二次創作小説(紙ほか)

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トーマの心臓 天使は悪魔を愛するか
日時: 2015/08/20 21:21
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

登場人物紹介>>2


昭和の少女漫画の名作、トーマの心臓の二次創作です。


トーマsid>>1>>5

ユーリsid>>3>>6

サイフリートsid>>4

Re: トーマの心臓 天使は悪魔を愛するか ( No.2 )
日時: 2015/08/03 07:39
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

主要人物紹介

トーマ=ヴェルナー
中高一貫校シュロッターベッツに通う13歳。
金髪のボブカットに水色の瞳が特徴。
その容姿と優しく素直な性格のため、「フロイライン(ドイツ語でお嬢さん)」と呼ばれ、誰からも愛されている。

ユリスモール=ハイバン
14歳。
黒髪に黒目、南国の雰囲気を漂わせている。
模範的な優等生の委員長だが、頭が固く情緒不安定気味。
以前は明るい性格だったが、ある事件から心を閉ざしている。

サイフリート=ガスト
年齢は不明だが、トーマとユーリより年上なのは確か。
長髪にながいあごに八角メガネが特徴。
頭はキレるものの素行が悪い。トーマを憎悪している。

Re: トーマの心臓 天使は悪魔を愛するか ( No.3 )
日時: 2015/08/17 14:00
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ぼくは彼を愛する資格がない

先日トーマ=ヴェルナーは

ぼくに想いを打ち明けた

「きみのことが好きだ」と

その告白に返した言葉は

「きみなんか知らない」

彼は教室の柱に隠れ

水色の瞳から雫を流していた

ごめんトーマ

歩く度に風に揺れる
サラサラの金髪

慈しみで包まれた水色の瞳の恋神

本当は

きみを愛している

けれど

ぼくにはそれを言えない

きみには天使の翼がある

少年なら誰でも持っている
天国へ至る翼

だけど

ぼくにはそれがない

取られたんだ

ヤコブ館は二階の端の部屋で

サイフリートの手によって

思い出しただけで
身の毛もよだつあの日の出来事

それをきみは知らない

いや

知らなくていい

ぼくは——きみを裏切った

裏切り者のぼくをわざわざ愛さなくてもいい

他の誰かの元へ行ってくれないか

羽をもぎとられたぼくは

きみの知っているぼくじゃない

心が傷つかない内に

いっておくれ

きみさえいなくなれば

ぼくは——そのまま堕ちていける

光り輝く世界には

ぼくはいらない

だからもう

遠くへ行ってほしい

トーマ=ヴェルナー

ぼくは

きみなんか知らない

Re: トーマの心臓 天使は悪魔を愛するか ( No.4 )
日時: 2015/08/04 18:49
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

トーマ=ヴェルナー

彼はアイドルだ

皆から愛され

優しい笑顔を向ける

それが

オレには許せなかった

愛なんかいらない

必要ない

好きだ愛していると

言っても

暴力には敵わない

ちょっと拳を振り上げただけで

人は簡単に

自らの意志を

曲げる

それが人間の弱さ
そして本質

お堅い生徒会長

ユーリ

彼には秘密がある

誰にも言えない秘密

隠さねばいけない過去

ユリスモールは

人前で肌を決して

見せない

なぜならば

鎖骨に痛々しい

火傷の跡があるから

オレが付けた

真っ赤に燃える

煙草を押し付けた跡が

どうして
こんなことをする必要が?

理由は簡単

彼がトーマを愛していたから

そして

トーマはユーリを見ていた

このサイフリートではなく

なぜオレを見ない!

ならば

強引に

振り向かせるまで

大好きな

ユーリが心を閉ざせば

トーマはきっと

オレになびく

人間は

幻滅しやすい生き物だ

さあ

純真無垢な天使

学園のアムール

そんな奴は

さっさと捨てて

オレの元へ来い

奴よりも

君を愛してやれるから

だから

どうか

愛を知らないこのオレに

少しでいいから

きみのやさしさを

わけてくれ

Re: トーマの心臓 天使は悪魔を愛するか ( No.5 )
日時: 2015/08/05 10:04
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

最近

誰かの視線を感じる

それが誰なのかは

わからない

けれど

ぼくを見ている

知らない誰かが

上級生だろうか

それとも同級生?

いや

この際

どちらでもいい

問題なのは

その目線からは

好意ではなく

強い

とても強い

憎しみを感じること

もしも

その感情が

(勘違いではなく)

ぼくに向けられたものならば

その人を愛したい

お節介かも

しれない

でも

その方が

幸せだと思う

人は本当は誰でも

憎しみよりも

愛が好きなはず

好きで恨んでいる人なんか

いない

憎しみの反対は愛

これはぼくの持論

だから

ぼくが逃げずにその人に向き合い

愛していけば

きっと彼は

優しい心を取り戻すはず

ぼくを見ている人

お願いだから

目の前に

現れて

ぼくは

きみが何を言っても

怨まないよ

もしもぼくが憎いのなら

殴られたって構わない

それで

きみの気が晴れるなら

悲しみがなくなるのなら

いくらでも

殴られていいよ

だからお願い

ぼくの前に姿を見せて

Re: トーマの心臓 天使は悪魔を愛するか ( No.6 )
日時: 2015/08/06 05:48
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

図書館の下にある木

彼は

いつもその場所で

草笛を吹いていた

美しい音色

彼の心と同じような

真下から

ぼくがいる図書館を

見つめている

星のように

きらきら輝く

青い目で

しかし

ここ数日は

違う

ぼくが冷たくしたからなのか

それとも

他に好きな人ができたからか

彼の姿はそこにはない

恐らく

ぼくに失望したのだろう

それでいい

それでいいんだ

トーマ

ぼくは

きみに愛される価値はない

翼をもがれたぼくを

愛さなくてもいい

誰を好きになったのか

知らないけれど

その人に

きみの愛を向けておくれ

ぼくはいい

裏切り者のぼくには


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