて死んでいたとは想像していなかったので、驚きを隠せなかった。
サイは溜息をつきながら思い出して、肩を竦めた。
「我々は、1年前の事件に関係して狙われたと確信した!」
「例の警察手帳から、犯人が警察関係者だと推理し…」
ローザは溜息をつきながら、腕を組んで考え込むようなしぐさを見せる。
「刑事の息子であるジョン・ディラルをモールス刑事が…警視長の息子であるボルロ君を私が調べることにしたというわけ…」
なるほど、それで事件の捜査を続けていたのか…それにしても、俺たちにしか頼めないことは事件の依頼だろうか。
しかも、その事件は難事件にほぼ近い…その事件の謎を解き明かすことができればいいと思っている。
「その事件を捜査したいと思っていたのは…」
「うむ、君たちにも捜査の協力をしてもらいたくてな…特にバン君の噂は聞いている」
俺の噂って…どんなものだよ、別に大したことしてないから良いけどさ。
マックロン警部は俺の推理力を見込んで、ルークに電話してきた…ということになるのか。
「あの、どんな噂を聞いたんですか?」
「うむ…日本で事件解決した子がいると聞いてな、ルークにその話をしたところ、知り合いだと言ってたんだ」
それで、俺に推理力を見込んで捜査してもらおうと思ったわけね…別にいいけど、どうやって捜査しようか悩む。
「なるほどねぇ…俺さえ良ければ、協力しますよ」
「それは助かるな…バン君、ありがとう。あと、ルークたちも協力してくれるか?」
その話を聞いたヒロ・ルーク・ケイティ・テルの4人は訝しげに首を傾げていたが、すぐに頷いた。
「はい、もちろんです!」
ルークが代表して、元気そうに答える。サイは俺たちの頼もしさを見て、満足そうに頷く。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと忘却の彼方 ( No.122 )
- 日時: 2013/09/23 14:50
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: G1aoRKsm)
【読者の皆様へ レッドからのお知らせ】
お久しぶりです!
三ヶ月も連載休載してしまったので、すみませんでした。
この小説もようやく、連載再開することになりました。ゆっくり更新していくので、頑張ります!!
今後の展開はどうなるのか、見逃せないストーリーになります。
記憶喪失になったハルは少しずつ取り戻していますが、今後はどうなっていくのでしょうか?
バンハル&ヒロナオ、ルークの活躍もお見逃しなく!
できるだけ時間がある時に更新していきますね!!
ストーリーは少しずつ練りながら考えて居るので、明日or明後日から連載再開します。
これからも頑張って書いていくので、応援よろしくお願いします!
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25