二次創作小説(紙ほか)

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【銀魂】はろー、幕府のお犬さま【花見篇】
日時: 2014/10/28 19:35
名前: 春太郎 (ID: D7i.SwLm)
プロフ: https://twitter.com/05haru18

 生まれた時から、誰かの庇護を受けて育った。
 いつまでも守りたい約束があった。いつか会いたい人がいた。
 笑顔を浮かべて、頭を撫でてくれる優しい人が居た。とても居心地の良い箱庭に住んでいた。
 それがいきなり無くなったのが、二年前の冬。




 いつまでも破れない約束がある。いつか会いたい人がいる。
 もう、守られるのはごめんだと思った、二年目の春。桜はまだ咲かない。











 銀魂の世界に、オリキャラをぶっ混んでみようと思います。


・基本原作沿い、時々オリジナル
・主人公はオリキャラ
・キャラ崩壊とか日常茶飯事
・URLはたいてい作者のTwitterに飛びます。
・作者の主食は、皆さまからの温かいコメント
・作者の今年の目標は、「楽しく生きる」



 2014年3月21日開設。来年まで続いたら奇跡。





【 開催中の企画 】

 「ハッピーバースデー皆さま! 銀魂キャラ&オリキャラが貴方のお誕生日をお祝いしちゃいます企画」
 >>18

 「はろー、秘密のお犬さま! 大暴露合戦!(ポロリもあるよ)」
 >>31





【 登場人物一覧 >>2 】

【 イラスト 】

・沖田さんを描いてみました。>>30
・遥を描いてみました。   >>34

【 目次 】

 第一訓「初登場って無駄に格好付けようとして結局気合いだけが空回りして後の黒歴史になるから、有りのままの自分で行け」
 >>1

 第二訓「学校の図書室の本って、借りパクしても案外バレないらしい」
 >>3

 第三訓「徹夜勉強して体壊したら大変だからテスト前日は早く寝るべき」
 >>4

 第四訓「兄弟ってのは不思議なもんだ」
 >>5

 第五訓「久しぶりにじいちゃん家とか行くと何か緊張して人見知りしちゃうよね」
 >>6

 第六訓「あれ? これ第六訓であってるよね? あってるよね? あれ? まあいいや……」
 >>7

 第七訓「お前らテロなんてやって幕府の犬に噛みつかれても俺は知らねぇからな」
 >>8

 第八訓「約束ってもんは指じゃなくて心でするもんだ」
 >>19>>24-25

 第九訓「そんなしつこさも含めてうちの局長はゴリラなんだよ」
 >>27

 第十訓「最初はグー出すアホがいるって言うやつが一番アホ」
 >>37>>41-42

 第十一訓「死んでも守りたい約束」
 >>45-46>>49-50

 第十二訓「イライラしてる人に「カルシウム足りてないんじゃないの」っていう奴と好き嫌いがある人に「えーアレ食べたことないとか人生の半分損してるわー」っていう奴はたいてい同一人物」
 >>53-54>>58-59

 第十三訓「酔ってなくても酔ったふりして上司の息の根止めろ」
 >>60>>62

【 番外篇 】

 遥誕生日「誕生日って祝われる方はもちろん、祝う方も幸せになれる魔法みたいなもん」
 >>20

 琥次郎誕生日「え、誰コイツって思った人。一旦>>2を見てきてください。by琥次郎」
 >>47





【 お誕生日企画 】

 しゅうさん>>21>>36

Re: 【銀魂】はろー、幕府のお犬さま ( No.59 )
日時: 2014/09/15 21:52
名前: 春太郎 (ID: D7i.SwLm)


「うわーすっげぇ綺麗に張り付けられてるぅ、うわー」


 私と沖田さんの目の前には、十字に組まれた丸太に張り付けられたガマがいる。

 なんでこんなことになったかというと、あのあとすぐに沖田さんはガマの足を蹴りとばし転ばせ、素早く両足を一つにまとめ上げた。さらに、抵抗しようとするガマの両腕を丸太にしっかりと縛り付けた。
 ご丁寧にガマの口にガムテープを貼ると、沖田さんは丸太ごとガマを運んでいく。

 その後を大人しく着いていってみれば門の前に着いたわけです。どういうわけかど真ん中に、さっきの丸太とは比べ物にならないくらいドデカい丸太がぶっささってました。
 あとは皆さんの想像する通りです。


 沖田さんが口に貼られたガムテープを乱暴に剥がしてやると、ガマは私たちのことを口汚く罵ってきた。
 いや、私たちだけじゃない。真選組のみんなのことを馬鹿にしてきた。

 ————その中には自分を庇って撃たれた近藤さんに対する言葉もあるわけで。


「……沖田さん、カエルって燃えるゴミですか? それとも燃えないゴミですか?」

「さあ、燃えるんじゃないんですかィ」

「おい、貴様ら何をする気だ」


 ガマの言葉を無視して、そこら辺から適当に拾ってきた薪をガマの足元に組み、ライターで火をつける。
 パチパチと音をたてて燃え始める、細い枝たち。この様子なら薪に火が燃え移るのもすぐだろう。


「「燃〜えろよ燃えろ〜よカエルよ燃〜えろ〜」」


 薪をくべながら沖田さんとキャンプファイヤー気分を味わっていると、煙草をくわえた土方さんが歩いているのが見えた。


「あ、土方さーん。こっちおいでよぅ」


 私の声に足を止めた土方さんは、ゆっくりとこちらを振り向くと一瞬固まった。
 かと思えば、土方さんは口をあんぐりと開けくわえていた煙草をポロリと落とした。


「何してんのォォォォォ!! お前ら!!」

「大丈夫大丈夫。死んでませんぜ」


 すごい形相で叫ぶ土方さんに、沖田さんがへらへらと笑う。


「要は護ればいいんでしょ?」 続けて口を開く沖田さん。

「こうしとけば敵をおびき出せますし、パパッと一掃できますよ。パパッと」 私も沖田さんに続いて口を開く。

「まあ」

「「攻めの護りでさァ」」

「お前ら何でそんな息ピッタリなの!? 何なの打ち合わせでもしたの!?」


 息ピッタリ? そんなつもりはないんですけど……。
 隣でしゃがんでいる沖田さんと顔を見合わせ、二人で首を傾げて見せると土方さんは溜め息をついてしまった。

 それでもへらへらとした笑みを浮かべる私たちに声を荒らげたのはガマだ。


「貴様らァ! 幕府の犬の分際で、こんなことしてタダですむと……もぺ!!」

「うるさいよ、ガマガエルの分際で」


 ごちゃごちゃとうるさいガマの口に薪を突っ込む。ついでに喉の奥にぐりぐりと押し込んでやった。
 ガムテープを剥がしてから、どうもうるさかったから黙ってもらえてとってもうれしい。

 私が薪から手を離すと、今度は沖田さんがガマの口に薪を入れ始めた。

 目の前の哀れなガマを真っ直ぐ見据え、私は再び口を開く。


「それと、何を勘違いしてるか知らないけど私たちは幕府の犬なんかじゃないですよ」


 薪を突っ込まれ、喋ることができないガマににっこりと微笑んでやる。いい気味だ、このまま燻製になっちまえばいいのに。


「真選組は、幕府の“お犬さま”です。お前らが雇ってるんじゃない、私たちが雇われてやってるんだ。お前らを護るんじゃない、私たちは近藤さんがいる真選組を護るんだ」


 言い聞かせるようにゆっくりと言ってやる。分かりましたか? と念を押してやれば、ガマはひたすら私を睨み付けてきた。

 土方さんと沖田さんはというと、驚いた様子で私を見ている。特に土方さんの目が真ん丸になっていて、眺めていてとても面白かった。
 沖田さんは一瞬だけ驚いたものの、再びガマの口に薪を突っ込み始め、そのままの姿で静かに土方さんの名前を呼んだ。


「……早い話、俺が真選組にいるのは近藤さんが好きだからでしてねぇ。でもあの人ァ人が良すぎらァ」


 沖田さんがふっと笑みを浮かべる。


「俺や土方さん、遥みてーな性悪がいて、それで丁度いいんですよ真選組は」


 まあでも、遥は性悪すぎですけどねぇ。沖田さんが付け加えた言葉にむっとしながらも、私はそれを黙って聞いていた。

 なんというか、何だかんだいってこの人たち近藤さんのこと大好きだよね。

 私と同じように黙っていた土方さんが、おもむろに鼻を鳴らす。


「あー、なんだか今夜は冷えこむな……。総悟、遥。薪をもっと焚け」

「「はいよっ!!」」


 ガマの呻き声が聞こえた気がしたが、そんなことは気にせずに二人してせっせと薪をくべる。

 そのとき、チュインと甲高い音がした。

 地面に転がる銃弾、ガマの口の中にある穴の開いた薪。極めつけに大量の攘夷浪士たちのご来場である。

 天誅と叫びながら門へと進んでくる浪士たちを確認し、私は刀に手をかけた。土方さんと沖田さんも、それぞれ刀を構える。


「おいでなすった」

「天誅ですって。私たちやられちゃうかもしれませんよ、お二人さん」

「馬鹿野郎、やられんのはアイツ等のほうだ」

「ですよねー」

「それより遥、アイツ等俺らのこと幕府の犬って言いやしたぜ。いいんですかィ、放っといて」

「もちろん、ぶっ潰しますよ。徹底的に!」


 私が声高々にそう宣言すると、土方さんに鼻で笑われた。沖田さんもちょっと私のこと馬鹿にしたような笑顔浮かべてるし。ほんとお前ら何なんだ。


「……まあ、派手にいくとしよーや」

「「はいよっ!!」」


 私は後衛に回って二人のサポートをするか。そう考えながら刀を抜いたとき、背後から威勢の良い声が聞こえた。


「まったく、喧嘩っ早い奴等よ」


 その声に弾かれるように振り向けば、後ろには黒くて大きな壁が見える。

 壁、もとい黒の制服を着た隊士たちの先頭には、着流し姿の近藤さんが刀を構えて立っていた。
 肩から胸にかけて巻かれた包帯は痛々しさを感じさせず、そこにはいつもの近藤さんが、真選組局長の姿がある。


「三人に遅れをとるな!! バカガエルを護れェェェェ!!」


 近藤さんの指揮で一斉に駆け出す隊士たち。あっという間に私の周りにはみんなが来ていた。

 もちろん、その先頭を走るのはあの近藤さん馬鹿の二人だ。



「いくぞォォォ!!」

「よっしゃァァァァ!!」



 真選組一番隊女隊士、掛井遥。いざ参る!

Re: 【銀魂】はろー、幕府のお犬さま ( No.60 )
日時: 2014/09/20 22:58
名前: 春太郎 (ID: D7i.SwLm)

「オイ遥、起きてるか」


 起きてません。まだ私は夢の国なうです。そしてこの声もきっと夢です。

 まだ寝れる、うん。今日は休みだしいつもみたいに起こされることはない。うん、大丈夫。
 まだ寝れる。

 と自分に暗示をかけていると、誰かに肩をゆさゆさと揺すられる。最初は軽くだったそれは、だんだん大きくなって最終的にすごく乱暴になった。夢にしてはリアルだ。てか、肩痛いんですけど!
 ちょっと、今日は休みだよ。なに、何なの。何しに来たの。


「オイコラ、起きやがれ」

「っ! もうちょっと寝かせてよ、兄さん!」


 いきなりめくられた布団を咄嗟に奪う。そのままの勢いでガバリと起き上がり兄さんを睨み付けると、


「今日はや、すみ……」


 あれ、なんで兄さんそんな黒いの?
 服もそうだけど、頭も黒い。それに瞳孔開いてるし……。

 ん?


「——なんだ夢か、二度寝しよ」

「夢じゃねーよ。……紛れもない現実だよ」

「やめてェェェ! お願いだから現実逃避させて!! 恥ずか死ぬからァァァァ!!」










 第十三訓【酔ってなくても酔ったふりして上司の息の根止めろ】










 ……掛井遥、最凶の黒歴史だ。

 土方さんのこと兄さんって呼んでしまった。土方さんもそんな生暖かい目で見ないでください。いつもみたいに怒ってくれた方がマシだったよ。


「……で、なんで私は起こされたんですか」

「ん? あ、ああ」


 てか何ちょっと動揺してんだよ、土方さんよぉ。

 ……それにしても今日は良い天気だなぁ。現実逃避にもってこいの天気だ。気温もだいぶ高くなって、中庭の桜もちょこちょこ咲いてきたし。そういえば公園の桜も結構咲いてたなぁ。


「花見に行くぞ。さっさと準備しろ」

「へ? 花見?」


 土方さんはそうだ、花見だ、と一度だけ頷き、部屋を後にしようとする。出る直前に、さっきのは忘れといてやるから、と話をぶり返してきたので後で息の根を止めようと思う。










 ○










 さて、今日の私の着物はいつもの赤地に金の刺繍が入ったものではなく、萌木色の大人しいものだ。
 桜が主役なのに真っ赤な着物着ていったら悪目立ちしちゃうからね。
 桜色の着物もあるにはあるんだけど、なんだか他の花見客たちもここぞとばかりに着てきそうだったので却下。変に目立つのも嫌だが他と被るのもナンセンスだ。

 よって、悪目立ちすることも他と被ることもないだろう萌木色の着物を選んだのだ。この色だったら桜にも映えるしね。なかなか良いチョイスなんじゃない、これ。
 髪の毛もちゃーんとお団子に結ってきたんだよ! シニヨン風に決めてみたんだよ! いつものポニーテールじゃないんだよ!

 てか私、勤務中以外は髪下ろしてるのにどうしてこんなにポニーテールが定着しているんだろうか。
 ちょっと不服。


「でも、みなさんも花見とかするんですねぇ。ちょっと意外」

「みんな、毎年この時期になると花見したがるんだよ。真っ昼間から酒飲む口実ができるからな」


 そう新入りの私に教えてくれるのは原田さんだ。

 初めはその厳つい容姿にやたらとビビったりもしたけれど、中身はただの気さくな優しいおっさんだと気づいてからはとても仲良くさせてもらっている。隊は違うけど尊敬してるし、頼もしいなぁとも思う。

 そして私は親しみをこめて原田さんのことを、密かに心の中で原ちゃんと呼んでいる。


「へえ。じゃあ花より団子なんですね」

「まあ、そういうことだな」


 言われてみれば、みなさんいつもよりテンション高めかも? これ、お酒飲めるからだったんだ。

 確かに沖田さんが酒瓶抱えてホクホクしている。ずいぶんと幸せそうだし、これはすごく珍しい反応だ。もうすごい浮かれまくってるじゃないですか。
 もちろん、沖田さん以外のみんなの浮かれようも尋常じゃない。

 でもこんなにお酒を飲むのを待ち望んでいても、みんな勝手に飲み始めたりはしない辺りさすがというか、待てを命じられてる飼い犬みたいというか………。


 幕府のお犬さまっていうのもあながち間違いじゃないよね、これ。


「そういえば場所取りしなくてよかったんですかねぇ。この混みようじゃ、宴会する場所なんてないんじゃ……」


 公園内に足を踏み入れると、そこは花見客でごった返していた。ちょっとしたお祭りみたいだ。

 こりゃ、今年の花見は立ち見かなぁ。


「それなら、山崎が場所取ってるだろ。真選組には毎年ここと決まった場所があってな、ほらあそこ」


 だから山崎さん朝から居なかったのか。なるほど。原田さんに言われるまで全然気づかなかったけど。なんかいつもと違うなぁとは思っていたけれど。
 てか、真選組御用達の桜ってどんなのなんだろう……。すっごい気になる。
 期待に胸を弾ませて原田さんが指差す方向を見てみれば、一本の大きな木があって、それで……。


「あの、あそこに居る団体は山崎さんですか」

「……違うな」

「ですよねぇ」


 見る限り、万事屋のみなさんたちにしか見えないんですが。
 なんか綺麗なお姉さんとでかくてキュートなわんこもいるけど、どう見ても万事屋メンバーだよね、あれ。

 ふと感じた殺気に目の前を見ると、列の先頭に立っていた土方さんが万事屋メンバーを見ながら、黒いオーラを滲ませているところでした。





 ————こ、これは……とんでもない花見になりそうだなぁ。

Re: 【銀魂】はろー、幕府のお犬さま ( No.61 )
日時: 2014/09/20 23:55
名前: 春太郎 (ID: D7i.SwLm)

 そういえば、明日でこの小説書き始めて半年になるそうです。ガクブルですまじで。

 半年経ったのにまだこれだけしか話進んでないのかよ、って感じですが……。週一のペースで投稿できたらなぁ、と思いつつも相変わらずの亀更新です。悲しいかな、己の仕事の遅さに泣けてきます。


 で、せっかくの節目なんでずっと先伸ばしにしていたマリネさんからの質問にお答えしようと思います!







遥「というわけで山崎さん、一つ目の質問ぷりー   ず!」

山「えっと、一つ目の質問は“遥は沖田のことをどう思ってる?”とのことです」

沖「どう思ってるんですかィ」

遥「同い年のくせに生意気だなぁと! あと背もちっ ちゃいですよね、沖田さんって。私と並んでもあん まり身長差ないですし」

沖「胸がないぶん背に栄養が行ってるんだろィ」

遥「うるさいです」



山「沖遥の可能性は、と聞かれてますけど……」

遥「あ、ないです」

山「だそうです」



遥「まあ、上司としては尊敬してますよ。やっぱ頭キ レますし何より強いし。真選組、てか近藤さんへの 思いも厚いみたいだし。あとは、土方暗殺し隊とし ては、これからも連携を取っていきたいっていう  か」

土「なにその物騒な集まり!!」

遥「要するに、地道に友好関係を築いていきたいって 感じですかね」







山「続いて、“遥の剣の腕前はどのくらい?”という 質問なんですが……」

土「それは俺も気になるな」

近「真面目に戦ってるところを見たことがないから  なぁ」

沖「この前のガマのときも何だかんだ後衛に回ってや したからね」

土「そこらへんの攘夷浪士からしたら強いんだろうけ どな」



遥「正直、そこまで強くないですよ私。剣術習って  たっていっても、兄から教わってただけだし、その 兄も放任主義でしたからね。もうほとんど我流みた いなもんです」

山「でも遥ちゃん、頭はよく回るからなぁ」

遥「確かに、頭だけで戦ってるとこはあります。あと は土壇場には強いっていうか。……卑怯な手を使っ ていいなら浪士を二、三人相手するくらいは出来る かと。さすがに真選組の隊士には負けますけど」

土「当たり前だ馬鹿」

沖「要するに、遥の能力は未知数ってことですね」

遥「これからの活躍にこう御期待! ってやつです」







 とまあ、謎な部分も多い遥ですがそれは小説の中で明かしていけたらなと。
 お答えするのがずいぶんと遅くなってしまいましたが、マリネさん質問ありがとうございました!

Re: 【銀魂】はろー、幕府のお犬さま ( No.62 )
日時: 2014/10/28 07:34
名前: 春太郎 (ID: D7i.SwLm)

「オイ遥、あいつら今すぐ退けてこい」


 うむ。やはり土方さんはご立腹のご様子。
 だからと言って、休みの日まで土方さんにわがままを聞くのはやだなぁ。てか自分で行けよ。


「えー? 自分で行けばいいじゃないですかぁ」

「そうですよ。ほら、土方さん逝ってきなせぇ」


 ぶーぶー文句を言う私と、いつも通りの態度をとる沖田さん。そんな私たちには構わず、土方さんはしばらく黙って万事屋メンバーを眺めていたけれど急にこちらを振り向いて、


「いいからとっとと行け」

「……あい」


 久しぶりにマジな目をした土方さんを見た。これは行かないと強制的に逝かされるやつですね、分かります分かります。
 あー、めんどくせェェェ!!










 ○










「えっと、あの、銀さん?」

「ん? 誰だお前」


 万事屋の皆さんを真選組(主に土方さん)から避難させるために声をかけたら、銀さんにすごい変な顔されました。
 うん、予想はしてたけどね! 予想はしてたけどマジでこの人バカなの? バカなんでしょ、ねぇ!!


「遥だよ! アンタが日頃ポニーテールって呼んでる、真選組のイノセントガールこと真選組一番隊所属掛井遥だよ!」

「あー! お前、ポニーテールか」


 通りで見たことあると思ったと言いながら、一人で頷く銀さん。この人は私のことをポニーテールとしか認識してないらしい。
 てか反応薄いな、殴るぞオイ。

 そんなダメな雇い主と違って新八くんと神楽ちゃんは私のことをちゃんと覚えてくれているらしく、顔見た瞬間に挨拶してくれたけどね!

 それよりも、


「初めまして、ですよね? 私、掛井遥って言います」


 さっきから気になっていたこの美人さんはどなた? すっごいおしとやかに座ってるけど、万事屋とどんな関係が……ハッ!

 まさか、この人が銀さんの裏で万事屋を牛耳ってるとか! 女番長とかかっけーなオイ!


「あら、貴方が遥さん? 私は新八の姉の志村妙です。いつも新ちゃんがお世話になってます」


 と、たくましい妄想を繰り広げていた私に美人さん改めお妙さんが自己紹介をしてくれる。どうやらこの人は万事屋を影で操る女番長ではなく、新八くんのお姉さんだったようだ。

 小さく微笑みながら会釈する姿はずいぶんと大人びて見えるけど、新八くんの話によるとお妙さんは私と同い年らしい。
 でもほんとにこの人18歳なの? なんか素敵なお姉さんって感じで全然実感わかないんだけど。
 まあさっきの妄想のせいで、お姉さんってか姐さんって感じだけども。

 あ、でも胸元は私と同じくらい慎ましいっていうか、むしろ私より小さいんじゃ……。


「————何かおっしゃったかしら?」

「な、なんにも言ってませんよ? あははははは」


 今、一瞬お妙さんが般若に見えました。

 お妙さんはあら? と小首をかしげて不思議そうな顔をした。とりあえず誤魔化せたみたいでよかった。
 と思いきや、急に怪しく黒光りする重箱を取り出すお妙さん。え、これで私の頭ぶっ叩くとか? やめてよ、ちょっと。


「ああそうだ! 遥さん卵焼きはお好きですか? もしよかったらこれ、食べてくださいな」


 お口に合えばいいんだけど、と不安そうに差し出された重箱を受けとるまでは良かったが、中身を見たとたん私は思わず固まってしまった。


「……えっと、これはアートですか?」

「いいえ? 卵焼きですよ」

「で、ですよねーあはは、はは」


 ははは、なんだこれ。わ、笑えねーよオイィィィィ!

 何これほんとに卵焼き? “卵焼き”つか“焼けた卵”でしょ? 正直“焼けた卵”でもないからね? ただの“かわいそうな卵”にしか見えないからねェ!?

 これ食べなきゃだめ!? てか食べれるの? お口に合う云々の前に私の体に合うの? 私のお腹と喧嘩しない? 大丈夫なのか!?
 しかし、人から出されたものを食べないというのは失礼にあたるよね。いくら見た目が可哀想だからって卵とお妙さんに罪はない!

 ……でもやっぱ、これ食べるのは勇気がいるよなァァァ!!


「どうなさったんですか、遥さん」


 嗚呼、お妙さんが、心配そうに私を見上げている……! お願いだからやめてよぉ! そんな目で私を見ないでよぉ!

 仕方ない、もとは卵なんだ。卵焼きだろうと焼けた卵だろうとかわいそうな卵だろうと、みんなもとを辿れば卵なんだ。だから大丈夫、私は食べれる!

 覚悟を決め、お妙さんからもらった卵焼きを口の中へと放り込む。その瞬間、口内を鈍器で殴られたような衝撃に襲われた。



 ————まずいとかの次元じゃなかった……! もはやこれは武器だよ武器ィ!!

 う゛う゛、今すぐこれを吐き出したい……。


「どうかしら? 私の卵焼きのお味は」

「お、いじいでず。グス、う゛う゛」


 にこにこと笑うお妙さんに本当のことなんて言えるはずもなく、私は泣きながら卵焼きを咀嚼し続けた。そんな私に新八くんが水をくれる。

 その水で卵焼きを一気に喉へ流し込んだあと咳をしていたとき、私の手の上にあった重箱が誰かによってとられた。


「ガハハハ! 全くしょーがない奴等だな。どれ、俺が食べてやろう」

「え、ちょっとアンタ何して、」

「何レギュラーみたいな顔して座ってんだゴリラァァ!!」

「たぱァ!!」

「えェェェ!? 近藤さ、え? えェェェ!?」


 突然現れた近藤さんに、近藤さんの頬をグーで殴るお妙さん。そんな二人にえ、としか言えない私。
 そして私たちの方、というか近藤さんとお妙さんを見てこそこそと小声で話す銀さんと新八くん。

 ストーカーがどうのとか、警察がどうのとか聞こえるけど何のことだ?

 …………嗚呼、思い出した。
 そういえば銀さんと知り合う前に近藤さんがある女の人をストーカーしてて、その人をかけて戦ったのはいいけど銀さんに卑怯な手を使われた近藤さんが負けて、それに怒った土方さんが銀さんを斬りに行ったけど結局返り討ちにあった事件があったなぁ。

 じゃあ、お妙さんがそのときのストーカーの被害者ってこと?

 よ、


「よかったァァァ! 近藤さんのことだからてっきりメスゴリラでもストーカーしてるのかと思ってたけど、ちゃんと人間のメス、しかも美人さんを求愛対象に選んでたんですね!」

「いや、こいつはメスゴリラみてーなもんだよ」


 そう呟いた銀さんももれなく近藤さんと同じ運命を辿りました。


「てかまだストーカー被害にあってたのか。町奉行に相談した方がいいって」

「いや、あの人が警察らしーんスよ」

「世も末だな」

「悪かったな」


 相変わらずこそこそと話し続ける銀さんと新八くんの後ろから話に割り込んできたのは、


「げ、土方さん……」

Re: 【銀魂】はろー、幕府のお犬さま【花見篇】 ( No.63 )
日時: 2014/11/26 21:06
名前: 春太郎 (ID: D7i.SwLm)
プロフ: https://twitter.com/05haru18/status/537575115119022080

 おひさしぶりです。春太郎です。
 前回の更新からやく1ヶ月……。いつのまにかクリスマスケーキの予約が始まり、期末のテスト週間にも入り、年賀状について真剣に考える時期になったんですね。道理でチョコが美味しいと思った!

 今日は小説をアップしに来たのではなく、Twitterに載せた絵のURLを張りに来たんですよ。ちょうど花見篇の遥のイメージにあった絵を描いていたので。

 花見中の遥はこんな感じのお団子(?)をしています。色は塗っていませんが、着物は萌木色です。

 みなさん、花見篇ではいつものポニーテールに隊服姿の遥ではなく、イラストのようなお団子に着物姿の遥に脳内変換しながらお読みください!
 と、いうどうでもいい小話でした!


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