二次創作小説(紙ほか)
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- 俺妹 短編いろいろ
- 日時: 2013/06/04 05:08
- 名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)
「入り換わり編」1話
朝目覚めたら、俺が隣で寝ていた。
自分で言うのもなんだが、俺って素材は悪くねえと思うんだけどなー。やっぱり、アレ、だろうか?よく昔の友人に会うと覇気がないなんて言われる。桐乃曰く、死んだ魚のような目をしている、らしい。……つまり、そういうことなんだろーな。
………って、悠長なこと言ってる場合じゃないぞ!どーいうことなんだ?!
俺が、もう1人いる!………だとおおお!!?
どうしちゃったの俺!?…そうか、夢なんだな。そうに違いない!こんなフザケたことが、そうそうあってたまるかってんだ!…そうとわかれば、こんな状況でしか出来ないことをやろうじゃねーか!そーだなー、………特にねーな…。こんな状況、想像したことねーもんな。
そんなことを考えていると、もう1人の俺(わかりにくいので、今後は京介(仮)と呼ぶことにしておこう)が目を覚ましたようだった。
「ん〜、ふぁ〜あ………なんで、あたしが…?」
まだ寝ぼけてるっぽいな。つーか、俺の声で「あたし」とか言うんじゃんねーよ!?
「って、はぁああああ!?…なに、これ……?どういうことなのっ?!」
京介(仮)はこの状況を把握するなり、すげー動揺しだした。
「ねえ!あたし?…これ、どーゆうこと!?」
こいつ、すげえな。まさかこの状況で、もう1人の自分である俺に質問しだした、だと!?…なんで俺はこんなことに気づかなかったんだろ…。まあこいつ、さっきまで寝てたしな。
「そんなこと、わかんねーよ!?」
………あれ?この声って…もしかして……?それに、こいつの口調も…俺がよく知る人物にそっくりだ。まさか—
「おまえ……もしかして、…桐乃なのか?!」
「はあ?……まさか、………京介っ?!」
どうもそういうこと、らしい。
なんてこった!まさかこんなこと、マンガや小説でよくあるネタが実際に起こるなんてな…
「ははは、なに、これ?マンガやアニメじゃないんだから、ありえないっての…」
京介(仮)改め、桐乃も俺と同じようなことを考えていたみたいだ。
「…そう!きっと夢、なんでしょ?!…なら、」
「いてーな!いきなり、何しやがる!?」
「あれ?痛かったのに、覚めないの!?殴った感触もある。若干、痛いし……まさか、夢じゃないの?!」
そういうことは、自分にやれよ!わざわざ俺を殴って確かめるなよ!?
「…おまえなあ。ふつー、自分の頬つねったりしないか?」
「フン!それじゃあ、あたしが痛い思いするじゃん?」
「俺ならいいのかよ!?…なんつーやつだよ、おまえは!」
兄に対してこの扱い…。今更だが、この家では兄より妹の立場の方が優位にあると思うのは、俺だけなんだろうか?
「で、これ、どーゆうこと?あんた……まさかとは思うけど、あたしが寝ている間に…へ、変なことしなかったでしょーね!?」
「してねーよ!?おまえこそ、俺が寝てる間に変なことしたんじゃねーの?おまえがいつ、ベッドに潜りこんだのか知らねーし俺。」
そういえば……なんでこいつ、俺のベッドで寝てたんだ?寝ぼけて部屋、間違えた…とか?
「な、何もしてないって!あ、あんた!い、妹に、せ、セクハラすんの、ややや、やめてよ!」
「おまえ、なに動揺してんだよ?……まさか、本当に何かしたの、おまえ?」
「だ・か・らっ!してないって言ってるでしょ!?」
だったら動揺してんじゃねーよ!?紛らわしいんだよ!
「…だったら、どーいうことなんだ?」
「あたしが聞きたいってば。……ねぇ、これからどーすんの?」
「どーするもこーするもねーだろ。俺達にはどーしようもねーだろ?」
「じゃ、じゃあ、学校とかどーすんの?…まさか、このまま行くの?」
「うーん、無理して行くことねーんじゃね?非常事態なんだし、休んでも問題ないだろ。」
「何言ってんの!?休んでいいわけないでしょ?!…京介、受験生なんだよ?そんな大事な時に休むとか…内申書に響いたら、どーすんの!?」
「おまえ……俺の心配してくれてんの?」
「はあ?あたしが京介の心配してら……な、なにかおかしいっての?」
喋りながら途中で恥ずかしくなったのか、顔がまっかになっていく桐乃。だから、そういうのは朝からやめてくれよな?……可愛いじゃねーか………コノヤロー。
「そ、それに!このあたしに、ズル休みしろっての?」
「しょ、しょーがねえだろ?!こんな状況だしよ、友達にバレたくねーだろ?」
加奈子ならともかく、あやせにバレたらとんでもないことになりそうだ。そんな危険なところに俺を行かせる気か!?
「そもそも、なんて言って休むつもりなのよ?」
「そんなの、お袋に説明してなんとかしてもらうに決まってんだろ。」
バカじゃねーの?それ以外にどんな方法があるってんだ。
「…あ、あんた…お母さんに言うつもりなの?こんなこと、誰が信じてくれるって言うのよ?!」
「あん?親なんだから、信じてくれっだろ?俺とおまえの2人が同じこと言ってたら、さすがのお袋もおかしいって思うだろうよ。」
「嫌っ!お母さんにだって、知られたくない!」
「嫌って…なら、どーすんだよ?」
「…このまま、なんとかバレないようにするしかないっしょ?」
「……まじっすか?」
「マジ!そうと決まれば、あんたも覚悟しなさいよね!」
俺まだ、何も言ってませんが?…俺の意見はガン無視なんですかあ?
……ったく、仕方ねーな。やるっきゃねえか!
「…あんた、もしバレでもしたら……わかってるでしょうね!?」
それは随分と勝手すぎやしませんか、桐乃さん?!
「……頑張ります。」
バレたら、桐乃とあやせのダブルコンボか……死んでもバレねーようにしねえとな!
こうして、俺と桐乃の入れ変わりの生活がはじまった。
- Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.9 )
- 日時: 2013/08/01 00:37
- 名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)
『入れ換わり編』最終話
………寝れねえ。考えてみればそれも当たり前だよな。
いくら妹っていっても年頃の女の子が隣で寝てるんだし。
昔からよく一緒に寝てたってんなら意識したりなんかしないんだろうが、なったって初めてのことだしな。
なんだってこんなんことになったんだか。
「……京介、もう寝た?」
「いや、起きてるけど」
「……ちっ」
「…おい」
なんで舌打ちされにゃならんのだ。俺が起きてるとなんか不都合なことでもあんのかよ…?
「なんでさっさと寝ないワケ?」
「おまえも人のこと言えんだろうが!」
「あ、あたしはいいの!まだ寝られない理由があるんだから!」
「は?理由って?」
「そ、それは…!」
どうやらこいつには、まだ俺にも隠してることがあるようだ。
いったい何を隠してるってんだ?
「それは?」
「ぐ……ハア!?なんでいちいち、あんたに言わなきゃならないワケ!?」
「いきなりキレんなよ!」
「キレてない!」
キレてるじゃねえか!
ったく、めんどくせえ妹だな。
「で、何を隠してるんだ」
「な、なにも隠してなんかないし」
「嘘つけ!俺が気づかないとでも思ってんのか」
「…いつも気づかないくせに」
「なんか言ったか」
「べ、べつに?」
「それで、言う気になったのか」
「ハ?言う気になんかなるわけないっしょ。ばっかじゃないの?」
「ぐぬ……わーったよ!俺はもう寝る」
「初めからそうしろっての」
相変わらず理不尽な妹様だ。本当にこいつ、ブラコンなの?一番じゃなきゃ嫌、なんてどこの妹が言ったんだよ。
「……さすがにもう寝たよね?」
「………」
「よし、そろそろいいかな」
「………」
フッ、さすがのこいつも俺の寝たふりには気づいていないようだな。
俺があのまま、すんなり寝るとでも思ってんのかね。
そんなわけねえだろ?寝た振りしてこいつが何をすんのか確かめるって作戦だ。
さて、こいつはいったい何をするつもりなのかね。
俺はそーっと目を開けた。
そしたら、妹の顔が俺の顔に近づいてきてた。
そして—
「ちゅっ」
妹の唇と俺の唇が触れ合った。
「!???」
だがすぐに俺は桐乃から勢いよく離れた。
そして桐乃が目を覚まして言う。
「…きょ、京介……?……あんた、起きてた……わけ…?」
どうやら気づかれてしまったようだ。
って当たり前か。ビックリして思わず息が漏れてしまったもんな。
「お、おまえ、ななな、なにしてんだよ!?」
「な、なにって……し、知るかー!」
「知るかって、どんな言い訳だよ!」
「ぐ…!」
「って、マジでなにしてんだよ!あ、兄貴とき、キスって……おまえ、俺のこと好きだったの…?」
「なっ…!ち、違う!そんなわけないじゃん!あたしはただ…」
「…ただ、なに」
「そ、それは!…そう、再現してただけだし!」
「再現?なんの?俺、おまえとキスなんかした記憶ないんだけど」
「えっと、その…たぶんなんだけど、した……みたいなの」
「は、はあ!?し、してねえって!俺、全然覚えてねえし!」
「だからね、あたしも夢なんじゃないかって思ってたんだけどさ……やっぱしてたみたい。だって、ほら」
「ほらって、なにが」
「気づいてないの?あたし達、元に戻ってるよ?」
「え……?」
俺は事態をよく確認してみた。
俺は妹から勢いよく離れた。そして妹が目を覚ました。
……たしか俺は桐乃で、桐乃は俺で……。
マジで体が入れ換わってやがる!元に戻ってる!ひゃっほーい!
ってそんなこと思ってる場合じゃなかったな。
「どういうことなんだ?なんで元に戻ったんだ?」
「だから、あたしと京介がキスしたからじゃない?」
「なんでキスしたら元に戻んの」
「さっき言ったでしょ?再現したからだって」
「……どういうことですか?」
「だから、そのね?あの日、寝ぼけてキスしちゃったみたいなの…。夢だと思ってたんだけどさ、違ったみたい……てへっ」
「てへっ、じゃねえだろうが!じゃあ、なに?俺とおまえが入れ換わったのて……おまえが俺にキスしたからなの?」
「うん!」
「ちょっとは悪びれろよ!?嘘だろ……っていうか、なんでキスなんかしたりしたんだ?」
「だから寝ぼけてしちゃったんだってば」
「寝ぼけてって……俺、初めてだったのに!?」
「…あたしだって初めてだったし。だからお互い様じゃん?」
「なんでそうなるんだよ!はぁー、初めてのキスが妹とだなんて……思い出すだけで悶絶しそうだ」
「それはあたしも一緒だっての!まさかファーストキスの相手が、実の兄とだなんて」
「おまえが勝手にしたんだろうが!」
「ち、違う!したくてしたわけじゃないし!」
「どうだかなー?なんせ、兄貴のベッドに潜り込んできちまうぐらいだしな」
「それは…!寝ぼけて部屋間違えたって説明したでしょ!」
「それもどうだかな。そんなこと今まで一度もなかったし、ほんとは違うんじゃねーの?」
「ぐ……!へー………京介はあたしが自らベッドに潜り込んだって……そう言いたい、ワ・ケ?」
やべっ…ちょっと調子に乗りすぎたかな。
「………そんなに嫌、だったの?あたしとキスしたの………そうだよね。妹とキスなんて……気持ち悪いよね…」
「だ、誰もそこまで言ってないぞ?」
「じゃ、じゃあさ……嬉しかった?」
「えっ…なにを仰ってるんですか……桐乃さん…?」
「…あたしは初めての相手が京介で……良かった…かな」
「…ほんとか?……うん、その…俺も良かったぜ?……初めての相手がおまえでさ」
「……プッ、ぷぁはッはっはぁ…はぁ…はぁ…もうダメー!あんた、マジになりすぎだし」
「………はい?」
「あんたさー、またホンキにしちゃったのー?ばっかじゃん、あたしがそんなこと思うわけないないでしょ」
「…お、おまえってやつはー!また俺をからかいやがったな!」
「騙されるほうが、ばかなんだって。ふふっ、キッモ!俺も良かったぜ……初めての相手がおまえでさ、だって!このシスコン、マジキモーイ!」
「…このアマ」
「なーに?なんか文句あるワケー?」
「ちっ、なんでもねーよ」
「あー、面白い!」
ったく、いつもこうなんのな。
俺も毎回毎回、こいつの冗談にのせられるなんてまったくもって学習しねえもんだな。…しかし、あんなこと言われたら仕方ねえじゃねーか。あんな…可愛いふうに言われたらよ。
しかし俺も懲りないやつだな。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない、っつーの。
さて今回の事件もこれでようやくめでたしめでたし、といきたいところなんだがそうはいかなかった。
次の日、学校へ行ってみるとさ、なんかクラスの女子に嫌われていた。麻奈美に理由を尋ねると、どうやら入れ換わっていた間に桐乃がクラスの女子に冷たく当たっていたらしい。麻奈美がいくら注意しても聞かず、俺様な態度でそれはもうメチャクチャだったらしい。
いったい、なんの嫌がらせだよ。
それから、家に帰った俺は桐乃に部屋へ連れ込まれ正座させられ怒られた。なんでもあやせの態度が違うらしい。
特になにもしてないんだけどな。
俺はただ桐乃だったとき、あやせと仲良くしてただけだし。桐乃の親友なんだから仲良くして当然だろ?
なんでかよくわからん理由で2時間も説教される、こっちの身にもなれってんだ。
ちなみに、どんな風に態度が変わってたかというと、やたらベタベタしてきたらしい。胸とか尻とか色々触ってきて変態になってると桐乃は思ったらしいんだけど普通だよな?仲のいい女の子同士のスキンシップじゃねーか。
俺もこれはさすがにどうかなって思ったのは
「桐乃。今日、どんな下着履いてるの?教えてよー!いいや、えいっ!」
とまあ、スカートをめくられたらしい。しかも教室でな。
俺もさすがにそんなことまではされなかったんだけどな。ちゃんと言ったからしれんが。
とにかく、あやせがああなったのは俺のせいではないということだけはわかってもらいたい。
あいつは元々、そんな感じのやつだったんだよ。俺が桐乃と入れ換わったのがきっかけで本性を現してしまっただけのことにすぎない。
だから断じて俺のせいなんかじゃねえ。
…と思う。
『入れ換わり編』終わり
- Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.10 )
- 日時: 2013/08/11 21:36
- 名前: あたらしPULS (ID: Dbcs..uX)
俺はいつも妹たちの人生相談とやらにのっているわけだが、俺にだって人生相談したいときがあるんだ。
というわけで—
「京介の人生相談」1話
京介「たしかこの辺のはずなんでけど……お、あったあった。よし、入るか」
相談人「それでは、次の方どうぞ」
京介「こんにちわ、よろしくお願いします」
相談人「はい。では—」
京介「俺は高坂—」
相談人「ちょ、ちょっと待ってください!べつに名前とか名乗らなくて
いいんですよ!?」
京介「はぁ、そうなんですか」
相談人「はい。今は個人情報の漏洩とかが問題になってますし、匿名で悩み事を請けおっていますから大丈夫なんです」
京介「わかりました。18才、高校生です」
相談人「それも言わなくてよかったんですけどね…気を取り直して、今日はどういった相談で?」
京介「はい、実は……妹からDVを受けてまして」
相談人「えーっと、妹さん……からですか?」
京介「はい」
相談人「それで、どんな感じのDVなんですか?」
京介「ほぼ毎日殴られたり蹴られてます」
相談人「そうなんですか」
京介「何より問題なのは…」
相談人「問題なのは?」
京介「俺に暴力をふるった後、微妙に笑っているんです!」
相談人「はぁー、兄に暴力をふるうことに喜びを感じているんですね。失礼ですが、このことはご両親も?」
京介「はい。っていうか、親の前でもひっぱたかれたこともあります」
相談人「そうなんですか…それはそれは。ご両親ではどうにもならないと」
京介「これってやっぱり……犯罪になるんですかね!?」
相談人「いえ、家族間の問題ですのでよほどのことがない限り罪にはならないと思います。残念ですが」
京介「そ、そうですか。……ホッ」
相談人「…ホッ?」
京介「どうかしましたか?」
相談人「いえ。それで、暴力以外には何かありますか?」
京介「はい。それはもう」
相談人「ど、どんな?」
京介「兄貴に向かって死ねだの変態だのキモいだの罵詈雑言を吐き、そりゃあもうひどいもんです」
相談人「そうなんですか…妹さんに嫌われてるんですね」
京介「ちょ、ちょっと待ってください!いつ誰が妹に嫌われてるなんて
言ったんですか!」
相談人「え?違うんですか?今の話し聞いたら、みなさん同じように思いますよ」
京介「そんなことないっす!俺の妹はブラコンなんですよ!?俺に彼女が出来たときなんか、あたしが一番じゃなきゃ嫌だって!妹は俺に恋人が出来るのが我慢ならないってくらい、俺のことが好きなんです!」
相談人「そうなんですか!?それ本当に同一人物!?」
京介「当たり前だ!俺の妹は一人しかいねぇ!」
相談人「そうなんですか……この世には計り知れないことがあるもんなんですね。でも、それならなんで殴ったりするんです?」
京介「フッ、そんなの決まってるじゃないですか……愛情表現です!」
相談人「あ、愛情表現だと…!?君、頭大丈夫かね?妹さんキチガイだよ?」
京介「人様の妹をキチガイ呼ばわりするんじゃねぇええええ!」
- Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.11 )
- 日時: 2013/08/12 08:14
- 名前: あたらしPULS (ID: Dbcs..uX)
『京介の人生相談』2話
10分後
京介「……すみません、取り乱してしまって」
相談人「いえ、私のほうこそ失礼なこと言ってすまなかったね」
京介「そんなことは……なくもないっすね。できれば、妹を悪く言うのだけはやめて欲しいです」
相談人「わかりました。ところで……あのつかぬ事をお聞きしますが、妹さんの暴力が百歩譲って、お兄さんへの愛情表現だとして……そこまでわかってるんだったら、何に悩まれているんですか?」
京介「はい、その妹がですね…俺のこと、どれくらい好きなんだろうと思いまして…」
相談人「そうですか……いい精神科の先生紹介してあげますね」
京介「なんで!?俺、どこも悪くないっすよ!」
相談人「最初はみんなそう言うんですよ」
京介「だから俺はただ、妹が俺のこと—」
相談人「暴力行為を愛情表現と思い始めたらかなり危ないですので、これ以上深刻化しないうちに早めに伺ってくださいね。それではお大事に—」
京介「俺は正常だぁーーーっ!って閉め出された!?くそっ、なんつー相談屋だ!………仕方ない。帰るか」
高坂家にて
京介「ただいまー」
桐乃「あ、やっと帰ってきた。こんな時間まで、どこほっつき歩いてたのよ!」
京介「ちょっと…な。てか、まだ夕方じゃねーか!」
桐乃「うっさい!」
京介「痛えよ!つーかなんで怒ってるんだ!?」
桐乃「あんたが遅いのがいけないんでしょ!」
京介「だから、なんで?」
桐乃「そ、それは…新しいゲームが届いたから、一緒にやろうと思って…」
京介「そうだったのか……そのゲームってさ、エロゲー?」
桐乃「他になにがあるっての?」
京介「…だな」
桐乃「じゃあ、早くやるよ!」
京介「これから!?…もうすぐ夕飯だぞ?」
桐乃「ハァ?まだ1時間以上あるじゃん」
京介「ちっ、ダメか」
桐乃「あたしから逃げられると思ってるワケ?だとしたら京介も落ちたもんだね」
京介「なんでいちいち、そんなこと言われなきゃならないんだよ…」
桐乃「いいから、あたしの部屋行くよ!」
京介「はいはい。やりゃーいいんだろ」
桐乃「ふひひ、今回のエロゲーはね妹と子作りしてその子どもと—」
京介「廊下で妙なこと口走ってんじゃねえ!…ったく、時間だけはちゃんと守ってくれよ?飯抜きとか嫌だからな」
桐乃「…さっきから文句ばっか……せっかく京介が帰ってくるまで、やらずに待ってったっていうのにさ…」
京介「桐乃…」
桐乃「そんなに嫌?…あたしとゲームすんの」
京介「んなわけねーだろ!?…ちょっと意地張っちまっただけだ」
桐乃「そっか…よかった」
京介「桐乃……ゴクリ」
桐乃「んじゃあ、さっそくやろー!」
京介「……」
桐乃「ほら!早くー」
京介「へいへい……せっかくいい雰囲気だったのによ」
桐乃「このゲームのヒロインはね—」
京介「あ…そういえばエロゲーの話するの忘れてたな」
桐乃「ちょっと、聞いてんの?」
京介「聞いてるって……まいいか、また行けば」
- Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.12 )
- 日時: 2013/08/14 09:02
- 名前: あたらしPULS (ID: Dbcs..uX)
『京介の人生相談』3話
相談人「次の方、どうぞ」
京介「こんにちわ」
相談人「君……また来たんですか?」
京介「ははは、すいません」
相談人「では、次の方—」
京介「ちょ、話聞いてくださいよ!」
相談人「…で、今度はなんですか」
京介「実はこの前、言いそびれていたことがありまして」
相談人「何ですか?」
京介「実はですね、妹が妹モノのエロゲーを押し付けてくるんスよ」
相談人「そうですか、買わずに済んでよかったですね」
京介「そんなあっさり!?」
相談人「だって君、たしか18才でしょ?なら、なんの問題もないじゃない」
京介「だから、妹のなんですよ!?」
相談人「妹さんってアレでしょ?双子の妹。ほら、何も問題ない」
京介「ちげーし!俺の妹は中学生だっての!ってか妹モノについてはスルー!?」
相談人「…だから君ね、個人情報をそんなペラペラと言ってしまって、少しは漏洩とか気にしたほうがいいですよ?ただでさえ前来た時に妹さんの名前言っちゃってるし、さらに中学生ってことバラしてどうするんですか」
京介「…妹に殺されっかも」
相談人「べつに私は言ったりしませんけどね。そんなことしたら信用問題にかかわりますから」
京介「ふぅー、助かったぜ」
相談人「それで、中学生の妹さんが妹モノのエロゲー押し付けてくるんでしたっけ?」
京介「はい、そうなんですよ。やっぱ……マズいっすよね?」
相談人「まぁ、どちらかといえば…そうなりますかね」
京介「ですよねー」
相談人「ところで……君、妹さんとそーいう関係なの?」
京介「……ななな、なわけないじゃないですか!なに言ってんスか!?」
相談人「まぁ、そうですよね。すみません、気になったものですから」
京介「…いいですけど。で、どうしたらそうなれますかね?」
相談人「ちょっと待ってくださいね……」
京介「……あの…どこに掛けてるんですか?」
相談人「ん?警察だけど?」
京介「なんで!?」
相談人「いや、妹さんと危ない道に渡っちゃう前に止めないといけないじゃないですか」
京介「と、とにかくやめてくださいよ!俺の親父、警察に勤めてるんスから!」
相談人「そうなの?じゃあ好都合じゃない」
京介「なわけねーだろ!親父に殺されるっつーの!だいたい、好都合って!?」
相談人「だって新聞沙汰にならないよう裏で手回ししてくれるかもしれないじゃない。あと学校も退学しなくてもいいだろうし」
京介「新聞にも載らねーし退学になんてなってたまるか!って、あんた個人情報は守るんじゃなかったのか!?」
相談人「犯罪者はだしたくありませんから」
京介「だからって、いきなり警察はないじゃないっスか!」
相談人「いやー、できるだけ関わりたくないしさ」
京介「本音漏れてっから!」
相談人「穏便にしたいの間違いでした。…仕方ありませんね。あまり聞きたくはないのですが、どーいうことなんですか?」
京介「俺は純粋に妹と仲良くなりたいんです」
相談人「純粋に如何わしいことがしたいと?」
京介「はい…じゃなくて!さっきのは言葉のあやで、純粋に兄妹としてですって!」
相談人「兄妹プレイってこと?もともと兄妹じゃない」
京介「だからエロから離れてくれませんかね!?」
相談人「だってエロいゲームなんでしょ?」
京介「そうですけど、そうじゃないんですって!俺はどーしたら妹をデレさせることができるのかが知りたいんですよ!」
相談人「そうなの?ならエロゲーの話しなくてもよかったんじゃない?」
京介「そうですね!……やりにけー」
- Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.13 )
- 日時: 2013/08/16 22:43
- 名前: あたらしPULS (ID: Dbcs..uX)
『京介の人生相談』4話
相談人「それで、妹さんをデレさせたいんでしたっけ?それなら攻略本でも見ればいいんじゃないですか」
京介「俺の妹は攻略本が出回るほど世に需要が!?」
相談人「いえゲームのほうですって。そりゃ他人の妹さんの攻略本って流通しないでしょ」
京介「あんた…わざとやってません?」
相談人「そんな面倒なことしませんって。なんなら今すぐ警察に通報しましょうか?」
京介「お願いですからそれだけは勘弁してください」
相談人「…それでゲームの攻略本じゃ……駄目ですよね」
京介「はい、ダメでした」
相談人「…試してはみたんだ」
京介「セリフを参考にしてみたんですけど、それあたしが貸したエロげーのセリフじゃない!あああ、あたしのこと攻略するつもり!?って言われちゃって使えないんですよ」
相談人「君ら兄妹って仲がいいんだか悪いんだか…」
京介「悪くはない…と思います……たぶん」
相談人「そうですね……とりあえずどこか遊びに連れて行ってあげたら?」
京介「どこかってどこです?」
相談人「それは色々とあるじゃないですか。たとえば遊園地とか」
京介「なるほど…いいかもしんねーな」
相談人「案外、簡単に片付きましたね」
京介「いえ、こっからが大変なんです。俺の妹はちょーが付くぐらい素直じゃないんで、誘っても簡単に承諾してくれなくて」
相談人「そこはお兄さんなんだから辛抱強く、ね?」
京介「わかりました…俺、やってみます!ありがとうございました!待ってろよ桐乃ー!今行くぜ!」
相談人「はい、頑張って……って行っちゃいましたか。また来たりするんでしょうか…?……来ないといいなぁ」
京介「桐乃、今度の休みどっか行かねえか?」
桐乃「え?あたしとあんたと…2人で?」
京介「ああ。俺とおまえの、2人で」
桐乃「…キモっ」
京介「……ここで折れたら負けだ、よし。べつに兄妹で出掛けるくらいキモくないだろ?」
桐乃「はあ?あんたがシスコンだからキモいんでしょ?」
京介「そこまで言わなくてもいいじゃねーか!…フン、おまえだって人のこと言えないくせによ」
桐乃「なんか言った?」
京介「いえ、なんでもないです!」
桐乃「そもそもさあんた、あたしが貸したゲーム終わったの?まさか…終わってもいないのに、遊びに行こうだなんて…考えてないわよね?」
京介「ははは……そのまさかですが、なにか…?」
桐乃「へー、それなのに出掛けようだなんて…いい度胸してるわね」
京介「へいへい、わーった!やるよ、やりますよ!ちっ、やっぱ無理だったか」
桐乃「…もう引き下がるっての?誰も行かないとは言ってないっての」
京介「あ?なんか言ったか?」
桐乃「べ、べつに!仕方ないからあたしも一緒にやってあげるって言ったの!」
京介「それって、ただ俺がサボらないか監視するってことじゃねーの?」
桐乃「なんか文句あんの!?」
京介「いえいえ!ありませんよ?」
桐乃「じゃあ、さっそくやろっか。今夜は寝かせないから覚悟しなさい」
京介「…なんつーセリフを吐くんだよ、おまえは……はぁー…ま、いいか。また相談しに行くとするかね」
桐乃「ほら、やるよ!」
京介「へいへい。ったくしゃーねえな、やりますか」