二次創作小説(紙ほか)
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- デュエル・マスターズ 0・メモリー 堂々完結
- 日時: 2014/12/07 13:44
- 名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: oLjmDXls)
【読者の皆様へ】
初めまして、二次などで創作を行っている、タクと申します。この度はデュエル・マスターズ 0・メモリー、完全に完結しました! 今まで皆さん、応援ありがとうございました。続編、デュエル・マスターズ D・ステラも応援よろしくお願いします!
【番外編あらすじ】
教団の脅威は去ったはずだった。教団の神官、バラモンとデトロイトによって呼びこされた2人の無法の覇者、そして竜神王。しかし、それはやがて世界を脅かす要因に。そして、ヒナタがデュエマをやめる!? 衝撃の番外編、ついに本格始動!
用語集>>10
登場人物紹介>>02
デッキ紹介>>67
デッキ紹介2 >>190
参照1000突破企画:切札紹介 >>114
本編>>247
番外編:強襲の竜神王編
エクストラターン0:キー・メモリアル >>246
エクストラターン1:異変 >>253
エクストラターン2:竜神王 >>254
エクストラターン3:恐怖 >>257
エクストラターン4:狂気 >>258
エクストラターン5:行動開始 >>261
エクストラターン6:デコード >>262
エクストラターン7:ケリを付けろ >>265
エクストラターン8:敗者の条件 >>266
エクストラターン9:急襲、竜神王 >>267
エクストラターン10:決死の特攻 >>268
エクストラターン11:デッド・オア・デッド >>280
エクストラターン12:鬼 >>298
エクストラターン13:暴かれた根源 >>300
エクストラターン14:捨てられたデッキケース >>301
エクストラターン15:ベルフェモール >>304
エクストラターン16:向き合うこと >>305
エクストラターン17:大阪へ >>307
エクストラターン18:咆哮、激震、超克 >>310
エクストラターン19:星として、海に散る >>311
エクストラターン20:絶望への反逆 >>312
エクストラターン21:決戦の舞台へ >>313
エクストラターン22:立ち塞がる無法の皇 >>314
エクストラターン23:激震、インフィニティ・ドロン・ゴー! >>315
エクストラターン24:最後の戦い >>336
エクストラターン25:反逆の一戦 >>337
エクストラターン26:竜神王結合 >>338
エクストラターン27:破壊衝動 >>339
エクストラターン28:絶望と破壊の渦 >>340
エクストラターン29:終焉 >>341
参照3000突破記念!ヒナタへ56の質問
>>176 >>177
短編1:仁義なき戦い(パブリック・エネミー) >>163 >>164
短編2:恋の裏技 >>182 >>185 >>188
短編3:親父の背中 >>206
短編4:恐怖、学園七不思議!? >>281 >>283 >>285 >>289 >>290 >>294 >>295
短編5:探偵パラレル >>306
コラボ番外編
モノクロさん作、デュエル・マスターズMythology
”last smile”
あらすじ:デュエル・マスターズMythologyで活躍中のヒロインキャラ、御船汐。彼女の空白の一年間とは、まさしく鎧竜での一年間のことだった。では、何故彼女はそれを失うことになったのか? そして、記憶と共に彼女が失わなければならなかったものとは。オリキャラによって繋がる2作品の謎が今此処に明かされる。
そして、無法と神々が今、交錯する。
短編のつもりが中編クラスの長さになってしまったこの作品。最後まで必見!
第一話:別れと悲劇はデュエマの後で
>>316 >>317 >>321 >>322
第二話:月夜野シオは彼女なのか?
>>323 >>327 >>328
第三話:神話の使い手
>>329 >>330 >>331 >>332
第四話:そして神話へ
>>335 >>345 >>348 >>349
第五話:”先輩”
>>350
キャラクター裏話
パート1 暁ヒナタ >>293
パート2 黒鳥レン >>299
基本、概存のカードを使用していますが、これからの展開でオリジナルカードを使うかも知れません。ご了承下さい。
なお、クリーチャーの解説などは、以下サイト様から引用させていただいています。
DuelMasters Wiki(デュエルマスターズ ウィキ)様
- コラボ短編:last smile (14) ( No.348 )
- 日時: 2014/12/06 21:46
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
レンとシャンツァイのデュエル。現在、互いにシールドは5枚。レンは場に《一撃奪取 ブラッドレイン》と《狼虎 サンダーブレード》を出し、様子を見る。
睨み合いが続く中、シャンツァイが動き出す。マナの数は7枚、場には《聖邪のインガ スパイス・クィーンズ》。とうとう大型のクリーチャーを召喚するつもりだろう。それだけではなく、墓地には何枚かカードが落ちていた。
「我がターン、《羅刹左神オズフェスト》を召喚」
見たことも無いカード。おそらく、ヨミが創造した神だろう。
その姿は白き天使そのもの。しかし、背中からは禍々しいコウモリのような悪魔の翼が生えていた。
顔は人のそれだが、装甲に身を覆い、素顔はわからない。
「そして、《失楽のカルダモン》で攻撃!」
《カルダモン》が杖から放った光によってレンのシールドが割られた。
その破片がバラバラになって降りかかる。避ける間もなくそれが体に突き刺さった。
「お前達の友人を葬ったのはこの私だ。お前も同じ目に遭わせてやる」
「貴様……よくも、よくもシオを----------!!」
怒りのまま、カードを引くレン。そして、繰り出したカードは--------
「《復活の祈祷師 ザビ・ミラ》を召喚! 効果で《ブラッドレイン》と《シャドゥ》を破壊! そして超次元ゾーンより《ヴォルグ・サンダー》と《サンダー・ティーガー》を召喚!」
現れたのは2体の獣の姿をした悪魔。《ヴォルグ・サンダー》の効果により、自らの山札を墓地に送るレン。
そして、次のターンに覚醒リンクが可能だ。
ヴォルグ・サンダー ≡V≡ 闇文明 (6)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド/ハンター 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーを一人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の山札の上から、クリーチャーが2体出るまでカードを墓地に置く。
W・ブレイカー
サンダー・ティーガー UC 闇文明 (5)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド/ハンター 3000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーは-2000される。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
覚醒リンク—自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の《ヴォルグ・サンダー》があれば、そのクリーチャーとこのクリーチャーを裏返しリンクさせる。
しかし、このままシャンツァイが覚醒リンクを許すわけが無かった。
シャンツァイのターン。まず、シャンツァイはカードを引くと、自らの手札から呪文を唱える。
「《地獄門 デス・ゲート》により、《ヴォルグ・サンダー》を破壊! 効果で我が墓地から《霊騎右神 ロラパルーザ》を出す!」
地獄への門が開き、そこから眩しい光を放って神が現れる。同時に、オラクルの紋章とともに《オズフェスト》とリンクをした。
激しい閃光と共にそこには、天獄を司る2柱が光の輪を纏い、佇んでいた。
「貴様の友人も悪魔を使っていたな。下らん。悪魔は正義の前に滅びるのみ! 震えよ、罪人よ! 《オズフェスト》の効果で我がシールドを貴様に見せる!」
「く、リンク時効果か」
「そのシールドがゴッド・ノヴァOMGならばバトルゾーンに出しても良い! 現れよ、《「黒 幕」》召喚!」
次の瞬間、暗雲が辺りに立ち込めた。
そこから包帯に身を包んだ神が現れる。
そして、2体の光の神と繋がった。
次の瞬間、凄まじい邪気がレンとシャンツァイのシールドへ向かう。
「……ふははは、ゴッド・リンク!! 効果でシールドを全てブレイクだ! すばらしい、イズモ様……もうすぐ貴方も復活される--------!!」
それだけではない。何と、シャンツァイのシールドは1枚もブレイクされてない。
どういうことかと見てみれば、《オズフェスト》が聖なる盾を持って《「黒 幕」》の放った邪気を跳ね返しているのだ。
「言い忘れたが、《オズフェスト》が3体でリンクしているとき、我がシールドはブレイクされない!! さあ食らえ、絶望とともに!!」
このまま神の攻撃が通る-----------
「それは無理な話だな」
しかし、不敵な笑みを浮かべて言ったレンのシールドが2枚、光となって収束した。
「S・トリガー、こっちも《地獄門 デス・ゲート》を使用! 効果で3体神を破壊!」
「なっ--------! くっ、《ロラパルーザ》を墓地に!」
「さらに、貴様のリンクした神の合計コスト、20以下のクリーチャーを墓地から復活させる! 出て来い、《狼虎 サンダーブレード》!」
大剣を構えた虎の悪魔が一振りする。再び、神のリンクは解かれた。
「効果で貴様のクリーチャーを1体破壊! 狙うは神だ!」
「くっ、《オズフェスト》を墓地に!」
「2枚目のシールド・トリガー、《魔狼月下城の咆哮》! 効果で貴様の《カルダモン》のパワーを-3000、そしてマナ武装5発動!」
狼の咆哮と共に三日月が怪しい光を放った。《「黒 幕」》の体が打ち砕かれる。
「イ、イズモ様ァーッ!!」
「さあ、貴様の場は全滅だ」
高らかに言ったレンの瞳は静かな怒りで揺れていた。
「そして、僕のターン」
場にあるのは3体の闇のカード、《ザビ・ミラ》、《サンダー・ティーガー》、そして《サンダーブレード》。この3体、そして手札にあるカードを重ね合わせた。
「狂喜せよ、月の下に! 常夜の神が今此処に、舞い降りん! 《月光射手 マッドナイト・ソーマ》!!」
月の光と共に、闇の輪が現れた。そこから、黒きマントを羽織った純白の鎧の女射手が現れる。
その右手が機械的なボウガンとなり、シャンツァイの方へ向いた。
「《ソーマ》の効果発動! 攻撃時に墓地の呪文を山札の一番下に戻せばアンタップする! さあ射抜け、1発目!」
弓矢が放たれ、シャンツァイのシールドを2枚、砕いた。
そして、再び《ソーマ》は起き上がる。
つまり、墓地にある呪文を矢に作り変え、《ソーマ》は何度でも放つ。
「2発目!」
シャンツァイのシールドがすべて、消えた。
しかし。
「は、ははは! シールド・トリガー発動! 《デーモン・ハンド》で《ソーマ》を破壊!」
直後、悪魔の手が伸び、《ソーマ》の胸を射貫いた。
しかし。そのときだった。
「やれやれ---------《ソーマ》がバトルゾーンを離れたとき、墓地にあるコスト7以下の闇の呪文をこのターンに攻撃した回数だけ唱える!!」
月影騎士 マッドナイト・ソーマ 闇文明(8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 12000
進化GV--自分の闇のクリーチャー3体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃するとき、墓地の呪文を1枚山札の一番下に置いても良い。そうした場合、このクリーチャーはアンタップする。
このクリーチャーがバトルゾーンを離れたとき、このターン攻撃した回数と同じ数だけ闇のコスト7以下の呪文を墓地から唱える。その後、そのカードを自分の山札の一番下に置く。
W・ブレイカー
死に際に《ソーマ》は2本の弓矢を放った。このターンに攻撃した回数は2回。
そして、レンの墓地から2枚の呪文が。
「《ヴォルグ・サンダー》で僕自身の墓地を増やしたのはこのためだ! 墓地には沢山の呪文、そしてその中から《ロスト・ソウル》と《インフェルノ・サイン》を唱える!」
「な、馬鹿なァーッ!?」
シャンツァイの手札が弾き飛んだ。そして、レンの墓地から《魔龍 バベルギヌス》が現れる。
が、直後に《バベルギヌス》は自爆。同時に黒き流星がバトルゾーンに降り注ぐ。
「漆黒に染まりし闇の流星よ、今罪人の下へ降り注げ! 《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》!」
---------シオ。貴様がくれたこのカードで、僕はこいつを打ち砕く!!
「ターン終了!」
「ぐ。ぐぬぬぬ------------馬鹿な、神を従えたこの私が----------!!」
何も出来ないシャンツァイ。どうやら、手札を全て失い、引いたカードもハズレだったようだ。
敵のシールドは0。今こそ裁きのとき----------
「墜ちろ、奈落の果てにな!! シオの分まで、貴様を微粒子レベルで消し飛ばす! 《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》でダイレクトアタック!!」
容赦の無き一撃。
シャンツァイは断末魔と共に完全に、塵一つ残さず消え去った。
- コラボ短編:last smile (15) ( No.349 )
- 日時: 2014/12/07 13:04
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
「……む、シャンツァイと胡椒の気配が消えた」
決闘の最中、ヨミは呟いた。どうやら、ヤツが連れていた2体のオラクルは死んだらしい。
----------レン、コトハ、やってくれたか!
ヒナタは息を切らしている中、うっすら笑顔を浮かべる。
しかし、状況はとても笑えたものではなかった。
ヒナタの場には《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》1体のみ。
対してヨミの場は----------
「《堕天右神カウントダウン》、《羅刹左神オズフェスト》、そして------------《超神類 イズモ》」
この3体が揃っていた。しかし、攻撃はされておらず、ヒナタのシールドは5枚だった。
ヨミのシールドも5枚だった。
『どうするっちゃ、ヒナタ!』
「俺に聞いたって知らねぇな。今はヤツのターンだ」
ふん、と息を漏らしたヨミはすぅっとカードを動かす。
「3体のゴッドのリンクを”解除”」
次の瞬間、オラクルの紋章が消えて3柱の繋がりが解かれた。
そして、狂気に歪んだヨミの顔が浮かんだ。
「そして、超無限”神”化!!」
そして、3体の体が融合し、1つの巨大な神となった。
シルエットから解ったが、巨大な羽を持つ神---------
「崇めよ、そして称えよ! 一世一代、絶対神の光臨! 今こそ、断罪のとき、《断罪の神類王 バッドエンド・ヨミ》ッ!!」
現れたのは、強大なる神だった。
元のヨミの姿に、さらに背中に巨大な羽根が生えている。
そして、神々しき羽衣に身を包んでいた。
何よりも目を引くのは、巨大な口だった。
そう、腰から下が龍となっているのだ。
「真実と偽りの混沌神、それがこの我だ!! 貴様はたった1人でこの我に挑むつもりか、暁ヒナタ!!」
「ああ、挑むつもりだ! 俺は1人じゃねえ、隣に、背中に、そして今此処にいなくても、心で確かに繋がっている仲間がいる!!」
強がって言うヒナタ。
しかし、ヨミはふん、と鼻で笑った。
「ならば、そこで黙って見ているが良い。まず、我で攻撃! ワールド・ブレイク!!」
ヒナタのシールドが全て、吹き飛んだ。
破片がシャワーとなって襲い掛かる。
S・トリガーが発動し《ジャジャーン・カイザー》と《火焔タイガー・グレンオー》が現れた。
「く、くそっ---------!」
「メテオバーンG(ゴッド)発動。我が進化元の《オズフェスト》と《カウントダウン》、そして《超神類 イズモ》を墓地に。そして、この3体がゴッド・ノヴァOMGのため、バトルゾーンに出す!」
現れた3柱が腰の龍から吐き出され、現れる。
そして、《カウントダウン》と《オズフェスト》がすぐさまヨミの両腕となった。
「我が3体でリンクをしているとき、貴様のクリーチャーは攻撃もブロックもできない。ターンエンド!」
断罪の神類王 バッドエンド・ヨミ ≡V≡ 光/闇文明 (10)
進化クリーチャー:ゴッド・ノヴァOMG/オラクリオン 18000
超無限神化--自分のゴッドのリンクを好きなだけはずす。その後、自分のゴッド・ノヴァ1体以上の上に置く。
ワールド・ブレイカー
中央ゴッド・リンク
このクリーチャーが3体でリンクしているとき、相手クリーチャーは攻撃もブロックもできない。
メテオバーンG--このクリーチャーが攻撃するとき、進化元を2枚まで墓地に置いても良い。こうして墓地においたクリーチャーがゴッド・ノヴァOMGの場合、バトルゾーンに出す。
エターナル・Ω
シールド0枚。しかも、クリーチャーの行動は完全に封じられている。
絶望的だった。
もう、次のドローに賭けるしかないが、今のヒナタのデッキに神を完全に破壊できるカードなど無い。
「万事休すか……!」
『ヒ、ヒナタ---------!!』
叫ぶドラポン。
がくり、と頭をもたれた。
勝てるわけが無い。こんな滅茶苦茶なヤツに。
仮にヨミを除去できたとして、再び新たな神が現れるのみだ。
「くそったれ!! 俺は何も出来なかった!! シオの転校が決まったときも、そして今も!! 自分のことばっかで他の事になんか目も無かった!!」
『ばっ、何を言っとるんっちゃ!!』
「俺じゃ、こいつに--------勝てないって言うのかよ!!」
「貴様は何を言っているんだ?」
声がした。それも後ろから。
見れば、レンの姿があった。
「何で、お前が--------」
その言葉は続かなかった。ヒナタは自分の顔が振れたのがわかった。
じん、と痛みが頭にまで伝わってくる。
殴られたのだ。自分は。
「気付いたら、此処にいた。とっとと元の空間に帰れると思ったのだが----------」
「そういうこと」
後にコトハも続く。
「アンタ、何言ってんの。1人だけでこんな化け物に勝てるわけが無いじゃない」
倒れたヒナタに手を差し伸べる。
ぐっ、と確かにその手を掴んだ。
「シオは言っていた。僕達は確かに誰かに歩幅を合わせるような器用な真似はできないかもしれない」
「だけど、あんたがもしも躓いたとき、無理矢理でも引っ張り上げることならできる!」
『あたしたちが付いてるよ!』
レンも、コトハも、オーロラも、ヒナタとドラポンの瞳を真っ直ぐ見ていた。
「お前ら---------!」
『ヒナタ、忘れちゃいけんことがあるっちゃ、シオもお前を絶対信じとる!! スミスだって、此処でおんしが勝たんと成仏できんっちゃ。あいつのために此処は1発、あのクソヤローの脳天に風穴ブチ開けてやるっちゃ!!』
ヒナタはもう、迷わなかった。敵の方に真っ直ぐに目を合わせる。
「ふん、全員まとめて消し飛ばしてやろうと思って呼び寄せたのだがな」
「言ってろ! 俺はこのターンで逆転してやるぜ!!」
「無駄だ!! 貴様では我には勝てない!!」
この、鉄壁の神の壁の前に、とヨミは続ける。
「どーだかな!! 壁が分厚いなら、こっちもぶっとい武器で無理矢理でもこじ開けるだけだ!!」
迷わず、カードを引いた。そして----------
「俺の切札、来たぜ!!」
にぃっ、と笑って見せた。神を前に満面の笑顔で。
「ヒナタ、貴様のそのカードには神話の力が眠っている! これなら逆転ができるはずだ!」
「アンタならできるって、信じてるよ!」
2人が背中を押した。
次の瞬間、ヒナタはサングラスを目に掛けた。
そして、叫ぶ。
「俺のターン、バトルゾーンにいる火の3体を進化元に!!」
そして、マナゾーンにある10枚のカードがタップされた。
「無限の光と熱で全てを燃せ。数多の希望を背負い、今昇天する!!
---------進化GV、《無限太陽 サンシャイン・ヘリオス》!!」
- コラボ短編:last smile (16) ( No.350 )
- 日時: 2014/12/07 13:07
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
業火と共に太陽がヒナタの背後に昇った。
その太陽から、羽根が生え、そして、その中から人の姿を成した化身が生えるように現れる。
そして、炎の玉を背に、翼の生えた無法の神が光臨した。
赤き鎧に身体を包み、∞の紋章が胸に刻まれている。
その姿は不死鳥そのもの。
赤き瞳が燃え盛るように光り、そして大剣をその手に握った。
「まず、1つ目の効果発動。登場時にこいつよりもパワーの低いクリーチャーを無限の数だけ破壊する!」
「バカめ、我がパワーは2柱の力を加算して30000!! 《超神類 イズモ》が死んでも私が生き残る!」
「いーや、無駄だぜ、ヨミ! こいつのパワーは墓地のクリーチャーの数が6体以上のとき、+100万される!!」
咆哮した《ヘリオス》は自分の身体の周りを周回する小型の太陽から閃光のレーザーを放ち、ヨミとイズモを打ち貫いた。
さらに、これによって《ヨミ》の神の壁は砕かれた。
--------思う存分、攻撃できるぜ!!
「さらに、《ヘリオス》で攻撃! 効果で山札の一番上を捲り、それがアウトレイジならばバトルゾーンに出す!」
轟! と炎が渦巻き、現れたのは銃を構えた龍だった。
「交差する魂、それを受け継ぎし無法者——エグザイル! 新たな姿は勝利を呼ぶ! 《弐超拳銃 ドラゴ・リボルバー》!」
『この時を待っていた! ヨミ、今度こそ貴様の脳天に風穴をブチ開ける!!』
ドラゴ・リボルバーは高らかに宣言した。
そして、次の瞬間にヨミのシールドも全て割られた。
「そして、《ヘリオス》はワールドブレイカーとなる!!」
無限太陽 サンシャイン・ヘリオス ≡V≡ 火文明(10)
クリーチャー:アウトレイジMAX 15000+
進化GV--自分の火のクリーチャー3体の上に置く。
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、このクリーチャーよりもパワーの低いクリーチャーを無限の数だけ破壊する。
このクリーチャーが攻撃するとき、自分の山札の1番上を捲る。それがアウトレイジならばバトルゾーンに出す。
自分のクリーチャーは全て「スピードアタッカー」を得て、バトルに勝ったとき、アンタップする。
自分の墓地のクリーチャーの枚数が6枚以上の場合、このクリーチャーのパワーは+1000000され、さらに「ワールド・ブレイカー」を得る。
T・ブレイカー
ヨミはうろたえた。こんなことがあって良い筈が無い、と。
「私は、神だぞ、神であるこの私が、この私が---------!!」
「今度こそジ・エンドだ。あの世で後悔しやがれってんだい!!」
ヒナタは《ドラゴ・リボルバー》の肩に飛び乗った。そして、ヨミの方へ一直線に突貫した。
「これが、俺たちの凱旋だぁーっ!!」
振り落とされないように必死でしがみ付き、そして--------巨大なヨミの胸を貫いた。
あ、が、とヨミはもう声すら出ていなかった。
「何故、何故、人間が神に----------!!」
この声が響いたとき、彼の身体は断末魔を挙げて跡形もなく爆ぜていた。
「《弐超拳銃 ドラゴ・リボルバー》とこの俺でダイレクトアタック」
ヒナタの声が静かに響いた。
「俺たちの思い出を奪ったてめぇは、死んでも絶対許さねぇ。ヨミ」
それは凱旋というにはあまりにも哀しすぎた。
***
「何で、何で私はこんなところにいるのでしょうか」
空港で、”御船”汐(シオ)は呟いた。
気付けば此処にいた。
全く違和感は感じない。
ただ、次の便に乗って故郷に帰ることのみが頭の中にあった。
「私は-------まだ会わないといけない人が--------」
何となくそんな気がした。
踵を返して引き返そうとする。
「どこに行く気だ?」
声がした。壁に寄りかかった中世的な少年の声らしい。
「どこって、どこって-------」
「そっちは貴様が行くべき方向ではないだろう」
「あなたは、誰ですか。私のことを知っているのですか」
いや、違うね、と彼は首を振った。
「赤の他人さ」
だが、彼は続けた。
「それでも貴様が行くべき方向は分かる。それだけじゃ不満か」
「……わかったです」
いつもの抑揚の無い声で彼女は返し、飛行機の方向へ歩んで行った。
確かに、此処で引き返すべきではないのだろう、と。
飛行機の中で、彼女はさっきの少年のことを思い返していた。
記憶の中の誰かに似ている気がする。
だけど、思い出せない。
「せん、ぱい……?」
ふと、その単語が浮かんだ。
何故だろうか。とても懐かしい感じのする単語だ。
気付けば、目の淵から熱いものが溢れていた。
それを止める術を彼女は知らなかった。
感情を表に出したことが無かった彼女にとって、それはとても新鮮だった。
だけど、笑っていた。
顔は。
「どうして、こんなに温かい気持ちになるのでしょうか」
ふと、自分が手に持っていたカードを見た。
《豚魔槍 ブータン》のカードだった。
「何故、私はこれを見て熱いものが込み上げてくるような気持ちになるのでしょうか」
彼女は呟いた。
----------きっと、気の所為です。
だが、その顔はとても晴れ渡っていた。
***
「例のカードは?」
「ヨミが死んだことで成仏したっぽいね。フジ、ついでに街もヨミが死んだから全部元通りだ。ヒナタ達には感謝しねぇとな」
「ああ」
「だけどよ、これでオラクルは完全消滅したってことで良いのか?」
「いや、まだオーロラもいるしな。だけど、あいつは無害だし大丈夫だろう。そうだ、クリーチャー界から《マキシマム・ザ・マックス》が帰ってきた。今後は向こうの状況を度々報告してくれるらしい」
「はぁー、マジか」
「おい、シント。見てみろ----------今日の海戸はとても晴れているぞ」
「るっせ。言われなくても分かってるよ。テツヤから後でどやされるぜ。俺だけ置いてけぼりだって」
「ほっておけ、あのドSは」
「そーだな」
「だけど、これからももっと大変になると思うぞ。俺はあいつらをずっと見ていきたい。先輩の務めってヤツよ---------」
***
「御船。お前ぼーっとしてどうしたんだ」
「いえ、先輩。何でもないです」
長身の少年は隣を歩く小柄で華奢な少女に向かって言った。
「この間の海の家の一件から、お前こういうことが多くなったな」
「余計なお世話です」
彼の心配を一蹴する。
「ただ---------遠い日のことを思い返していただけです」
そう、それは彼女にとっては遠い遠い日----------。
多くの好敵手、そして仲間と切磋琢磨し合った日々。
未知なる神を相手に戦った日々。
はっきりとは残っては無い。
しかし、それでも彼女は今を生きている。
「早く行くです、”先輩”。このみ先輩が宿題終わらなくて発狂する前に」
「ちっ、本当あいつ溜めすぎだよ。僕達の迷惑も考えろよな---------」
苛立ちを隠せていない彼の言動。
いつもならば、これに何か返すが、それが無いことに彼は違和感を覚えたのか、目の前の彼が黙ったままの彼女に声を掛ける。
「どうした?」
先輩。この単語が彼女は妙に引っかかる時があった。
しかし、すぐに振り払った。
「いえ、何でもないです」
「なら良いんだけどさ。ほら、行くぞ----------う」
どすん、と目の前の先輩が誰かにぶつかった。
「うわ、大丈夫ですか!?」
「いや、こちらも前をよく見ていなかった。失礼」
長身の少年は言うと、すぐに去っていった。
「ああ、優しい人でよかったよ、本当」
「……」
すると、少年が歩いていった方向からまた声が。
「おーい! 例のカードショップあったか!?」
「そんなものは見つからなかった。どーせ都市伝説か何かだろう。仕方ない。折角のプチ旅行だったがノゾムも待たせているし引き下がるか」
「ちぇっ。解ったよ」
御船汐は確かにその声に覚えがあった。
しかし、確かな確信が持てないまま--------
「御船、行くぞ」
「あ、はい」
今はまだ、記憶の狭間に漂っているだけだった。
--------それでもいいです。今の私の先輩も、あの失われた記憶の先輩も私の大事な人には変わりないですから。
2つの太陽、そして自分の中にある闇と同じもう1つの闇。
それは間違いなく、今の彼女を支えている------------
- Re: デュエル・マスターズ 0・メモリー 堂々完結 ( No.351 )
- 日時: 2014/12/07 02:29
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
モノクロです。
……まあ、名乗らなくても分かってもらえるでしょうが、冒頭になんと言ったらいいものかと思いまして。
それはさておいて遂にコラボ短編というか番外編が完結しましたが、真っ先に思ったのは、各人が手に入れた、アウトレイジ化したような『神話カード』群が、ちゃんとモデルの能力に沿っていてモノクロとしては嬉しかったです。
特に《マッドナイト・ソーマ》の能力は面白いと感じました。というか、無限アタッカーだけでもチートくさいのに、場を離れても効果が発動するって相当強いですよね。S・トリガーを踏んだ時くらいしか発動しない点がネックと言えばネックですが、攻め切れなかった時の保険と考えるなら十分ですかね。
そしてとどめをシオが託した《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》で決める辺りに、レンとシオの繋がりが特に強調されていて良かったですね。
どうでもいいことですが、《アポロン》よりも《ヘリオス》の方が語感が格好良いですね。アポロンと同一視されている太陽神から取ったのでしょうが、正直こっち名前の方が良かったんじゃね、と凄まじく今更ながら思ったり思わなかったり。
……しかし、なんというか、恐縮ですね。
番外とはいえ、他作者様の一作品のラストを、自分のキャラクターで終えるというのは。自意識過剰に考えているところもあるかもしれませんけども。
最終的に決着をつけたのはヒナタたちではありますけども、最初はその時のノリで生み出したキャラクターが、こういう形で物語に深くかかわっているのを見ると、嬉しい反面畏れ多くも感じて、なんだか複雑です。そして、寂しくも思います。
自分の作品にメインキャラクターとして出ているだけに、これでほとんど彼らとの繋がりが断たれてしまうということに寂しさを覚えます。作中では心で繋がっている、というような表現ができますが、一読者という視点から見れば、彼ら彼女らの掛け合いはもう見れなくなるわけですし。
……なんかすいません、変なこと言って。しかも自分のキャラクターで。ただ、ヒナタもレンもコトハも、相関関係で見ればいいキャラクターをしていると思うので、ふとそう思ってしまったんです。
とはいえ、作品の雰囲気やこの終わり方から考えると、いくらモノクロの作品があるとはいえ、無遠慮に引き合わせるのはナンセンスですよね。
ただ、モノクロの作品のどこかで、ゲスト出演的な形でもいいから彼らを今の汐と関わらせたいです。ほんの些細なことでも、ほんの一場面の登場でもいいので、むしろそういう小さなことについてで、関わらせたいです。
今後そのような機会があるかどうかは分かりませんが、もしもあったとしたら……その時は、彼らの関係を借りてもよいでしょうか?
最後になりましたが、本当の意味での完結おめでとうございます。お疲れ様でした。
これからも一読者として応援させていただきます。
それでは。
- Re: デュエル・マスターズ 0・メモリー 堂々完結 ( No.352 )
- 日時: 2014/12/07 17:56
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
モノクロさん
コメントありがとうございました。これが自分が初めてまともに完結させた作品ということで、とても感慨深いです。いや、しかし初期の文を見ると黒歴史そのもの。おかしいな、たった1年半前の文なのに。
もしかしたら、他の神話無法のカードも設定だけですが考えておくかもしれません。
《ソーマ》の効果は割とぎりぎりまで考えていたのですが、これに落ち着きました。考えて見れば普通に壊れカードという。墓地から呪文を唱える効果で一応原型は留めていますが、性能は原版とは全く違いますからね。
《ペルセポーネ》も《プロセルピナ》の効果をもう少し使いやすく、というコンセプトの元考えました。踏み倒し効果はやっぱ強力です。
《ヘリオス》の効果は《アポロン》の効果の面影を残しつつ、そこにヒナタの切札である《クロスファイア》(パワー+100万)に似た効果を入れたわけです。
いや、今回のラストはやはりこれがやりたかったわけです。”御船”汐を自分で描いてみたかったのもありますがね。
自分としても複雑でしたよ。今後は彼女を自分の作品の中に出せなくなるわけですし。まあ、これが一番自然にメソロギィに繋がるかな、ということで。
ですが、ゲスト出演の件については勿論、OKと答えさせていただきます。むしろ、その方が良いかもです。
これからも応援よろしくお願いします。それでは、また。
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