二次創作小説(紙ほか)

ろくきせ恋愛手帖【短編集】
日時: 2020/09/18 19:04
名前: むう
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=18233

 こんばんにちは、むうです!
 東方、鬼滅、花子くんにハマっている中3女子です。
 知ってるよーって方、いつも応援ありがとうございます。
 誰コイツって方、この機に是非名前を覚えて帰ってください。

 この小説は、六人の軌跡のスピンオフです。
 前作は参照のURLや、「完結小説図書館」にて読むことが出来ますよ。

 タイトルにもある通り、この小説はキャラ恋愛関係を始め、
 キャラの過去や裏話をぎゅっと集めた短編集になっています。


 また、話にはイメージ曲をつけているのもあります。
 私のおすすめの曲なので、聴いてもらえたら嬉しいです。

 あなたの推しの話が載るかも?
 楽しんで読んで頂けたらキャラも私も幸いです。
 では、短編集も完結までどうぞよろしくお願いいたします。



 〈作者からのお願い〉

「脱! 台本書き」目指して現在、セリフ量<場面描写の構成を頑張る日々。
 まだまだ普通の文章にはなかなかできず、台本のようになってしまうことがあります。
 ちょっと読みにくいかもしれません。すみません。
 温かい目で見ていただけると幸いです。


 〈注意〉

 ●受験勉強のため不定期更新
 ●スマホだと読みにくいかも
 ●ネタバレ入るかも
 ●オリキャラあり
 ●時々東方キャラ登場


 〈ルール〉

 ●拡散〇
 ●中傷行為や荒らし、作品に対してのネット上での暴言×
 ●キャラの貸し出し〇(その場合コメント)
 ●また、ネット上での自作発言×
 ●リクエストなどはコメントにて


 上を読んで、OKな方はゆっくりしていってね!
 
 


 ーーーーーーーーーーーーーー

 【目次】♪→イメージ曲


 ◆◇企画コーナー◇◆

 キャラに○○してみる>>09
 むうのおススメ本紹介 〜妖怪幽霊〜>>13
 英語で鬼滅・花子くん!>>27

 
 ◆◇むうの執筆裏話◆◇

 むうのリスタート>>36
 遅くなりましたが受賞の言葉>>34
 お知らせ! 必読お願い!>>38


 ◆◇オリキャラ設定集◇◆

 瀬戸山亜門>>31
 七不思議8番>>
 

 ◆◇本編◇◆

☆俺の嫌いな人☆(by睦彦)

 ♪Raining/Cocco

 登場キャラクター紹介>>01
 時系列の図>>10
 Prologue>>02
 第1話「初めて会った日のこと」>>03-05
 第2話「嫌い。」>>06-08
 第3話「合同任務」>>11-12 >>14
 第4話「本当の気持ち」>>15-16
 第5話「早すぎる別れ」>>17

★踊り場の花子★(by花子隊)

 Prologue>>18
 第1話「となりの怪異くん」>>19-21
 第2話「……嘘でしょ!?」>>22-24
 第3話「黒札と白札」>>25-26
 第4話「花子VS花子」>>28>>29>>32
 第5話「月原八雲」>>35>>37>>39


 ☆中高一貫・キメツ学園運動会☆(by全員!)

 第2話完結後に執筆予定! お楽しみに! 


 
 
 
 


 
 2020.8.21 スレ立て、執筆開始

 

Page:1 2 3 4 5 6 7 8



Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.35 )
日時: 2020/09/14 17:11
名前: むう

 習熟テスト、返されたけど思ったよりひどかった。
 志望校受かるにはあと100点だってさ。ワオ。
 よし、勉強しよう! あ、無理やった私今熱あるわ。ラッキーv( ̄Д ̄)v イエイ

 ****************************


 〈炭治郎side〉


 花子くん達が8番(?)の七不思議(?)を相手してくれる間、俺たちは依り代(?)を探す。
 ?ばっかりで本当にごめんな皆。俺もかもめ学園のこと、よく知らないんだ。
 えーっと、というわけで俺たちは、無限階段の下の階へ下りる階段を下って行っている。


 階段を降りると、そこは学校のリノリウムの廊下だった。
 やけに年期が入っており、ところどころ埃が積もっている。
 廊下に面して、昔の教室がずらりと並んでいた。


 炭治郎「えっと、依り代はどこだろう」
 善逸「さぁ……取りあえず、教室の中入ってみようよぉ」
 光「そうっすね。じゃ、開けますよ」


 みんなで話し合って、一番手前の教室から順番に探ってみることにする。
 扉の曇りガラスから揃って顔をのぞかせて、中を確認する。
 小さな声だけど、中から話声がする。誰かいるようだ。


 仁乃「………人、いるね」
 寧々「そうね…どうする?」
 伊之助「なにぐずぐずしてんだ! 俺は開けるぜ! せーのッ」
 一同「あ、ちょ、ちょっと伊之助!」


 ガララララッッ!


 止める暇もなく、伊之助が一気に木の扉を開け放つ。
 その音に驚き、教室の席で本を読んでいた女の子と、その隣に立っていた男の子がこっちを見た。


 一同「え!!??」
 

 一同は、彼らの顔を見て、揃って口をあんぐりと開けてしまう。
 だって。だってだってだって。
 


 寧々「は、花子くん…………?」
 桜「は、8番………ッ!?」


 男の子は、花子くんにそっくりの顔をしていた。
 白いカッターシャツに、黒いズボン。学校指定のネクタイを締めている。
 

 もう一人の女の子は、七不思議8番の八雲にそっくりだった。
 服装こそ昔の学校のものだが、おかっぱ髪の髪型も声音も今と変わらない。

 これは、一体どういうことだろう……。
 花子くんと八雲は、生前同じ学校のクラスメートだったの、だろうか……?
 で、でも、そんな話、聞いたことがない。

 寧々ちゃんと視線がぶつかる。彼女も、「知らない」というふうに、かるく首を振った。
 


 ??「………だ、だれ……」


 花子くん(?)が、おどおどと口を開く。その瞳には涙がたまっていた。
 いつもの飄々としたオーラはない。
 生前と今では、かなり性格も違うようだ。
 ああ、いや、まだこの子が生前の花子くんと決まったわけでは、ないのだけど。


 ??「柚木くん、知り合い?」
 ??「……ううん。知らない……。弟の、クラスメートかな…?」


 彼が言う所の弟って、多分つかさくんのことだ。
 そして今の話で分かったけど、多分この子、やっぱり生前の花子くんなんだ。
 

 炭治郎「えっと、俺、竈門炭治郎です」
 善逸「え、えっと、あ、我妻善逸……だよ」
 伊之助「嘴平伊之助だァ!」
 睦彦「刻羽睦彦。で、そっち胡桃沢仁乃。それに、八尋寧々と源光と、桜さんと夏彦」

 
 ざっと説明を済ませたが、彼らはまだ警戒を解かない。
 そりゃそうだろう。彼らからしたら、いきなり学校にやってきた不法侵入者だと思うから。

 ここは、昔の学校……?
 ここに、八雲の依り代があるのだろうか…。
 昔の八雲に、聞いてみたらいいのか?


 夏彦「えーっと、君たちは?」
 普「…………ゆぎ、あまね。柚に木で『ゆぎ』、あまねは普通の普……」
 八雲「月原八雲よ。えっと、あなたたち、中等部の子?」


 中等部? たしか、この学校には中等部と高等部があって、寧々ちゃんたちは高等部なんだっけ。
 ここは口裏を合わせるためにも、肯定した方がいいのだろうか。
 

 善逸「えーっと、そうだよ。ああ、お、俺たち掃除頼まれてさ、さっきゴミ捨てに行ったとこ!」
 普「………そう、なんだ…」

 
 と彼が言ったところで、廊下の向こうからパタパタ!!と元気のいい足音が聞こえて来た。
 伊之助の時よりも騒がしく扉を開け放ち、教室にやってきたのは。
 花子くん―いや普くんとそっくりの、男の子だった。



 司「あまねーーーーーー! 帰ろうよ――――! ……って、あれ、キミたちだれ?」
 普「つ、つかさもう補習終わったの…?」
 司「うん! ほんとさー数学とか全然分かんなくってさー。あ、ツキハラ久しぶりー!!」

 普くんの弟、司くんは、今と変わらず明るい。ツキハラと呼ばれているのは八雲だ。
 どうやら司くんも普くんも、八雲と面識があるようだ。
 あれ? でも花子くんは、八雲とは初対面だって言ってたけど……。

 忘れちゃったってことなのだろうか?


 司「ふうん。ま、いっか! ねーねー、キミたちも一緒に帰ろうよ!」
 八雲「え、…ま、まあいいけど……」
 司「決まり―!」


 え、帰るったって…俺たち、どこに連れて行かれるんだろう?
 この無限階段の中には、住宅街のような小さな町があるのか?

 俺たちは首を傾げつつ、彼らについていくことが依り代探しの第一歩だと信じることした。
 そして、3人と一緒に揃って教室を出て、下校(?)を始めたのだった。


 

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.36 )
日時: 2020/09/16 17:19
名前: むう

【大正コソコソ執筆裏話】

 むう「睦彦お……」
 睦彦「お、むう。…どした? 元気ねえな」
 むう「…………………………」
 睦彦「なんかあった?」

 むう「ふ、ふら、れた」
 睦彦「……誰に?」
 むう「この前、告って……今日、振られた……」
 睦彦「…………………………頑張ったじゃん」

 むう「頑張って……ないよお……」
 睦彦「俺が頑張ったって言うんだから、むうは頑張ったんだよ。偉い」
 むう「無理だったんだよ……? 睦彦みたいに、うまくいかなかったよ……」

 むう「みんな応援してくれたのに……無理だったんだよ……」
 睦彦「むうは今でもその子が好き?」
 むう「……うん」
 睦彦「むうの気持ち、ちゃんと届いてよかったな」

 むう「辛い…」
 睦彦「うん」
 むう「泣きたい……うまく行くって思った私は馬鹿だよ……」
 睦彦「馬鹿じゃない。馬鹿な奴はこんなに一生懸命になったりしないから」

 むう
「…………………………これからも、執筆頑張るから、こんな作者でも、応援してくれて、ありがとう。
色々辛かったり……悲しくなったりあると思うけど、一緒に、がんばりまじょうっ!」

 睦彦「はい合格 ニコッ」
むう「えへへ………ありがとうむっくん」


むうの初恋……終わっちゃった……。
さみしい時は笑え! \( 'ω')/エンダァァァァァァァァァァァァァ

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.37 )
日時: 2020/09/16 20:08
名前: むう


 遅くなりました! 続き行きます!
 え、あの件は大丈夫ですかって? んーまぁ何とかなります! 行きます!

 ****************************

 〈つか花side〉



 
 ―――やばい、息が出来ない。


 七不思議8番・八雲の体から発生した謎の黒い靄は、足元からじりじりと這い上がって来ていた。
 そしてついに靄が顔を侵食しはじめ、口を塞がれて俺こと花子は慌てて両足をばたつかせる。


 花子「ん゛ッ! ん゛ん゛ん゛ッ!!」
 つかさ「普っ! 捕まって!!」

 まだかろうじて、靄が胸のあたりまでしか来ていないつかさが必死で俺に手を伸ばす。
 その腕を掴もうとしたが、靄が手にまとわりついて掴むのを拒んだ。


 花子「ん゛……!! (やばい、息が持たない……!)」
 つかさ「普!!」

 八雲「…………さよなら」
 

 さっきからずっと階段の壁にもたれかかっていた八雲が、短く呟き振り返る。
 その顔は、なぜか泣いているように見えた。


 花子「待って8番! なんで、キミはこんな……っ!」
 八雲「――――8番じゃない」


 花・つ「?」
 八雲「―――私は『8番』なんて言う名前じゃない」


 ゆっくりと、噛んで含めるように彼女が呟き、俺たちをじっと見つめ返す。
 何かを、伝えたがっているようだが、それが何なのか分からず俺は首をかしげる。


 花子「それは、俺も知ってるよ。俺だって、花子って名前じゃないし――」
 八雲「―――月原八雲よ、柚木くん」


 ………………一瞬、視界が真っ暗に染まって、自分だけ違う場所にいるかのような錯覚に陥った。
 柚木くんって、確かに彼女はそう言った。
 なぜ? なんでその苗字を、キミが知ってる?

 花子「―――どこかで、会った?」
 つかさ「…………月原………」

 八雲「そう。忘れちゃったんだ。―――そっちが先に一人にしたのが悪いんだ」
 花子「え?」


 どういう意味?
 そしてなんで、そんなにキミは泣きそうな顔をしているの?
 


 八雲「あなたたちが、私を置いてったんじゃないの」
 つかさ「いつ?」
 八雲「20年前! あなたたちが、私の前からいなくなった!!」


 急に声を荒げた八雲の言葉に、俺たちは揃って目を丸くした。
 出会った時からずっと、冷静な態度をとっていた彼女の、初めての感情的な行動だった。


 八雲「全部全部、あんたのせいよ柚木くん! 何で死んだのよ!?」
 花子「え、えっ、と」
 八雲「あなたが私のたった一人の友達で! 理解者で! それなのに!」


 俺はこの子の友達だったことが、ある―――。
 俺の死を、この子は知っている―――。
 

 八雲「突然!! 弟と一緒にこの世界からいなくなって! 私は一人取り残されて!!」
 花子「――月原さん………」
 八雲「私は! この階段から落ちて死んだのよ!!」


 思い出した。
 月原八雲は、昔、俺の元クラスメートで、俺の前の席だった。
 
 いつもおかっぱ髪を揺らして明るく笑う子で、友達も少なからずいるような子だった。
 しかしいつからか、彼女の周りからは友達が一人もいなくなった。
 理由は分からない。あぶれた、って言うのだろうか。
 グループのリーダ格の子が、彼女の悪口を言うそぶりもなかったのに、八雲は一人になった。



 『………いじめられたの?』
 『違うの。あの子達と私の価値観が違いすぎて、話がかみ合わないの』

 『価値観?』
 『ええ』


 八雲は少し不思議なところがあった。急に、何もない所を見てニコっと笑うことがあった。
 なぜ、そんなことをするのかと聞いたら、八雲は至極当然のような口調で言うのだった。


 『――何もない空間に、一から物体を作り上げるのが、妄想のだいご味でしょ?』と。


 
 お互い一人ぼっちの俺と八雲は、少しずつ仲良くなった。しかしそれは秘密裏のことだった。
 どういうことかというと、彼女は俺と仲良しなことを周りに隠していたのだ。
 俺は別にそんなことどうでもよかった。何故そんなことをするのかと聞くつもりもなかった。
 答えは、とっくに分かりきっていたから。


 
 八雲「あなたのせいよ7番!! 全部あなたが悪いんだわ!!」
 花子「………そ、それは、その、……ごめん」
 八雲「謝ってほしいとか、そう言うことじゃないのよ。………何でなの」

 
 それは、本当に答えが知りたい「なんで」だった。
 この質問に答えるには、相当長い時間が必要になる。
 正直言うと、答えたくなかった。


 つかさ「………なんでキミは死んだの?」
 八雲「全てに、疲れ切ったからよ。学校も、人間関係も、この世の不条理も、全部嫌だった」


 だから、階段で私は死んだの、と告げる彼女の声の温度は冷たい。
 でも、と彼女は言葉を続ける。


 八雲「―――どうせなら、柚木くんと同じ時間に、同じ場所で、………死にたかったな…」

 
 寂しそうに目を伏せる八雲――いや月原さんに、何という言葉をかけていいのか、俺は迷う。
 本当に、彼女の依り代を壊せば、この事件は解決するのだろうか。
 だって、この少女が死んだ理由は、少なくとも俺のせいで、だから……。


 八雲「―――だから、あなたたちには、ここで死んでね」



 …………彼女の心の穴は、深く深く、それを塞ぐだけのものが、まだ……ない。
 

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.38 )
日時: 2020/09/17 18:14
名前: むう


 【大正コソコソ噂話】


 お知らせです。
 只今コメライ版で執筆中の「カオスヘッドな僕ら」
 こっちで執筆中の「ろくきせ恋愛手帖」などのろくきせシリーズですが……。

 めっっっっっっちゃ更新が遅くなります。


 理由!▼

 ・高校受験!!
 ・2学期の成績で志望校が決まる!(実際かなりヤバス)
 ・勉強やばい!!


 なので皆様、長い間会えないかもしれませんが、忘れないで下さいね(´;ω;`)
 カオ僕みたいに「帰ってきた」みたいになると思いますのでお楽しみにね。
 

 それではぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァ!!
 

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.39 )
日時: 2020/09/18 19:03
名前: むう


 うおっ500っ!? 
 ありがとうございます。休憩時間30分間使って続きかきます。
 なお、この続きは多分一週間ほど遅れると思います。
 申し訳ありませんが、ご理解をお願いします。

 ****************************

 〈仁乃side〉


 無限階段の怪異の八雲の領域である【無限階段】の中で、私たちは昔の花子くんと八雲に会った。
 そして、昔の司くんが言うがままに、下校を始めたのだけど……。

 無限階段の中に昔の学園があるだけでもオドロキなのに、学園を出たら、あたりは住宅街。
 これ、どうなってるの?
 現代って、改めてすごいと思う。


 司「それでねー。√とかぁ、ニジホーテー式とかぁー」
 普「二次方程式?」
 司「そうそれ! 全然分かんなくてさぁ。ね、キミは分かる?」


 大正時代の私たちかまぼこ隊としては、数学っていう勉強も全然わかんない。
 そして現代人の司くんも、頭を使うのはどうやら得意ではないらしい。


 桜「え、私?」
 司「うん! キミの名前はなに? 俺はつかさ!」
 桜「……七峰桜よ」

 一瞬チラッと、桜ちゃんのとまどった表情が見えた。
 その理由を、あえて誰も聞かない。

 でも、桜ちゃんは流石高校3年生ってことで物凄く落ち着いているし、雰囲気も大人っぽい。
 頭だって、絶対いいはずだよね。

 桜「数学は、積み重ねの教科だから、練習すればいいと思うわよ」
 夏・寧・光「そうなんですかっ?」
 桜「……八尋さんやお祓い屋の子はいいとして、夏彦あなた勉強できないの?」


 ストレートな桜ちゃんの表現に、夏彦くんは「う゛っ」と言葉に詰まる。
 その横で有為ちゃんが「ハァ」と大きなため息を一つ。


 有為「………皆さん、お話をするのもいいですが、依り代の件忘れないで下さいね」
 一同「完っっっっっっっ全に忘れてたァァァ!!」


 皆の声がキレイにハモる。
 善逸くんの悲鳴(失敬)や、司くんの明るい声や、昔の花子くんと八雲の会話が楽しくて。
 そうだった、肝心な目標を忘れるわけにはいかないよね。


 ここは八雲に、一つ探りを入れてみた方がいいのかも。
 私がチラッと普くんたちを除くメンバーに目配せをすると、みんなは揃って頷いた。

 
 仁乃「あ、あのっ!」
 普「………えっと、確かキミは……胡桃沢、さん、だっけ」


 いつもは元気いっぱいに「胡桃沢―――!」って駆け寄ってくる花子くん。
 昔の花子くんもとい普くんの返事に、違和感を感じなかったかと問われれば、感じた。


 仁乃「あの、八雲ちゃんと、普くんって、仲いいの?」
 八雲「ええ、クラスメートなの。話すようになったのは、つい最近」


 へぇ。まぁそれもそうか。
 私だって、かまぼこ隊とつるむようになったのは、任務で彼らと会ってからだもの。
 むっくんと知り合ったのだって、最終選別にお互いが行ってなければできなかったわけだし。


 善逸「へぇ。じゃあさじゃあさ? 話すようになったきっかけって、あったりする?」
 司「さーねー。俺と普は違うクラスだから知らないけど、どうなの普?」

 
 八雲「……私が仲良くしてた子たちが、急に私と距離を置くようになったのよ」
 普「……俺は、もともと、友達とか……いなくて、それで」


 ああ、そういうのあるね。友達関係って、糸のように複雑に絡まってるから疲れちゃうよね。
 むっくんも、瀬戸山くんと実際、色々あったもん。

 
 八雲「……一人ぼっち同士、気が合ったのよ。柚木くん、話す前はすっごい暗い子かと思った」
 普「………実際そうだけど」
 八雲「でも、こんなに頭がいいなんて思わなかったわ。理科、凄くよくできるじゃない」


 「いいなぁ」と、光くん・寧々ちゃん・夏彦くんの声が重なった。
 理科って確か、生き物を観察したりするんだよね。
 一回大正時代に寧々ちゃんが来た時、教科書を見せてもらったことがある。
 グラフがいっぱいで、私にはサッパリ理解できなかったっけ。


 普「………月原さんも、凄いと思うよ。誰にだって優しいじゃん」
 伊之助「俺だって優しいぜ!」
 炭治郎「女の子の体を踏んだのにか、伊之助」
 伊之助「ゲッ。そ、それとこれとでは違うんだよォ!」


 誰にでも優しい?
 

 普「全然話さなかった俺に、気さくに話しかけてくれて、嬉しかったよ」
 八雲「…………そんなことないわ」


 学校だけなの、と八雲は蚊の鳴くような小さい声で、そっと呟いた。
 ………それは一体、どういうこと?
 そう聞こうと思ったけれど、交差点の分かれ道で、私たちは八雲と別れる感じになってしまった。


 八雲「じゃあね、また明日。柚木くん、弟くんもまた明日ね」
 かまぼこ花子隊「ばいばい、八雲」
 普「あ、うん……またね、月原さん」
 司「ツキハラまたねぇぇぇ!」


 私たちに向かって手を小さく振った八雲の表情は逆行で見えなかった。
 もしかしたら、少し、泣きそうな顔だったのかもしれない。

 背を向けて走り出した彼女の制服のポケットから、小さい桃色の手帳がバサッと落ちた。
 炭治郎さんが拾い、慌てて彼女に渡そうとしたけれど、角を曲がった時には八雲の姿はなかった。
 どうやら、ものすっごく足が速い子みたいだ。


 炭治郎「ど、どうしよう…………ん?」
 善逸「どうした炭治郎。女の子の持ちもん拾えるなんて羨ましいわ」
 炭治郎「いや、ここ……もしかして……」

 善逸さんの嫌味をサラッとスルーし、炭治郎さんが手帳の表紙を指さす。
 さされた場所には、依り代の証――「黒い正方形の札」が、ど真ん中に貼られてあった。




 ――――――――これが、八雲の、依り代………………?


 

Page:1 2 3 4 5 6 7 8



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。