二次創作小説(紙ほか)

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Duerm@sters -Arcadias Knights-
日時: 2015/09/15 14:15
名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: JPHNpDb7)

装いを新たにと1年以上堂々巡りのOrfevreです。

今作は主人公やストーリーを再び一新したアットスターをお楽しみください。多分、時間的にこれが最後のチャンスではないかと思います。

それでは、あなたの心を温めていられたなら……。

目次
プロローグ:王の煙
>>1

第1話:救世の媒体
>>2>>3>>6>>7

第2話:小さな絆(1) ( No.17 )
日時: 2016/02/01 17:10
名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: eIGY/Ct6)

 エリスと出会い、クイーンと出会い、謎のクリーチャーと戦うことになった日から翌日、和巳はエリスの作った朝食を食べていると、ゾルゲの声が聞こえる。
「(ダニよ、学校に行かないのか?)」
 和巳はゾルゲの質問を無視して朝食を食べていると、エリスからも学校について訪ねられる。
「あぁ、今日はいいや、サボり」
「(全くダニはどこまでもダニだな)」
 ゾルゲの挑発も華麗にスルーしている和巳、朝食を食べているところにインターホンが鳴った。しかし、和巳は出ない。それを不審がるエリスに対して和巳はいう。
「こんな朝っぱらから鳴らすなんてダッシュかセールスに決まってる。対応するだけ無駄だ」
 しかし、インターホンが再び鳴る。しつこいセールスのようなので、和巳はドアを開けた。そこには帽子と箱を持った男が立っており、和巳はそれを受けとる。
「宅配便の96猫ポテト、今後もよろしくお願いします」
 男はそう言って帰っていった。

「なんだこれ」
 和巳がその箱を開けると、その中身を和巳は不審がる、和巳が通う学校の女子制服が入っていた。
「和巳さん、そういう趣味があったんですか!?」
 食器を洗いながら開ける様子を見ていたエリスは中身を見て絶句する。和巳が弁明しようとすると、ゾルゲが口を挟んだ。
「(ダニが学校にいってる間にも、戦いは起こりうるだろ?)」
 その話を聞いた和巳はゾルゲの声が始めて聞こえたときのことを思い出す、確かに学校帰りであったし、あのタイミングであの場所に飛んでいたら大騒ぎだっただろう。
「(そうなるとエリス様がその場にいないと困るわけだ、そのため、エリス様もダニの学校へ通えるよう手配した。ダニよ、エリス様の転校初日に遅刻させることは許さんぞ)」
 とりあえず、ゾルゲの一言を受けた和巳は自身の部屋に戻り、鞄の支度を始める。ゾルゲに色々言われるのも嫌なのだが、エリスを一人で登校させるわけにもいかない。
 結局、和巳は今日も時間通りに登校するはめになってしまった。

 朝の教室内、和巳が二日連続で登校してきたことに教室内はざわめく。
「何かあったのかな」
「どうしたんだろう?」
 教室内にヒソヒソとした声が聞こえる。気がつくと自分の席の横に席がひとつ増えていることに気づいた。
「水川は知らないと思うけど、転校生が来るのよ」
 和巳に対して話しかけてくる女子生徒、ショートカットの髪と勝ち気な目付きから活発そうな印象を受ける。
「ああ、委員長か」
 和巳は転校生と聞いて妙な予感がする。まさか、エリスが来るのではないだろうか、時期的に二人も同時に転校してくるはずもないだろうし。
「多分、そこの席に座るだろうから、隣のあんたがいろいろ教えてね」
 委員長がそういって和巳のもとを去ると、教室に先生と一人の生徒……。もとい、エリスが入ってきた。

第2話:小さな絆(2) ( No.18 )
日時: 2016/02/07 18:07
名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: eIGY/Ct6)

幕井まくいエリスです。よろしくお願いします」
 エリスは学校での偽りのコードネームとして苗字のようなものを名乗っている。恐らくゾルゲがつけたのだろう。
「じゃあ、幕井の席はそこの空いてるところかな」
 エリスは教諭から指し示された、和巳の隣に空いていた席に座り、和巳に声をかけた。
「学校でもよろしくお願いしますね、和巳さん」
 エリスの挨拶に対して、和巳は多数の教科書を彼女に差し出した。
「どうせ、受ける気ないし。使っていいぞ……」
「(とりあえず、ダニよ。学校では学校の名前で呼ぶようにな)」
「……幕井さん」
「あ、ありがとうございます」
 和巳から教科書を受けとると、エリスはそれを開いて状態を確認すると、それらを机にしまった。その様子を見て、ゾルゲは和巳に苦言をいった。
「(ダニよ、教科書にパラパラ漫画とは感心しないな。センスもないし、やはり貴様には……お)」
 ゾルゲの発言を遮るように、和巳は机を叩き、教室中がどよめく。和巳は席から立ち上がると鞄を持って教室から出ていってしまった。

 エリスは和巳を追いかけようとするが、男子生徒に手を掴まれ、引き留められる。
「水川のことは放っておいていいよ、あいつはそういう奴になっちまったんだ……」
 男子生徒は和巳のことを冷たく突き放し、エリスも着席した。だが、彼女はその男子生徒が一瞬だけ見せた悲しそうな表情が妙に引っ掛かるのだった。
「(ふん、だから貴様はダニなんだよ)」
 学校から出ていく和巳に関してゾルゲはそう言い放つ。だが、和巳はそれに耳を塞いだまま、ある場所へと足を進めた。

「おう、和巳じゃねーか、早いな」
「まあな」
 和巳が向かった場所にはガラの悪そうな学生たちが何人もいる、不良のたまり場であった。そこにあるなかで一番大きな黒い椅子に座る和巳、そこに座りながら物思いにふけていた。しばらくすると不良仲間らしき一人が和巳に声をかける。
「和巳、カラオケに行かないか」
 カラオケの単語を聞いた和巳は少しの間考えたあと、不良たちとその溜まり場を出てカラオケへと向かった。

「和巳、やっぱり歌うめーな」
 カラオケで和巳が歌い終えると、不良仲間たちは彼を褒め称える。和巳は一瞬だけほほをほころばせてから席に座り、次の曲を入れようとするとその曲名を見て、和巳の手が止まる。
「(ダニよ、そんなところで吠えててなんの意味がある)」
「(うるさいな、そんなものはオレの勝手だろ)」
「(学校のことを何も知らないエリス様を学校においてきておいて、無責任な奴だ。あげくにやることは聞こえない場所で吠えてるだけか)」
 ゾルゲの発言に、なんの反論もできなかった和巳は財布からお金を取り出すと、それを机においた。
「悪い、ちょっと用事ができた。足りない分は後で埋め合わせるから」

 ♪あなたの瞳のエリス〜みつめかえして〜

 残された不良の数人が和巳が入れたままにしていた曲を歌っているなか、一人がつぶやいていた。
「和巳、やっぱりお前はこんなところにいるべき奴じゃないだよ」

第2話:小さな絆(3) ( No.19 )
日時: 2016/05/04 17:05
名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: WqZH6bso)

 カラオケの店を出た和巳は再び町をさまよっていた。しばらくすると、彼はカードショップに立ち寄り、カードを見はじめる。そこで和巳は女の子たちに声をかけられた。
「そこのお兄さん、デュエルしませんか?」
 和巳に対して3人組の女の子がデュエルを誘ってきた。まだ小学校低学年位だろうか。右側にいる子は水色の長い髪をおろしており、左にいる子は茶髪を二つ結びにしている。真ん中の子の髪は燃えたつような栗毛で肩くらいの長さであった。
「私達、いつも3人だから、いつも一人余ってしまうんです」
「お兄さん、暇そうですし、私たちの相手してくれませんか?」
 3人から一気に話しかけられ、和巳は彼女たちを見ることなく返答する。
「あのな、お兄さんが暇人に見えるか?」
「「「うん!」」」
 あまりの即答ぶりに、彼女たちの方を見る和巳。確かに暇なのだが、なんか癪だ。和巳は悩みながらも、暇潰しにはなると思い、彼女たちの誘いにのった。
「お兄さんのお名前んですか?」
 真ん中の子が、和巳に名前を聞いてくる。和巳は自らのフルネームを彼女たちに告げると3人が驚く。
「あ、若菜みたいだ」
「和巳お兄ちゃん、上から読んでも下から読んでもおんなじだ」
 水色髪と茶髪の子が、和巳の名前に鋭く反応し、2人も自らの名前を名乗ってくる。
向田葵むかいだあおいです。よろしくお願いします和巳さん」
村崎陽花むらさきはるかだよ。私もよろしくね、和巳お兄ちゃん」
 礼儀正しい葵と、八重歯を見せながら笑顔で挨拶する陽花の対照的な二人を見たあとに2人から促されて、もう1人の子も名前を名乗った。
「……中脇若菜なかわきわかな、よろしく」
「さて、名前を知ったらお互いに友達だ、さっそくデュエルしよう」
 若菜が名前を名乗ると陽花がデュエルを持ちかける。葵の提案により、和巳と若菜が対戦することになり、和巳はデッキをカバンから取り出す。とそこで、問題が1つ持ちあがった。
--エリスがいない--
 一体どうすればいいのか、その様子に呆れたゾルゲが呆れたように和巳へ話しかける。
「全くしょうがない奴だなダニは、今回は私が参戦してやるから必ず勝つのだぞ」
 ゾルゲが和巳のデッキに加わり、若菜の向かいに座った。
「……よろしく」
 そして、和巳と若菜のデュエルが始まった。

第2話:小さな絆(4) ( No.20 )
日時: 2016/05/04 17:44
名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: WqZH6bso)

 若菜と和巳のデュエル、若菜の場には《ネビュラ・ウィング》がおり、和巳の場には何もいないが《ジャスミン》を使ってマナを増やしている。

 和巳のターンになり、カードを引いた。
「オレのターン、マナをチャージして5マナ、《超次元フェアリー・ホール》! 1枚マナを増やしてから《魂の大番長「四つ牙」》をバトルゾーンへ」
超次元フェアリー・ホール C 自然文明 (5)
呪文
自分の山札の上から1枚目を自分のマナゾーンに置く。
次のうちいずれかひとつを選ぶ。
■自分の超次元ゾーンから好きな数のサイキック・クリーチャーをコストの合計が5以下になるように選び、バトルゾーンに出す。
■コスト7以下の自然のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。

 命を育む妖精が開いた超次元の門。そこから現れたのは大地に命を授ける番長、《「四つ牙」》。和己はそのままターンを終える。

「私のターン、マナをチャージして5マナ。《超次元エナジー・ホール》、カードを1枚引いてから《変幻の覚醒者アンタッチャブル・パワード》をバトルゾーンへ」
超次元エナジー・ホール C 水文明 (5)
呪文
カードを1枚引く。
次のうちいずれかひとつを選ぶ。
■自分の超次元ゾーンから好きな数のサイキック・クリーチャーをコストの合計が5以下になるように選び、バトルゾーンに出す。
■コスト7以下の水のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。

 若菜が開いた超次元の門は開いた者に知識を与える。若菜はその知識で戦いの先を読み切るクリーチャー《アンタッチャブル・パワード》を呼び出した。
「(マズイな、《アンタッチャブル・パワード》は対処が困難だぞ、《フェアリー・ホール》は少し早すぎたか)」
 和巳は若菜の出した《アンタッチャブル・パワード》に頭を悩ませる。和巳のデッキではそれを処理する手段に乏しい。まだ他のクリーチャーがいないが早期に決着をつけようと和巳はカードを引く。
「オレのターン、《四つ牙》でマナを増やしてからドロー、1マナを増やして8マナ。その中の4マナで《電脳決壊の魔女・アリス》を召喚」
 本来の力を解放したハッキングの名手《アリス》。反動によって多少のパワーダウンこそあるものの、その力を扱う早さが上がっている。
 和巳は引いたカードを確認してから、手札を山札に戻す。
「(な、何をしてるんだダニ!)」
「手札の1枚を山札の上において、もう1枚を山札の下に」
 ゾルゲの声も耳にいれず、和巳は山札へとカードを戻し、ターンを終えた。

第2話:小さな絆(5) ( No.21 )
日時: 2016/05/04 17:45
名前: Orfevre ◆xf1U3qaRb2 (ID: WqZH6bso)

「私のターン、ドロー」
 カードを引いた若菜は勝利を確信したかのように口元を緩める。それを和巳は見逃さなかった。そして確信する。このターン、若菜が仕掛けてくると……。

「まずは《ネビュラ・ウイング》を《パワード》へクロス」
「!」
 不可視の覚醒者へと装備される《ネビュラ・ウイング》がクロスされた瞬間、それは和己の視界から消える。
「そして、《アクア・ツバメガエシ》を召喚、侍流ジェネレートで《超銀河剣 THE FINAL》をジェネレート。《ネビュラ・ウイング》の効果でそのまま《パワード》へクロス」

アクア・ツバメガエシ UC 水文明 (4)
クリーチャー:リキッド・ピープル/サムライ 4000
侍流ジェネレート


 蒼き剣豪、《ツバメガエシ》が武器を呼び出した。武具の扱いを極めたものが持つ能力、侍流ジェネレート。武具を呼ぶことができるほどの達人の技であった。

超銀河剣(ギャラクシーブレード) THE FINAL(ザ・ファイナル) SR 闇文明 (10)
クロスギア:サムライ
これをクロスしたクリーチャーのパワーは+12000される。
これをクロスしたクリーチャーが攻撃する時、その攻撃の終わりまで、そのクリーチャーに「G・ブレイカー」を与えてもよい。(「G・ブレイカー」を得たクリーチャーは、相手のシールドをすべてブレイクし、その攻撃の後、自分のシールドをすべてブレイクする)

 その《ツバメガエシ》が呼んだのは銀河を破壊するほどの威力を誇るとされる伝説の剣《THE FINALl》。《THE FINAL》もまた現れてすぐに姿を消し、不可視の覚醒者の手に握られた。

 聖装 ネビュラ・ウイング UC 光文明 (2)
クロスギア:サムライ
これをクロスしたクリーチャーのパワーは+1500される。
これをクロスしたクリーチャーに、コストを支払わずにクロスギアをクロスしてもよい。
 《ネビュラ・ウイング》は武器を自由に扱えるようにする力を授ける。その翼の力により、《パワード》は伝説の剣を握った。
「……」
 和己には若菜の意図が図りかねる。G・ブレイクを行って止めをさすことを考慮すれば《ツバメガエシ》にクロスして次ターンに勝負を決めた方が安全だ。

--なぜ、パワードなのか?--
 和己の疑問の答えはすぐに返ってきた。
「《パワード》でシールドをブレイク、そして、侵略《S級宇宙 アダムスキー》!」
《パワード》が攻撃を行おうとしたとき、彼の体は宙に浮く。《ツバメガエシ》や《ジオ・ザ・マン》。場にいるクリーチャーのすべてが重力から解き離れたのだ。

S級宇宙(スペース) アダムスキー SR 水文明 (7)
進化クリーチャー:マジック・コマンド/S級侵略者 7000
進化−自分の水のクリーチャー1体の上に置く。
S級侵略[宇宙]−水のコマンド(自分の水のコマンドが攻撃する時、バトルゾーンまたは自分の手札にあるこのカードをその上に重ねてもよい)
W・ブレイカー
このクリーチャーはブロックされない。
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、かわりに相手の山札の上から2枚を、持ち主の墓地に置く。

 その無重力空間を産み出したのが、《アダムスキー》、産み出された無重力はシールドへの攻撃を不可能にしてしまう反面、そのダメージを山札へ送ることができるのだった。
 シールドの合計は10枚、和己がそれだけ山札を削られれば致命傷になってしまうだろう……。

 その刹那、無重力の空間の中に、霧が立ち込めた。


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