二次創作小説(紙ほか)
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- 東京喰種 -オリジナル
- 日時: 2015/05/30 09:14
- 名前: アーリア ◆IYbi.dCFgs (ID: U0hMzT3c)
東京喰種の二次創作小説です。
クインスを含む:Reに関する設定は出てきません。ご了承ください
また、原作登場キャラは殆ど登場せず、オリジナル要素が濃くなっています。
〆設定
舞台は東京から少し離れた比較的平和が保たれている小都市。
主に5の区分に分かれており、北区にて「ある組織」が勢力を伸ばし始めている。
【北区】…一見最も平和な区画。
裏では北区の喰種を統括する「組織」が存在し、勢力を伸ばしつつあるようだが…?
【東区】…遊園地が存在する大きな区域、中央区と同規模で活気がある。
観光スポットであり、比較的喰種が少ない安全区である。
【南区】…喰種対策局四区支部が存在する区画。
喰種自体の数は少ないが、そのほとんどがレートA以上の喰種で非常に危険視されている。
(もっとも、そのためこの区画に喰種対策局支部が設置されたのだが)
【中央区】…最も人が多く、同時に最も喰種が多い区画。都市部。
中央区の喰種はCCGと北区の「組織」に弾圧されつつある。
「組織」に反発的な喰種が多い。
【西区】…小さな区画で他三区とは比べ物にならないほど荒れ果てている。
ある事件をキッカケに人は他区へと移動し、半分程度が空き家となっている。
”吸血鬼”が活動拠点区にしていると噂されている。
- Re: 東京喰種 -オリジナル ( No.4 )
- 日時: 2015/08/19 23:46
- 名前: アーリア ◆IYbi.dCFgs (ID: Tf5VGYTU)
>>001
「怖いよねー。東区じゃあ最近喰種絡みの事件なんて起きてなかったのに」
すれ違いざま、女子高生の群れがそう騒いでいた。
【第一章】喰種
ここは『東区』。
東京ほど都会ではないが、とりわけ田舎でもない。”小都市”と言ったところだろう、主に五つの区に分けられているようだ。そのうち、東側のエリアは『東区』と呼ばれている。
他の区と比べて人が多いが、そのほとんどが観光客らしい。
お洒落な若者カップルや友人仲間、家族連れが多い印象だ。
まぁそれもそのはずだ、ここはこの小都市の観光名所。開園して比較的新しい遊園地があるそうだ。
「私」もたまたま手に入ったチケット片手に、例の遊園地にやってきた類だが——うん。中々良い暇つぶしにはなっている。生憎、お土産を買うお金は持ち合わせていないが、こうして人の行きかう群れをぼーっと眺めているのは案外楽しいものだった。
「えぇっ!? そ、そんなぁ……じゃあ、ホントにみんな来れないの? わ、私、もう中に入っちゃった……」
と、そんな時——ふと、困惑した声が耳に届く。
何の気なしに声のした方へ顔を向けると、携帯電話を片手に涙を浮かべる女の子の姿があった。
人が良さそうなおっとしとした声は、今にも泣き出しそうなくらい震えている。
私はちょっとした興味本位でその会話に耳を傾ける。
電話の相手は彼氏……なのだろうか?
まだまだ若い男の子の声が聞こえる。相手が何を話しているのかまでは聞こえないが。
さて、女の子はしばらく電話の相手の話に聞き入っていたようだが、突然「えっ」と驚きの声を上げた。
突然声を上げたものだから、周りの視線が一瞬彼女に向く。
しかし、彼女はそんな事には気づかず、いや、おそらくそれどころではないのだろう。
彼女の慌てっぷりを見るに『事態は一刻を争う』、といった雰囲気だ。
「ま、待って!私一人だけそんな、今から私もそっちに……!」
と、言って走り出そうとしたその時。足が縺れ、彼女はそのまま顔からすっこけてしまった。
とても痛そうだ。
その拍子に彼女の手から携帯電話が離れ、勢いよく地面を滑って行った。
それも、私のすぐそこの足元まで。
「うー……」
彼女はと言うとしばしの時間鼻の頭を押さえて悶絶していた。
そして、ふと我に返ると、半べそをかきながら落とした携帯電話を探し始めていた。
(何やってんだろ、この子……)
関わる気はなかった。携帯電話は私の足元にあるが、探してるならじきに見つけるだろう。
しかし、こう、彼女の姿を見ていると、ついこう思ってしまったのだ。
(ああもう、仕方ないなぁ)
ようは、見るに堪えなかったのである。
私はため息をつくと、足元に滑ってきたそれを攫って彼女の元へと歩き出した。
そして、半べそをかいている彼女の目の前に、携帯電話を乗せた手を差し出す。
「?」
差し出されたものを見て、一瞬きょとんとする彼女。
しかし、その手の中の物が自分の探し物だという事に気付くと、安堵の表情を浮かべた。
「あ、ありがとうございますっ!」
「いいよ、別に」
そう言いながら、私は彼女が立ち上がるよう軽く手を引く。
彼女は立ち上がると再びペコペコと頭を下げてきた。
(もうそれはいいってば)
大したことはやっていないのにそう何度も頭を下げられても困る。
それよりも、気がかりなことがあった。
「あのさ。これ、大丈夫なの?」
「はい?」
「携帯、画面ヒビ入ってるけど」
「……えっ」
終始穏やかそうな彼女だったが、この時ばかりは「やってしまった」と言わんばかりに眉間にしわを寄せ、目をひん剥いていた。
>>008
- Re: 東京喰種 -オリジナル ( No.5 )
- 日時: 2015/06/29 06:49
- 名前: ツギハギさん (ID: j9SZVVec)
感想ついでに上げでも。
どうも、オリキャラを応募させていただいたツギハギです。
序章から謎の喰種が暴れてますね。 共食いでおびき寄せたと思ったら捜査官を一掃……
次に保留中のほうですが・・・「私」って一体誰なんでしょう、誰なんでしょ?
では、この辺で。
更新楽しみにしています。
- Re: 東京喰種 -オリジナル ( No.6 )
- 日時: 2015/06/29 19:03
- 名前: アーリア ◆IYbi.dCFgs (ID: U0hMzT3c)
一時保存から約22日、すいませんようやく今日課題発表終わりました。解放されたやったぜ
それは置いておきまして…ツギハギさん、コメントありがとうございます!久々に覗いたカキコでこのスレが目に留まってなかったら、おそらくもう1週間は音沙汰ないままだったと思います。長らく放置すいませんでした…!
それでは、今日からぼちぼち更新を再開していきたいと思います。
ただ夏休みは忙しいのであまり期待できないかもです…っ。せめて夏休みまでに第一章(主人公が出てくるところ)までは投稿したいところです。
「私」は何となく雰囲気でわかっちゃうかもですがあの方です!
おそらく喰種キャラの狂言回しのほとんどを彼女にになってもらうことになると思います。ただこの作品の狂言回しって結構いたりします…あれ、ますます主人公の影が薄く…?
更新頑張ります!
- Re: 東京喰種 -オリジナル ( No.7 )
- 日時: 2015/08/06 01:23
- 名前: アーリア ◆OF7avvR3L6 (ID: U0hMzT3c)
更新するする詐欺で1カ月もほったらかしですいません。
>>4を最後まで更新しました。明日以降こそ更新をば…
- Re: 東京喰種 -オリジナル ( No.8 )
- 日時: 2015/08/20 11:16
- 名前: アーリア ◆IYbi.dCFgs (ID: Tf5VGYTU)
>>004
あれから一時間は経っただろうか、遊園地の外までやってきた私はため息をついた。
(まったく、とんだ災難だわ)
『例の少女』は携帯電話が壊れていたとか何とかでまた泣き出すし、自分は携帯電話なんて持っていないから貸してあげることもできない。そもそも、この遊園地にはたまたまチケットが手に入ったから寄っただけで、この通りお土産を買うお金すら——飲み物を買うお金くらいは持っているが——持ち合わせていない状態だ。つまりチケット以外は何も持っていないわけ。
だから、わざわざここ(遊園地)のサービスセンターまで彼女を引っ張ってきて、電話を借りれるよう説得までさせられる始末だ。ま、結局は彼女が何やら話をつけて借りていたみたいだけど。
あぁ、せっかくいい暇つぶしだったのに。
変にお節介なんて焼くものじゃないわね。
再びふう、とため息をつく。
と、そんな時、ふと誰かの声が自分へと飛んできた。
「おまたせ〜!」
パタパタと私の傍に駆けてきたのは、なんと『例の少女』である。
何やらお土産を引っ提げてきた彼女は、息を整えながら「ごめんね、待たせちゃった」と頭を下げてきた。
それを見て、私は本日何度目かのため息。
「待った? じゃないよ。遅すぎ」
「う、うん……本当にごめんなさい。そ、その代り! 今からちゃーんとお礼させてもらうからっ!」
そういって、馴れ馴れしく笑いかけてくる彼女。
そう、今からそんな彼女のお礼——もとい、”小都市案内”が始まろうとしていた。
(あーあ、ここに来たばかりって話するんじゃなかったなあ)
私は数十分前の失敗を反省した。
サービスセンターまで彼女を連れていった時、あまりに彼女が取り乱して泣いてるものだから、気を和らげようと世間話を投げかけたのだ。その際に自分がここに来たばかりだという事を話したがために、今のような面倒くさい状況が生まれてしまったわけだ。しかも妙に懐かれちゃうし。
何よりこの子、見た目に反してかなり強情なのだ。
お礼にここの小都市の案内をしたいって言って聞かないし、いい気になるなって怒鳴ったら逆に説教されるし。ほんと調子狂う。しかし、これも私の気まぐれで始まった事だ……いつまでここにいるか分からないとは言え、ここについて少しでも早く知っておきたいのは事実だし、彼女に付き合うのも案外悪くはない(暇つぶしにはなる)のかもしれない。
現に、”お土産だけ買って帰る”と言ってお土産を買いに離れた彼女をこうして待っていたのだから、私も案外乗り気なのかもしれない。
自分の『気まぐれ』に愛想を尽かしつつも、こんな日も悪くはないと前向きに考えることにしたのだった。
後々——この『気まぐれ』に心底後悔する時が来ることを、今の私は知らない。
*
いちほです…!
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