二次創作小説(紙ほか)

悪友島国の魔法学校生活『削除してください』
日時: 2018/05/24 18:34
名前: うさぎとことりの珈琲店
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12223

ハリーポッターの事件から、70年くらいあとの話。ヘタリアのキャラクターたち(主に悪友と島国)がホグワーツに入学し、魔法学校ライフを過ごします。

1年生 アーサー・カークランドと70年前の魔法大戦 >>01-
2年生 まだ
3年生 まだ
4年生 まだ
5年生 まだ
6年生 まだ
7年生 まだ

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銀行の後 ( No.8 )
日時: 2018/05/03 22:19
名前: うさぎとことりの珈琲店

 しばらくして銀行でお金を下ろし、5人は町をぶらぶらと歩きまわっていた。

「しっかし眉毛、あんたどうやってお金下ろしたの?」

 フランスはイギリスを見て言う。

「ん?アーサー.・カークランドだと言えば下ろしてもらえるように上司に言ってたからな。特に気にすることもないと思ったが」

 つんとそっぽを向いてイギリスは答える。

「そうじゃなくって、あんた子供じゃない!」

「ああ、それなら上司がなんとかしてくれてた。子供に見えるけどそういう種族でどうちゃらこうちゃらだってさ」

「なにそれ適当……」

 フランスはため息をつく。

「たすけてください」

 その横で消え入りそうなまでの声で助けを求めたのは日本。

「おいおい、大丈夫か?酔いすぎだろ」

 日本の丸めた背中を、プロイセンが優しく叩く。

 どうやら、先ほど乗ったグリンゴッツ銀行内の移動に使われるトロッコがいけなかったらしい。そのトロッコは銀行内をかなりのスピードを出して走り回っており、それで酔ってしまう人も少なくない。

「あなた方が酔いに強すぎるんです……我が国の安全基準ではあんなのあり得ません」

 日本はイギリスをキッとにらむ。

「わ、悪かったよ」

「分かればいいんです」

 酔いも落ち着いたのか体を起こした日本はむすりと言った。

「眉毛〜、あんまり菊を怒らすんじゃないで?」 

 スペインがイギリスの脇腹を突っついた。

「やめろ」

「まあまあ、お金も手に入れたわけですし、買い物に行きましょう。私、楽しみなんですよ?」

 日本が笑った。眉間には皴があり、まだ少し疲れているようだが、もう大丈夫そうだ。

「あ、ああ。そうだな」

 イギリスは笑った。ぎこちない笑顔だった。

「もう、イギリスは日本に言われると調子ようなるんやから」

「そうだ、えこひいき!」

 スペインもフランスと笑った。

「ケセセ、さっさと行こうぜ俺様だって楽しみなんだ」

 プロイセンはイギリスの肩を叩いて笑った。

「お、おう。とりあえず、えっと、ホグワーツから入学に必要なもののリストをもらってんだ。これを見てくれ」

 イギリスはポケットから紙を一枚取り出した。

 四人はそれを見る。

 どうやら、ホグワーツの入学案内の手紙らしい。

「まずは……、とりあえず、手紙に書いてある順番で行くぞ。最初は、制服だな。いい店を知ってる。ついてこい」

 そう言ってイギリスは歩き出した。

制服採寸 ( No.9 )
日時: 2018/05/03 22:23
名前: うさぎとことりの珈琲店
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

 こうしてまず連れていかれたのは、「マダムマルキンの洋装店」というお店。中に入って店主と話してみるに、店主は「マダムマルキン」ではなさそうだったが。

「ホグワーツの制服なんだけど……。男子5人」

 イギリスが店主の、深緑のローブを着た女性に言う。

「あら、新入生ね?ちょっと待って、持ってくるから……」

 女性は店の奥から少し小さな黒いローブと踏み台を持ってくる。

「じゃあ、ここに立ってちょうだい」

 プロイセンはぴょんと台に飛び乗る。

「とりあえず、これを着てね」

 店主の持ったローブをみて、プロイセンは目を見張る。

「でもそれ、明らかに俺よりでかいだろ?」

 店主は微笑む。

「大丈夫。これから採寸していくのよ」

 店主に手伝われながら、プロイセンはローブを羽織る。

「どーだ!俺様似合うだろ!」

 ドヤ顔で裾を引きずり、長いそでをぱたぱたさせて日本達を見るプロイセン。

「ギルベルト君、それ十四まt……いえなんでもないです」

「ぶかぶかで似合ってるとか」

「ちょ、俺様さみしーぜ?」

 日本とフランスに笑われ、プロイセンはちょっとすねた顔をする。

 その間にも、店主は裾や袖の長さを合わせ、ピンで留めていく。

「じゃあ、次の子、おねがいね」

 プロイセンからローブを脱がせ、店の奥 に行きながら店主は言った。次に台に上ったのはフランスだった。

「そうだ、みんな、寮ってどこに入りたいか考えてる?」

 フランスにローブを着せて、店主が言う。日本は首をかしげる。

「寮?寮ってなんのことですか?」

「ああ、悪い、こいつら俺以外イギリス人じゃなくて、ホグワーツに詳しくないんだ」

 すかさずイギリスがフォローを入れる。

「あらそう?ホグワーツには4つの寮があって、その寮のメンバーと7年間過ごすことになるの」

 店主は優しく、ホグワーツの寮について教えてくれた。

「寮はホグワーツの創始者の四人の魔法使いになぞらえていて、その人にあった寮に選ばれるわ。勇敢な者はグリフィンドール、知恵を持つ者はスリザリン、勉学に励む者はレイブンクロー、博愛の精神を持つ者はハッフルパフってね」

「へえー、俺ならどこに行くんやろなあ!」

 わくわく顔でスペインが言う。

「知恵には自信があるぜ!名前もかっこいいしスリザリンはどうだ?」

 スペインと同じ表情のプロイセン。

「ギルベルト。……まあ、最近じゃあスリザリンに行きたがる人はいないけどな」

イギリスは暗い顔をして言う。プロイセンの方をちらっと見ながら。それが忠告だと気づいたのは、プロイセンだけだった。

「そうね、大半の子がグリフィンドールに行きたがるわ」

 店主も困ったように笑う。

「なにかあったの?」

 フランスが眉をひそめる。

「70年くらい前に、ね。闇の魔法使いとの戦いがあって。闇の魔法使いのほとんどがスリザリンの出身だったし、スリザリン生の一部は闇の魔法使いに加勢したの。そして、その人達を倒すのに活躍した伝説の子、ハリーポッターがグリフィンドール生だったのよ。彼の仲間だった人もグリフィンドール生が多かったわ。それで、グリフィンドールの人気が高いの」

 店主はフランスに答え、簡単に70年前の出来事を話した。

「そう、ですか……。戦いというのは、大規模なものだったのですか?」

 日本が言うと、イギリスは、

「そうだな、そうとう死者が出た。戦場はホグワーツだったから、その中には学生も含まれている。

 と答えた。痛々しい表情だった。

「子供、まで?」

 スペインが呟くように言い、唇を噛む。みんな、沈黙した。

「あなたたちみたいな反応は新しいわね。この話を知った状況が状況だけど、大抵の子がグリフィンドールかっこいい、俺もなりたいって言うのに」

 店主が苦笑して沈黙を遮った。そこで、国たちははっとする。

 これまで多くのことを体験しすぎているせいで、あまりにも子供らしくない発言をしていた。ふつう子供が純粋に感じるのは「グリフィンドールすごい」であって、「70年前に起こった戦争はどのようなものだったか」ではない。

「でも、戦いで活躍した伝説の子の寮か、いいな、グリフィンドール!」

 キラキラと目を輝かせるプロイセン。

 フランスは苦笑する。

 プロイセン、さすがに無理があるよ。

 店主は、フランスに台から降りるよう促した。

子供の真似 ( No.10 )
日時: 2018/05/03 22:25
名前: うさぎとことりの珈琲店
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「アーサーさんち、内戦あったんですね」

 店を出てすぐ、真っ先に日本は言った。

「ああ。魔法関係だから、公にはしてないんだが」

 イギリスは苦々しく笑う。

「あと、やっぱり名前と見た目だけじゃダメだね。振る舞いも子供っぽくしないと、怪しまれるよ」

 フランスが人差し指を振った。

「子供っぽくとは、どういう……」

 首をかしげる日本。

「それなら親分に任しとき!……えーっとなぁ」

「アメちゃんいるか?」

 悩むスペインに向け、プロイセンはポケットに手を突っ込んで言った。

「いるいるいる!もちろんいるで!」

「俺も俺も!」

 スペインとフランスがプロイセンにしがみつく。プロイセンは含みのある笑みをして日本とイギリスを見た。

「私も欲しいです!」

 日本は目を輝かせ(るふりをし)てスペインとフランスに並ぶ。

「俺は……いい」

 イギリスはプイとそっぽを向いた。

「ありゃ、子供は子供でも反抗期だね」

 フランスはそれを見て笑い、ポケットに手を入れたプロイセンを見る。アメは?というように。

「あるわけねーだろ。俺は日本ちのおばちゃんじゃねーぞ?」

「さーぎーしー、さーぎーしー」

「うそつきー!」

 スペインと日本はプロイセンを引っ張ったりつついたり。でもその顔は笑顔だった。

「こら、やめろキク!トーニョ!」

 ギルベルトは二人を押さえつける。

「アーサー!次の店は!?こいつら邪魔でしょーがない!」

「あ、ああ、わかった、次は……教科書だな」

 イギリスは日本を、フランスはスペインを引っ張り、解放されたプロイセンは四人の後をひょこひょこついていった。

杖選び ( No.11 )
日時: 2018/05/03 22:29
名前: うさぎとことりの珈琲店
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

 教科書を買い、鍋やら薬瓶やら望遠鏡やらをそろえ、だいたいの物をそろえ終えた一行。教科書を買った後に一回、そのあといろんな学用品をそろえた後に一回、漏れ鍋に荷物を預けに行った。そして今は、3度目の買い物に出ている途中である。

「なーなー次はー?」

 道の途中で見つけたアイスクリーム屋のチョコアイスをなめながら、スペインは言う。

「えっと、杖、だな。魔法を使う上で不可欠なものだ。これがなかったら、まず魔法は使えない」

 入学案内の手紙を読みながら、レモンのアイスを食べるイギリス。

「ああ、あんたのほぎょらステッキみたいな?あんなのは嫌だなあ」

「あんなのとか言うなよ!ていうかほぎょらじゃねえ!」

 薄ら笑いのフランスに、白目で抗議するイギリス。

「ま、きっといいのを選んでくれるさ。……オリバンダ―さんなら」

 そういってイギリスが手をかけた店の扉には、「オリバンダ―の杖」と書かれた金属のプレートがあった。



「オリバンダ―さん」

 イギリスは店に入るなり、奥にそう呼びかけた。

 カウンターの奥には背の高い棚がいくつもならんでいて、迷路のよう。棚の中におさめられた細長い箱の上には、ほこりが積もっている。

 ふと、棚の横から壮年の男性が顔を出した。

「ひぇっ!」

 フランスが変な声を上げる。

「新入生かな?誰から試す?」

 モノクルの向こう側から灰色の瞳に見つめられ、恐ろしく空気の読めないスペイン以外は後ずさる。男性から、恐怖すら覚えるような不思議な力、それこそ魔力のようなものが漂っている気がした。

「えっ?じゃ、俺からー!」

 スペインは右手を大きく上げて言う。

「ふーん、なるほど」

 オリバンダ―はスペインを見たあと、近くにあった棚に歩み寄る。

「君、利き手は?」

「右やで!」

 棚をいじるオリバンダ―に尋ねられ、スペインは威勢よく答える。

「そうか……、なら、これはどうかな」

 スペインに一本の杖が差し出される。

「ドラゴンの心臓の琴線に、よくしなるヒイラギ……、振ってみなさい」

 スペインは杖を受け取ると、頭上まで右手を高く持ち上げ、思い切り振り下ろした。

 店の中を風が吹き抜ける。それぞれの髪が、風に撫でられふわりと揺れた。

「はは、元気がいいね。君にはドラゴンが合うようだ。でも、これじゃない」

 店主は笑ってスペインから杖を取り、また棚の方へ向かう。

「すげー!俺、今……!すごいなあ!」

 さきほどまで杖を持っていた手と仲間たちを交互に見て、スペインは興奮した様子で言う。

「おっちゃんおっちゃん!一番かっこええやつにして!」

 スペインがオリバンダ―に叫んだのを聞いて、イギリスがあっとつぶやく。

「ス……アントーニョ。杖は選ぶものじゃなくて、杖に持ち主が選ばれるんだ」

「そうだね。でもここで一本、一番デザイン性の高い杖を試してみるかい?トネリコのドラゴンの心臓に琴線。……どうぞ」

「シンプルやけど……綺麗でかっこええなあ」

 持ち手のあたりに花のような模様が彫られていて、金の輪っかがついている。丸みを帯びた形の杖だ。

「ほな、いくで!」

 スペインは、それを思いっきり振り下ろした。

 ばさぁ、と音がして、熱風が吹き付ける。思わず顔を覆い、少しして目を開く。

「……!な!誰か親分助けたって!」

 スペインは炎の壁に囲まれていた。熱く、燃えるだけの壁。すすのようなにおいがして、思わずせき込む。

「アクアメンティ!」

 アーサーの声が響いた。だんだんとスペインの周りの炎は収まっていく。スペインが小さくなった炎ごしにイギリスを見ると、杖を構えていた。

「あ、アーサー……」

 細長い木の棒に赤い石が付いただけのシンプルなデザインの杖を握るイギリスの表情は、苦々しかった。やっちまった、と顔に書いてある。

「その杖は……。サクラにユニコーンのたてがみのやつだね?俺が小さいころ、祖父がある人に売っているのを見たよ。祖父が、宝石を付けた唯一の杖だって言ってた……。なぜ君が?杖も君を認めているみたいだし……」

 オリバンダ―は懐かしそうに、だが不審そうに言った。

「いろいろあったんだよ。トーニョはもういいだろ。他の3人も見てやってくれ」

 火が消えたのを見届けて、イギリスは不機嫌そうに言った。

杖選び2 ( No.12 )
日時: 2018/05/15 14:03
名前: うさぎとことりの珈琲店
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「はいはい!じゃあ次、俺のな!」

 威勢よく挙手したのはプロイセン。

「俺は左利き!」

「うん、君はとても分かりやすいね」

 オリバンダーはプロイセンを見ると、一番近くの棚から黒い杖を取り出した。

 蛇が巻き付いていて、十字架が付いたデザインだ。

「お〜、かっけー!」

 プロイセンは杖を受け取り、オリバンダーを見る。

「振ればいいんだよな?」

 オリバンダーはうなずく。

 ぶんっとプロイセンが左手を振り下ろした瞬間、ガタガタと棚が揺れた。ガラガラと音を立てて四角い箱が落下する。棚や箱にはほこりが積もっていたものだから、その場の何人もが咳き込んだ。

「げほっ、どうだった?」

 口元を覆ってフランスが問う。

「なかなかいいね。彼はこれで決まりだ。黒檀にヒッポグリフの尾だね」

 オリバンダーはプロイセンに杖を返してもらいながら、笑った。


 そのあとすぐにフランスはコルクにマーメイドの鱗の杖に決まったが、問題は日本だった。何本試しても見つからない。5本以上試したところで、オリバンダーはお茶にしよう、と言った。

「しっかし、何やったん?眉毛はなして杖持っとったん隠しとったん?」

オリバンダーの入れてくれた紅茶をすすりながら、スペインはイギリスに不審げなしせんを投げかけた。

 カモミールの香りが立ちのぼる。

「新品の杖ではなく、誰かがすでに持ち主になった杖の所有権を得るには、元の持ち主を殺さなければならない」

 丸い机のイギリスの向かい側で、オリバンダーはまっすぐにイギリスを見た。

「つまり――、そういうこと、ではないか」

 イギリスは目を逸らし、苦々しい顔で頭をかく。ソーサーごと持ち上げたカップも、すぐ机に戻してしまう。

「そういうことだ、俺は人を殺した。仕方なかったんだよ」

 まわりにいた国たちは困惑すた表情でお互いを見比べる。誰か、これについて知っている人はいないのか、と。

「正当防衛だ。警察も了解ずみだぜ。杖狙いだったわけでもないし、そうするしかなかったんだよ」

「君にいったい、何が……」

 オリバンダーが呟くが、それを遮ってフランスが言う

「さて、こんな話はこれで終わりにしてさ、キクちゃんの杖はどうするの?」

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