二次創作小説(紙ほか)
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- バカとテストと留学生
- 日時: 2015/11/08 15:12
- 名前: モンブラン博士 (ID: 6HmQD9.i)
大好きなバカとテストと召喚獣の二次創作です。オリキャラが多数登場しますが、それでもいいよという心の広い方は読んでくださると嬉しいです。
感想やアドバイスなどをいただけますと、泣いて喜びます!
それではスタートです!
オリキャラ紹介>>2
1時限目>>1 6時限目>>7
2時限目>>3
3時限目>>4
4時限目>>5
5時限目>>6
- Re: バカとテストと留学生 ( No.3 )
- 日時: 2015/11/06 06:43
- 名前: モンブラン博士 (ID: 6HmQD9.i)
スケールの大きさは、時として人間関係の壁が生まれる
私と不動、ジャドウの3人が教室へ足を踏み入れるなり、少年達は叫び声をあげて逃げ回る
その姿は、まるで猿山の猿のようだ
「ふ、不審者ぁーっ!」
「化け物だぁあっ」
口々に内心傷つく言葉を吐き出され、怯えられる
どうやら日本人には我らの存在が予想以上に大きく見えるらしい
まずは敵意がないことを示し、友好な対人関係を築かねば
「文月学園2年Fクラスの生徒諸君、安心してもらいたい。我々は怪しい者ではない。今日から君達の仲間になる者だ」
「仲間? ってことはあんたら留学生か?」
赤い髪の少年が怪訝そうな顔で訊ねた
彼は他の子と違って怯えた表情をしていない
恐らくは彼がこのFクラスの代表である坂本雄二君なのだろう
突然の来訪者に対しても動揺する事なく冷静に対応するその精神力はなかなかのものと見た
「そうだ。君達とはだいぶ年齢が離れているが、気は使わなくてもいい」
「それなら安心だな。まあ、ひとりだけ中年が混じっているのが気になるが——」
彼はジャドウを一瞥し、冷や汗を流す。
するとジャドウの瞳がきらりと光った
「ほほう、赤髪の少年よ。俺を中年呼ばわりするとは見上げた根性、大したものですな」
「いや。俺からすれば、完全な外人のアンタ方が流暢に日本語を話せる事の方が凄いと思うが」
「フフフフフフ、謙遜するでない。本当に見上げたものだ——命が惜しくないとは」
刹那、ジャドウは目にも留まらぬ早業で腰のサーベルを引き抜き坂本君に斬りかかっていった。
「この俺に無礼な口を利いた罪は死を以って償うがよい!」
「おい待ておっさん、落ち着け!」
「黙れ青二才めが。このジャドウ=グレイをおっさん呼ばわりした挙句対等に口を利くなどと舐めた態度を取る若造如きが、偉そうに指図するでない!」
恐れていた事その1が起きてしまったか
このままではFクラスは地獄絵図の光景と化し、下手をすると死人が出てしまうかもしれん
扉の方ではハニーと星原が「心配」の四文字を浮かべた顔で私を見つめている
どうやら入室するタイミングを計り間違えたらしい
これはまずいな
何とかせねば
戦場では即断即決が求められる
そして今この場でもだ
坂本雄二君は生徒の中では恵まれた体躯と反射神経を生かして何とかジャドウの斬撃を回避しているものの、いつまで持つかわからない
ならばとるべき道はひとつ
息を吸い込み、仲間に指示を出す
「不動、雄二君を加勢しろ。 ハニーは教室へ入り他の生徒達の安全を確保し、星原は西村教諭を連れてこい」
「「「了解!」」」
彼らの活躍により無事にジャドウは落ち着きを取り戻し事なきを得た
西村教諭が来たおかげでクラス内の困惑や混乱も収まった
これでようやく自己紹介ができそうだ
- Re: バカとテストと留学生 ( No.4 )
- 日時: 2015/11/06 19:13
- 名前: モンブラン博士 (ID: 6HmQD9.i)
彼らの活躍により無事にジャドウは落ち着きを取り戻し事なきを得た
西村教諭が来たおかげでクラス内の困惑や混乱も収まった
これでようやく自己紹介ができそうだ
「今日からFクラスの新しい仲間になる留学生を5人紹介する。
自己紹介していただいてもよろしいですか?」
「よかろう!」
私達は純和風の座布団から立ち上がり、教卓の前に整列した。
改めてクラスのメンバーを見渡て見ると、男子の比率が非常に高い
女子はたった2人しかいないとは
彼女達は苦労しているに違いない
色々な意味でだが
肩の辺りまで伸ばした髪に大きな瞳、小柄な体躯が特徴の男子用の制服を着た生徒がいるが、恐らく彼が木下秀吉なのだろう
私が想像した以上に美少女的な外見だけあり
このクラスでは……いや、事前に入手した情報から察するに学年を問わず多くの男子から毎日のように熱烈な告白をされているはずだ
星原とは同じ境遇を持つ同志として仲良くなって欲しいものだ
さて、そろそろ誰が最初に自己紹介をするか順番を決めるとするか
「留学生代表である私は最後にやろう。残りの順番は君達でじゃんけんをして決めてくれたまえ」
「じゃんけん!?」
「そうだ」
「わーい! 嬉しいなぁ♪」
ハニーがじゃんけんというフレーズに真っ先に反応を見せる
説明しよう
彼女はじゃんけんが大好きなのだ
4人でじゃんけんをした結果、1番が不動、2番がハニー、3番がジャドウ、4番が星原に決まった
ある意味バランスが取れている
「俺から行く」
一歩前に踏み出した不動が自己紹介を始めた。
「スターギムナジウム出身、不動仁王。帰国子女だが、日本語は問題ない。趣味は喧嘩、特技は太極拳。可愛いものがすこぶる大嫌いだ。以後よろしく」
ウム、彼の第一印象は恐怖以外の何者でもないはずだ
一応坂本君だけは嬉しそうな顔をしている
星原が収集した情報によると、彼は神無月中学で『悪鬼羅刹』の異名を取る不良だったらしい
不動も同じく10校もの不良グループを束ねる番長だった男
きっと直感で似たようなものを感じたに違いない
「ありがとうございます。それでは次の方」
「はーい♪」
元気よく可愛らしい声で前に進み出たハニー
途端に男子生徒達の目にハートマークが写る
間違いなく彼女にメロメロになっている証拠だ
ハニーは私がも小動物のようで可愛らしいと思うのだ
他の——特に思春期真っ盛りの少年達にとっては極上のアイドルだろう
「自己紹介の前にじゃんけんターイム!」
「「「「「「イェーイ!」」」」
教卓の傍に屈強な担任がいるのにも関わらず
ノリノリな男子達
彼らはある意味相当なつわものかも知れぬ
私達にとっては恒例となったじゃんけんが終了し
ハニーのあざとさ全開の自己紹介が幕を開けた
「私はハニー=アーナツメルツ♪
気軽にハニーちゃんって呼んでね♪」
「「「「ハニーちゃああああああん」」」
男子達の野太い「ハニーちゃん」の大合唱
Fクラスは2学年でも特に統率力が高いと聞いていたが
まさかこれほどまでとは……
間違いなく驚嘆に値する
- Re: バカとテストと留学生 ( No.5 )
- 日時: 2015/11/07 07:42
- 名前: モンブラン博士 (ID: 6HmQD9.i)
「……なんとツッコんでいいのかわかりませんが、次の方お願いします」
ハニーの後はジャドウである
当然ながら周りの空気は凍てつき、皆一言も口を利かない
彼の身に纏っているオーラがそうさせているのだろうが
もう少し態度を軟化させてもいいのではと思う時がある
とは言え、それが彼の性格のために、私がどうこうしろと強制する権利はないが
彼は癖である含み笑いをした後、深みのある低音を吐き出す。
「我が名はジャドウ=グレイ。恋愛はロマンス至上主義だ。故に華のない恋愛は一切認めぬ。そこの女子3人、よく覚えておくがいい」
「ワシは男なのじゃが……」
「性別を偽っても無駄な事。その顔立ちでは誤魔化されぬぞ、女生徒よ」
秀吉君と思しき生徒の発言を完全に否定し、決めつけるジャドウ
どうやら彼は秀吉君の事を女子と認識しているらしい
本人にとっては嬉しくないだろうが
彼の刃の餌食になる確率はずっと少なくなるだろうから
このまま性別を偽って欲しい気持ちはある
なぜならば、彼は私らにとっての救世主なのだから
古風なジャドウの自己紹介はすぐに終わり、星原の番になった
「私は星原夏と申します。得意科目は家庭科で、趣味は料理、大好物はドーナツです。よろしくお願いします」
「ハニーも可愛いけど、星原もなかなか美人なんじゃないか」
「胸は控えめだけどな」
口々にそんな声が聞こえるものの、星原は気にしない
にっこりと微笑みを浮かべて聞き流している——ように見える
胸がないのは仕方がない
彼の本来の性別は男なのだから
4人全員の自己紹介が終了したところで、いよいよ私の番が回ってきた
さて困ったぞ
皆の紹介を聞くのに集中しすぎたせいで
何も考えてはいない
曲がりなりにも代表である私がヘマをすれば
留学生としての沽券にかかわる
なんとか良い形で締めくくらねば
- Re: バカとテストと留学生 ( No.6 )
- 日時: 2015/11/07 19:09
- 名前: モンブラン博士 (ID: 6HmQD9.i)
「私はカイザー=ブレッド、スターギムナジウム出身の留学生だ。君達を通して日本の良き文化や伝統、精神について学ぶ事ができたらと思う。以上で自己紹介を終わる、皆、最後まで静かに聞いてくれてありがとう」
「全然静かじゃなかったけどな」
坂本君が小さく呟いたが、ここは無視しよう
時間も限られているからな
席に戻ると、再び西村教諭が教卓に立ち、言った
「それでは最後に、Fクラス代表の坂本、一言頼む」
「うっす。じゃあ、久々に仕事すっか」
我らを見ても動じない冷静な対応力とジャドウの斬撃を避けるだけの身体能力
クラスの代表としては中々頼もしい存在ではないだろうか
彼は皆が静かになるまで目を閉じ、間を取る
これは、相手に何を話すのだろうかと期待を抱かせ話に集中させたい場合に用いる手段だ
「Fクラス代表の坂本雄二だ。留学生のアンタらにひとつ訊きたい事がある」
「何かね」
「ここFクラスには——カビ臭い教室に古く汚れた座布団、今にも割れそうな窓ガラスがあるのが見えるだろう。教室とは思えないほど酷い設備だ。それに引き換えAクラスは冷暖房完備で座席はリクライニングシートときたもんだ」
「ウム」
「さて、ここで俺はあんたらに訊きたい——不満はないか?」
その問い、訊ねると思っていた
我々は君が半年前にAクラスに試験召喚獣戦争を仕掛けた際の文句を事前に調べを付けてある
その上で我々が導き出した回答はただひとつ
「全くない!!」
「戦場に比べたらここは天国であろう、赤髪の少年よ」
「これほど恵まれた設備で満足できぬとは、お前達は煩悩に支配されている証。代表がそれでは、他の奴らもたかが知れている」
「私はみんなと一緒に過ごせるなら、大丈夫だよー♪」
「私はドーナツさえあれば幸せですから」
『信じられねぇ!』
『この環境下で何ひとつ不満を抱かねぇとは……』
『どうかしてるぜ』
『もしかすると、やせ我慢しているだけじゃないのか』
クラスの大半の目が一斉にこちら側に向いて、我らの心理を小声で推測する
だが、それは無意味だ
なぜならば、我らはAクラスの境遇を見た上でここのクラスに入ったのだから
我らの回答に、流石の坂本君も絶句している
彼の頭の中では我らをうまく焚き付け、Fクラス最終目標である打倒Aクラスの戦力に加えようとする算段だったのだろうが、その目論見は外れたようだな
非情かも知れぬが、私達はありのままの君達、Fクラスであるが故の君達を見たいのだ
君達がトップに躍り出てしまえば、我らの真の目的を達成できなくなる——
と言いかけたそのとき
不動が立ち上がり、坂本君を睨みつけた
「お前が訊ねたのだから、俺もひとつ訊ねよう」
「何だ、不動」
「木下秀吉とやらは、どこにいる?」
- Re: バカとテストと留学生 ( No.7 )
- 日時: 2015/11/09 06:07
- 名前: モンブラン博士 (ID: 6HmQD9.i)
遂に恐れていた事その2が起きてしまった
不動に木下秀吉君の存在を感知されぬように、上手く坂本君が誤魔化してくれるとありがたいのだが
「秀吉がどうかしたのか?」
「質問に答えろ。奴はどこにいる、坂本のガキ」
「ワシはここにおるが、何か用でもあるのかのう」
終わった
何もかも
木下君自らが名乗り出てしまった
しかもあろうことか挙手までしている
そのような行為をすれば、自ら首を絞めに行くようなものなのに
まあ、本人は何も知らぬであろうから責めても仕方あるまい
それよりも不動を抑える事が最優先だ
「不動——」
「よくぞ自ら名乗り出た……その度胸だけは認めてやらんでもない。
だが、それと俺の怒りは別問題!
今すぐ貴様を往生させて殺(や)る!!」
不動は殺気を全開にするなり、天井の高さまで跳躍し、そこから突きだした腕を軸にして錐もみ回転しながら、木下君に突撃しようとしている
もしも直撃したら
秀吉君の腹には風穴が開き、確実に死に至る
それだけはなんとしても回避せねばならぬ
彼は我らにとって唯一の希望なのだから
「往生するがいい、木下のガキィーッ!」
「皆、伏せろぉ!」
西村教諭の怒声が教室内に響き渡る
こうなれば、私がその身を盾にして守るしかあるまい
そのとき
これまで何の動きも見せなかった星原が舞い上がり
不動の目の前に現れた
「授業の邪魔です」
「がはっ……」
首筋に叩き込まれた電光石火の手刀は、不動の意識を失わせるのに十分な威力を有していた
彼は笑顔で西村教諭に振り返り、
「不動さんは暫くの間行動不能になりましたので、問題はありません。授業を続けてください」
あまりに突然の事に2回瞬きをした教諭であったが、平静を取り戻したのかその後は取り乱した様子も見せずに授業をしていた
やはりあの不動を一撃で昏倒させる実力者の星原は侮れない
結局、不動は失神したまま昼食時間を迎える事になってしまった
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