二次創作小説(紙ほか)

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【銀魂】 鬼の鎖 【再会篇】
日時: 2015/04/03 11:44
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: mkQTRQtj)

      
        戦場を駆けた赤髪の女

  
  感情を持たずに刀を振るうその姿に敵は恐れを抱いた
  
       
      そしてその女は__『羅刹』と呼ばれた


——————————————————————————————


  『羅刹』と呼ばれた、赤髪女の物語。

  
    




 !! 注意事項 !!

  ◆駄文,更新ノロマ,グダグダ,うるさいキャラが必ずいます
※ ◆更新ノロマ更新ノロマ更新ノロマです((大事な事なので何度も言います←
  ◆アニメ+原作沿い+時々オリジナルです
  ◆ギャグ99%+シリアス0.5%+恋愛0.5%=馬鹿100%
  ◆ノリとテンションだけはいつでもMAX
  ◆グロい描写あり,ノリとテンションだけはいつでm(((
  ◆死ネタ入ります
  ◆文章を構成する能力が極めて低いです。





  ! 目次


  /プロローグ*キャラ設定してもいきなり崩れる事ってあるよね/>>03
  /オリキャラ紹介*


◆再会篇
 01訓 成敗のしかたって人それぞれだけどやりすぎってよくないよね/>>04
 02訓 すべての再会が感動的とはかぎらない/>>06
 03訓 演技って見てる方は感動したりするシーンでもやってる方はわりと恥ずかしかったりする/>>07
 04訓 時間とお金どっちが大切とかっていう質問されたけどお金っていったら時間ないと使うときないとかいわれるし時間っていったらお金無いと何もできないとか言われたからもうめんどくせーよじゃあそんな質問するなよ!!/>>08

Re: 【銀魂】 鬼の鎖 【再会篇】 ( No.4 )
日時: 2015/02/12 23:30
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: Yo35knHD)





 侍の国。この国がそう呼ばれたのは——今は昔の話。
 


 01訓 成敗のしかたって人それぞれだけどやりすぎってよくないよね



 澄みきった青空、青々とした自然、麗かな天候。
 江戸の住民が皆楽しく忙しく動き回っている、その日。


 ——今にも死にそうになっている女がいた。


「あー…お腹が空いた…水がほしい…あれ、綿菓子があるな…あ、なんだ雲か」


 公園のベンチに横になり、虚ろな瞳で空を見ているようだ。
 唇はカッサカサになっており、身につけている着物もあちこち汚れている。


「もう私は死ぬのか…? そうか死ぬのか、分かったパト○ッシュ、ともに逝こうじゃないか…」
「ままァ、あそこのベンチで寝てる人、ひとりで何かぶつぶつ言ってるよー?」
「シィィィィッ! 見ちゃダメ! 指差しちゃダメ! 早くこっちに来なさい!」
  

 どうやらこの女、もう幾日も食べ物にありつけていないらしい。
 無論風呂にも入っていないのであろう。薄汚れた赤髪が物語っている。


「それにしても今日は暑いな…。こんな日はアイスクリームに限る、あっ金ないんだった」
「————師匠ォォォォォォォ!」


 女は重たそうに身を起こし、己の方に駆け寄ってくる子供を見る。
 薄汚れた茶色い髪の少年は、キラキラした笑顔で、両手に袋を抱えながらこちらに来る。


「…随分と遅かったな、一輝イッキ。…何をしてきたんだ?」
「エヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ」
「え、何コイツめちゃ気持ち悪い」


 一輝、と呼ばれた少年は、嬉しそうに抱えていた袋を開けた。
 そこに入っていたのは、大量の酢昆布。赤い小箱が沢山入っている。


「…なんだコレは。アレか、お前は酢昆布パーチーでもする気か」
「実はですね、師匠! 食料を求めて町を彷徨っていたら、ちょうど駄菓子屋にさしかかりまして!」
「うん」
「で、その駄菓子屋の近くに、凶暴そうな犬がいたんですね!」


 相も変わらず嬉しそうに一輝は話す。女はどこか興味なさげだ。


「それでそれで、お婆さんも駄菓子屋に来てた子供達も困っちゃってまして!」
「…ほほう」
「そこを僕が退治したら、お礼にお婆さんがた・だ・で! 酢昆布全部くれたというわけです!」
「いや別にいいんだが、何で酢昆布なんだ。もっとチョコレートとかアイスクリームとかアイスクリームとかなかったのか」


 大きな溜息をつきながらも、まぁいい、と女は袋から酢昆布を一箱取り出した。
 ポリポリと酢昆布を食べながら、ちなみに、と続ける。


「一輝。お前、どうやってそんな凶暴な犬を退治したんだ。…ぼこったのか」
「ま、まさか! 僕は動物が大好きですから、そんな事はしませんよ!」
「そうか。…じゃあどうやったんだ?」


 ぽりぽりと二枚目の酢昆布をかじりながら、女は尚も尋ねた。
 一輝も酢昆布をかじりながら、えへへと照れたように笑う。


「実は、その犬が電柱にむかって用を足してまして」
「…ほう」
「で、その用を足している犬に向かって用を足したら逃げていきました!!」
「なにやってんのお前」


 物凄く冷めた瞳で、女は一輝を見ながら酢昆布をかじる。
 しかし一輝はとても誇らしげに胸を張っている。


「いや〜…他人の為に尽くして得た食料はホントに美味しいですね!」
「犬もぼこられた方がましだったろうよ」
「…ウォッ…この酢昆布一際すっぺェ…。…師匠、この酢昆布めちゃくちゃ美味しいから差し上げます!」
「聞こえてんだよ馬鹿。誰がめちゃくちゃすっぱいのいるかボケ」


 空腹だったこともあり、なんやかんやで一箱たべ終えたようだ。
 …が、それで足りるわけがない。


「一輝、酢昆布もうひと箱よこしてくれないか」
「(なんやかんやで食い意地はるよなこの人)はい、どーぞ!」
「今なんか聞こえたんだが」
「え、気のせいですよ〜」
「いや、お前の心の声てきなやつが——」


「——うオオオォォォォォァァァァァァァァァ!!!!」


「…はぁ…、…一輝、屁をこくならもっと小さくしろといつも言っているだろう」
「明らか屁じゃないですよねェェェ?! ウオァァァっていう屁とか聞いたことないんですけど?!」


「え、じゃあなんだ」


 むくりと身を起こした女が見たのは、物凄い勢いでこちらに向かってくる少女。
 その背後には巨大な白い何かがいる。迫力満点で真面目に怖いやつだ。


「とか言ってる場合じゃなくてェェェ!! 師匠、あの子なんかめちゃ怒ですよ?!」
「アレだ、脳内が中二の夏の人なんだよ。ハイテンションヤッフゥゥゥなんだよきっと」
「意味わかんねーよアンタの頭の中がハイテンションヤッフゥゥゥなんだよ!! ちょ、こっちにきてま——」


「——私の酢昆布たちをよこすネェェェェェ!!!!」
「わぉんっ!」


「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!」



(…あれ、一輝が吹っ飛ばされたようだ)
(オネーサン、頭、定春にザックリいかれてるアルヨ)
(…そういえば随分と視界が赤いな。…そうか…、ついに私は扉を開いたのか)
(何の扉だヨ)



 —


 
切りどころが分からなくて分からなくて( ´∀`)笑
とりあえずは神楽ちゃん登場です。…さて次話どうしよう(・ω・)←




    

Re: 【銀魂】 鬼の鎖 【再会篇】 ( No.5 )
日時: 2015/02/22 22:48
名前: 魔堂 (ID: y68rktPl)

初めまして。魔堂といいます。
生涯バラガキを書かれておられる頃からの読者なんですが、なんせ話しかけるタイミングが見つからなかったので、ずっと陰から応援しておりました(笑)
花火様の作り出されたキャラクターで書かれるお話が、本当に大好きです。
更新応援してます(`_´)ゞ!

Re: 【銀魂】 鬼の鎖 【再会篇】 ( No.6 )
日時: 2015/03/18 22:32
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: fExWvc7P)

 魔堂様

ははははは初めまして!((
そんな頃から読んでいただけているとは…嬉しいです!
有難う御座います! 亀更新ですが頑張ります!(´∀`)


——————————————————————————————


 相も変わらず巨大犬に頭を噛まれている女と失神なうの一輝。
 血まみれになりながらも女は能天気だ。


 02訓 すべての再会が感動的とはかぎらない


「そうだったアルか。まさかそんなことだったとは思わなかったネ」


 酢昆布をもらった経緯を少女に話すと、あっさりと彼女は納得した。
 嫌がらせで買い占めたのだと思われていたらしい。そんな金はない。


「にしても…アレアルな、おねーさんよほどの酢昆布好きアルな」
「え。なぜそう思うんだ」
「酢昆布と同じような臭いがするネ。すっぱくさいアル。羨ましいネ」
「風呂に二週間ほど入らずにいてみろ。おそろっちな臭いになれる」


 マジでかァァァ、と叫んでいる少女を尻目に、女は自分に噛み付いている犬を引き離した。
 あ、と見れば、着物は既に血まみれだ。もとは青い着物なのだが、若干紫である。


「…お嬢さん、お名前は?」
「神楽アル。このかぶき町の女王たァ私のことヨ」
「マジでか。ではそのかぶき町の女王、おりいってお願いがあるのだが」
「何アルか。金ならねーよ帰んな」
「冷たいなオイ」


 氷のような冷ややかな目で、神楽は女をゴミを見るかのように見てきた。
 女は小さく溜息をつき、あ、と小さく声を出すと、酢昆布がまだまだ入っている袋を差し出す。


「交換条件でいこう。この酢昆布をやろう」
「まじでか?!」
「あぁ。だからかわりに…おたくの風呂かしてくれ」
「お安い御用アル! てことで酢昆布もらってもいいアルか?!」
「どーぞ」
「ひゃっほォイっ」


 ついてくるヨロシ、と神楽は言い、歩き出した。早速酢昆布をかじっているようだ。
 気絶している一輝を背負うと、女は神楽に続いて歩き始めた。


「そういえばおねーさんとそっちのボウヤの名前は何アルか?」
「ボウヤって…お前と対して変わらないと思うが」
「私は女王アル。乳臭いガキと一緒にしないでほしいネ」
「マジでかさっせんした。この気絶している子供が、東雲一輝シノノメイッキ。私は、レイだ」
「霊と1期アルな! 覚えたヨ!」
「いやすでになんか違うんだが」


 江戸の街中は賑わっていた。ハエを引き連れている怜は若干引かれているようだ。
 ご丁寧にも、神楽は酢昆布を食べながら、あちらこちらを案内してくれている。


「そういえば、お前らはどういう関係アルか? 姉弟てきなやつアルか?」
「まぁ…そうだな。一応師弟関係だ」
「へぇ〜! 全然似てないアルな! 姉弟なのに!」
「いや当たり前だろう、師弟なんだから」


 何だかとんでもない誤解を生んでいるようだが、二人とも気づく気配はない。 
 しばらく歩いていると、でかでかと『万事屋銀ちゃん』と書かれた看板が見えてきた。
  
  
「あ、あれアル!」
「『よろすやぎんちゃん』…ほう、何か胡散臭い店だな」
「失礼アルな。何でも屋アル! 万事を引き受けるネ!」
「オーナーはお嬢さんなのか」
「違うアル。メンバーがあと二人いて、眼鏡かけきと、オーナーのウ○コみたいなおっさんネ」
「どんなおっさんだソレ」


 カンカンと音を立てながら階段を上り、扉の前に立つ三人と一匹。
 ただいまヨ〜、と神楽は声を上げながら扉を開けた。


「…お邪魔します」
「汚いところだけど上がるヨロシ。銀ちゃァん、帰ったアルよ〜!」


 居間へと入っていく神楽に続き、怜も一輝を背負い直してお邪魔する。
 居間にいたのは、退屈そうにテレビを見ている、銀髪天然パーマの男。

 その死んだ魚のような瞳が、こちらを見た。


「神楽テメッ、お客様がいるならきちんと言いやがれ! 銀さん格好悪いとこ見せちまったろーが!」
「大丈夫アル。銀ちゃんなんて万年金欠万年不細工アル。心配しなくても格好いいときなんてないヨ」
「ンだとコラァァァ! 言っとくけど銀さんはイケメンだからね…ってオイこらこっち見ろボケェェェ!」 
「怜〜、私風呂わかしてくるから、そこらへんでくつろいでるヨロシ〜」


「…………え」


 男——銀時の瞳が、怜へと向けられた。
 一方の怜も、真顔でじっと銀時を見つめ返す。


「…………」
「…………」
「……………」
「……………」
「………………」
「…………本当だ、オーナーはウ○コみたいなおっさんだ」
「テンメェェェ再会第一声がそれかァァァァァァ!!」



(それか死んだ魚だな)
(イヤそれ違う! それを言うなら死んだ魚のような目な! って誰が死んだ魚のような目だコルァ!)
(なに一人でやってんだお前)

 

Re: 【銀魂】 鬼の鎖 【再会篇】 ( No.7 )
日時: 2015/03/19 17:22
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: bTQW6E54)

「ん…あれ、ここは…?」


 どうやら一輝が目を覚ましたようだ。
 ソファの上でその身をゆっくりと起こし、きょろりと周囲を見渡す。


「僕…どうしたんだっけ…。あ、ししょ」


「だいったいテメェがいきなりいなくなるから野郎共も一応心配してたんだぞあァん?!」
「しっかりと置き手紙はしておいたはずだ。えーと…さよならさんかくって書いていただろう」
「意味わかんねぇだろうがァァァァァ!! なにがさよならさんかくだふざけんな!!」
「ふざけているのは貴様の頭だろう。なんだそのモジャモジャは。ひきちぎってくれるわ!!」
「テンメッ引っ張んじゃねェ! てめぇこそなんだそのきたねぇ赤髪! 風呂入ってねぇのかコルァ!」
「もう二週間は入っていない! 禿げろ銀時!!」
「なに堂々と真顔で言ってんだァァァァァ! つーかテメェが禿げろ!!」


「何してんだテメェらァァァァァァっ!!」





 03訓 演技って見てる方は感動したりするシーンでもやってる方はわりと恥ずかしかったりする




「……、で、銀ちゃんと怜は友達アルか?」
「「誰がこんなクソッタレと」」


 怜と一輝は万事屋にて風呂を借りた後、机をはさんで銀時と神楽と向かい合っていた。
 ご丁寧にも着物まで洗濯してもらい、今は借りた物を身につけている。


「ちょっと師匠! お風呂まで入らせていただいたのにその言い草はないでしょう!」
「やめておけ一輝、この男に関わるな。天パが伝染る」
「伝染んねーよ! 大体テメェが師匠なんていうたまかよ。やめとけ坊主、アホが伝染るぜ」
「大丈夫ですよ。僕はもとからアホですから伝染りません」
「アホはアホを呼ぶってやつアルな」


 どうやら、とうに神楽の姉弟と師弟の違いの誤解もとけているらしい。 
 怜は気を落ち着かせるため、一旦ふぅと息を吐いた。


「…ひとまず風呂の礼を言おう。さんきゅーべりまっちょだ」
「感謝の気持ちが全然伝わってこねーんだけど」
「つーか、なんであんなところで干からびてたアルか? オメーら流浪人なら一応は金もってんダロ」
「じ…、実はちょっとした騒ぎに巻き込まれまして…。その時にお金が全部なくなったんです…」
「どーせあのアイスクリーム屋の一件だろ。見てたけどよ、アレは怜が悪ぃだろ。腕プラーンってなってたもの」
「…その後警察に通報され、最終的にこちらが悪いとなった。そして金を払ったらもうパーだ」

 
 ウフフフフフフと遠い目でどこかを眺めている師弟。
 で、と銀時は若干冷や汗をかきながら尋ねる。


「オメーら、これからどうするつもりなんだ? 金もねェんなら宿もねぇだろ」
「…案ずるな。宿のことならば心配いらない。なんとかなるさ」
「そうかよ。ま、てめぇで何とかするんだな」
「寝る場所はこのソファでなんとかなるだろうし…あとは食料だな。お前が作ってくれればなんとかなる」
「ちょっと待たんかいィィィィ!!」


 銀時はどこからか取り出したハリセンで勢いよく怜の頭を叩いた。
 かなり痛かったのだろう、頭をおさえながら、怜は銀時を睨む。


「何をするんだ。脳細胞さんが死んでしまうだろう!」
「てめぇの脳細胞さんは元から死んでるようなもんだ! つーかおまっ、万事屋に住む気だろ?!」
「当たり前だろう。昔からの顔馴染みだろう、かたいことをいうな」
「ぜってぇ嫌だぞ俺ァ!! 大体万事屋だっていっぱいいっぱいなんだよ!! 他いけもしくは野宿しろ!!」


 全力で銀時は叫ぶ。彼らだって今月の家賃もまともに払えていないのだ。
 そんな身の上で、さらに二人を泊めるなんてことは、不可能同然である。 


「そう言うな。こんなにも人が下から頼んでいるんだ、許可しろボケ」
「どのへんが下から頼んでるんだどのへんがァァァァ!!」
「チッ…この分からずやめが。女王の心の広さを見習え」
「怜、一輝。お前らなら大丈夫アル。野宿でもやっていけるネ。ダンボール食いながら生きるヨロシ」
「ダメです師匠、女王あっさり見捨ててきまし…グォブゥッ」
「「「?!」」」


 いきなり吐血した一輝に、全員が驚いた。
 一輝は口元をおさえながら、その場にバタリと倒れこむ。


「い…一輝ィィ! 一輝、しっかりしろ! クッ…持病がでたか…!」
「じ、持病?! 一輝、病気アルか?!」
「し…ししょォ…だ、大丈夫、です…ぼ、ぼくは…ぐふぇっ」
「一輝ィィィィィィィィ!!」


 昼ドラ劇場を繰り広げている師弟を、ガクガクブルブルと震えながら銀時と神楽は見ている。
 その間にも、一輝の吐血は続いているようだ。


「し、師匠…。やはり…僕には、えどの、空気は…あわぬようです…」
「そんなことはない。お前があれほどにまで来たがっていた江戸だろう…っ」
「こんな、ところで…野宿なんて、したら…三日と、もたず…僕は、死んでしまう…」
「安心しろ…。私が、私が今すぐにでも宿を、あっ金ないんだった」
「そう、でしょう…病院に、も…行けず…僕は、死にゆくしか、ない、の、で…ぐぼぁっ」
「い、一輝! しっかりするんだ、一輝! いっ」


「あああああああああああっもういいわァァァァァァ!!
 住めばいいだろォォ!! 一輝クン持病あるし野宿できねぇから住めばいいだろォォォォ!!」


 耐え切れなくなった銀時が、ついに大声で叫んだ。
 神楽も涙を滝のように流しながら、ガクガクと頷いている。


「で、です、が…僕たち、おかね、が…」
「もういいよォ! そのかわり働けよ! 怜がな!」
「す、んでも、いいんですか…?」
「いいっつってんだろ!!」


 銀時がそう叫んだ瞬間、その劇場は終了した。
 それと同時に、ピッという何かの機械音。


「それは有難いな。よかったな、一輝」
「はい、師匠! いや〜ホントに感謝ですね〜!」
「「……」」


 怜の手に握られたボイスレコーダーと、けろりと表情を変えた一輝を見て、銀時と神楽はかたまった。
 次の瞬間、ブチィッとその額に青筋が浮かぶ。


「「てめえらァァァァ!! 騙したなゴルァァァ!!」」
『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』
「ほら、いましがたこう言ったのはお前だろう、銀時」
「てんめぇぇぇ…!」


 わざわざボイスレコーダーを再生し、にぃっと怜は笑った。
 ご丁寧にもそれ以外の部分は録ってないらしい。この女は昔から悪知恵だけはよく働くのだ。


「というわけで、世話になる、銀時」
「いますぐ出て行けやボケ!!」   
 

 

(僕の演技よかったですか、師匠!)
(完璧だ。流石、私の弟子だな)
(弟子に何教えてんだテメーはァァァァ!) 

Re: 【銀魂】 鬼の鎖 【再会篇】 ( No.8 )
日時: 2015/04/04 17:33
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: CqswN94u)

「もうさ、マジでさ、出て行ってくんない? 万事屋もホント手一杯なんだよ」
「いましがた“いいゼ! いくらでも泊まってケヨ!”と言ったのは誰だ銀時」
「んなことは一言も言ってねーからァ! 寧ろ騙されたから! 俺被害者だからァァァ!」


 04訓 時間とお金どっちが大切とかっていう質問されたけどお金っていったら時間ないと使うときないとかいわれるし時間っていったらお金無いと何もできないとか言われたからもうめんどくせーよじゃあそんな質問するなよ!!


『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』
『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』
『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』
『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』


「うるっせェェェ!! 何回再生すりゃあ気が済むんだテメェはァァァ!!」
「いやお前がこう言ったんだということをしらしめてやろうかと」


 真顔でケロリと言い放つ怜に、銀時の額の怒りマークも増えていく。
 ピッとボイスレコーダーを切ると、怜は真っ直ぐに銀時を見据えた。


「銀時。割とガチでお願いだからすませてください割とガチで」
「割とガチで二回言ったアル、めちゃくちゃ必死アル」
「お、お願いします銀さん! 僕、割と家事とかできるんで、精一杯しますから!」
「私は精一杯寝る」
「オメーはホントなんなの?! …ったくよぉ」


 チラリと銀時は怜の顔色を見た。蒼白、というわけでもないが、若干青白い。
 それに昔よりもかなり痩せているようだ。胸も変わらずペタンコである。


(“持病”ねェ…。…あながち嘘でもねェよな…)


 ハァ、と銀時は溜息をつき、頭を激しくかいた。
 ハゲるぞ銀時とか言っている女は一旦無視して、銀時は三本指をたてる。


「条件だ。住むにあたって、これだけは約束しやがれ」
「「……」」
「なんで師弟揃ってスルーなんだよ!!」
「ハァ…約束とはなんだ」
「なんで溜息? …まぁいい」


 ——ひとつ、しっかりと働くことー。働かざる者食うべからずってやつだ。
 ——ふたつ、万事屋のルールを守ることー。俺達にきっっっっちりと従ってもらうぜ。
 ——みっつ、臨時収入とかが入ったらなるべく万事屋の家賃等にまわすことー。


 三本指を二人にずいっと近づけ、銀時は“これが条件だ”と言った。


「なんだ、そんなことか。私もいい大人だぞ、余裕で守れる(ふたつめぐらいは)」
「僕も頑張ります!(ひとつめぐらいは…)」
「お前ら絶対やる気ねーよな? 絶対絶対守る気ねーよな?」


 その時、万事屋のインターホンが鳴らされた。
 続いてガラリと扉が開かれ、勝手に入ってきたようだ。そして怜達がいる部屋の扉が開けられた。


「くぉらァァァァ銀時ィィィ! たまってる家賃とっとと払いやがれェェェ!」
「げぇぇぇぇぇっババアッ?!」
「前から言ってるけどね、金がねぇんなら腎臓なりなんなり売りやがれってんだいクソったりゃァ!」

「このお方が大家さんか?」


 怜と一輝の存在に気がついたようで、お登勢は叫ぶのをやめた。
 怜はお登勢に歩み寄り、ぺこりとお辞儀をした。


「はじめまして。私は、怜というものだ。こっちの子供が一輝だ」
「ど、どうも」
「…なんだいこの子達は。銀時…まさかアンタ」
「「お世話になりまーす」」
「ふざっけんじゃねェェェェェ!!」
「ぐぉぶゥゥッ」


 とばっちりを受けたのは銀時である。思いっきりお登勢に膝蹴りをくらっている。
 ワーオミゴトーと三人はパチパチと拍手をしているようだ。


「今でも家賃はらえてないのにさらに二人追加だってェ?! 銀時、あんたマジで腎臓売りな」
「アイツらが勝手に言ってるだけだっつーの! 俺まだ住めとか言って」
『あああああああああああっもういいわァァァァァァ!! 住めばいいだろォォ!!』
「言ってんだろーがァァァァァ!!!!」
「ぐぉげフッ」


 ナイスなタイミングで怜が音声再生をしたため、再び銀時は膝蹴りをくらった。
 ヒーヒーと荒い呼吸をしながら、銀時はお登勢を見る。


「そうだババア! アイツらが店の手伝いすっから! それでいいだろ!」
「「え」」
「あぁ、それがいいアル。あんなババアだらけのとこならちょっとくらいは目立てるネ」
「女王、それは一体どういう意味だろうか」
「…そうさねェ…」


 お登勢は怜を上から下までじっくりと見た後、一輝をもじぃっと見つめた。
 そして、ふん、と何か納得したように一人頷いた。


「まぁそれなら…ちなみに給料は出ないもんだと思っておきな。全部家賃にまわすからね」
「「マジでか」」
「そっちの…怜だっけ? は本格的に手伝ってもらうとして…一輝だったかな。アンタは雑用だね」
「あの、お店って何されてるんですか?」
「ん? スナックだよ」


 怜と一輝の頭の中でぐるぐると様々なお菓子がまわっているようだ。
 そうじゃなくて、とお登勢は続ける。


「まぁ…要するに男達の愚痴を聞いてやって、んで一緒に酒飲んだりすんのさ」
「すんのかい」
「話長くなっからやめろ怜」
「なるほど、だから一輝は雑用アルか」
「一応大人の場所だからね。…居候すんなら、そんくらいの仕事は当然だろう?」
「……」


 怜は大きな溜息をついた後、分かった、とだけ呟いた。一輝は早速気合が入っている。
 

「じゃ、交渉成立だな。テメーらしっかり働けよ」
「オメーがいうなヨ万年ニートが」
「ひでぇなオイ」
「よろしく頼むよ二人とも。あ、紹介遅れたが、あたしゃお登勢だ。よろしくね」
「「っしゃーす」」
「適当だなオイ」


 
(あれ、待てよ。誰か出てきてなくね? 誰か忘れてね?)
(え、そうアルか? あ、下にいる猫耳ババアアルか?)
(いや、そうじゃなくてなァ…誰だったっけか)
(まぁいいアル。そのうち思い出すヨ)
(そうだな。HA☆HA☆HA!)



 —



ぱっつぁん忘れてないヨ!(´∀`)←





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