二次創作小説(紙ほか)
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- ホヒンダ村だより 心拍数が途切れるまで俺は…【完結】
- 日時: 2014/12/20 01:33
- 名前: 蟻 (ID: iv9jnC9n)
- プロフ: http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?no=18005
どうもー。蟻です。
クリスマス小説です。心拍数# .....忘れた。
まあ、わかったら言います。
ではどうぞ!!
- Re: ホヒンダ村だより 心拍数が途切れるまで俺は…【短編】 ( No.9 )
- 日時: 2014/12/19 22:30
- 名前: 蟻 (ID: iv9jnC9n)
- プロフ: http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?no=18005
七話
今日は雪が降っている。
そんな日に、俺はある冷たい理不尽な事実を聞かされた。
ことの発端は一時間前だった...
コ「ルイコ先生じゃないですか。どうしたんですか?」
ルイコ先生は俺の担当医者だ。ついでに言うと、さよりんの担当医者でもある。小柄な女の先生で相談しやすい雰囲気だ。怒ると怖いが。
ル「コタロウ。そこに座ってくれる?大事な話よ。」
そういうと、せんせいも床にへたり込んでしまった。
コ「先生...!?」
ル「コタロウ、さよりんちゃんのことなの。」
コ「さよりんに何かあったのですか!?」
ル「さよりんちゃんの寿命は....あ、あと、三日なの.....!!!!」
————————え..??
たったの三日??酷くないか??
目が熱くなる。何かが落ちていく。
嫌だ。離れたくない。せっかく出来た淡い恋心を神はそんなに早く壊したい
のか??もう分からない。世界って何でこんなに邪魔ばかりするんだよ。
コ「そんなの...嘘だ!!嫌だよ、離れたくない!!もう嫌なんだ、独りぼっちは...!!!
なのに何でそんなに引き裂きたいのさ!?もう、もう...!!」
このまま消えてしまいたい。
ル「さよりんちゃんは今病室に居るわ。面会拒絶状態なの。でもあなたなら
良いと言っていた。あと三日なら...愛しているなら、あなたの愛全てを彼女に
注いであげなさい。後悔の残らないように。」
俺に出来ることは、君が幸福な眠りにつくため守ること。
零れ落ちる涙を手荒く拭い、俺はさよりんの病室へ向かった。
- Re: ホヒンダ村だより 心拍数が途切れるまで俺は…【短編】 ( No.10 )
- 日時: 2014/12/19 22:52
- 名前: 蟻 (ID: iv9jnC9n)
- プロフ: http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?no
八話
さよりんの病室に入ったときにはさよりんは此方を見て
「来るってわかってたよ。」
と儚げに笑った。
病室に絶え間無く流れるのはぴっぴっぴっ...という無機質な心拍音。
さよりんの体は薬浸けにはなっていなかった。
さ「ねえ、コタロウ。そこのトランペットってコタロウの??」
コ「うん。聞いていてよ。」
俺がずっとあの日から練習していた曲———パッペルベルのカノンだ。
高い澄んだ音が病室に響くように。一つ一つに魂を込めて。
君の心の負担が消えるように。
—————吹き終わるとさよりんは拍手をしてこう言った。
さ「ありがとう。」
コ「ううん。別に良いんだ。ところで何でこの曲を...?」
さ「昔、ピアノやっていたとき、よく弾いてた曲だった。
だけど、病で倒れたとき左手が思うように動かなくなって...。」
それで、俺に吹いてくれと頼んだわけか。
昔の良き記憶を忘れないために。
それからしばらくたって、静かな病室に響き渡った乾いた音。
たんっ
確実に俺が狙いだ。
またもや、たんっという音。
その音の発信源は。
外にいた男の手に握られた銃だった。
- Re: ホヒンダ村だより 心拍数が途切れるまで俺は…【短編】 ( No.11 )
- 日時: 2014/12/19 23:43
- 名前: 蟻 (ID: iv9jnC9n)
- プロフ: http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?no
八話
コ「おまえ...!?誰だ!!」
??「....問答無用。去らばだコタロウ。」
かちゃ...というセット音。
ああ、いっそこのまま君と昇天した方が良いかもしれない。
さ「や、や、や、やめてぇぇぇぇ!!!!!!!!」
たんっ
コ「んんっ...!?」
貫かれない体。一体誰が...!?
俺を救ってくれたのは、傍らに倒れ込んだのは。
さよりんだった。
さ「コタロウ…良かったね、無事で…」
さよりんの胸は真っ赤に染まっていく。だんだん息が浅くなる。
コ「馬鹿いうなよ!!何で守ったんだよ。お前の寿命を少しでも伸ばしたかった
のに...!!!」
さ「これが…あたしの望んだ世界の終わりだよ。大切な人を守りたい。
それが…わたしの…望む終わり方…」
望む終わり方。なら、なら俺は、後悔したくない。
コ「…さよりん。俺はお前が好きだった。永久に愛し続けよう。それでも
良いか??」
さ「コタロウ…ありが、とう…私、も…コタ…ロ…ウが…大好き……で…し....た....」
さよりんが涙で濡れたままの頬で笑った。そして、その瞼が閉じていく。
まるで閉じたら一生開かないことを知っているかのように...。
コ「うわあああああああああ!!!!!!!!!」
ぴっ…ぴっ…
ぴっ……ぴっ………
ぴ—————————————————……………
- Re: ホヒンダ村だより 心拍数が途切れるまで俺は…【短編】 ( No.12 )
- 日時: 2014/12/20 01:31
- 名前: 蟻 (ID: iv9jnC9n)
- プロフ: http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?no
エピローグ
ち「あら、コタロウくん。今日も来てくれてありがとう。」
コ「いいや、アルバイト的な仕事だし、シゲとも喋りたいしね。」
シ「…別にいいけどさ。」
俺らはあれから二十歳を越えた。ちあきはシゲと結婚して、カフェを開いている。
俺はそこでトランペットを吹く。それが仕事だ。
シ「ところでコタロウ。なんでおまえ結婚しないんだ?」
コ「うーんとね。永遠に愛する人がいるからかな?」
俺は空を見上げたんだ。君が見ているような気がして、さ。
end
- Re: ホヒンダ村だより 心拍数が途切れるまで俺は…【完結】 ( No.13 )
- 日時: 2014/12/20 01:40
- 名前: 蟻 (ID: iv9jnC9n)
- プロフ: http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?no=18005
というわけで終わりです。短編のはずだったのになぁ。
イメージ曲は『心拍数#0822』です。
本当は死なないはずなのにね。
次回作は、ぽわぽわPさんの『ササメク』という曲がイメージ曲になる
かも(*^^*)
洗脳黒さよとさよりんの対決ですかね。(洗脳ネタ多くてサーセン)
ああ、でもまず『黒ユリが咲く場所』を完結させます(*^^*)
考案を練り直したのでφ(..)