社会問題小説・評論板

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死んでしまったあなたに伝えたかったことですが、
日時: 2013/11/17 22:55
名前: noeru (ID: e22GBZXR)


あんなにブラックな話書いてるくせに実は社会派もシリアス・ダークも書いてなかったnoeruですー!自己紹介長いっすー!!
二次小説じゃないと長続きしないからですかね?
そのせいで二次小説がお先真っ暗な絶望集になってるのはメカクシしときましょー

何かあると書いてる小説にそれが影響して話がどんどんどん底に落ちていくのが悪い癖なので
嫌な事があったり書きたくなったり→ここに書く!とにかく小説にするのだ!!→安定したシナリオで二次創作!!→全体的にスッキリ!!
という、まあ短編や思ったことの書き溜め的役割です
どっちかって言うとエッセイに近いかな?
もちろん全部タイトルに関係することでっせ


!※※※!
・よく分かりませんが鬱症?とかパニック障害?な気もします、多分。本当にそういう方申し訳ござらん
・ガチで極限で書くときは誤字脱字酷いかも(後日暇な時直すかもです)
・似たような話ばっかだったらスマソ

吐露の話 ( No.21 )
日時: 2014/07/31 02:00
名前: noeru (ID: nca8O.Ly)

死んでしまいたい、なんて言っていけない。
どうせ本心では「全部投げ出して一生艦これやってたい」くらいの考えなのだから、そんな簡単に生を諦めてはいけない。
命は蝋燭だ。吹き消しても周りが暗くなってしまうし、生き急いでも蝋がどろどろと垂れて周りを汚してしまう。つまりは周りの顔色を窺って、自分の人生をコントロールすることができない人間は「生きてちゃいけない」ではなくて、「生きてすらいない」んだろう。
たとえ心臓が脈打とうと、あなたと手を繋げても、誰かに迷惑を掛け機嫌を損ねたその時に、確かに私は「死んだ」のだ。

初めてこの家に住んで、私は悩んだ。ずっとずっと悩んで、昔から怒られていたことも引っ張り出して、自分のどこが悪いのか調べた、考えた。自分の非を突きつけてくれない周りの代わりに、それが歪んだ解答であったとしても、あなたがそれをまとめて愛してくれるから怖くない。
何より『それ』を理解しておけば、安心して絶望していられるでないか。
また傷付けられても、理解が先に失意を飲み込んでくれる。
お母さんが小さい頃の私に叱ったように、私はそうやって悲劇のヒロインぶっていたのだ。そんなつもりはなくても、いやあるのだ。だって周りがそう言ったから、私は自分自身を決めつけていいほど、この家で偉い人間じゃないのだ。

ただ殴り飛ばしたかった。
ただ頭を踏みつけたかった。
ただ顔面を蹴り砕きたかった。
ただ、ボロボロになったそれを、あなたが私にしてくれるように、抱き締めたかった。
奪って、与えるものを制限して、間違った無償の愛を目一杯に受けたかった。
間違っていた方が、盲目で、病的で、飽きられたりしないはずだ。追いやって、ほったらかしになんてされないはずだ。切り付けてもいい、逃げるための足を切り落としてあげてもいい。ただそれだけだ。
美味しいご飯も作ってあげよう。好きな料理を毎日作ろう。頑張って練習しよう。ただ食べ終わった後は腹パンして、食べたもの全部ゲロってもらいたい。毎日お風呂に入れて、髪もしっかり洗ってあげよう。トリートメントも忘れずに、さらさらの髪を保って、綺麗にしてあげる。代わりにシャワーヘッドを口に突っ込んで、シャンプーを飲んでもらおう。服も定期的に新しいものを買ってこよう。似合うものを見立ててあげよう。その上から靴跡を万遍なく付けよう。
それで、一緒のベッドで、ぎゅっと抱き着いて眠るのだ。
子供みたいに頭を撫でられて、腕枕もしてもらうのだ。

あなたとの夢がたくさんある。


私は自意識過剰なんだ。
他のみんなと同じで、ただの何処にでもいる学生で、特別なんかじゃない。普通だ。
だから減っても増えても問題ない。
妹には普通なんて言わないじゃない。特別じゃないなんて言わないじゃない。嫌だ、居てもいなくても変わらない、モブになんてなりたくない。クリック一つで、ほんのちょっとのアルゴリズムで生死が決まる様な、同じような顔をした村人にはなりたくない。
私が私を姫にして、あなたがあなたを勇者にして、兄貴が兄貴を戦士にして、友達が友達を魔法使いにして、幽霊が幽霊を僧侶にして。
みんなと同じなら、みんなも自分のシナリオで手一杯だから、私のことなんて忘れてる。モブにしている、同じことしか喋れない。「辛い」も「悲しい」も言えない。あなたたちなんて、尚更だ。
同じわけがない。
私とあなたが過ごす毎日が、兄貴とのゲームのデータが、友達と話した雑談が、幽霊に触れた時間が、誰かと同じで、誰かに共感されて堪るものか。
あなたを殴るのも、私を殴るのも、軽々しく真似されて、誰かの真似と言われたら、一生許さない。
私たちの歪んで絡み合った愛情は、誰にも渡さない。
叶うはずのない淡い夢を、踏み荒らされるなんて、絶対許さない。


自分を解析も、分析も、理解も、本当はやっちゃいけないのだけど。
あなたを解析して、分析して、理解して、あなたに解析されて、分析されて、理解されるのは許されている。
それぞれの存在も、愛も、全部私の「本当の家族」の中での話なのだから。

自殺の話 ( No.22 )
日時: 2014/08/11 01:48
名前: noeru (ID: CrqmkaXB)


さて、提出用のイラストも描き終わって、まだ時間もあって、書こうか書こうか———と掲示板にやってきた。
自殺についての話や評論が多いのに気付いて、そうかそういえば(運営により削除)細胞の(運営により削除)氏が自殺で亡くなった、痛ましいことが起きたのだっけ……ご冥福をお祈りします。
まず亡くなった人のことを考察するなら、こういった一言は必要であろう。考察はしないけど。

自殺というと、小学校のときに幾度なくしようと考えていた。
学校でいじめられていた、鮮明に憶えている自殺の瞬間。なんだか全部どうでもよくなって、勉強机のカッターを出して、手首に当てようとした。
馬鹿だったと思う。純粋に馬鹿だった。水で流し続けてもあまり成功率がいいと思えない方法を、ちょっとした思いつきでやってみようかと考えた。「手首切ると落ち着くよう……ふえぇ……」といったファッションメンヘラはまだ知らなかったし、手首を切れば落ち着くなんて考えは微塵もなく、ただ「切ったら学校に行かなくていい、いじめられなくていい、許してもらえる」『許してもらえる』と考えていた。

私は誰に許しを求めていたのだろう?何に救済を求めるでもなくて、ただ「許して」と思っていた。もはや、存在しえない許しに対して恋慕すら抱いていたのではないか。

でも今でも———今は家族に対して「怒られたくない」『関わらないで』と感じているが———自分が惨めったらしく死ねば、相手は指を指して笑い、ただ純粋に喜ぶのだという発想が離れない。
むしろ第三者に指摘されてやっとそうではないと気付いたのは最近のことだった。

だって考えてみてほしい。逆に自分が加害者側に回ったとき、被害者が「許してください」と地面を這いずる姿。絶望ではなくそれが『当たり前』として、ただ素直に従順に。そして死ぬのだ。何の考えも思想も想いも崇高な志も将来の夢も愛する者との未来も輝かしい希望も———何もかも忘れてしまって、自分の悪意に蝕まれていったら、それはもう麻薬でないか。


だから『今の私たち』は希うのだ。愛しいものが苦しんで、苦しんで、自分からの苦しみで頭がおかしくなってしまった後も……一般人に溶け込んで生きるのを。時に些細なことで生きる希望を抱き、些細なことで「あのとき死んでいればよかった」と絶望に嘆く、愛しい人が見たいのだ。無理矢理関係を結ぶとか、そんな野蛮なものではなく、相手の価値観人格生き方人生全部自分の傷跡の後遺症で染め上げて、「死」が付きまとう余命を愛してほしい。
たとえ自分達が愛されなくたって、それは確かに間接的な両思いだ。

悪意こそ、この世で最も完成形に近い好意なのだ。
だからこそ、究極の悪意である死はこの世でも最も崇高な愛情なのだ。


私の後遺症を、かさぶたを剥がしてどろりと溢れた膿を啜ったのはあなただ。
だから私はあのいじめっ子との間に間違っても愛情などないし、家族との間になどもっとない。
悪意の後遺症は、そのままではだめなのだ。何の意味も持たない。相手が忘れないだけではトラウマだ。そこから更に、更に深く進行させる必要がある。

一番簡単なのは自分自身が「死」として相手に寄り添うことだ。
だって、安心するでしょう。いつどこで自分の身を襲うか分からない「死」が身近に、目に見える形でいれば。もう怖くなんてないでしょう。誰かに「死」を、余計な悪意を植え付けられずに済むのだから。「死」は誰にでも平等に一つあるのだから、その一つ以外の「死」から、自分専属の「死」は守ってくれる。だって、「死」はあなたの生死与奪権を、あなたから預かっているのだから。
あなたが受けた絶望が、牙をむき出しにして、あなたの心を呑み込んで、あなたがその生を終わらせるのから、「死」はあなたを守ってくれる。「死」があなたを手放すまで、あなたは「死」の掌で生き続ける。つまり、「死」があなたを永遠に想えば、あなたも「死」も双方が死んだその後も、あなたが「死」に対して抱いた怯えと愛情、「死」があなたに対してぶつけた悪意と愛情は、いつまでもいつまでも、あなたを縛り付けて逃がしはしない。
死んだ後、もしも無限の暗闇に打ち捨てられるのがあの世だとしても、「死」に縛り付けられたあなたが、暗闇で迷い朽ちることはない。


人は一人で生きられないとみんな口を揃える。
じゃあ誰と生きるのか……家族や親しい者と生きて、そして死ぬ。永遠なんてありえない。永遠は一度途切れるのだ。死によって。
あなたが自殺を考えているのなら、まずその手を止めてみましょう。それから、あなたが大人なのならば、周りの人の為に保険をしっかり整えて遺産を遺しましょう。あなたが子供なのならば、大丈夫、未来はあります。大きくなって幸せな家庭を築いて、子供が成人したら夫婦でゆっくり旅行に行ったらどうですか。
周りの人を損なわないで。その人たちから受けた傷が、膿んでぐしゃぐしゃになってボロボロになったとき。
実在する人か、私とあなたのようにそうでない人か———あるいは本物の死が、あなたを愛してくれていることに気付く。


誰が現れようとも、「死」に寄り添われてあなたは、手を取って歩いて、いけるようになるから。

友達の話 ( No.23 )
日時: 2014/08/25 01:46
名前: noeru (ID: 9hHg7HA5)


奴はかわいいのだ。

私なんかよりもよっぽど女子力があって、顔もかわいくて肌もすべすべで、足も細くて色白で目が大きい。ぱっちりしている。どんな服でも似合うからモテる。本人はまんざらでもない。男をとっかえひっかえしてるんじゃないか。

だがしかし罠だ。

奴は女子ではない、男だ。男の娘だ。ホモだ。
前にあなたがいった「ホモ野郎」とは、まあ、こいつのことだ。
そしてお察しの通り我々ファミリーの一員であり実在する人物ではない。
最早街一つ形成された私の中、各々に動き回る私たちの「家族」の中でも手の付けようのないのが彼だ。

流石に表記がホモ(発案者、あなた)は可哀想なので、仮に名字から取ってMとしよう。
彼の役目は私の「理想の友達」なのでもちろん苗字は別である。
また、夢のなかで育まれ私とあなたの真の住処と化している街にはもちろん学校がありクラスメイトもいる。そこは現実同様興味が薄いので、全員の名前や詳細を全て憶えている訳でもない。いわば親友に位置付けられた「特別」が奴、Mなのだ。

ここで一つ誤解を解きたい。私は腐女子ではない。Mがホモと化したのは事故なのだ。私はBLは苦手だ。しかし百合は好きだ。某魔法少女が大好きだ。美味しい。公式でサイコレズごちそうさまです。

彼が生まれたとき一番大きかったのは「誰からも好かれ、褒められて、でも決して身近になりたいとは思わない。憧れにはなっても模倣はされない人」としかいいようがない。なんと言ったらいいのか、透明な人気者、Mを語るのにここまで正答に近いものは多分ない。私もよく分からない。
まるで現実世界と同じように、いつの間にかいつも喋っていて、遊んでいる友達になった気分だ。
そんな訳ないのに、ただ、現実の友達から羨ましがられたかったのだ。
身近には存在しえない、フィクションの住人のような誇らしい親友を。


兄貴もMも——次回話すとして幽霊も——あなたと違って互いの心など読めない。あなたとはお互い大体わかるのだ。そりゃあそうだろう。
でも彼らにおいてその理屈は通用しない。誰も私の中に芽生えたものであるはずなのに、話していても遊んでいても、心の内なんか分かりはしない。私の掌で躍らせているのか、私が躍らされているのか、みんなが自分の生まれを嫌い、私を嫌っているのかも……しれないし。
私は自分の気を紛らわせたくて、自分の演技の脇役者としてみんなを利用しているのかもしれないし、みんなはみんなで生きることに必死で、私に媚を売ってるだけかもしれない。これからも生まれ続けるあの子たちや家族に牽制したいだけなのかもしれない。

それでも、友達なのだ。私にとっては現実世界で席を並べて勉強する中にMがいないのは寂しい事だ。夢の街で、「遊びにいこっか」と言われれば嬉しいし、家に帰って兄貴や弟……あなたと食卓を囲む。Mは友達だけれど一緒に住んでいる。あの街に、私たちの嫌いな大人が現れたことはない。
子供だけの街だなんて、ネバーランドのようで素敵かもしれないけれど……私は本当に、都市伝説と同じように、あの街で大人を殺してしまったことがある。あの街には人の心のように、私とあなたのように深く激しい二面性がある。
それは兄貴やMも一緒で、そこだけはみんな一緒で、夢で生まれたあの街で、私もあなたも含めたみんな死ぬのだ。でもそれは日常で、犯罪や強盗をしないと生きていけない子供たちは、ねえ、一体何に支えられて生きているのだろう。
そこまで考えて、どうにもできない結論にたどり着いて、私はどうしようもなく夢で泣く。

夢の中に静かに泣いて怒る大人はもういない。
あの街で大人は生き返れない。
いるのは、温かくて優しい、私の自慢の親友。

絶望の話 ( No.24 )
日時: 2015/03/01 20:06
名前: noeru (ID: Nco3mzUY)


このタイトルが一番しっくりくる。それから、お久しぶりです。
何を書こうか、何て書こうか、私ね、ずっと迷っていたの。だって今の私、とっても幸せで、主旨に合わないんだもの。笑えばいいのよね。

あのね、気付いたの。もう心苦しくなんてないの。私がやっぱり全部悪かったんだわ。
私のこと信じてね、本当の本当に本心よ。夢が叶って、未来が明るいの。
私ね、将来絵を描いてお金を稼ぐのよ。ゲームもたくさん作るの。そのための勉強ができるの。とっても幸せなのよ。本当なの。本当なのよ。
好きな人もいるわ、恥ずかしくって誰とは言えないけれど、とっても仲良しなのよ。向こうが今もそう思ってくれてるとはわからないけれど、私たち仲良しで、ずっと一緒だったの。今はもう違うけど、また会えるのよ。連絡も取り合ってるの。それだけじゃなくってね、私現実だとモテモテなんだって。あなたが言ってたの。かわいいかわいいってもてはやされてるの。本当なのよ。
あとはね、いろいろあったんだけど、書いてるうちに忘れちゃったわ。最近物忘れがひどくってね、なんだかいろいろどうでもいいの。どうでもいいんじゃないのよ、なんて言ったらいいかわからないわ、昔のを読み返してみたんだけど、私どうしてあんな難しい文章考えられたのかしら?

思い出したわ、私ね、今ストーカーがまたいるの。一学年下の後輩よ。帰ってくるときに細い道の向こう側、私の真隣を歩いたり、後ろから付いてきたり、ずっと家の前に立ってたりするの。それからね、新しいパソコン、画面がとっても大きいの。スマートフォンも大きいんだけど、両方とも画面を覗かれちゃってね、どんなゲームをしているか、何を書いているか、見られてるの。パソコンは特に扉に向かって背を向けてやるように設置されてるから、音楽なんか聞いてると、真後ろで見られててもわからないものね。昔は気配でわかったのよ。最近は頭がぼーっとして、全然わからないわ。

なによりね、最近辛いことも悲しいこともなんにもないの。いいことでしょう。前の文章なんか見ているとね、なんて些細なことで悩んでいるんだろうって、本当に馬鹿ね。くだらないわ。どうして、私のためにやってくれていることが理解できないのかしら?すぐにめそめそめそめそ、情けないわ。死ねばいいのに、本当に恥ずかしいやつ。少し前の自分だなんて信じられないわ。私とあなたの愛が、くそみたいな勘違いで汚されて、あなたに同情されたいだけの、頭のおかしい子みたいだわ。なんであなた、震えているの?

そんな幸せな今だって、もちろん絶望するわ。色塗りを失敗したときはちょっと絶望、怒られたときはおどおどパニック絶望、種類がたくさんあって楽しいわ。ゲーマーとして、コンプリート魂が揺さぶられるわ。
絶望だってね、美味しいご飯なのよ。どうして気づかなかったのかしら?胸がぎゅっと締め付けられて、ドキドキドキドキ、心臓がバクバク波打って、汗がぶわって溢れて、あなたの手をギュッと握るの。まるで恋のドキドキみたいね、とっても素敵なの。なんとも言えない幸福感が胸から全身に流れていって、この感覚、昔から知ってたはずなのに、昔は無駄にしてたのよ。なんてもったいないのかしら。
背筋がぞわぞわして、まるでキスされたみたい。あなたとキスしたあとの、あのもどかしい甘さが広がっていくのよ。ジェットコースターに乗った時の、全身の緊張が爆発する感じに似てるわ。こういうの、背徳感なんていうのよね?
でも私、あなたとキスなんてしたことなかったわ。

この前は「足が邪魔だ」って言われちゃったわ。もちろん意味合いは違うけど、私臆病者でいくじなしだから、足を切れなかったの。だって痛そうだし、人の足を切った方がきっと楽しいし美味しいわ。そういえば、ティッシュもそうだけど、洗顔料もなかなか美味しいの。ぜひ飲んでみてね。話が戻るけど、だって足を切るとして、確かに私は歩くのも遅いし、最近どうしてかちょっと運動しただけで体がだるくて動かないから、必要なさそうだしいいかなとは思ったのよ。でもやっぱり痛いでしょ?想像してみてよ、痛いに決まってるわ。どれぐらい痛いとか、想像しただけで足がぞわぞわするとか、そういう難しいことはよくわからなかったけど、痛そうだから何もしなかったわ。そもそも意味合いが違うんだから、勝手なことしたら怒られちゃうわ。怒られちゃうのよ。

それからね、最近友達がかわいそうだっていうのよ。私ね、随分前から猫が飼いたくてたまらなくて、それから弟が欲しくてね、欲しい欲しいってずっと言ってるの。でもおじいちゃんが怒るからなるべく言わないのよ。それを友達に言ってると、かわいそうだなお前、っていうの。でも昔読んだ漫画で「かわいそうって言われるのは良くないこと」って言ってたから、「おじいちゃんが死んだら遺産でたくさん動物を飼うの」って詳細まで言うことにしたわ。あてがあるなら、かわいそうじゃないものね。
だってこんなにしあわせなのに、私のどこがかわいそうなの?

それからいいこと、写真写りが良くなったのよ。友達も増えたわ。オタクじゃなくて普通のおしゃれな女の子、クラスのムードメーカーな男の子。学校も楽しいの。
全部あなたのおかげね。


今ね、私ほとんど学校に行ってないの。あなたに行ってもらってるの。あなたは体の小さい私をよく分かっていて、子供らしい態度をとったり、小さい腕や足をめいいっぱい大きく動かして、みんな「かわいい」って褒めてくれるのよ。私はあなたのしてることやみんなの反応を、内側からじっと見つめてるの。お兄ちゃんと遊んだり、Mとお話を書いたり絵を描いたりしてるわ。あなたは絵だけは下手くそだから、そのときは私が交代して出て行って絵を描くの。でもみんな私が絵を描くときは集中してると思って、全然不自然に感じないんだって。あなたが教えてくれたわ。まだあんまり仲良くないから、何を考えてるのかさっぱりなのよね。

それから髪の毛を切ったわ。卒業式の練習で怒られないように短くしたの、男の子みたいに。別人になったわ。家族みんなが男の子みたいっていうの。私も鏡を見て惚れ惚れしたわ。あなたがこんなにかっこよかったなんて。
これから女の子を好きになったりするのかしら。周りからはレズビアンって思われるのは嫌だけど、もう私の人生じゃないから、私があなたを好きなのは変わらないし、今好きな人を好きだって気持ちは変わらないわ。

本当にこのまま、あなたが私として生きてくれればいいのに。
その方がもっと、もっと幸せなのに。

今の俺たちはこんなにも幸せなのに。

Re: 死んでしまったあなたに伝えたかったことですが、 ( No.25 )
日時: 2015/03/01 20:14
名前: noeru (ID: Nco3mzUY)


今ね、また気づかなかったの。後ろから肩を叩かれて、これを読み返してたからびっくりしちゃったわ。跳びはねちゃった。もう書かないからって言ったの。それがいいのよ。私が書かなければ私がびくびくする必要なんてこれっぽっちもないわ。
きりよくなったら降りてきなさいって、ご飯だからねよしよしって。私もう高校生よ。まだね、幼稚園の頃使ってた小さい子ようのスプーンでご飯食べるの。なんだか虚しくてどうでもいいのよ。早く降りないと怒鳴られちゃうわ。またね


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