二次創作小説(紙ほか)
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- 幽遊白書 - 光影の少女 -
- 日時: 2013/08/22 01:12
- 名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: AzZuySm.)
「あ、ヤベ、これ私死んだわ」
ってゆー瞬間は人間何時かあるはず。
◆ ◆ ◆
単純に純粋に幽遊白書のストーリー。メインは女の子。
楽しく進めれたらなーと思います。宜しくお願いします!
◆ ◆ ◆
————子守唄が聴こえる
ソプラノ調の優しい優しい声色
でも私はその声に聴き覚えがない
「 アナタはだあれ? 」
私はあなた、そしてあなたは私
あなたは愛しい、私の子————
◆「あ、ヤベ、これ私死んだわ」ってゆー瞬間は人間何時かあるはず。
>>001/プロローグ
>>002/001.さよならこの世
>>003/002.どーほーさん
>>004/003.選択技
>>005/004.エンマ様って凄いイメージあるけどそれは全て空想
- Re: 幽遊白書 - 光影の少女 - ( No.1 )
- 日時: 2013/08/17 13:15
- 名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: v5Glb8/b)
+ プロローグ
「逃げたぞ!! 何処へ行った!?」
男の叫び声が響き渡る。部下達は屋敷内を捜しまわる。
彼らが探しているのは一人の少女。
それを逃せば自分たちが殺される——そんな思いだ。
「何処へ行ったァ!! 捜せ捜せェ!!」
「絶対に逃がすな! 意地でも捕まえろォ!」
「あ、——いたぞ!!!!!」
金色の髪がみえて部下の一人が叫んだ。
全員がそちらへと走る。
それと比例するように少女も走っていた。
(逃げなきゃ、殺される————!!!!!)
今にも泣き出しそうな表情で少女は走る。
屋敷の扉を思いっきり開けて走り続ける。
草木が少女の体を傷つける。
しかし少女はそれにさえも気づいていない。
「待て!!」
「とまらないと殺すぞ!!!!」
「待ちやがれ紫姫ィ!!!!!」
少女は——紫姫は叫びを無視して走る。
そんな時だった。
目の前に影が現れる。驚いて尻餅をつく紫姫。
「だ…、誰……?」
金色の冷たい双眸。なびく銀色の髪。
殺されそうなくらいの威圧感に紫姫は震えた。
男は紫姫を見下ろしながら言う。
「追われているのか?」
「は、は…い……」
「…………」
「いたぞ!! あそこだぁ!!」
「!!!」
追ってくる部下達の姿を見て紫姫は立ち上がる。
男に会釈をしてから走り出した紫姫。
その時——背後から、部下達の悲鳴が聞こえた。
「……え…?」
振り返って紫姫は仰天する。
部下達全員が血を流して倒れていたのだ。
そして返り血を浴びている銀髪の男。
「あ…、え、あ……」
冷たい双眸が紫姫を貫く。
思わずひっと息をのむ紫姫。
だが男は何もせず、紫姫に背をむけた。
「ついてこい」
それだけ言って男は歩き始める。
紫姫は最初頭に「?」を浮かべていたが、
返事をしてからすぐに男を追った。
- Re: 幽遊白書 - 光影の少女 - ( No.2 )
- 日時: 2013/08/17 15:53
- 名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: v5Glb8/b)
「寝坊したァァァァァァァァァァ!!!!!!」
人間そーゆう日は必ずあるはずだ。必ず。きっと。多分!!
001:さよならこの世
「すいません先生っ!!遅刻しない方法考えてたら遅刻しましたァ!!!」
「お前本末転倒って言葉聞いたことあるか??
そして毎日それ聞かされる俺の気持ち考えたことあるか??」
私の名前は篠倉杏樹【ササクラアンジュ】。健全な中学二年生!
あ、遅刻は日常茶飯事だから気にしないでね!
私の担任の橘先生(通称hgrn)はとっても優シイカラネ。
「篠倉ァ!!!!廊下に立っとけェ!!!!!」
「ぐぁあ!!hgrnの鬼ィ!!!冷血漢!!!!鬼ィ!!!!ハゲェェェェ!!!!」
「ハゲとらんわボケがァァァ!!!!」
てっぺんツルピカの癖に何を言うか馬鹿ヤロー!!!
とか言いながらも私はのび○君になる。バケツは持たないよ、重いもん!
「♪ハ〜ハ〜ハ〜ゲ来い〜。こっちの水はは〜えるぞ〜。そっちの水は〜ハ〜ゲるぞ〜…♪」
「うるっさいぞ黙っとれ!!!!!でもって有名な歌を勝手にハゲの歌にすんなボケがッッ!!!静かにしとかんかいっ!!!」
「hgrnの方がうるせーわ!!ハゲるぞ!!てゆかハゲてるぞ認めろこのハゲがッッ!!」
「ハゲハゲ言うなこのアホが!!!俺の英語のテストで50点以上とってみろこのボケタレがッッ!!!」
(((((((((((((((あ〜またやってるよ…篠倉とhgrn……))))))))))))))))
「もう帰るッッ!!!hgrnなんかでぇっきれぇ(大っ嫌い)だぁ!!!もっとハゲてしまえこのハゲ!!!」
靴をhgrnに投げつけて全力疾走☆ サボタージュしたらぁっ!!!!
学校を抜け出してしばらく進んだ。街中に入ればこっちのもん!!!
ったく〜おもしろいことないかな〜。…んぁ??すっごく小さい猫がいる!!!いや私猫好きなのよ!!!
「にゃ〜!!!猫ちゃーん!!!かーわーいーいー!!!」
あごの下を撫でると満足そうにゴロゴロ言っている。可愛いッ!!!
お持ち帰りしたい…!!!え、でもすっごく綺麗な猫。野良猫の訳ないと思うんだけど…。
と、その時。おさげの女の子がこっちに近づいてきた。四、五歳くらいの女の子。あ、…もしかして。
「この猫ちゃん、あなたの家族??」
「!!っうん!!あたしの家族!!ミケって言うんだよ!!!」
『ペット』ではなく『家族』が嬉しかったのか、女の子は可愛い笑顔を見せてくれた。
小さい子っていいなぁ〜。こんなに純粋な心をもっていられるんだもんなぁ〜。と、その時——。
「あ、ミケ!!すいません、有難うございました!!!ミケ、待ってよ〜!!」
私を完全スルーしてミケちゃんは走り去っていった!!!!
何!!?何でミケちゃんあんないきなり冷たくなったの!?何か凄い傷付いたんですけ——
「どっ……!!?」
「ミケー!!!まって…よ……!!!!!」
見えたのは、女の子とミケちゃんに向かう大型トラック。
どうやら二人は車道に出てしまったらしい。
大型トラックが大きなクラクションを鳴らす。足が、動かない。動けない。
「あぶ、な……っ!!!」
————————動け!!!!!!!!
あ、コレ私死んだわ。って意識の片隅で思った。
- Re: 幽遊白書 - 光影の少女 - ( No.3 )
- 日時: 2013/08/19 22:56
- 名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: 5D.A9gym)
「アッハハハっ!!なにこれ浮いとるぅぅぅぅぅ!!?」
現状分析しますとね、うん。はい。フワフワ浮いてます!!
002:どーほーさん
ってんなこと言ってる場合じゃないんですけどォォッッ!!!?
何で私空中に浮いてるの!!?何で遥か地上に私倒れてるの!!?
そして地上の私の周りには大勢の人だかり。あの子とミケちゃんもいる。
「どどど、どういうこと…??なんで…??」
「——おーおー。お前も馬鹿な奴だな〜。猫と子供助けようとして死ぬなんてよォ」
「あ゛ぁ゛??って…、アンタ誰??人間外の生物は受け付けません!!!」
「テメーが言うなっっ!!!」
黒い髪をオールバックにした目つきの悪い少年が目の前にいた。
緑色の制服を着ているソイツの体も透けている。
ということは……私と同じかな??何か知ってるかも??
「俺ぁ浦飯幽助【ウラメシユウスケ】。つーかその制服、皿屋敷だろ??だったら俺のことなんて知ってるんじゃねぇの??」
「恨めしいゆうすけ??何??ゆうすけって子の事恨んでるの??うっわ悪霊かよ〜。逃げるが勝ちだなこりゃ〜」
「何コイツッ!!?何か色々と面倒臭ッッ!!つか後半ソレ独り言のつもりかよテメェ!!?すんげー聞こえてるんだけど!!?」
「私は篠倉杏樹!!皿屋敷中二年のキラキラ女子!!夜・露・死・苦ゥ!!」
「なぁお前ボコっていい??マジでボコっていい??」
全く話の噛み合わない人だな〜コイツ。ってアレ、原因私??
まぁ何やら恨めしい幽助君も事故にあったみたいです。
道路に出た子供を助けようとして……って。
「ソレ私のこと笑えねぇじゃねぇかこのボケがァッッ!!!!」
「グガフッ!!!アレ!?殴れんのか!?幽霊同士って殴れんのかよ!?テンメェェェ一発ヤらせろォォぅッ!!!」
「キャーココニ18禁発言シタヤローガ居ルヨー。ヤラセロトカ言ッテキター。キャー」
「なぁお前まじで殺していいか??」
頭にお怒りマークを浮かべている恨めしい幽助君。
っておう、私殴っちゃったよ彼のこと!!何かスッキリ!!!
「何テメェ妙にスッキリした顔してやがる。やんのかテメェ」
「いやんどこ見てんのよこの変態!!どーせ頭ん中いやんあはんなことしかないんダローがこんにゃろー!!」
「それが普通の中二男児の脳内だ…って何言わせてんだテメェッッ!!!!」
「ノリツッコミ良くなってきたよ〜いいねぇ、恨めしい幽助君!!」
「何様だお前!!?ってか俺浦飯幽助なんですけど!!?」
面白いなぁこの人!!ってこんなことしてる場合じゃないよ!!
気づいたら地上の私居ないし!!救急車にピーポーされてるし!!!
あぁ…まじで私死んだのかぁ。グッバイマイライフ……。あ、グッバイhgrn!!!ヒャッホウグッバイ!!!
「で……篠倉、だっけ??テメェこれからどうするつもりだ??」
「悪霊になるのだけはゴメンだからね。とっとと死ぬよ」
「いや俺らもう死んでるから。成仏っつーのか??そんなのすんのかよ??」
「知るかよ裏飯屋」
「ンだとゴルァ!!?つか名前違うんですけど!!?あーもう、調子狂うっての!!」
「——はいはい、喧嘩しない喧嘩しな〜い」
突然響いたこの場にあわないのんきな声。つかのんきすぐる。
私と裏飯屋の後ろに、箒に乗った女の子がいた。
空色の髪を結わえていて、まん丸の目をした子。服は桃色の着物。え、かーわーいーいー。
「誰だよオメー」
「あたしは三途の川の水先案内人、ぼたんちゃんよ!!西洋でいうところの死神ってやつかな。ヨロシクね」
「「イヤヨロシクじゃねーよ」」
「あらま、息ピッタリ」
「誰がこんなメスゴリラと!!!」
誰がメスゴリラだあああああああああああああああ!!!!
メスブタなら言われたことあるよ!!?でもゴリラ初めてだよ!!?
杏樹ちゃんのヒットポイントが0になるんですけど!!!???
「ンだとごるあああっ!!!誰がメスゴリラじゃボケェェッ!!!」
「テメーだよメスゴリラ!!!あ、じゃあアレか??メスブタがオルァッ!!!」
「オメーまで言うかブタって!!?あ、ヤバイ涙がホロリ」
「何処に涙が出てんだァァッ!!?ア、アレか、ブタにしか見えねぇ涙か、あ゛ぁ゛!!!?」
「一回殺させろや裏飯屋ァァ!!ローズウィップでギッタギッタにしたらぁぁ!!!」
「ネタバレすんなごるあぁぁぁっ!!!!」
ブタ!!?そうですよブタですが何か!!?飛べないブタですよ!!?
って言うかヒットポイント0になったんですけど!!!ガラスのハートが壊れた!!!
アレ、なんでHP0なのに死なないの??あ、死んでるんだった。
「なるほど…アンタら、えんま帳の写しそのままの性格みたいね。あたしを見て驚くどころか、漫才繰り広げちゃうなんて」
「「誰が名コンビだゴルァ」」
「いや言ってないからね!!?“名コンビ”の“め”も言ってないからね!!?」
あら、空耳かしら?? ((( キモいぞ )))
オイそこの((()))聞こえてんぞ。おおかた作者だろテメェ。
「浦飯幽助14歳。性格、粗野で乱暴・短気で無鉄砲。その上手クセが悪いし頭も悪い。カツアゲ・万引き・ケンカ・喫煙・飲酒・賭博・歩道の常習犯etc・etc……」
「えんま帳すげ〜。裏飯屋君の性格まんまじゃん。ってか、何??カツアゲ??万引き??マジか〜裏飯屋くん地獄行きだね〜」
「オメェまじでボコる。いつか必ずボコる。ってか、コイツの性格はどーなんだよねーちゃん!!?」
「篠倉杏樹14歳。性格、天真爛漫で破天荒・馬鹿でドジで一日に二回はコケる・でも隠し事をできない純粋な面もある・喜怒哀楽の感情表現豊かで表情がコロコロ変わる・馬鹿でドジで無理ができない・遅刻やサボリの常習犯・馬鹿でドジだけど喧嘩はそこそこ強い」
「おいおねーさん今馬鹿でドジって何回言った」
「オメーの性格そのものなんじゃねぇ??」
「アッパー食らわせたろか裏飯屋」
「返り討ちにしたらァ。……つかそろそろ名前ちゃんとしてくんね??」
え、今回ここで終わり??キリ悪すぎんだろ作sy——
- Re: 幽遊白書 - 光影の少女 - ( No.4 )
- 日時: 2013/08/22 01:08
- 名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: AzZuySm.)
「は??今なんて言いましたかおねーさん??」
ぼたんって言う案内人が発した言葉に私と裏飯屋は耳を疑った。
003:選択技
「だからね、あんた達の死は予定外なんだ。霊界にとって」
「……は??ひ??ふへほ??ちょ、待っ、ぱーどぅん??」
「ぱーどぅん発音悪ッッ!?つかうっざ!!はひふへほ超うざいんですけど篠倉杏樹さん!!?」
「英語2点をなめんなよっ!!」
「いやおめぇソレ威張って言えることじゃなぇから」
英語50点以上と言うか10点以上もとったことないですけど何か??
いいんだよジャパニーズで。英語なんぞ我には必要ない。
…って一回hgrnに言ったら殺されかけたなぁ……。
「おーい篠倉杏樹ちゃーん。ダメだイっちゃってるよ。とにかく話を戻すと、まさか浦飯幽助、アンタが身を捨てて子供を助けるなんてお釈迦様でも思わなくってさ」
「てめぇ喧嘩売ってんのかコルァ」
「んで、篠倉杏樹ちゃん。アンタ本当はあの場面で足が動かなくて、子供も猫も助けられないはずだったんだよ。ソレがどー言う訳か動いちゃって。お釈迦様もびっくり仰天さ。だからまだ極楽にも地獄にも、あんたらの行き場はないんだよ」
「よかったね裏飯屋くん。地獄行き、まだ決まってないらしいよ!!」
「テメェこそよかったなぁ、メスブタちゃん。人間に化けてました詐欺してたのに地獄行き決まってねぇってさ」
「てんめぇ殴るぞ」
「……お前ホントに女か??」
まぁまぁ、とぼたんちゃんが宥めてくる。
裏飯屋……ホントに苛立つわ。なんつーかうん、腹・立・つ!!!
「ってゆーか行き場がないってどゆこと??」
「んーっ…ショックを受けると思って黙ってるつもりだったんだけど……実はあのコ達と猫ちゃん、奇跡的にかすり傷ひとつ負わずに助かるはずだったんだよねーっ」
「「…………ハ??ひ??ふ??」」
「へほ。浦飯幽助の助けた方の子はボールがクッションになって。篠倉杏樹の助けた方は、柔らかい土があって…って書いてあるね」
「と、いうことは」
「 ま さ か の 無 駄 死 に ?? 」
「そう。あんたらが死んだだけ無駄だったんだよねーっ」
ガァァァァァァァァァァンッッッ!!!!!!
え、ちょ、やバ、え、ちょ、え、あの、え、…泣いていい!!!?
隣を見れば裏飯屋くんもおんなじ心境のご様子。
「ショックかい??まぁそりゃそうだろーねーはははー。無傷で助かる子供を怪我させた上、本人は死んじゃうなんてバカみたいだもんね」
「「おねーさん殴っていいかい??」」
「あーっ落ち着いて!!そのかわりチャンスはあるって言ってるだろ。生き返るための試練を受けることができるのよ、あんたらは」
「しれん??シレン??shirenn??え、何それ無理」
「アキラメ早ッ!!?あたしもどんな試練か知らないけどアキラメ早っ!!!!」
「大事なことなので二回言いました」
「いやアンタのことだからね!!?」
だって面倒くさいじゃん??ぬぁー、私無理はできないんですハイ。
あー、でもなぁ…このままぽっくり行ったら“アイツ”うるさそうだし。
アイツ、葬式で泣いてくれるかな??なわけ…ないか。そんな奴でもないし。
「ま、まぁとりあえず…自分らの通夜でも見てきなよ。返事はその時聞くからさ〜」
「あ、ちょ、ちょっと!!」
ふわふわ〜っとぼたんはどっかに去っていった。
ギギギギギと壊れかけの金属品のようにぎこちない感じで裏飯屋君の方を見る。
裏飯屋くんも面倒くさそうな表情でこっちを見ていた。
「……………………………………………後で、会うか」
「……………………………………………ソ、ウデスネ」
バーイと手だけふって別々の方向へ行く。
通夜…って言っても、私は一人暮らし。両親は昨年に事故死した。
そんな私にあてがあるといえば幼馴染の楠恵梨香【クスノキエリカ】のみ。つってもコイツはかなり薄情。
と言うかテンソン低しさん。いっつも私を冷たい目で見てくる。
「あ〜…どうせ通夜なんか行われて、な…い……」
自分の目を、これまでにないくらい疑った。
私が住んでいる一軒家には明かりが灯り、大勢の人がいた。
クラスメイトや親戚、近所の見知ったおばちゃんや行き慣れた店のおじちゃん、そして——、
「……ハ、…hgrn……??」
ハゲッ、ハゲリン!!?hgrn!!!?hgrnがいるわな!!!??
相変わらずてっぺんピカってるhgrnはスーツに身を包んでいた。
恐らく葬式を開いてくれているのは恵梨香の家。恵梨香の両親に礼をしてから、微笑む私の遺影が飾られている壇に向き直った。
「ったく…驚いたぞ。いきなり学校飛び出して、いつもどおりだと思っていたのに……」
「————」
「お前が事故にあったと聞いて驚いた。子供と猫を助けようとしたんだってな。…全く…、お前らしいよ。……本当に、」
————優しいお前らしい、死に方だよ。
後ろから見ていた私には、hgrn…橘先生の表情は見えなかった。
でもその肩は震えていて。
……そんなにも、私のこと、考えてくれてたの??
「っ…なんでよぉ……っ」
艶のある黒い髪腰まで流し、凛々しい黒い眼をした少女、それが恵梨香。
いつもは冷静な表情をしているはずの恵梨香。
なのに今は、…泣いている。なんで??なんで泣くの??
あんたはいつも、いつもいつも、その冷静な表情を崩すことなかったじゃん。
『恵梨香ァァ……風邪ひいたああ……まじ気分わるいぃぃぃ……』
『あっそ』
『え、それだけっすか!!?ちょ、待っ、死ぬぅぅぅぅぅ!!!!!』
あん時も。
『足骨折した。痛い。マジ痛いよ恵梨香様』
『どんまい』
『うん。…ってそれだけなんですかァァァ!!!??』
私に何があっても表情を変えなかった恵梨香。
————そんな恵梨香が。
「ヤダ…、なんで、なんで死んじゃうの……ヤダよ杏樹……!!またあのウザさ見せてよ……っ、また、またあの元気な声聞かせてよ……ッ、またあの笑顔、見せてよ……ッ!!!!」
うん、ウザさは余計だけど嬉しいよ。
初めて見た恵梨香の泣き顔は、凄く痛々しく思える。
つーか……コイツ美人だな。羨ましいぞゴラ。
「——よぉ、杏樹」
「いつから下で呼ぶようになった裏飯屋」
「っ…おまえなぁ…。まぁいいや……試練受けるか、決めたか??」
妙に清々しい表情で尋ねてくる裏飯屋。
え、何。コイツ意外とイケメソ。羨ましすぐる。
「決めたよ」
「……どーすんだ」
「受けない」
きっぱりと言い切ってやった。
一瞬目を見開いたあと、裏飯屋は泣いている恵梨香の方を見た。
そしてそれを見ている私の方を見て、何か笑ってる。
「……嘘つけ」
「ついた」
「おまっ…ことごとくウゼェな」
「どーも」
「褒めてねぇよ」
「——受けるよ。試練だろうがなんだろうが、受けてたつ」
それを聞いて小さく微笑んでいた空色髪桃色着物少女がいたことを、私は知らない。
- Re: 幽遊白書 - 光影の少女 - ( No.5 )
- 日時: 2013/08/22 01:10
- 名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: AzZuySm.)
「で、今からどこ行くの??ぼたん、」
あの世、と笑顔で言ったぼたんに、私と裏飯屋はフリーズした。
004:エンマ様って凄いイメージあるけどそれは全て空想
「あの世??アノヨ??あの世ぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!??」
「キャアアアアァッ!!ちょっと暴れないでおくれよ杏樹!!落ちちまうだろう!!」
「あ、メンゴ。つかあの世??なんであの世??死にたくないぃぃぃぃ!!」
「「だからもう死んでる」」
だからと言ってあの世はないでしょ!?なんであの世!?
と聞いたら『生き返るための試練』の内容を聞くらしい。
しかも“えんま様”に!!!ヤバイヤバイ、怖い怖い!!!!
こ、こんなかんじかな……??
『クックック……この娘が篠倉杏樹か。ガッハッハッ、我が左目の最強パワーにやられるがよぃぃぃぃ!!!!』
「いやそれただの厨二病じゃん!!!??」
あ、声に出てたらしい。
とにかくイヤァァァァァ!!!えんま様とかマジ勘弁!!!!
「ぼたんちゃん杏樹おうち帰るうううううううううう!!!!!!」
「誰!!?キャラ変わりすぎじゃないかい!!!?」
「冗談じゃねー!!オレも帰る!!!」
「二人してダダこねてんじゃないよ!!ほら、もうあの世への入口だ。入るよ」
「にょわあぁぁぁぁああっ!!!!!」
ピューンッと何かをくぐり抜けた感じがした。
目を開けるとそこは全く別の場所。
遥か地上には『三途の川』と呼ばれている川が流れている。
森がひっそりとあって、だだっ広い。
「あ、あそこが“審判の門”さ」
「「うげ」」
きょ、巨大すぐる……!!!!!巨大すぐるよこの門……!!!!!
それくらいに大きい門が私たちの前にあった。
ぼたんが何か声をあげて言い、ゆっくりと中に入っていく。
「……なぁ杏樹」
「なんだい裏飯屋」
「もうツッこむ元気ねぇ。…エンマ様と喧嘩しても、勝てねぇよな??」
「当たり前だのクラッカー」
「古ッッ!!!??お前いつの人!!?」
めちゃくちゃツッコんでるじゃんか!!!!
つか私は今を生きる篠倉杏樹ちゃんだよ!!文句あっかテメー!!!
「何やってんだい二人共、行くよ。——ぼたんです。浦飯幽助、篠倉杏樹の両名連れてきました」
『よし、入れ』
何か機械から声が聞こえた。もしかして今のがエンマ様の声??
私と裏飯屋は顔を見合わせてゴクリと生唾を飲んだ。
べべべべべべ別にっ、怖気づいたわけとかじゃないんだからねっ!!!
「三丁目のゲンさんがきとくだぞーっ」
「なに!?予定より早いじゃねーか」
な ん だ こ れ は 。な ん だ こ れ は !?
あ、大事なことなので二回言ったんだと思いますハイ。
そこでは沢山の鬼さん(カラフリー)がバッタバッタ走り回っていた。
なんなのこれ……。つ、つかっ、エンマ様どこ!!?
「————おう、こっちだこっち!!」
「「ん??」」
「あ!!エンマ様っ!!」
え??どこ??エンマ様どこ??ねぇどこ??全然見えないよ??
あ、あれか、元人間には見えない敵な存在ですかそうなんですか?
え、ちょっとまって、したから声が聞こえ——
「よくきたな。まあ、楽にしろ」
「このコが浦飯幽助、そしてこのコが篠倉杏樹です、はい!」
「「こいつが、エンマ……??」」
私と裏飯屋くんはビックリ。だってイメージのエンマ様とはかけ離れすぎてる。
どこからどう見たって赤ちゃん。べいびー。めっさべいびー。
しかもあの赤ちゃんが吸うアレ……なんつーの、おしゃぶり??吸ってますよ??
「「ぎゃっははははははははははッ!!!!」」
「なっ……!!幽助、杏樹!!」
「じょ、冗談はよせよ!!マジのガキじゃねぇか!!なぁ杏樹!!」
「にしか見えないいいいっ!!あっははははははっっ!!!!」
「「びびってマジ損したわーっ!!!!ぶっはははははははっ!!!」」
「全くこれだから……。コホン、正確に言えば閻魔大王Jr.のコエンマだ。こー見えても貴様らの五十倍は長く生きとるのだ。口の利き方に注意しろ!」
「え、何??成長期なくなったんですか??」
「そーだろ。じゃねぇと五十倍生きてんのに成長しないわけねぇだろ」
「アンタら仲いいの!?悪いの!?」
犬猿の仲です((キリッ
————作者が力尽きたため本日ここで終了————
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