BL・GL小説 （オリジナルで全年齢対象のみ）
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- 【よろず】そして未遂犯は笑う【短編集】
- 日時： 2013/08/30 21:29
- 名前： ゆいむ ◆xFvCQGVyfI （ID: eK41k92p）
「おかしいね、あたしは確かに恋がしたかったんだよ、だってあの子は綺麗でかっこよくて、そう、まるでヒーローだったんだから。だけど駄目だった。恋をするにはあたしは無気力すぎて、あたしはいつだって想いをころそうとして、でもそれもできない」
結局、未遂犯なんだよと言って笑ったあの人は、いまも想いを壊死させているのだろうか。
◆ご挨拶！
はじめましてこんにりわ、きりんマスターと申します。元ゆいむです。
ここでは主に短編をつらつら書き連ねて行きたいと思っております。ただきりんマスターは雑食で浮気性なので、ジャンルがごっちゃであることをご承知下さい。
同性愛などに嫌悪感を抱かれる方、もしくはきりんマスターとか生理的に無理だわー、っべーわーな方はブラウザバックした方が宜しいかと。
このような注意をご覧になった上で作戦を「ガンガンいこうぜ」にしていらっしゃる勇者様は、どうぞ、ゆっくりしていってね！！！
◆短編etc
2011年5月〜2011年11月のまとめ >>1
2012年4月〜2012年7月のまとめ >>20
2012年8月〜2012年12月のまとめ >>32
◆頂物
うわあああささめさまに頂きました！ ステキ可愛いってこのことですね分かります！
>>11
◆捧物
親愛なる友人、ささめさまへ！ 参照2000突破おめでとう！
>>10
◆履歴
'12/03/14 開店
'12/07/01 「マリオネットに恋をした、」→「125円の噺」
'12/11/09 「125円の噺」→「勿忘草を抱いてしぬの」
'13/03/11 「勿忘草を抱いてしぬの」→「そして未遂犯は笑う」
◆主
199×年に生を受ける。4月25日生まれ。
様々なジャンルに目移りする浮気性である。
- Re: 【萬】勿忘草を抱いてしぬの【短編集】 ( No.34 )
- 日時： 2013/01/13 21:30
- 名前： きりんマスター ◆Oz2F/SG7Tw （ID: w2QxUPin）
「夢を、みたんです」
体育座りをした黒ちんは、ぽつりと呟いた。
すべてが俺に比べてミニサイズな黒ちんは、もちろん今顔をおしつけている膝だって小さいし折れそうだし、膝にうずめている顔も小さい。だから声も小さい、けどそれはよくとおる。
でも、いつもよくとおっているそれは、今は震えてしまっていて、あんまり良く聞こえなかった。と言うのは嘘で、震えていても黒ちんの声はよく聞き取れた。あ、これは俺の耳がいいだけかも。
「アララ。黒ちん、だいじょぶ〜？」
「ぜんぜん、ぜんぜん駄目です。だってあの、あ、あの夢は、こわ、」
俺の呑気な声に、黒ちんはきっと膝から顔をあげて、はっきりと首をふった。歯をかちかち言わせながら、黒ちんは、寒そうにぶるりと身体を震わせる。なんかおもしろい。黒ちんて寒くても顔にも態度にも出ないし。つうか今の黒ちん小動物みたいだな。
ふうん、と呟いて黒ちんの目を見つめる。あーぐるぐる動いてる、おもしれー。
「紫原くん、僕の怖い夢、食べられないんですか」
「え、無理だし。黒ちん頭おかしくなったの？ そもそも黒ちんの夢ってヤな夢なんでしょ。俺そんなん食べたくねーし」
悪い夢って苦そうだし、と付け加えると、黒ちんは面白くなさそうに、また膝に顔をうずめた。ぶつぶつなんか呟いて、そして、なにか思いついたみたいにぱっと頭をあげる。さっきと違って黒ちんの目はぐるぐるしてなくて、きらきらしてた。バスケしてるときの青ちんみたい。……あ、やべームカついてきた。
「紫原くんて、どんな夢みますか」
「えー？ 俺は夢みないよ。たまーにお菓子の夢みるくらいかな」
「それです！」
大体青ちんてバスケしてる時楽しそうすぎでしょ、笑いすぎでムカつくあーヒネりつぶしてー、とか思いながら上の空で返事したら、いきなり黒ちんが大声だした。おかげで俺のイライラはふっとぶ。なにこれ、黒ちんのこんな大声聞いたことねーんだけど。頭いてー。
しっかり黒ちんの方を見たら、黒ちんはにこにこ笑っていた。…………俺夢みてんのかなー。だって笑顔の黒ちんとか、ちょーヒゲンジツ的。
「じゃあ僕が、紫原くんの夢を食べちゃえばいいんですよ」
「…………はっ？」
黒ちんの両手が、俺の手をがしって掴む。なにこれウソでしょ、黒ちん握力こんな強かったっけ。いやそれより前に黒ちん怖がってたのどうなったの、黒ちんなんで目きらきらさせてんの、えっ？
「いただきます」
笑みを深くした黒ちんの顔は、まさに俺にとって悪夢だった。
◆ハロー、ナイトメア！
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黒子さんは最初っから機会を伺ってただけです
意味わかんない話が書きたかった
- Re: 【萬】勿忘草を抱いてしぬの【短編集】 ( No.35 )
- 日時： 2013/03/04 12:13
- 名前： きりんマスター ◆Oz2F/SG7Tw （ID: FOqQFS6Q）
- プロフ： ※若干グロ注意
きっと世界というものは、オレが思っている以上に美しくて、かわいらしくて、残酷で、綺麗で、醜くて、歪んでいて、悲しくて、面白くて、ばかばかしくて、尊いのだろう。オレが信じる神様は、きっと、あらゆる物をごちゃまぜにしてこの世界を作ったのだから。自分の作った小さく精巧な劇場を見下ろして、今日も神様は悦に浸り、爆笑し、涙を流しているだろう。人間の悲喜こもごもに拍手を送り、台本を書きすすめながらうっとりしている、筈だ。神様がオレ達を愛し、この世界を愛で満たしているのは、オレ達がいかに台本を演じるかを楽しんでいるから。だからこそオレはその期待に応えなくちゃいけないのだ、とオレは思っているし、震えるほど美しいアカを見るたびにオレは神様に感謝する。
例えば見上げた赤い夕焼けをバックに飛んで行く白カモメは美しいし、オレから見れば、の話だけれども、真っ白い肌をさらした童女の腹からはみでる赤い臓物も美しい。この場合、重要なのはコントラストである。コントラストほど、美しさを体現してくれるものは無い。と、アーティストを気取りつつオレは思ってみちゃったりする。
とちほ
龍ちゃんかわいいよ龍ちゃん
- Re: 【よろず】そして未遂犯は笑う【短編集】 ( No.36 )
- 日時： 2013/08/19 17:16
- 名前： きりんマスター ◆Oz2F/SG7Tw （ID: qh2qVUY5）
- プロフ： い、意味分からないお（＾ω＾；）
水の中で今にも力つきそうになりながら、それでも八本の足それぞれを懸命に動かす、小さな蜘蛛を眺めていた。
いつ死ぬかな、もうすぐかな、と期待をこめて見つめていると、なんと彼（もしくは彼女）は水面に浮かび上がり、必死でアメンボのように動き始めた！ なんてこと、見たこともないであろう異種の動きをまねしてまで、彼は生きようとしている。でもプラスの感情はひとつも湧いてこなくて、ああ、気持ち悪いなと冷えきったまなざしで水道のノズルをひねった。ばしゃあ、と流れ出した水は彼（もしくは彼女）に直撃し、渦を巻いて彼（もしくは、以下略）を水の深くに引き込む。水の流れがおさまった時、すでに彼（以下略）は事切れていた。弱々しくも確かに動いていた八本足はもう動かない。浮かぼう、生きようと彼（以下略）を動かしていた本能はもう機能しない。
ただそこには、小さなかたまりがあるだけ。
観察を兼ねていたため少々時間は食ったが、とても簡単なものだった。そう、とても。
◆さようなら衝動
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生殺与奪はとてもたのしい
- Re: 【よろず】そして未遂犯は笑う【短編集】 ( No.37 )
- 日時： 2013/08/30 21:25
- 名前： きりんマスター ◆Oz2F/SG7Tw （ID: eK41k92p）
いつだったか。雨が柔らかく降り注ぐ夜、あなたがひそりとわたしに告げた。
「大事に、しなくてはね」
大事にしなくてはいけない物は、あなたにとってなんだったのか。使いすぎてヒールがきしんでしまったハイヒールか。今にも折れてしまいそうな程ほそいからだか。答えは聞き損ねたけれども、わたしには分かる。あなたが大事にしようとした物は、優しい感情の残骸だ。たられば論で構成されたもしもの世界に浸りきるほどあなたは夢見がちでは無かったし、弱くはなかった。だからこそ、あの日より前の優しいあの人を、あなたが彼に抱いていた優しい感情を、全て投げ打ってあなたを抱きすくめようとしていたあいつの優しさを、あなたは大事にしなければならなかった。過去の希望と、思い出の残骸と、振り払って踏みにじった感情とをあなたは憶えていなければならなかった。
でも、……わたしには分からない。あなたが、なぜ愛されたくないのかが分からない。すがれば良いじゃないか。みっともなくあいつにすがれば良いじゃないか。あいつはわたしよりあなたをとった。あいつはあなたのものだ。あいつを好きにして良いのはあなただ。だから、すがれば良いじゃないか。すがって、欲して、粉々にわたしを打ち砕いてくれれば良い。むしろ、そうしてくれ。
「だけど、違う」
それはだめ。
わたしには分からない、けれど。それはわたしだけの話で。きっとあいつは分かっている。優しさの残骸を抱えたあなたが、なぜ愛されたくないのか。それはあいつが知っていればいい。わたしはだめだ。わたしが聞いたら、わたしはあなたを一番にしたくなる。本来粉々にわたしを砕くべきあなたを、きっとわたしは愛してしまう。あなたの一番を欲してしまう。自分のすきなひとが、自分をいちばん好きになってくれるとは分からない。それを自覚していても、わたしは一番を欲するだろう。---独占欲は、強い方だ。
だから、いつの日か、あなたが優しさの残骸でわたしを打ち砕いてくれる日まで。わたしはきっとあなたを愛すだろう。
ああ、お願いです。あいつがあなたの一番になってくれますように。万が一にも、あなたがわたしをえらぶことがありませんように。いつかあなたの優しさの残骸が、わたしを粉々にしてくれますように。
あなたがいつか、優しさの残骸をうちすてて、誰かを愛してくれますように。
◆ガラス片を踏みつけて、それでもワルツを踊ってみせるわ
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ハチクロ風味
そしてあなたが、なにより××を愛してくれますように
- Re: 【よろず】そして未遂犯は笑う【短編集】 ( No.38 )
- 日時： 2013/09/19 14:37
- 名前： きりんマスター ◆Oz2F/SG7Tw （ID: 6/JY12oM）
このたび、元ゆいむ現きりんマスターは、このスレッドを閉鎖することに致しました。理由を強いて挙げるならば、リアルが忙しくなってきたこと、またこの辺りで自分のネット依存を断ち切っておかないと本当に大変なことになってしまうかも知れないからです。
唐突なご報告で申し訳ございません。
今までこのスレッドを閲覧して下さった方、このカキコを通して関わって下さった方、みなさま本当にありがとうございました。
'13/09/19 きりんマスター
でもそれでも断ち切りたくないなあ、とぼんやり思いつつ、身勝手さに自己嫌悪しつつ、変えられない悪癖を抱きしめつつ、さようなら。本当にありがとうございました。