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- ハイキューBL!
- 日時: 2015/06/13 22:43
- 名前: くるる (ID: rd7NbV2E)
初めまして。くるると申します。このスレを見て頂きありがとうございます。
最近、ハイキューにはまってしまい、
「月菅やっほい!」と思ったのがキッカケです。
どうでもいいですね。書けるのが、これです。
・月菅
・影月
・月影
・月山
・木赤
・黒大
・菅大
・及影
・及岩
・黒月
・及月
うん...誰も見ないな。お付き合い頂けたら幸いです。それでは宜しくお願い致します。
- Re: ハイキューBL! ( No.411 )
- 日時: 2015/07/30 23:14
- 名前: くるる (ID: AwUzQTp7)
「...先生、質問なんですが」
「お、どした?」
ふわふわとした毛並みで黒縁眼鏡の彼は今日も来る。夏休みに入ったというのに飽きもせず毎日図書委員だからといって学校に来て、誰も来ないのに待ち続けている。少しくらい休めば、と促してみるが彼は首を横に振るだけだった。責任があるのは良いことだ。けれど彼は、度が過ぎているというか...、端的に言えば真面目すぎるのだ。
同級生にも後輩にも敬語で接する彼を見ていて何だかもどかしい。真面目で、他の者と距離を取っている彼は、いつも一人だった。
「なぁ、相良」
「何でしょう?」
「お前、ずっと一人だよな?」
「ええ。それが、何か?」
彼は淡々とした様子で答える。本当に何でも無さそうに見えるのだから不思議というか、いや、もしかしたらこれが彼なのかもしれない。こういう生き方しか知らないのだろう。何でも彼の父は社長だというし。そこで何を見て触れたのか、俺達は知らないけれど。
それでも。
「や、その、」
「...先生、質問にはしっかりとお答えください。それに、僕には図書委員の仕事も残っていますし」
「っあー、そうだよな。なるべく短く話すから。...あのさ、相良」
彼は一つ瞬きして続きを促す。猫みたいだ。
俺は大きく息を吸うと、たった一言を捻り出した。
「俺と友達になってくれませんか」
「な、にを...いえ、ちょっと待ってください。状況を整理させてください。まず先生が言いたいのは友達になりたい、ですがなぜ僕なんです?そもそも教師と生徒がそんな関係を築けるはずが、」
「ちょ、相良」
「おかしいんです、客観的に考えて。大体、教師と生徒で、生徒が毎日教師の元に来るという行為に何故意味を見出しているんです?おかしいですよ、客観的に考えて。それに、」
「相良!」
本当に珍しい。こうやって俺が大声を出すのも、彼が怯えて表情で俺を見つめるのも。あぁ、これだよ。やっと人間らしくなった。
「っなん、ですか...」
「...いきなり大声出して悪かった。ごめんな。けど、本心なんだよ。教師と生徒の関係無しにして、俺はお前と友達になりたい」
「や、です」
彼はすみません、と謝ると駆け出した。俺はその腕を掴んで、彼を抱き締めた。こんな日に限って、誰もいないんだから。相良、もう逃げれないよ。それに、そんな真っ赤な顔で嫌なんて言われても信じられない。
「ダメです...っやだ、せんせ、こわいっ...!」
「相良、なぁ、相良」
好きだよ。
「え」
「せんせ...?」
「なんでも、ない」
俺は今、何て言おうとした?彼に、好きだと伝えようとしたのか。恋愛感情さえも芽生えてしまう。これが本当の気持ち。それなら、欲望に忠実に生きてみようではないか。
「友達、なろう」
それからたっぷりと愛を注いで、いつかお前の心を奪ってやるさ。
「周りには、か、隠しといてくださいよ」
「うん。改めて、よろしく」
林檎の様な真っ赤な顔をこちらに向けて少しだけ微笑んだ彼。
愛しくて、離したくなくて、
儚げなその表情に、泣きたくなった。
俺が彼を守って、愛さなければ、彼はいつか壊れてしまう。
そんな姿を見るなんてしたくないから、ゆっくり愛を育んでそうしていつか俺をちゃんと好きになって。
好きだよ
四文字の言葉は胸に秘めたまま、まだ、吐き出さない。
end
- Re: ハイキューBL! ( No.412 )
- 日時: 2015/08/02 00:25
- 名前: くるる (ID: w8qbVVkg)
まつはな
「けほっ、ごほっ」
絶え間なく続くその咳は愛しい君だった。
「花、今日はもう上がんな。ずっと咳治まるの待っててもしょうがねぇべ」
「で、も、かはっ、はっ、ゲホッ」
「あー、もう喋んなくていいから。及川ー」
「マッキーでしょ?あんま無理しないで。とりあえず今日はもう休んでいいからね!」
ごめん、と音にもなっていないその声が、酷く痛ましい。虚ろな目を見る限りこれは一人では帰れなさそうだ。
及川やコーチに事情を説明して俺も帰らせて貰うことにした。
「松川、これ、水。花巻に飲ませてやって」
「お、岩泉。ありがとな」
頼れる副主将に礼を言って、未だ咳を続かせる彼を運んだ。おんぶなんて、久し振りだ。少し生意気な妹が、怪我をした以来か。あの時とは違う、自分と近い重さが背中にのしかかる。自分より幾らか熱い肌が布を通ってきた。
「大丈夫、大丈夫だからな。すぐ良くなる」
「こほっ、っは、ぁ、うぁ、」
何かを言いたそうに彼はもがく。けれどそれは声にはならず、吐息を吐くだけだった。先程から耳や首に息がかかってきて擽ったい。
溺れているみたいだ。
着いたのは保健室。けれど先生がいなかったので、勝手にベットを拝借した。先程岩泉に貰った水と、彼の鞄に入っていた薬を片手に、彼の元まで行く。
「はーな、薬飲もうな。飲める?」
喋ることもままならない彼は苦しそうに浅く頷いた。彼を一旦起こさせて、背中を摩りながら薬を飲ませた。口の端から溢れる水が嫌に艷めかしい。
「っふ、ぁ、ゴホッ、かはっ」
「もうすぐしたら薬、効いてくるから。大丈夫、だいじょぶ」
無力な俺はそれしか出来ない。それしか言えない。
だから精一杯してやろう。言ってやろう。
それで明日も笑ってくれるのなら、愛してくれるのなら。
「ま、つ」
「ん...花?おはよ、もう大丈夫なの?」
「おかげさまで...。つか、ごめん、俺、お前の練習の邪魔して、」
「花が謝ることじゃない。隣に病人いたら最後まで付き添うよ」
当たり前のことを述べただけなのに、彼は何故か顔を赤くさせた。何かおかしかっただろうか。
「俺、何か変なこと言った?」
「いや、ち...がうから、うれしいだけ...」
細く消え入りそうなその声は酷く熱を帯びていて。
抱き締めたくなるその笑顔に、触れられない。今触れればまた発作が起こるかもしれないし、何より、脆すぎる彼を、壊してしまうかもしれない。
「...花、さ」
だからまだ、力になれるかもしれないのなら、
「発作とか、起きた時って、どんな感じ?」
俺に出来ることは何でもしよう。彼が望むのならこの体を交換したっていい。
だから、何か言って。そうしないと俺が消えてしまうかもしれない。俺の代わりなんていくらでもいるのだから。
「どしたの松」
「いや、ほら、聞きたくなっちゃって。嫌だったら別にいいんだけど」
「あぁいや。意外だったから、大丈夫。え、と...ずっと咳してたらさ俺何してんだろって思う。なんで俺だけ、とか。苦しくて苦しくて、だんだん何も分からなくなって、それでさ」
あぁもう死んじゃってもいいや、なんて。
彼はそう言って笑った。潤む涙は止まらず、そのまま頬に流れた。
「あれ、何泣いてんだろうな...俺。こんな、泣くつもりじゃ、」
「花ごめん。我慢しなくていいから、泣いていいから」
そんな笑顔を見せないで。泣くなら思いっきり泣いて。受け止めるから。君が泣くなら俺も泣くから。君が笑うなら俺も笑うから。だから、そんな諦めた様な笑みを、本当に消えてしまいそうな笑みを見せないで。
君がそうやって笑うから、俺はいつまでも君の傍にいたいんだ。
「ねぇ松」
「んー?」
「俺がこんなんでも、俺を愛してくれる?」
「花がそう思うんなら、俺は二倍花を愛すよ?」
「そっか...うん、ありがと」
だから俺は俺を愛せない。
end
喘息って辛いんすよ...ほんと
最近雰囲気くらいやつしか書いてねぇわ
- Re: ハイキューBL! ( No.413 )
- 日時: 2015/08/02 22:50
- 名前: くるる (ID: w8qbVVkg)
ぼくあか
欲なんて、数える程しか無かったのに
貴方に出会ってから、貴方を知ってから
自分が自分じゃ無くなるみたいに。
その声で俺を呼んで。
その手で俺に触れて。
その目で俺を見て。
もっと、もっと、もっと、
俺を愛して。
その存在で俺を満たしてください。
おいいわ
きっと、前から分かっていたことだった。
君の心はもうここには無いって。
どこかへ行ってしまったって。
あぁ、あの時もっと愛してるって言えば、素直になれば。
「あいしてるよ」
今更叫んでも、君には届かない。
はなまつ
好きだと言われた。
うまく状況が飲み込めなくて、返事は取り敢えず保留。
だけどだけど、冷静になればいつも考えるのは彼のこと。
それでも、もう少し待たせてみよう。
彼がもどかしくなる日まで、まだ。
(もういいかい)
(まぁだだよ)
気持ちのかくれんぼ。
end
- Re: ハイキューBL! ( No.414 )
- 日時: 2015/08/04 16:47
- 名前: くるる (ID: 1T0V/L.3)
ぼくあか
ある日、君の姿を見た。脅かしてやろうと後ろから君を追いかけていると、君はピタリと立ち止まってこちらを振り返った。どうやらバレバレだったらしく、足音で分かりましたよ、と呆れたように言われた。けれど、おかしい。何メートルも離れて足音だって忍ばせていたのに。彼はそんなに耳がいいのか、なんてその頃はそう思っていた。
またある日、いやその日は合宿中。風呂に入ろうとしたら君の体は妙に犬や猫の様なにおいがした。尋ねると、あぁ飼っていますよ、と。けれど風呂に入っても取れないそのにおいに首を傾げた。それに、彼の家は確かマンションで、ペットはダメだったような。もう一度尋ねようとしたけど、君は焦ったように次へ次へと話題を与えてくるものだから、隙が無い。君にしては珍しいから、少し嬉しくなって、どうでもよくなったのを覚えている。
合宿最終日、今度は本当におかしかった。旅館で出る食事にほとんど手を付けなかったのである。そこには菜の花のからし和えもあったから、食べないのか?と聞けば食欲なくて、と返された。しかも無表情。いつもそうなのだけれど、その無表情の中には少なからず反応がある。しかも意外と表情豊かなのだ。それなのにその日は完全に無。
段々心配になって、無理矢理にでも食べさそうとしたら一口だけ食べた。あぁ美味しいです、なんて、全くの無表情のまま。
朝食が終わると、君は勢い良く飛び出してトイレに向かっていた。慌てて追いかけると、そこで見たのは、彼が嘔吐している様子だった。酷く辛そうで、俺のせいだと直感した。それ以外に誰がいる。こんなにも辛そうにしたのは、他ならぬ自分じゃあないか。
「あかあし」
「...っは、え、ぼく、とさ」
「俺のせいだよな。ごめん、ごめんな」
「...いえ、違います。本当に、違うんです。もっと、別の理由です」
君はそう言って俯いた。先程よりも辛そうな表情。そんな顔させたのは、誰だよ。
「教えて、赤葦」
「ダメです。言ったら貴方、俺に触れることさえできないですよ。今まで、そうでしたから」
「教えろ」
いつもより低い声。
その声は、微かに震えてはいなかったか。
「...何を言っても貴方には無駄みたいですね」
「俺がそういう奴って知ってるでしょ?赤葦」
「まぁ、そうですね。では、話しましょうかね」
君は口を開いた。唇から覗くその歯はなんだか野獣を連想させた。
俺はね木兎さん、獣なんです。
...ふふ。ほら、びっくりしたでしょう?けれど、怯えた様な目をしなかったのは貴方だけです。
といっても、最近なんですけどね。どうしてなった?そんなの、分かりませんよ。野菜とか食べると内臓が受け付けないみたいで、すぐ吐き出します。食えるのは、肉、ですかね。生きてるやつ。
あぁだけど流石にそこまで出来ないです。せいぜい店に売ってる生の肉とか。ま、生きてて特に不自由は無いですよ。耳と目と運動神経が良くなって、パワーもついたみたいですし。
だから、そういう不細工な顔しなくていいです。
「こんな所ですかね。何かご質問は?」
「そんなわざとらしくすんな。赤葦、人の肉は?」
「あ、一番好きですよ。食ったことないけど。汗とか血に塗れている所見ると、食べたくて食べたくて」
「なら、食う?」
君は少し驚いた様な顔をして、笑った。その笑みはいつもの君で、安心した。やはり君は君だ。ほかの誰でもないのだ。
獣になったって、梟谷のセッターには変わりない。
「何言ってるんすか...」
「俺の、肉、ちょこっとでいいから、食う?」
「それは流石に無理ですよ。それに、木兎さんみたいな肉、ちょっとじゃ済みません」
ぐちゃぐちゃにしてしまうかも、しれないですから。
口角を上げて君はニヤリと笑った。そこには少しの恐怖と、それを遥かに超える興奮を覚えた。
にんげんとmonster
end
- Re: ハイキューBL! ( No.415 )
- 日時: 2015/08/06 00:15
- 名前: くるる (ID: ERCwuHMr)
そろそろここも終いにしてみようと思います。
そういう約束的なのを以前してそれっきりだったし、言ったことは守らないといけないですし。
スレ一つ消えても、記憶は段々薄れていくだろうし。人間とはそういう者だから。
ありがとうございました。本当に、本当に。皆様がいたから私はここまでこれました。出来ることなら参照一万オーバーしたかったw
そこまで出来なかった私もまだまだだなぁ、と思っております。
見てくれた方がいるのかは分からないけれど、皆様の御要望、または期待に添える様なものを書けず本当に申し訳ありませんでした。こうすれば良かった、と後悔しております。拙い文章に反省しております。
それでも、見てくれた方が一人でもいるのなら、私はとても嬉しいです。一人でも面白いと言ってくれた方がいてくれて、その度に飛び上がる思いでした。本当にありがとうございました。
ハイキューBL!最後の小説をこれから書きたいと思っています。
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