二次創作小説(紙ほか)
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- 銀色の侍。 -ぎんたま-
- 日時: 2014/07/15 22:10
- 名前: 桜。 ◆2LLfCgVf7Y (ID: RxNXUMDJ)
真の父親の姿を求め、そして助けるため、時代をこえる女の子。
坂田銀時の娘----坂田優幸【サカタユユキ】の御話。
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※大幅捏造/原作沿い/オリジナル/劇場版ネタあり。
※死ネタ/ギャグ/下ネタ/オリキャラ/キャラ崩壊あり。更新亀。
※駄文乙/グダグダ乙。
※銀さん×オリキャラでできてます。主人公はその子供です。
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【第一章:孤独世界】
.第一訓 何事も一番最初が肝心 >>01//>>02
- Re: 銀色。 -ぎんたま- ( No.1 )
- 日時: 2014/07/15 22:11
- 名前: 桜。 ◆2LLfCgVf7Y (ID: RxNXUMDJ)
聞いた話では、お父さんは凄い人みたい。
. 第一訓 何事も一番最初が肝心
お母さんがよく話してくれた。今はいないお父さんの御話。
———————坂田銀時。それが私のお父さんの名前。
能天気で、自由奔放で、にーとで、いつもとてもだるそうで。
だけどいざという時はとても頼りになって。
…そして、本当に辛い時ほど全部全部一人で抱え込む人だったみたいで。
「あっ優幸。おはよう。よく眠れた??」
明るい色の綺麗な長髪をもってるこの女の人は、神楽お姉ちゃん。
ぼんっきゅっぼんなお姉ちゃんで、私の憧れのおねーちゃん。
そして、お父さんの知り合いらしい。
「うん。ぐっすり眠れたよ。さだはるくんは??」
「外で新八と遊んでるわ。…というより新八が遊ばれてるみたい。さすがダメガネよね」
「貴様、俺を馬鹿にしているのか」
唾液まみれになって家に入ってきたのは新八お兄ちゃん。
厨二オーラ全開…らしい。私にはよく分からない。
新八お兄ちゃんも、お父さんの知り合いみたいで。
私の名前は坂田優幸。年齢は十五歳。
母は数年前に奇病で亡くなった。父は私が生まれて間もなくいなくなったらしい。
だから私は、父のことを知らない。他人から聞くくらい。
お母さんが生きてた頃は、お母さんがたくさん教えてくれた。
今は、神楽お姉ちゃんや、新八お兄ちゃん。お登勢おばあちゃんやたまちゃん。
キャサリンちゃんや、まだおさんや、同志(?)だったっていう桂さん。
腐れ縁だったっていう勲お兄ちゃん、十四郎お兄ちゃん、総悟お兄ちゃん、退お兄ちゃん。
月詠お姉ちゃんや、あやめお姉ちゃんや、九ちゃんや、…妙お姉ちゃん。
他にも、いろいろな人からお父さんの御話を聞いて、お父さんのことを知っていく。
『あんたの親父はねェ…そりゃーもうプー太郎だったんだよ。家賃も払わないしねェ…』
『甘党。お前と同じだな。糖尿病寸前だったぜ』
『どこぞのマヨラーと会うたびに喧嘩してたかねィ…でござる』
『金に強欲で変態、あと博打好きじゃったな』
なんだか悪いことしか言われてない気もしたんだけど。
……でも、ただ一つ、おおきな共通点があった。
『銀さんにはほんと迷惑かけられたよな〜』
『…そうね。給料なんてまともにもらったことなかったわ』
『それは貴様と定春の食費にほとんど消えていったからだろう!!』
『うっさいわね!!』
みんな、とても楽しそうに話すの。
だからそれを見てて、お父さんって凄い人なんだなぁって思った。
なんだかんだいわれつつも、皆の希望のような存在なんだ、って。
「……幸? 優幸? どうしたの?」
「あ…ごめんね。ぼーっとしてた。もうすぐお見舞いの時間?」
「ええ。早く準備してきなさい?」
「はーい」
【びゃくそ】。
そんな謎の病が、このかぶき町に満ちている。
感染すると年齢関係なく、体の色素が抜けてしまう。
そして、一ヶ月を足らずとして死に至る。
お母さんが死んでしまったのは、この病のせいで。
でも今は私の周りに、この病にかかっている人はいない。
……たった一人をのぞいて。
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- Re: 銀色の侍。 -ぎんたま- ( No.2 )
- 日時: 2014/07/15 22:09
- 名前: 桜。 ◆2LLfCgVf7Y (ID: RxNXUMDJ)
ラグビーボールのような形をした大きなカプセル。
人が一人入れるくらいのそれには、管が沢山つけられてる。
そのカプセルの中で眠ってるのは、
「妙お姉ちゃん。お見舞いにきたよ!」
志村妙お姉ちゃん。新八お兄ちゃんの、お姉さん。
白詛によって色素は抜け落ちて、髪は真っ白。
目もよく見えていないみたい。
さっきも言ったとおり、白詛に感染すると一ヶ月を足らずとして亡くなる。
でも妙お姉ちゃんは一ヶ月以上生きている。それもこれもこのカプセルのおかげ。
「ゆ、ゆき…ちゃ…? 新ちゃ…神楽…ちゃ…?」
「姉御、今日は元気そうね。どうかした? 何か…いい事でもあった?」
「三人が…お見舞いにきてくれたから…嬉しいの、よ…」
ふふふって笑う妙お姉ちゃんは、本当に綺麗。
このカプセルは、対白詛用の医療器具。
これに入っていると、白詛への対抗力をあげることができるみたい。
…治ることはないかもしれない。
それでも、妙お姉ちゃんは、幸せそう。
「優幸ちゃん…本当に…似てるわね…」
「え?」
「雰囲気、がね…貴女のお父さんに…、銀さんに…よく似てる…」
「そう、なの?」
目線で新八お兄ちゃんと神楽お姉ちゃんにも尋ねてみる。
二人はにこって笑って、何度も頷いてくれた。
本当に…どんな人なんだろう。私のお父さん。
「銀さ、ん…会いたい…わね…ぇ…」
「姉上……」
カプセル越しの、呼吸器越しの、くぐもった声。
でも、妙お姉ちゃんの目から流れるそれは。
もう、自分が永くないってことを、悟ってるのかもしれない。
…絶対、絶対絶対、諦めないけど。
妙お姉ちゃんを死なせたくなんてないよ。
「おや、ぬし達もきておったのか」
「こんにちは、優幸」
「月詠お姉ちゃん! 九ちゃん!」
金髪の短い髪、頬の傷、凛々しい目。
煙管をくわえてる女の人が、月詠お姉ちゃん。
一人称が“僕”で一見ボーイッシュだけど美少女な、九ちゃん。
二人とも、お父さんとお母さんの知り合い。
「調子はどうじゃ」
「ええ…今日はとても調子がいいの…」
「それは良かった」
「妙ちゃん、僕、可愛いクマの人形を持ってきたんだ。飾っておくよ」
「ありがとう、九ちゃん」
妙お姉ちゃん、とても嬉しそう。…私も、嬉しくなった。
茶色いもふもふしたクマのお人形が戸棚に置かれる。
見えないはずだけど、妙お姉ちゃんはそちらを見て、嬉しそうに微笑んでる。
…何とかして、白詛を治せないのかな…。
「優幸。目。目が死んでるぞ」
「え」
「まったく…銀時はとんでもない遺伝を残していったな」
「そうね」
私の目はよくよく“死んだ魚のようだ”って言われる。
ボーッとするとよけいにそれが悪化しちゃうらしい。…自覚はないんだけど…。
この目はお父さんとソックリみたいで、それが少し嬉しかったりもするの。
「顔つきは双葉さんとそっくりだね」
「お母さんと? …そうかな?」
坂田双葉【さかたふたば】。それが私の母の名前。
白詛に感染して亡くなってしまったけど…本当に優しかったお母さん。
その頃はまだ、対白詛用のカプセルもできてなくて…。
寂しくて寂しくて、どうにかなってしまいそうだった。
でも今は皆がいるから、まだ耐えれるの。
「性格も双葉似じゃな。しっかりしておる」
「時々面倒くさがりなところとかは銀さん似だな」
「あ、新八お兄ちゃんひどいー」
他愛ない会話で笑いに包まれる病室。
そこからはいろいろな話題で盛り上がって、皆楽しそうで。
妙お姉ちゃんはその間中、ずっと笑ってた。
「あ…優幸。そろそろ稽古の時間じゃない?」
「え!? ほ、ほんとだ! ひぃぃぃぃっ急がなきゃァァァァ!」
「…何をそんなに怯えておるんじゃ」
「教師がスパルタなんだと。剣の腕はピカイチだがなんせ性格は悪い」
「たっ、妙お姉ちゃん! またねっ!」
妙お姉ちゃんは笑って、またねって言ってくれた。
バイバイ、じゃなくて、またね、が私なりのルール。
また明日会おうね、って、妙お姉ちゃんと約束をつけるの。
だから…妙お姉ちゃん……、…。
「じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
…お父さんなら、こんな時、どうするんだろう?
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